【PSO2】ABT2017出場者座談会01:舞台はタイムアタックから対人戦へ!今だからこそ語れる、戦術と「秘密の対策」

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なんの武器が出るかという
「運」要素と向き合う

――試合を見ているだけでは、全くわからない裏話ですね。また、試合を見返してみたくなりました。アストレアさんのチームは、ケツテクを活用するシーンよりも、ソードとブーツで戦っているシーンが多かったように感じます。

アストレア:最終的にはルールに合わせる形でケツテクは活用していましたけど、僕らはソードとブーツにこだわっていましたから、そう見えたのかもしれません。バトルアリーナでは、ソードとブーツが強武器なので、「ロッドはチームに1本まで」というルールを課していましたね。ケツテクに関しては、ロッドはスキルや状況が噛み合った時は使いますし、ブーツのグランウェイブはケツグランが強力なので、活用するポイントは多かったです。

Keyta:ジェットブーツのケツグランに関しては、ルールで使用可となってからは、活用することが多かったですね。相手の画面ではキャラクターのエフェクトを壁に置き去りにし、実体は相手に向かって攻撃したり、相手に姿を見せないままエンブレムを回収しにいくという戦略は非常に強力です。

――ソードとブーツが強いというのは、バトルアリーナのプレイヤーの間では周知されていたことですが、武器のピック運に左右されることはなかったのでしょうか。

NINJA:それが一番頭を悩ませたことですね。運の要素がある場所ですから。正直、先ほど話題に挙がったケツテクよりもライジングエッジが強すぎる事のほうが遥かに問題でした。ライジングエッジの出た本数の多さが露骨に勝率に反映されてしまっていたので。最初は、いろいろと武器を掘るタイミングを考えていたんですが、基本的には弱い武器ではフィールドに降りずに「出るまで掘る」のが強いのではという結論になりましたね。もちろん、ランクマッチではそういうわけにもいかないのでABTならでは作戦であったとは思います。

アストレア:確率が武器ごとに均等なのだとすると、40%くらいの確率で、ソードかジェットブーツをひけるんです。だから、そこを信じて引くというシーンは多かったですね。

――ケツテクがあれだけ話題になっていたので、ロッドが強力なのかと思いきや、鍵となるのは実はソードだったんですね。ケツテクは見た目のインパクトや、ややネガティブなイメージがあり話題にされやすかったのかもしれませんね。

アストレア:そうですね。試合を観直しても、ソードの貢献度がよくわかると思います。少なくとも、ABTのために練習していたチームは、ケツテクよりもソードを恐れていたと思いますよ。

:理屈ではわかっていても、心を折られるような武器の出方をするときはありましたね。みんな一斉にバレットボウを持っている状況とかがわかってしまうと、すごく焦ります(笑)

△バトルアリーナでは、どの武器をひくかが「運」要素となっている。この要素のぶれをどう解決するかというのも、大きな課題だったそうだ。

アストレア:ピック運もそうなんですが、それ以上に辛い「運」の要素もありました。バトルアリーナもそうなのですが、『PSO2』の仕様として、ダメージが若干バラけるんですね。この仕様が、勝敗を分けるシーンが多いのが、歯がゆいところでした。ソード同士でPAを打ち合って、ダメージのぶれで自分だけやられてしまって「なんでだよ」という状況がたまにあるんですよ。

Keyta:「なんでだよ」という可愛いレベルじゃなく練習中に私物を器物破損(モニター破壊、マウス破壊)しそうな勢いで、アストレアさんは怒ってました(笑)武器のピックは数で解消できる部分もあるんですけど、ダメージのぶれだけは本当に運ですからね。ただそれ以外の運要素は、かなり軽減できるんですよ。ピックにはいろいろな議論があったんですが、自分の感覚としてはピックをマメにし続ける事を徹底できている人が強かったと自分は思いました。

