【独占プレイレポート】アリカが20200年発売予定と謡う謎のゲーム『PRAYER TO DEATH』を遊ばせてもらった!

株式会社アリカが2020年の4月1日に、『PRAYER TO DEATH』と名付けられた1本の動画をひっそりと公開した。ご存じの方はいるだろうか。
ゲームのPVらしきその動画では、登場キャラクターたちが映されたのだが、ジャンルなどは一切不明。
エイプリルフールに発表されたこともあり、その後本当に開発が継続しているか謎だったのだが……。

今年もエイプリルフールが近づき、ふと『PRAYER TO DEATH』のことをアリカに問い合わせてみたところ、「20200年発売予定を目指して鋭意開発中です」と煙に巻かれてしまった。しかし、その直後に「良かったら遊んでみますか?」と提案をいただいた。

なんでも聞いてみるもんだなあー!ってマジ!?作ってたの!?

というわけで、本記事では史上初の『PRAYER TO DEATH』のプレイレポートをお届けする。

『PRAYER TO DEATH』の正体は、サクッと遊べる”死にゲー”!?

『PRAYER TO DEATH』を遊ばせてもらってわかったことは、本作が”CPUと1vs1形式で戦うアクションシューター”であること。自キャラはロボット風で、左スティックで移動、右スティックでカメラ。左側のトリガーに機体を加速させるブーストが、右トリガーにはショットとミサイル。そして4つのボタンにはスキルとジャンプがあてられている。ブーストやショット、ミサイル、各種スキルなどを繰り出せる。トレーニングモードで操作を確認して遊んでみたが、操作はシンプルだが、各動作のレスポンスの良さが気持ちよく、操作がつながって自分の動きを作り出していく感覚がたまらない。この動かしていて気持ちのいいアクションは、アリカの持ち味でありこだわりなのだろう。

▲『Prayer to Death』の正体はまさかの一人用アクションシューター。広大なフィールドをいっぱいにつかって戦えるのも本作の魅力。地対地、地対空、空対地、さまざまな状況で臨機応変に動きや戦略を切り替える必要がありそうだ。

▲この手のアクションゲームに慣れている方なら、すぐに遊べるシンプルな操作になっている。

相手の機体を視界にとらえたうえでジャンプすると”ロックオン”状態になり、この状態で繰り出した攻撃は凄まじい誘導性能を帯びるので、避けるのが困難になる。ロックオンは敵が遮蔽物に隠れた場合や、距離が開いたときに切れてしまうので、相手を視界にとらえ、こちらは相手の視界から外れるように動くというのがセオリーのようだ。さまざまな建築物が建った広大なステージをどう活かすかというのも戦略になるのだろう。などと考えながら数回プレイしてみたが、なぜかCPUに全く勝てない。

▲建物などは一定の攻撃をうけると崩壊するので、同じ場所でも戦い方は変化していく。今回遊ばせてもらったバージョンでは、ワイヤーフレームのような演出で建物が崩壊していた。気兼ねなく建物を壊せるというエンタメならではの大胆な設計も、このゲームの爽快感を高めている。

本作は自分と敵、どちらかのHPがゼロになると決着となるのだが、負けた場合もどれだけ相手の体力を減らしたかが表示される。最初のプレイでは3%、2回目のプレイでは8%……。3回目で30%が出たが、そのあとまた10%くらいに戻ってしまった。筆者はシューターが得意というわけではないのだが、それにしてもCPUが強すぎないだろうか。悪戦苦闘していると、「倒せましたか?」とアリカの方がプレイの様子を聞きにきてくれた。「倒せる気配がありませんね」、「何パーセントくらい削れましたか?」、「30%くらいですね」、みたいなやりとりをしているときに、ふと気づいた。これはまさか……、”死にゲー”というやつではないだろうか。

