【プレイレポート】『リアルバウト餓狼伝説2 THE NEWCOMERS』のリマスター版がSteamでいきなり配信開始!やべえ……対戦したい。

『リアルバウト餓狼伝説2 THE NEWCOMERS』のリマスター版がTGS2025で唐突に発表され、Steamでいきなり配信開始となりました。
謎のスピード感、嫌いじゃないです。

ハムスターさんから発売されているアケアカNEOGEO版も懐かしく遊ばせてもらいましたが、なんと今回のリマスター版にはオンライン対戦やトレーニングモードが搭載されています。なんか今風な移植で大感激であります。最近のSNKは古いタイトルを積極的に現行プラットフォームに展開してくれていて90年代ゲーセンが好きすぎる僕としてはありがたい限りです。

『リアルバウト餓狼伝説2』は1998年にゲームセンターで稼働した2D格闘ゲームで、リアルバウトシリーズの3作目。シリーズ3作目ともなると完成度も高く、対戦が熱い作品でした。この作品まで『餓狼伝説』の多くは、「ラインバトル」という仕組みを導入していて、2D格闘ゲームの中では珍しく「奥行き」を使って戦う作品でした。ただこのラインバトルをガチで使うと、バランス面が若干不穏なことになり、「ライン移動してるだけじゃねーか!」みたいなリアルバトル餓狼伝説が始まることもあったんですね。

そのラインバトルをイイ感じに昇華したのがこの『リアルバウト餓狼伝説2』で、ライン移動を軸にした逃げをさせないような仕組みへと変わったんです。というわけで、当時すげえ対戦した記憶があります。

その記憶をもとに、このゲームの面白いトコロを皆様にお伝えしたいと思います。

▲筆者の『リアルバウト餓狼伝説2』のメインキャラは秦兄弟の兄「秦崇雷(ジン・チョンレイ)」。飛び道具を出して判定のイカれたダッシュCで突撃する動きを繰り返し、ゲージを溜め、ガーキャンで待つみたいなプレイスタイルで対戦を楽しんでいました。

▲今回の移植では、隠しキャラとしてアルフレッドが使用可能。使用方法はキャラクターセレクトであるボタンを押すだけ。簡単!

ヤバいコンボもあるが
基本はシンプル

『リアルバウト餓狼伝説2』はコンボが短くシンプルなキャラが多いのが特徴。格闘ゲームに慣れている人であれば、ちょっと練習すれば対戦を楽しめるはず。どれっくらいシンプルかというと最近『ストリートファイター6』に出張している不知火舞さんであればしゃがみA→しゃがみC→花蝶扇くらいシンプル。でも応用コンボはもっと難しいんですよねと言われても実戦で使うのはしゃがみA→しゃがみC→超必殺技くらい覚えれば十分な気がします。短いコンボではありますがダメージはがっつり出るので爽快感もアリ。

もちろん中にはちょい長めのコンボを持つキャラなんかもいて、手先の器用さを活かしたいんやという人はクラウザーさんとかブルー・マリーとか使うと楽しいと思います。

▲コンボがシンプルな分、コンボチャンスをどう作るかという立ち回り的な部分を楽しめるゲームになっています。

▲1998年のゲームということでね、当然?永久コンボとかヤバイコンボもあります。が、このゲーム奇跡的に、あまり安易に狙える永久コンボは少ないんですね。

単発の通常技や必殺技のダメージが高めなので、シンプルにどっしりと地上戦をしつつ勝ちに行けるのも面白いところです。このゲーム、狙ったのかどうかは不明ですが、飛び道具がすげえ強いキャラは無敵技や対空が若干弱かったり、無敵技が強いキャラはまあまあけん制が弱かったりと不思議とバランスがとれているんですよね。各キャラ勝つためにいろいろ工夫がいるゲームです。この時代に珍しく、パーフェクトな万能キャラがいないような雰囲気です。最強キャラと最弱キャラの差もそんなにないんじゃないかなあ……なんて思いつつ当時は遊んでいました。いやでも、ローレンスだけは勝つとみんなに褒められるくらい弱かった記憶があります。

▲単発ダメージも高めなので、地上戦がなかなかいい感じで面白いです。それにしてもこの頃のテリーのバーンナックルも格好ええなあ……。

ならではのシステムを使いこなす

『リアルバウト餓狼伝説2』のシステムでとにかく強いのはガードキャンセルで必殺技を繰り出せる「ブレイクショット」というシステム。各キャラクターにブレイクショット対応技がいくつか用意されており、パワーゲージさえ溜まっていればこのブレイクショットでガードから反撃に転じられます。このゲームは、防御側の「投げ無敵」がかなり長めのゲームで、弱攻撃からの投げや起き攻めの投げがあまり強力ではありません。そのうえ、露骨な中下段二択も少なめなので「ブレイクショット待ち」はかなり強力な戦術になります。(ちなみに、投げ自体の発生は早いため、守り側の投げは強い。)

「今夜すぐにでも勝ちたい」という方は、「飛び道具やけん制でゲージを溜めてブレイクショットで待つ」という動きをまず覚えるといいでしょう。操作的に簡単なのはチン・シンザン。ブレイクショット対応技がタメ技なのでガードから出しやすいため、楽しく簡単に待ち野郎することができます。

