【レビュー】格闘ゲームの要素が強めにトッピングされた『ダブルドラゴン リヴァイヴ』。挑戦を感じる新作のプレイフィールを紹介!

横スクロールアクション『ダブルドラゴン』シリーズの最新作『ダブルドラゴン リヴァイヴ』を遊んでみました。

遊び始めたばかりの頃は一見シンプルなベルトスクロールだなあとか「敵が硬えええええ」と思っていたのですが、状況によってアクションを使い分けることで攻略していくタイプのゲームなんですねこれは。相手の攻撃にうまく対処できると大ダメージのチャンスを作れるシステムなんかもあったりして、格闘ゲームっぽい面白さがあるぞ……と説明書を読まないタイプのわたし気づいちゃいました。

そういやこのゲームの発売元は格闘ゲーム制作に定評のあるアークシステムワークスで、開発元は骨太なアクションゲームを得意とするユークスなんです。
『ダブドラ』といえば伝統あるIPですが、『ダブルドラゴンリヴァイヴ』は新しい面白さが強めに盛り込まれていて、守りに入っていない作品となっています。古き良き『ダブルドラゴン』シリーズのほうはリマスター版の詰め合わせである『ダブルドラゴンコレクション』が発売しましたしね。新しいものとレトロなものの両輪で『ダブドラ』は走っていくのでしょう。(それはそれとしてネオジオの『ダブルドラゴン』はいつか移植してほしい)

本記事では、新しさと挑戦を感じる『ダブルドラゴン リヴァイヴ』をご紹介します。

▲キャラクターデザインも雰囲気が変わり新生感あり。アクション重視のミドルプライスのゲームということもあってか、ストーリーとその表現はシンプル寄りです。

ダブルドラゴン リヴァイヴ


発売日:2025年10月23日
ジャンル:ベルトスクロールアクション
対応機種:PlayStation5 / PlayStation4 /Xbox Series X|S / Xbox One / STEAM / Nintendo Switch / Epic Games Store
メーカー:アークシステムワークス(発売元)、ユークス(開発)

操作はかんたん
だが”使い分け”の深みがある

プレイアブルキャラクターはビリージミーマリアン乱蔵4人(マリアンと乱蔵はストーリーモード途中で解禁)で、それぞれアクションや性能が異なります。
基本的な戦略はどのキャラクターでも同じですが、空中コンボのつなぎや、大勢の敵を巻き込むように戦う際にアクションの差が活きます。ビリーとジミーがスタンダード寄りな操作感で、マリアンはスピード系、乱蔵はトリッキー系といったとこでしょうか。

▲キャラクターにアクションが違うため、得意とする状況もやや変化する。コンボなどは個性が出やすいポイントとなる。

基本操作はシンプルなのでご安心を。通常攻撃、強攻撃、特殊攻撃、ジャンプ、掴み、必殺技などはボタン操作のみで繰り出せます。龍玉ゲージというゲージを溜めることで大技の”超必殺技”を繰り出せるのは今風な感じです。古き良きベルトスクロールというと、「軸をずらして殴る」という攻略をするタイプの作品も多いですが、本作は縦横無尽に動き回れるため、先手を取ったり、アクロバットな動きで相手の攻撃を回避するという攻略スタイルが基本になります。
コンボに関しては浮かせ技を絡めて長めのものも組み立てられるのですが、コンボだけに頼っていると大ダメージのチャンスを逃すという作りになっています。本作の大きな醍醐味となるのが、自分が戦っている場所を活かすこと。ステージの途中にはさまざまな壁やギミックが用意されており、壁への叩きつけを活かした壁コンボや、即死ギミックを活用して大勢との戦いを切り抜けたりということが重要になってきます。基本的にはベルトスクロールではありますが、画面奥と手前の壁やギミックを活かすというシーンも多いので、使えそうなものがあれば使うという意識でプレイすると良さそうです。

▲浮かせ技を経由することで長めの空中コンボも可能ですが、壁やギミックを活かすほうがいい場合も多いので要注意。

▲奥にある壁に敵を吹き飛ばし、跳ね返ってきたところを追撃するということも可能。

武器による攻撃も強力なので、こちらもどんどん活用するほうがクリアーは楽になります。
素手が武器より強いなんてこと現実でもなかなかないですからね。リアリティ重視!

