【餓狼伝説CotW】12月9日配信!Mr.BIGのグレイトな動きと見どころをご紹介!

Mr. BIGが久しぶりに戦いのステージに帰ってきた……。

Mr.BIGは『龍虎の拳』が初出のキャラクターで、SNKの人気作品『ザ・キング・ オブ・ ファイターズ』シリーズに稀に出演したり、『ネオジオバトルコロシアム』で印象的な強さを発揮したり、たまに出てきては話題を残していく渋みのある悪役である。『餓狼伝説CotW』では、ストーリーモードでサプライズ的に登場し、物語に深く関わるイイ感じの悪役っぷりを見せつけてくれた。

2本のスティックを操る“棒術”は、ビリー・カーンのものとはまた異なる強みと面白さがあり、大変グレイトなキャラクターとなっている。『龍虎の拳』の初出の際に”ジャンプができない”という仕様を持っていたため、「本作ではジャンプできるのだろうか」と心配していたが、斜め入力で軽やかにジャンプし、ステップキャンセルジャンプも可能だったことにも安心した。

本記事ではMr.BIGのプレイフィールをご紹介する。

グレイトな通常技を使い分けよう

Mr.BIGの通常技には棒術を使ったユニークなものが揃っており、使い分けることで他のキャラクターとは一味違った地上戦やラッシュを仕掛けることができる。『餓狼伝説CotW』は通常技からコンボが爽快につながるゲームなので、リーチの長いけん制技というのはそれだけで大きな強みになるのだ。

リーチの長い遠距離立ち弱Pはリーチに優れるローリスクなけん制技となっておりキャンセルも可能。飛び道具のグランドブラスターをキャンセルで繰り出せば、離れた位置から相手の動きを抑制することができそうだ。
遠距離立ち強Pはヒットorガード後に派生でコンビネーションを繰り出せるためヒット確認しやすいけん制技となっている。相手が前に出ようとするところに置いておくように出すと良いだろう。

▲相手の動きを止めやすい遠距離立ち弱Pは地味ながら強力。キャンセルグランドブラスターの選択肢もアリだ。

▲遠距離立ち強Pはコンビネーションへと派生できるため、ヒット確認が容易。

近距離立ち強KはガードさせたあともMr.BIGが先に動き出せる強力な技で、ここからは遠距離立ち強Kやしゃがみ強Pが暴れ潰しになる。近距離立ち強Kはヒット時もしゃがみ弱Pや弱カリフォルニアロマンスで追撃可能なため、近距離でのラッシュで重宝しそうだ。ジャンプやダッシュで近づいたあとや、起き攻めなど、狙える状況が多い主力技となっているので、ここからの連係やコンボはしっかりと練習しておこう。

▲近距離立ち強KはガードされてもMr.BIG側が大幅有利。遠距離立ち強Dなどが暴れ潰しになるスゴ技となっている。

ジャンプ攻撃は、ジャンプ弱Pがめくりを狙える。ジャンプ強Kは下方向に強いため、正面から飛び込む際はこちらを使うとよさそうだ。ジャンプ強Pは二段技だが、打点が低いと二段目が空振りしやすいことに注意しよう。

▲ジャンプ攻撃の中では、ジャンプDが飛び込みに使いやすい。

Mr.BIGを使う上で注意したいのは、最も発生が早い打撃技は近距離立ち弱Pで、次に発生が早い技はしゃがみ弱Kとなっていること。近距離立ち弱Pは近距離の認識間合いの関係上、割り込みで出せる状況が少ないため、とっさに通常技で割り込む場合はしゃがみ弱Kを押すことを意識しておこう。しゃがみ弱Kからはしゃがみ弱Pがつながるため。そのままコンボに持ち込める。

多彩でグレイトな必殺技群

グランドブラスターは弱版は発生が早いが、近い間合いでガードされると不利な状況になりやすいので、通常技から繰り出す場合はなるべく先端部分をガードさせるように使おう。強版グランドブラスターはガードさせてMr.BIG側が有利になるが、発生が遅いため、キャンセルで出す場合は発生前を攻撃されないよう注意。

