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【メイキング オブ『俺達の世界わ終っている。』】物語の名手レッド・エンタテインメントはなぜ「神ゲー」を作り出せたのか【森田直樹氏インタビュー】

   

『オレオワ』を支えるクリエイターたち


――シナリオについては、ラノベ作家の阿智太郎さんが参加していますが、これは制作のどの段階で参加してもらったのでしょうか。

森田:僕がプロットを書ききったタイミングですね。阿智くんは元々レッドにいたメンバーなんです。僕もいっしょに仕事をしたことがあったので、新しいものを一緒に作る相棒となると彼しかいないなと思って、早い段階でオファーはしていました。僕は、つくりながらいろいろ考えたり、やっぱ変えるとかやってしまうタイプなので、それに対応してくれるライターさんとなると阿智くんしかいないというのもあります。そのうえで、「ラノベ的なノリ」というのを求めていたので、ドンピシャでしたね。電話して「断らないよね」みたいなオーラを出した記憶があります(笑)

――結果、断られなかったんですね(笑)シナリオは、どのような体制で書き上げたのでしょうか。膨大なボリュームで、プレイしていて驚きました。

森田:最初に作ったプロットを元に、僕と阿智くんと、僕のアシスタントの3人で書き上げました。骨格となるストーリーの展開やセリフは僕がプロットで書いていたので、阿智くんがそれを膨らませてシナリオとして整えてくれて、さらに社内のスタッフで選択肢やイベントを書き足して、みたいな感じですね。しかも、途中で僕が全体の構成を作り直したりしたから、最終的な完成形は阿智くんでも把握しきれてないかも(笑)とにかくギリギリまでシナリオは調整しましたからね。企画を立た時から、全体のボリュームについては考えていて、ノベルゲームなんでやっぱりシナリオの満足感というのは大事だろうと思っていました。話が面白いか面白くないかは、遊んでくれる人の好みでややぶれたりもしますが、「ボリュームが少ない」というのは、好みに関わらないことなので、評価として辛いじゃないですか。そこで、ボリュームの多いアドベンチャーゲームは、だいたい2メガから3メガくらいの容量らしいぞということをネットで知って、まずは3メガを目標にしましたね。阿智くんには二人で100万字書くぞ!って宣言してました。

――100万文字!実際に書かれたのは、どれくらいの分量になるのでしょうか。

森田:実際に書いたのは3Mを超えたくらいですから、150万文字くらいですかね。ただ、もともとあったプロットからして、長いお話になるのは分かっていたので、言うほどデータの量を意識しまくっていたわけではないんです。ただ、ゲームが終わったあとに、「やっぱり終わるのがいやだ、もっとこの世界が続けばいいのに」と思って欲しくて、それを体験させるには、ちょっとくどいくらいにキャラクターたちと一緒に冒険するのが良いだろうと考えていたんです。僕も、これだけ文字を書いたのは生まれて初めてですね。今回、僕は一応ディレクターなので、シナリオの他にもいろいろな発注や監修や調整も並行しながらだったので、シナリオチームのメンバーにはたくさん助けてもらいましたね。スタッフロールを見てもらえばわかるのですが、このゲームってかなり小さなチームで作っているんですよ。だからこんな無茶な作り方ができたというのもありますけど。

――作中の選択肢の後の、小分岐まで、しっかりボリュームがあるのには驚きました。2周目のプレイでは、既読スキップを使ってゲームを進めていくんですが、既読になってないところが意外に多かったです(笑)

森田:単純にぼくが古い考え方なので、今風の作りじゃないのかもしれませんね。最近は、共通ルート、個別ルートを合わせて10時間くらいで終えられるスマートなゲームも多いじゃないですか。そういうゲームのあり方も素敵だと思うのですが、オレオワの場合は「7人でずっと最後まで」というのがやりたかったんで、個別ルートという考えは排除して、縦に長いゲームになっているんです。自分としては、横への広がりよりも、縦への長さを意識しましたね。その結果として、終わらないよこのゲームという感想が生まれるくらいくどいゲームになってしまったのかもしれません。確かにちょっと長すぎたかも(笑)