武器による攻撃は通常攻撃以上のダメージを与えられるシーンが多く、超必殺技を使う「龍玉ゲージ」を稼ぐ効率も高くなっています。一見難所に見えるゾーンでも、武器攻撃で龍玉ゲージを溜めて超必殺技を発動して、武器攻撃を当ててまたゲージを稼ぐ、みたいな動きをすることでサクっと突破できたりします。

▲武器による攻撃は超強力。龍玉ゲージを溜めやすいので、超必殺技を使う機会が増える。

クリティカルアサルト

本作の大きな醍醐味となるのが「クリティカルアサルト」という要素。クリティカルアサルトは、一部の敵の攻撃に、的確なカウンターを叩きこむことで発生します。成功すると大ダメージを与えつつ気絶を狙えるうえ、龍玉ゲージを一気に稼げるといいことづくめ。マニュアルも読まずチュートリアルだけでプレイしているとこのシステムの重要さになかなか気づきませんでしたが、途中でクリティカルアサルト前提の攻略を要求されてくるようになります。

クリティカルアサルトを発動させるためには、相手の攻撃に対応した技を使う必要があり、相手が上空から攻撃してくる技には空中攻撃に対して無敵のある「対空攻撃」を、上段攻撃には姿勢の低くなる「下段攻撃」を狙うというような仕組みになっていて、これ完全にアークシステムワークスの格ゲーじゃん!という雰囲気。低空ダッシュを6+Pで落としてきた『ギルティギア』シリーズプレイヤーにもおすすめできそうです。

クリティカルアサルトを発生させるための条件が敵によってはわかりにくいので、あからさまな凶悪ムーブを繰り出してくる敵を見かけたら、クリティカルアサルトが狙えないかあれこれ模索してみましょう。

▲予兆がある攻撃にはクリティカルを狙えるものが多い。攻撃によってカウンターを狙える技が異なるので、いろいろ試してみよう。このサムライみたいな敵は普通に戦うとキレそうになるくらい面倒ですが、スライディングでクリティカルアサルトを狙えば楽勝です。

ボス戦は対策が大事

ステージの最後に待ち受けるボスは、ボスならではのわからん殺しムーブを多用してくるため、まずはこの正面から殴り合ってもなかなかダメージを与えられません。
スムーズに倒すためには、使える壁や武器があればそれを活かしつつ攻撃しつつ、先述したクリティカルアサルトを狙っていく必要があります。ボスにはクリティカルアサルトを狙える動きが用意されていることがほとんどなので、その技を誘って的確にカウンターを取るということを心がけるだけでだいぶ楽になるはず。安全に攻略しようとすると基本的に待ち気味の戦いになるので、ここは好みが分かれるところになりそうです。

▲初見殺しのムーブ+ステージギミックで襲ってくるボスも多く、最初は面食らうかもしれませんが、冷静に対策を立てていきましょう。

▲ボス攻略はクリティカルアサルトを狙うのがセオリー。いろいろな技を試してみよう。

また、ボス戦では、ステージの道中以上に壁の存在が重要になってくるシチュエーションも多くなります。本作には、壁際の敵に連続攻撃や投げを成立させることで「ウォールアクション」が一部の敵に発生します。
一部の壁際で弱攻撃を連打するコンビネーションで発生する「ウォールストライク」は多くのボス戦で有効な攻撃手段となっていて、空中コンボを狙うよりもウォールストライクで大ダメージを狙うほうが良いという状況も用意されています。
壁際の投げで壁にたたきつけることで発生する「ウォールクラッシュ」はウォールストライクほど狙える場面は多くないものの、ダメージが高いので、一部のボスの攻略で役立ってくれます。めちゃくちゃ硬く理不尽に感じるボスでも、しっかりクリティカルアサルトとウォールアクションを使えば楽勝というケースも少なくないので、行き詰ったら戦略を練り直してみるのも良いでしょう。