▲ガードキャンセルで必殺技を繰り出せるブレイクショット。対応必殺技のコマンドが簡単なチン・シンザンはとにかく待ちたい人におすすめ。

ズルも面白いよね

通常技や必殺技もわかりやすい性能のものが多いものの、一部のキャラはなかなかスゴい感じのムーブができるのも面白いところです。たとえばギースとかすげえ勢いで蹴りを繰り出す「雷光回し蹴り」の攻撃判定発生前をコマンド投げでキャンセルできるんですが、これは格闘ゲームの「移動投げ」カテゴリーでもかなりぶっ壊れた性能になっています。3キャラ分くらい離れたところから投げキャラのコマ投げが飛んでくると考えてください。しかも飛ばれたときのリスクはほぼありません。飛ぶ奴にはレイジングストームをぶちあてるのも乙なものです。

あとはたぶんこれ当時の仕様のミスというかバ〇…なんですけど、舞とかタン・フー・ルーの一部のジャンプ攻撃は、着地ギリギリで出すと「ガード不能」になります。ジャンプ攻撃からは当然地上技がつながるので、終わってるガード崩しなんですが、「最低空ジャンプ攻撃」を出すこと自体が難しいのでまあいっか……みたいな感じで当時僕らのいたゲームセンターでは見逃されていました。

▲3キャラくらい離れた間合いから回し蹴りを空キャンセルして体力半分奪うコマンド投げを繰り出せるギース。現代格闘ゲームでは許されなそうな技だ。

▲舞のジャンプ弱Kはこれくらいの高さで繰り出すとなんとガード不能に。結構難度は高めなので昔はまあいいかくらいで許されていた恐ろしいテクニック。令和の今だと、「詐欺飛びで重ねてぇなあー」とか邪な考察が捗る技となっている。

あの頃の答えを求めて

リマスター版『リアルバウト餓狼伝説2 THE NEWCOMERS』のアツいのは、現代水準のオンライン対戦が備わっているところ。1998年に夢中だったこのゲームの「答え合わせ」ができそうな予感がしています。というのもこの時代のゲームって、最近の格闘ゲームほど攻略を進めて実践していた人ってほとんどいなくて、攻略なんかはコミュニティの口伝が基本だったんです。あとは攻略本とか。

ネットの情報をもりもり活用するという時代でもなかった1998年当時、「世間のキャラクター評価」というものに触れる機会は乏しかったように思います。自分のホームゲーセンにいるプレイヤーが使っているキャラクターの強弱を比べるくらいのことしかしてなかったような気がしますね。攻略雑誌にたまに掲載されていたキャラランクやダイヤグラムは、ひねくれた10代だったので最初から疑っていました。「ほんまにこの記事書いてる人おれらより強いんか????」みたいな感じで終わってるゲームキッズだったのは僕だけではないでしょう。大変申し訳ございません。

▲誰が最強キャラか知りたい……。無敵技を近場でヒットさせると不利になる漢・ホンフウでないことはなんとなくわかります。

なみに、僕のいたゲームセンターでは、ギースを使ってるやつがめちゃくちゃ連勝していて、「これギース最強だろ……」なんて思っていました。その後、都内のあるゲームセンターで対戦したときは、コマ投げからコンボ減るクラウザー最強でしょ(ダックにはなぜかコマ投げから追撃できない)という声も聞いたし、永久持ってるボブと双角もやべーでしょみたいな話もありました。柏のゲーセンではなぜかガーキャンしか狙わないチン・シンザンが最強扱いされていたり。そのあとまた都内のゲーセンで、ジャンプ攻撃がバグでガード不能になる舞とチンが最強でしょみたいな話もききました。結局どのキャラが最強だったのか……。僕はいまだにギースが最強だと思っているけど、このオンライン対戦を通じて真のキャラランクが知りたい。

そんなわけで、あの頃『リアルバウト2』に夢中だったプレイヤーは是非このオンライン対戦に飛び込んでほしいし、当時を知らない格闘ゲーマーは、当時のプレイヤーに挑むべくトレーニングモードで15分ほど練習してきて飛び込むといいんじゃないかなと思います。15分で90年代にやりこんだやつらに勝てるわけねーよ!と思う方もいるかもしれませんが、なかなか簡単なゲームなのでご安心を。

ただし、現代っ子が90年代格闘ゲームを始めようとするとき「リアルバウト餓狼伝説2 永久コンボ」とかで検索してはじめるのがセオリーですが、このゲームの永久コンボは撒き餌の可能性があります。簡単なものかつ投げから始動できるという一見終わっている永久コンボもありますが、いざ対戦してみると「いつ決めるねんこれ」となったりするのでお気を付けください。

▲トレーニングモードは最低限という感じの機能かつ、体力ゲージの回復が早すぎてコンボのダメージがわかりづらいといった微妙な部分もあるものの、シンプルなゲームなので基本操作は問題なく練習できるはず。あの頃ぶっ壊れてると思った技の攻撃判定が見られる機能はGOODです。

▲メインビジュアルやキャラクターイラストの収録されたギャラリーモードも搭載。こういう画像を高解像度で見られるのは嬉しいですな。

 

 

PAGE TOP