▲グランドブラスターはMr.BIGの強さを支える飛び道具。通常技キャンセルで繰り出し、相手を押さえつけていこう。

カリフォルニアロマンスは一見無敵技に見えるが、残念ながら無敵はない。ただし、対空中攻撃無敵はあるため、相手の飛び込みはしっかり弱カリフォルニアロマンスで迎撃していこう。強カリフォルニアロマンスは推進力を活かした連続技のパーツとして重宝する。強版とRev版のカリフォルニアロマンスは、攻撃発生前の移動時と、攻撃ヒット時の2段目の2か所でブレーキングが可能。移動中のブレーキングは奇襲で投げを仕掛ける場合などに使えそうだ。なお、強カリフォルニアロマンスの打撃部分のブレーキングは、ガードされてしまうと弱攻撃で反撃されてしまうことに注意。

クロスダイビングは突進技だが、ガードされると反撃を受けるので基本的には連続技のパーツとして使う。攻撃判定発生前にブレーキングが可能だが、全体動作は大きいので、多用は控えたほうがよさそうだ。

クレイジードラムはスティックを振り回しながら前進する技で、ガードされても隙が小さいものの、リーチは短い。弱版は弱攻撃から連続技になるが、リーチは短いので弱攻撃を刻んだあとは届かなくなることに注意。強版は発生はやや遅いが、強攻撃キャンセルから繰り出せば連続技になる。ヒット時は弱カリフォルニアロマンスなどで追撃がかけられるため見返りも大きい。

ドラムショットはコマンド投げで、相手のガードを崩す際に重宝する。Rev版はRev技で追撃をかけられるので見返りも大きい。投げ間合いは狭いので、なるべく密着状態で発動しよう。

▲コマンド投げのドラムショットがあるため、近距離の圧はかなりのもの。

パリィオブザシラットは相手の攻撃を受け止める技で、弱版は上・中段攻撃、強版は下段攻撃、Rev版は上・中・下段すべてを受け止めることができる。相手の攻撃を受け止める判定が出るのは、コマンド入力完成直後ではないため、リバーサルなどでは使いにくい。この技の大きな特徴として、相手の攻撃を受け止めなくても派生技を繰り出せるため、「様子見」でリスクを負わされにくいという点が挙げられる。相手のけん制技や、こちらの攻撃をガードさせたあとの「打ち返し」に対して狙ってみよう。

▲見てから出すのではなく、置いておくように使うことで真価を発揮するパリィオブシラット。

ブラスターウェイブは発生前に無敵のある超必殺技で、切り返しにも活用できる。威力が高いため、連続技の締めとしても使っていきたい。
ライジングスピアは出かかりに無敵時間があるコマンド投げ。通常版は暗転後ジャンプで回避されてしまうため、主に切り返しとして使うことになりそうだ。ただし、無敵時間はそれほど長くないので過信は禁物。潜在版は暗転後にジャンプされないため、ガードを揺さぶる手段として使っていける。
リーサルドーズブルースは、他のキャラのヒドゥンギアと同じくコンボの締めとして使うのがセオリーになるだろう。ゲージ状況をよく見て狙っていこう。

▲ブラスターウェイブはMr.BIGのとっておきのぶっぱなし技。ガードされると反撃を受けるので、読まれないように使おう。

Mr.BIGの基本戦術

遠距離立ち弱Pの先端を使って相手の行動を制限しつつ、立ち強P・強Pのコンビネーションやしゃがみ強Pなど見返りの大きい強攻撃を当てに行く動きはシンプルながら強力。キャンセル可能な通常技から、弱と強のグランドブラスターをキャンセルで繰り出すという選択肢があるため、相手がうかつに動くとカウンターヒットから大ダメージを狙えるのも強みだ。
遠距離立ち弱P【C】弱グランドブラスターは近い間合いでは割り込まれやすいが、先端付近であれば相手の通常技が届きにくいため相手にとっては対処の難しい連係となる。また、しゃがみ強P【C】弱グランドブラスターは通常技では割り込まれないため、暴れ潰しとして使える。こうしたけん制を嫌がってジャンプしてくる相手は、弱カリフォルニアロマンスでしっかりと迎撃していきたい。