▲ウォールアクションは超強力なので、時には空中コンボへのこだわりを捨てることも大事。

エクストラモードはクリアしたらドヤれる

ストーリーモードのノーマルモードは、「ウォールアクション」と「クリティカルアサルト」がある程度使いこなせるようになるとクリアーできる難度ですが、ストーリーモードの高難度、そして「エクストラモード」はかなりの高難度コンテンツとなっています。
エクストラモードはさまざまなミッションに挑戦するというもので、決められた時間内に敵を指定の数倒したり、コンボを決めるなど内容は多彩。基本的に時間との戦いになるため、ウォールアクションやクリティカルアサルトはもちろん、武器の使い方などを熟知したうえで挑むことが推奨されますが、後半のミッションは「死にゲー」さながらの難度となっています。
全キャラで全ミッションを制覇できればまあまあドヤれるくらいには苛烈なので、難度の高いゲームが好きという方は、エクストラを遊ぶためだけに本作をプレイするというのも良さそうです。

▲エクストラモードのミッションはストーリーモードのノーマルモードがチュートリアルに感じるほどの難度のものも。クリア報酬も用意されているので、何度もトライしながらクリアーを目指そう。

共闘ならではの面白さも
救済要素としても使えます

▲難しいステージやミッションはオンライン共闘を活用するのもおすすめ。

本作はオフラインでもオンラインでもプレイヤーと共闘可能。複数人で遊ぶベルトスクロールは面白いに決まってます。

また、基本的にはどのコンテンツも共闘で攻略したほうが簡単になります。敵が大勢出てくる場面では2人いたほうがもちろん有利ですし、龍玉ゲージを溜めるアクションをとったときに、他のキャラクターも龍玉ゲージが増加する仕様になっているなど親切設計。うまく息をあわせてプレイすれば超必殺技をどんどん発動できるシーンもあります。エクストラモードも共闘でのプレイが可能なので、一人で行き詰ったときの救済措置的に共闘プレイを活用することもできそうです。
共闘の注意点は、クロスプレイ非対応であること。主要プラットフォームを網羅する勢いで発売されている本作ですが、友達と一緒に遊ぶ場合は、プラットフォームを揃えて買うことをお忘れなく。

ダブルドラゴンドッジボールの作りこみはホンモノ
現時点で入手難度が高そうなのは辛い

本作のダウンロード版の予約特典、パッケージ版のコレクターズ版には『ダブルドラゴンドッジボール』がついてきます。『熱血高校ドッジボール部』をベースにしたこの作品、ストーリー、デュエル、サバイバルモードなど複数のゲームモードがあるうえ、登場キャラが総勢50人以上と謎に作りこまれていてて恐怖を感じます。プレイフィールは『熱血高校ドッジボール部』を知る人には説明するまでもなく、シンプル操作で遊べるドッジボールゲームなのですが、こちらの一人用もなかなかの歯ごたえ。
そのうえ、オフライン限定ですが、対戦も可能なので、「ダブドラドッジやろうぜ」なんて友達を招集してみるのはいかがでしょうか。

ダウンロード版の予約特典は既に入手できないのでいきなりレアなゲームになってしまっていて、正直なところ売り方勿体なさ過ぎるでしょ!と思わなくもないのですが……。
パッケージ版なら本作をダウンロードできるコードがついてくるのでまだ間に合うかもしれません。

▲『ダブルドラゴンドッジボール』はがっつり遊べる素晴らしいおまけ。なのですが、「予約特典」ということで、発売後の今はパッケージを買うことでしか手に入りません。

ダブドラリヴァイヴはスルメゲーというやつなのでは

ミドルプライス帯の作品ということで、基本操作を覚えた時点では「まあこんなものか」という印象でした。
筆者のような説明書を読まないプレイヤーは、このゲームが「何を楽しませたいのか」なかなか気づけないような気がします。チュートリアルみたいなものもすごく簡素なんですよね。

途中でクリティカルストライクの重要性に気づき、空中コンボへのこだわりを捨てたあたりから、「攻略の糸口をつかむ」面白さがあることに気づいてきました。システムを理解すると、一見地味に感じていたゲームプレイがなかなかの派手さを帯びて、もう少しでクリアーできそうという感情を随所で揺さぶるものに変化していくんですよね。格闘ゲームでいう「属性無敵」をうまくアクションに落とし込んでいるなあ、これはアークシステムワークスが作った意味があるわとか分析顔ができるようになった頃には、なるほどスルメゲーなんだなと納得していた次第です。