――確かに縦にとても長いゲームですね。でも一方で、選択肢ごとに小さな分岐、キャラクターの反応が変わったりする部分はすごく書き込んでいますし、変化がいろいろありますよね。そして、ちゃんと物語の後半に個別ルートを設けていて、男キャラクターまでしっかり用意されています。僕は、枝葉も凄いぞと思っています(笑)そして、そういう枝葉のとこにぐっとくるんですよ。

森田:ありがとうございます。枝葉については、プロットに無かったことも、どんどん足していくという作り方の副産物的なところもありますね。面白くなると思ったら、前の方を書き直してでも、そこを作りたくなっちゃうということも多かったです。少人数で作るアドベンチャーゲームならではのやり方でしょうけど、それがいいように出たのかもしれませんね。あとは、このジャッジメント7のお話って、「無駄の積み重ね」みたいなところで動き出すことも多いじゃないですか。どうでもいいような事ばかり話してるけど、それが面白さや、キャラクターの魅力を支えるものになってほしいなと思って、選択肢のあとの分岐はなるべく変化を持たせることを意識しましたね。

――やはり、このゲームに惹きつけられるのは、クリエイターのこだわりが、妥協せずに詰め込まれているからだと実感しました。次に、イラストのお話に移らせてください。キャラクターデザインを白井鋭利さんにお願いすることになった経緯についてお聞かせいただけますか?

森田:最初のプロットを書ききったあたりで、さて絵をどうしようと考え始めました。絵については、女の子がいっぱい出てくるんで、もちろん男性ウケは意識はしてはいたんです。でも、直球のギャルゲーというよりは、いろいろなプレイヤーの目をひく絵が欲しかったので。パッケージを見て、「これはなんだろう」と興味を持ってもらえるような絵はないだろうかとネットで検索していたんですが、そんなときにスタッフの一人から白井さんの絵を見せてもらったんです。光の表現がとても美しくて、このゲームの夏という舞台にぴったりだなと、一目惚れしてコンタクトを取ったんです。

――キャラクターのデザインは、スムーズに決まったのでしょうか。

森田:そうですね。ラフデザインの段階からこちらのイメージに合う絵をあげてくれました。ただ、ユウノ、イルカはちょっと難航したんです。ユウノはなかなか可愛くならないし、イルカについては、こちらも探り探りだったので、イメージが伝わりにくかったところもあっただろうなと後から反省しました(笑)初期のイルカのデザインは、今のものと別人なので、逆にインパクトが凄いと思いますが、当時は「これじゃないよ!」と(笑)。

△こちらが初期のデザイン画。金髪の少年が、イルカとしてデザインされていたそうだ。

△難航したというユウノのデザイン案の一部。

――本当ですね(笑)このイルカさんが出ている『オレオワ』も気になります。しかし、白井さんの絵は、万人受けというような無難なものではなく、「いろいろな人が気になってしまう」美しい絵ですよね。ポスターみたいな販促物にも映えていました。ゲーム内の背景描写などにも驚かされたのですが、あれは白井さんのイラストの雰囲気を取り入れたものなのでしょうか。

森田:背景をお願いしたクリープさんが、キャラクターが白井さんの絵だったら背景もいろいろエフェクトに拘りたいって言ってくれたんです。彼らが自分たちなりの白井フィルターを編み出してくれて、ゲームの背景に落とし込んでくれました。まず普通のゲームと同じように背景を仕上てから、それを3枚重ねて、ちょっとずらしたりして色がずれた感じにしたり、キラキラしたエフェクトを足したりと、かなり手間がかかってるんですよ。せっかく書きこんだ部分もあえてぼかしたり滲ませたりと贅沢な作りなんです。

△幻想的な雰囲気を持つ独特の背景も本作の大きな魅力の一つ。

――BGMや主題歌といった、音の部分についてはいかがですか?