▲グランドブラスターのカウンターヒットは相手が浮き上がり、必殺技で追撃が可能となる。Revゲージを使えば大ダメージコンボに持ち込めるため、「グランドブラスターがカウンターするような打ち方」を意識してみよう。

こうしたリーチの長いけん制で相手を委縮させたり、けん制からのコンボでダウンを奪ったら、ジャンプやダッシュで接近して、ガードさせてもMr.BIG側が有利となる近距離立ち強Kを仕掛けにいこう。
近距離立ち強Kからは遠距離立ち強Kやしゃがみ強Pが暴れ潰しとなるため、見返りも十分だ。(ヒット確認を頑張りたくない場合は、キャンセルRev版グランドブラスターを入れ込もう)。ただし、近距離立ち強Kだけでは、ジャストディフェンスやハイパーディフェンスで対応されてしまう可能性もあるため、近距離立ち強P【C】強グランドブラスターの連係も混ぜるといい。この連係は通常技では割り込めず、近距離立ち強Kほどではないが、Mr.BIGが一瞬だけ早く動き出せる。また、ハイパーディフェンスに対しては、キャンセルフェイントを使ってタイミングをずらしにいくのもいいだろう。

▲ガードの上からゴリゴリ攻められるのもMr.BIGのグレイトなところ。

▲近距離立ち強Kが暴れ潰しになるようなタイミングで打てば、相手にガードを意識させられるはず。相手がガードを意識したら、コマンド投げや中段攻撃の出番だ。

Mr.BIGはステップタイプのキャラクターだが、ステップキャンセルジャンプが可能なため、ステップジャンプによる奇襲も攻めの一手として活用できる。また、ノーマルジャンプからのジャンプAはめくりを狙えるため、空中からも相手のガードを揺さぶれる。

これは、SNK史上でもかなり上質なMr.BIGだ

SNKの描く悪役には魅力的なキャラクターが多い。『餓狼伝説』に縁のあるキャラクターでいえば、ギース・ハワード、ヴォルフガング・クラウザー、山崎竜二などの持つ凄味や狂気を「かっこいい」と感じたゲーセン小僧だったという方も多いだろう。そんな『餓狼伝説』の世界に、『龍虎の拳』のMr.BIGが、凄味のある悪役として現れてくれたのは実に嬉しい出来事だ。

Mr.BIGというと、初代『龍虎の拳』では凄味のある悪役だった。しかし、尊大かつコミカルな発言や技モーションからか、いつしかプレイヤーからはネタキャラとしても愛されはじめ、開発陣もそれにノッたのか『KOF』や『ネオジオバトルコロシアム』ではコミカル要素強めのキャラクターとなっていたように思う。これはこれで愛すべきキャラクターではあったのだが、個人的には凄味や悪者要素が強めで、格好いいMr.BIGもまた見てみたかった。『餓狼伝説CotW』のコマンドリストに、かつてMr.BIGがネタキャラとしての道を歩むきっかけになった「カリフォルニアロマンス」という技名を見つけたときは、「今回もコミカル寄りかな」と予想した。しかし、実際に現れたのは、円熟したボスとしての魅力を放つMr.BIGだったのだ。歳を取りユーモアと余裕と凄味を絶妙な塩梅で抱えた漢の迫力は古くからのSNKファンとしてたまらないものがある。