アクションゲームが苦手という方もご安心を。本作のストーリーモードは、アクションゲームの腕を磨くというよりは、状況を把握して「どう楽をするか、どうズルをするか」と考えながらプレイしていくと、アクションの腕前は関係なくクリアーできる程度の難度です。それなりのリトライ回数は必要でしょうが、後半に差し掛かる頃には「攻略」を積み上げる面白さに気づけるのではないでしょうか。

▲攻略の糸口をつかみ、そこからクリアーへの道筋を立てる過程が面白い。

ストーリーモードをクリアーしたら、是非エクストラモードもと言いたいところですが、ここには本作の深淵が待ち受けているのでクリアーできなくてもへこまなくてよさそうです。ちなみに筆者は、エクストラモードを遊んだときに、ストーリーモードが壮大なチュートリアルであったことに気づかされました。ストーリーモードをクリアーするだけだと、ボリュームはまあまあコンパクトだなと思っていたのですが、エクストラモードを完走するとなると(すんなりとはいかないので)かなりの時間がかかります。ソロで完走するにはストーリーモードで得た攻略の糸口を活かしつつ、しっかりとクリティカルアサルトやウォールコンボなどを活かす必要があり、ここで初めてアクションの腕前が問われるんですよね……。心憎いことに、ひたすら理不尽という難度ではなくて、「あと少しで……」というぎりぎりのところを攻めてくるミッションが多いので、クリアーできたときのしてやったり感はかなりのものです。

個人的には昔の『ダブドラ』は大好きで、『ダブルドラゴンコレクション』に収録されたソフトも楽しく遊びました。
その時に、古き良きベルトスクロール、それも『ダブドラ』って、過去作の時点である程度完成された面白さを持っているなあとしみじみと感じたものです。同時に、新作が出るなら、この完成されたものの劣化コピーのような作品は嫌だなあと感じていたのですが、『ダブルドラゴン リヴァイヴ』は『ダブドラ』らしさを残しつつ、新しい遊びを前面に押し出すということを確信犯的にやっています。この挑戦がすべての『ダブドラ』ファンに刺さるとは思いませんが、筆者は概ね楽しく遊べました。概ねと書いたのは、操作の部分でミドルプライスだから……と自分に言い聞かせるシーンがなきにしもあらずだったことが主な理由です。Rトリガーに複数のアクションが押し込まれていることで、「狙っているアクションを取りにくい」ということがゲームに慣れてきた今でもよくあるんですよね。操作ミスに起因する攻略失敗がわりと起きるので、ここらへんはアップデートでどうにかならんかなと思います。あとは、ストーリーについては解禁要素がちょっと弱く、クリアの報酬がもうちょっとあっても良かったのかなと。

次はフルプライスの『ダブドラ』も見てみたいですね。

▲Rトリガーを使うアクションの操作感だけはプレイ中かなり気になる要素でした。アイテム掴み、投げ、ダウン追い打ちと役割が多いので、狙ったアクションを繰り出そうとして何もない空間に投げを空ぶってしまうという現象が多発。ここはアップデートとかで仕様変更してほしいところです。(どう変更すればいいのかはわかりませんが……)

「楽しく遊べました」と書くとエクストラモードをクリアーしてやりきったような雰囲気が漂っていますが、昨晩は後半のミッションで2時間くらい詰まり、「ふざけんなよこのゲーム……。今日こそクリアーする」という状態でこのテキストを書いています。
歯ごたえある、ちょっとクラシック風味のあるアクションゲームを求めている方、是非『ダブルドラゴン リヴァイヴ』に挑戦してみてください。

ちなみに、『ダブドラ』シリーズということで、過去作をやってないと楽しめないのではと心配する方がいるかもしれませんが、本作のストーリーは「悪いやついるから倒しに行こうぜ」的なゆるいものなのでこれもご安心を。過去作が気になる方は『ダブルドラゴンコレクション』を遊んでみると良いでしょう。傑作が多く収録された素晴らしいソフトです。

▲新しいキャラクターデザインも個人的にはあり。マリアンさんちょっと変わりすぎてるけどこれはこれでスキです。

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