:私のチームとアストレアさんのチームは、2013年のAGPで優勝した方に、練習を手伝ってもらってました。その人から、多 vs 多における対人戦の基本的な立ち回りや用語説明などをしてもらいつつ、ピックについても議論や実践を進めました。その人は、試合中に武器がばれた後、ライジングを持っていようがブーツを持っていようが所持武器の対策を取られないようにピックをし、武器に合わせた立ち回りを常に変えていくスタイルでした。彼の口癖は「お前らはプレイヤースキルが足りていない。武器に合わせた立ち回りを全員が出来ればピック運は関係ない。立ち位置を誰がどこと決める等論外」というもので、毎試合相当な数のピックしてましたよ(笑)アストレアさんも立ち回りに関して散々怒られてましたね。そういった議論や実践を経て、だんだん自分たちのチームの動きができあかってきた感覚があります。

アストレア:ちなみに、モニターを壊しかけたのはダメージだけじゃなくて相手のラグがひどかったからです。優勝したので言いますけど、ダメージのぶれはバトルアリーナでは修正して欲しいですね(怒)

ゲーム内で起きうることを
諦めずに検証する

:「ラグ」については、環境差で発生するものが最初は問題になりましたね。オンラインで対戦する以上、通信の遅延は起こるんですが、『PSO2』は複数のプラットフォームで運営されている作品なので、練習試合では全然感覚が違うことがあります。プレイヤーを相手にしないオンラインゲームとして遊ぶ分には、多少のラグがあったとしても、それによって何かが崩れるようなゲームバランスではないのですが、バトルアリーナは一撃死のある世界ですから、その些細な違いが勝敗を分けることがあるんです。だから我々は、バトルアリーナのレギュレーションが発表された時、完全にそれと同じ環境を再現して練習することにしました。チームによっては、回線がどうしても遅い人が居る際、リーダー自らお金を払ってメンバーの回線環境を整えるチームもありました。

練習中にプレイヤーたちを悩ませた
「ラグ」が試合に与える影響
以下は、対戦中に発生したラグが、バトルに大きな影響を与えていることがわかるシーンとなっている。練習環境を整えることである程度回避できるとのことだが、予期せぬ発生は何度かあったという。

アストレア:AGPの頃から、練習はなるべく本番環境に近い形でやっていたんですが、今回は早い段階でそれを意識しましたね。僕は、普段PCで遊んでいるので、プレイステーション4で『PSO2』をやるのは、ちょっと新鮮でした(笑)

:少し話は変わりますが、特に今回公式指定のデバイスを揃えて練習する意味はすごく大きかったですね。まずキーボードですが、近くのボタンを3つ同時認証しないものになります。例えば後ろ斜めステップを行うための「S」+「A」+「X」の同時押しが効きません。(前ステップの「W」+「A」+「X」は効きます。)そのため、後ろ斜めステップを諦めるか、ボタン配置を大きく変更する必要がありました。次にマウスですが、こちらもABTで使用するものと、我々が普段使用しているものでは癖が違いました。うちのチームのFPS勢はこの2つの要素がまず壁となって、立ち回りが制限されているように感じたり、狙いについてもなかなか慣れませんでした。今だから言えますが、デバイスをそろえた時、一度心がへし折れていました(笑)

――手慣れたデバイスとは異なるものでプレイするのは、慣れが必要ですもんね。僕も、格闘ゲームで何度か経験しました。

操作デバイスの検証動画
以下の動画は、NINJA氏が、ABT指定マウスと、普段使いのゲーミングマウスの操作を比較したもの。マウスを真横に移動させているが、やや挙動が違うのがわかるはず。こうしたデバイスの「癖」を把握し、環境を合わせることも、重要な要素のひとつなのだとか。
ABT指定のマウス