▲今回のMr.BIGは格好良さを軸にした、深みのある描写が行われている。

円熟したMr.BIGの魅力は、技モーションの節々からも感じられる。新モーションの技にはスタイリッシュなものが多い。たとえば主力技の近距離立ち強Kは銃のホルスターキャッチのようなモーションになっていて見ごたえがある。ライジングスピアの最終段というと過去作の印象からコミカルなモーションを想像する方もいるだろうが、今回は「トドメ」として迫力あるモーションへと変わっている。新技のパリィオブザシラットもさまざまなモーションがこの技のために詰め込まれており、REV版にすら細やかな違いがある。それなのにクロスダイビングは『龍虎の拳』仕様で真横にかっとぶタイプのものが採用されていたり、「昔のMr.BIGらしさ」も失われていないのだから素晴らしい。

過去作のMr.BIGファンなら気になるボイスの部分も「良いところどり」となっている印象だ。かつて空耳ネタとしても話題になったカリフォルニアロマンスの「デリーシャス」ががあることにも驚いたが、その響きはまた違ったものになっている。そして、かつては「彼は凄いわよ」だったが、本作ではMr.BIG自身が「俺は凄ぇだろ」と言い放つようになっている。これはこれでアリだ。

『餓狼伝説CotwW』では、ロックと一緒のシーンが多く描かれている分、カインやビリーがかなりいい人という印象を受ける。そんな事情もあり、重厚な悪役不在の印象を受けていたが、シーズン1の締めとしてMr.BIGを持ってくるSNKの渋いチョイスにじんわりと感動している。ちなみに、Mr.BIGもこれまでの作品でただの悪い人間として描かれていたわけではないのだが、大事なのはMr.BIGのビジュアルと立ち振る舞いからは、悪の気配が抜けていないことだ。カインやビリーはもうすっかり良い人のオーラを放っており(ただし、ロック視点以外だと完全にいい人というわけではない)、ロックくんの成長を親のような暖かいまなざしで眺め、そこに昔のような鋭利さはないような気もする。これはこれでありなのだが、SNKゲームにはやっぱり魅力的な悪役が必要だと思うのだ。

と、ゲーセン小僧だった時代、『龍虎の拳』の表現やキャラクターに夢中だった筆者は、Mr.BIGについて長々と語れてしまう。本作から『餓狼伝説』やSNKの世界観に入っていく方がどういう感想を抱くかは、筆者の思い出補正的なものが強すぎて想像することすらできないが、動かしていて楽しいキャラクターになっているので、少しでも興味を持ったら是非遊んでみてほしい。

ダメ押しでもうひとつMr.BIGの見どころというか、聴き所を紹介しておこう。Mr.BIGのテーマである『Dust Man』は本作で大胆なアレンジが施されている。大胆だからこそ挑戦的で頼もしく、その出来栄えも間違いなく素晴らしい楽曲になっていると感じた。Mr.BIGのさまざまな魅力を描き出すかのように刻々と変化する音は聞いていて飽きがこない。ミステリアスだったり、暴力的だったり、余裕を見せたり。曲の中にキャラクター性を感じる良曲なのだ。『Dust Man』というと、いい意味で格闘ゲームらしくないサウンドという印象もあったのだが、今回のアレンジ版は存在感のあるドラムとベースの音が戦いの緊張感や高揚感とリンクしているようなハマりっぷりだ。『餓狼伝説CotW』はサウンド面にも非常に力の入った作品だ。これでもかというくらい楽曲と表現のバリエーションが詰め込まれている。こんなことを書くと怒られそうだが、筆者としては、「サウンドを楽しむためだけにこのゲームを遊んでもいいのでは」とすら思っている。しかしゲームのサウンドというのは、プレイ中に聞くことで、映像表現との相性や、違った一面が見えてくるという面白さもある。特に、格闘ゲームというジャンル、そして『餓狼伝説CotW』はゲームプレイとともに音楽表現を楽しむことで、その魅力が増す作りになっているため、お気に入りのキャラクターを動かしながら、サウンドに耳を傾けてみるのはいかがだろうか。

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