▲相手を倒せなかった場合、どれだけ敵の体力を削れたかが表示される。最初のほうのプレイでは1ケタ台を連発してしまうほど難しい。

「お気づきになられましたか」と不敵に笑うアリカ。『PRAYER TO DEATH』はやはり、アリカが生み出した死にゲーで、CPUとのバトルを軸にした作品になっているとのこと。しかも、ただ理不尽なゲームというわけではなく”人間にできる範囲のこと”をやってくるCPUを相手に戦うゲームで、このCPUは視界や反応速度も”人間”を想定して設計されているという。ものすごく人間味のある動きをしてくるCPUに、プレイヤーが挑むゲームといっていいだろう。

製品化したら絶対面白いでしょう、コレ

CPUを相手にした死にゲーというと、相手を特定の動きを誘ってそれに対処し続けて撃破するという攻略法が存在するが、本作の場合はパターン化することが難しく、この仕組みがプレイに没入感を与えている。人間にできる範囲のことを繰り出してくるCPUというだけあって、対人ライクな戦略を取る必要があるため、勝ったときのしてやったり感はかなりのものになるだろう。ちなみに、本作は敵を倒すことがゴールではない。倒すのはやりこみのスタート地点のようなもので、そこからタイムアタック的な遊びが顔を出してくる。ゲーム実況などでは「難度の高いゲームにチャレンジする」というコンテンツが人気だが、本作はまさにこのチャレンジにうってつけなゲームとなっている。
また、死にゲーというジャンルが持つ面白さ以外の部分でも、本作ならではの独自性をいくつも感じたのだ。3Dアクションとして圧倒的なスピード感の中で無数の攻撃が飛び交うバトルは、シューティングゲームのような緊張感がある。広大なフィールドは、建築物を活かした戦い方という自由度を生み、この要素が地上戦と空中戦をバランスよく両立することに繋がっているのも面白い。とか偉そうなことを書いておきながら、プレイさせてもらった時間内にクリアーすることはできなかったのだが……。
本作の遊びの肝の部分を機体のセレクト画面があることから、プレイヤーが操作できる機体、敵として登場する機体にもバリエーションが用意されていることも間違いないだろう。しかも驚くべきことに、我々が遊ばせてもらった今回のステージは、まだ「序の口」らしく、同じ機体を相手にした場合もさらなる難度のステージも用意できるという。「うまいプレイヤーの動きを学習して、CPUの動きに反映していく」という機能も実装できるようで、完成すればとてつもない歯ごたえを生むだろう。

▲こちらはキャラクターセレクト画面。今回使用できたREGAID以外にも、複数のキャラクターがいることが確認できた。

最初、このゲームが”一人用”であることを知ったとき、対戦型ゲーム好きの条件反射のように「なんだ、対戦ものじゃないのか……」と残念さを感じたのは事実だ。いくら人の動きに近いCPUとの戦いとはいっても、そこに人対人の熱さはないのではと思ったのだ。しかし、何度かプレイしてみて、この「対戦ものではない」部分が本作の最大の魅力なのではないかと考えるようになった。負けて、悔しくて、リトライして、ちょっとずつうまくなっていく。そして倒せたことが誇らしく感じられ、そこで終わりではなく次は”クリアタイム”で他のプレイヤーと競うことができる。ゲームの中でキャラクターを操縦しあって戦うわけではないが、人と人との真剣勝負であることに変わりはない。これだけ面白いゲームモードがあるのだから、対人モードはひとまず無くても良いのではないかと思ったのだ。(ゲームモードがたくさんあると、プレイヤーが分散して盛り上がりがうまれにくいというのも、過去にいろいろなゲームで目撃してきた)

▲クリアしてもそこが終わりではない。タイムをどこまで縮められるかというやりこみがはじまるのだ。

アリカからは「人を選ぶ作品になりそうなので、発売は未定」とのコメントをいただいたが、筆者は「世に出して価値を問ってほしい作品」だと強く感じた。メーカーにもいろいろと事情があり、商売にならないと製品化に踏み切ることは難しいのだろうが、このゲームでしか味わえない面白さが間違いなくある。
バトル中のBGMはなんと細江慎治さんが作曲しているとのことなので、アリカの本気度も伺える。
完成まではまだまだ遠いとことだったが、マジ、面白いです。製品化を心からお待ちしています!

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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