「ゲーミングマウス」として普段使用しているもの

NINJA:でも、我々を含めて、ABTに向けてやり込んでいるプレイヤーは、「運」の要素に怒りつつも、やはりそれを受け入れてプレイしていた人が多かったと思います。「運ゲーです」と諦めてしまうと、そこでうまくなるのが止まってしまう気がして。あとは、目の前で現象として起きたことは、全て「検証」しましたね。『PSO2』って、対CPU戦、RPGとしてつくられた作品なので、対人を前提とした挙動なのかどうか判断しかねる部分があるんですよ。スタンショットは、喰らってもステップでかわしても5秒間効かなくなるといった隠された仕様なども見つかりましたね。

Keyta:さらに、インジュリーとスタンショットはそれぞれを上書きするという仕様も見つかりましたね。インジュリー中にスタンを喰らうとインジュリーが解けるんですよね。逆にスタンショットを当ててインジュリーをかけるともう一度スタンショットが、さっきの5秒ルール以内でも効くとかがありましたね。あまり知られていないかもしれませんが、SAやPAのJAの仕様なども、とても重要な知識でした。

NINJA:自分もたまにやってしまうのですが、ピアッシングシェルを空中最速で2発撃つと、1発目ののけぞり中に2発目が当たってしまい、のけぞりが途中で解けてしまうので3発目をステップ等で避けられてしまいます。原因をラグで片付けてしまうと本番でも同様の問題が起きてしまいますので、チームとしてそのあたりの取り組みは良かったと思っています。

――「運」の要素が絡む戦いでありながらも、それを諦めずに検証したり、繰り返しやることで突破口を見つけたのですね。決勝大会の詳しい振り返りについては、また別の機会にやろうと思っているのですが、皆さんの大会の感想はいかがですか。

アストレア:本当に勝ててよかったなと思いますね。不安視していた、準決勝からのマップは、やっぱりはらはらしました。僕らはなんだかんだ、楽しみながら上達できたのが良かったと思います。いろいろなチームと練習試合なんかもしましたが、楽しんで続けていた人が活躍していた印象は強いですね。

Keyta:味方の動きにもたびたび驚かせられましたが、相手の動きは想定の範囲内だったのでなんだかんだ勝利を信じてプレイできました(笑)回数を重ねていたからこそ、こうした自信が勝利に繋がったと思います。僕たち、梅さんも含めて、バトルアリーナを練習している間は本編を遊んでいないんですよ。ヒーローどころか、デウス・エスカと初対戦という人も多いはずです(笑)

NINJA:他チームの試合を高みの見物している時が一番楽しかったですね。(笑)

:よく練習試合をしていたチームが上位に残ったので、始まる前にどのチームが勝ってもおかしくないよねと話していたんですけど、やっぱり悔しいですね。バトルアリーナって、後から負けた理由がいくらでも浮かんでくるんですよ。「あそこで違う行動をしていれば」とか、「あれがなければ」とか(笑)それって、読み合いの結果なので、そこで最適解をひけなかったというのは、流れや運のようなものもあるんですけど、悔しさはありますよね(笑)

――みなさんは、バトルアリーナでの大会があれば、出たいと思いますか?

Keyta:もう出ないです(笑)

:早っ(笑)でも、去年のAGPでKeytaくんが優勝した時も、「次はない」って言ってたから、まだわからないですよね(笑)僕は、次があれば出たいですけど、今から次を考えると本編を遊べないということになりかねないので、しばらくは本編を楽しみたいですね。

NINJA:優勝するには今日からバトルをやり込み続ける必要があると思いますが、その覚悟があるかといえばちょっと微妙ですね。とはいえ、9月にバトルアリーナのアップデートがありますので、こっそりとプレイしているかもしれませんが(笑)

アストレア:僕はまた、次があれば出たいですね。

ーーアストレアさんは、「大会」が好きだから、対決のコンテンツがコスプレだけになっても出てそうな印象あります。

アストレア:いや、さすがにコスプレでは出ないです(笑)ただ、『PSO2』というゲームを使って、何か競い合う機会がまたあるなら、AGP、ABTじゃなくても出ていきたいですね。

ーー今日は、ありがとうございました。次は、試合動画を見つつ、感想などを語り合いたいですね。

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当選者の方には、DMにてお知らせいたします。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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