森田:音に関してはEXIT TUNESさんにBGMも主題歌もSEも一式お願いしました。BGMに関しては曲名だけは考えたものの、あとは文字で「こんなイメージです」としか書けなかったのですが、作曲家さんが企画書やプロットにも目を通していただいて、一発目からイメージに近いものをあげてもらえて驚きましたね。僕が自分で手を動かさないパートはこんなにサクサク進むんだなって思いました(笑)主題歌に関しては、EXIT TUNESさんにいろんなアーティストさんの候補に出していただきました。こんな人もいますよって中に164さんと、くろくもさんの名前があったんです。164さんの曲はすごくかっこよくて、サンプルを聞かせてもらったらギターが心地よい楽曲で、『オレオワ』の雰囲気に合うかどうかは抜きにして、聞いた瞬間一目惚れした感じだったんです。でもくろくもさんの歌声もすごく素敵で。どちらも選べない(笑)そこで、「このお二人で主題歌をつくっていただけないでしょうか」って形で、ダメ元でお願いしたら、それを実現していただいたんです。めっちゃ贅沢なコラボですよね。

――楽曲の制作をお願いするに当たって、どのような資料をお渡ししたのでしょうか。

森田:企画書やプロットなどの資料と、歌詞に入れて欲しいキーワード、あとは楽曲のタイトルをお送りさせていただきました。『World End Heaven』と『Eternal Days(working title)』というタイトルですね。作詞は基本的に164さんお任せなのですが、タイトルだけは無理をいってゲームの世界観に合わせてもらいました。渡したプロットもとても長いものなんですが、164さんが読み込んでくれたようで、『オレオワ』の物語にピタリとはまる楽曲に仕上げてくださったんです。いや、プロの仕事ですよね。

OP主題歌「World End Heaven」とED主題歌「Eternal Days(working title)」が収録された
くろくも1stシングルが好評発売中!

もうすぐ、世界が始まる_____
インターネット上で大人気のボーカリスト「くろくも」待望のメジャー1stシングルがEXIT TUNESよりリリース! PlayStation®Vita用ソフト「俺達の世界わ終っている。」タイアップのOP&EDに加え、新規書き下ろしc/w曲収録!全曲を人気ボカロPの164が制作!

TrackList
01. World End Heaven/「俺達の世界わ終っている。」OP主題歌
02. Eternal Days(working title)/「俺達の世界わ終っている。」ED主題歌
03. 今宵の緋い月の下で
04. World End Heaven [Instrumental]
05. Eternal Days(working title) [Instrumental]
06. 今宵の緋い月の下で [Instrumental]
●オンライン限定版
ゲーム本編ヒロイン達がカラオケにやってきた!?レッド・エンタテインメント書き下ろしによるミニドラマと各ヒロインが主題歌「World End Heaven」をカバーした特典CD付!
さらに、特典CDと本体を収納できる豪華BOX付!
特典CDTrackList
01.娘達の熱唱は始っている。
   出演:早瀬アサノ(CV:喜多村英梨)
     結城七罪(CV:大西沙織)
     タチアナ(CV:花守ゆみり)
     早瀬ユウノ(CV:佐倉綾音)
02.World End Heaven / ユウノver. 歌:早瀬ユウノ(CV:佐倉綾音)
03.World End Heaven / タチアナver. 歌:タチアナ(CV:花守ゆみり)
04.World End Heaven / 七罪ver. 歌:結城七罪(CV:大西沙織)
05.World End Heaven / アサノver. 歌:早瀬アサノ(CV:喜多村英梨)
06.娘達の熱唱は終っている。
   出演:早瀬アサノ(CV:喜多村英梨)
     結城七罪(CV:大西沙織)
     タチアナ(CV:花守ゆみり)
     早瀬ユウノ(CV:佐倉綾音)

CD特設HPはこちら
http://kurokumo1stweh.extsm.com/

オンライン限定盤購入はこちら
http://potune.jp/item/?id=4836

EXIT TUNESお問い合わせはこちら
http://exittunes.com/inquiry/

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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