【鉄拳8】レバーで覚える山ステ!「ほんもの」と「コツ」を伝授します

『鉄拳8』が発売され「鉄拳 山ステ」みたいな検索を数多くいただいているのか、過去記事の山ステ解説記事のアクセスが徐々に伸びているようです。山ステというのは、「山田ステップ」の略で、バックダッシュを素早く連続して繰り出すテクニックのことを指します。

ちなみにこのテクニックは『鉄拳7』までは上級者の立ち回りの軸になっていましたが、「殴り合え」というコンセプトを剥き出しにしてきた『鉄拳8』ではやや下方されました。そんなわけで、「今作は山ステあんまり重要じゃなくね?」みたいな議論も起きていますが、「いやでもできるなら覚えたいよね」、「あるからにはやってみたい」という形から入りたい方、そしてより上を目指す方に向けて山ステ講座をお届けします。

本記事は『鉄拳8』verの”山田ステップ(以下山ステと記載)”の解説となります。まずは山ステの仕組みを知るために下の動画をご覧ください。

このシャカシャカと下がるステップが、”山ステ”と呼ばれる動きです。このシャカシャカで相手の技を空振らせるように動くのが理想です。

ほんとうの山ステについて

山ステとはバックダッシュの硬直をしゃがむことでキャンセルしつつ、素早くバックダッシュを繰り返す技術です。1P側なら山ステのコマンドは下記となります。尚、これ以外のコマンドは山ステとして非成立となります(2P側はコマンドを反転してください)。それっぽく見えるステップはありますがそれらは山ステではありません。世の中には偽物の山ステが山ほど溢れているので気をつけてください。詳しくは後述しますが、山ステは素早く下がるだけのテクニックではなく、「ガードしつつ下がる」テクニックでもあるのです。

※コマンドはテンキー表記。この場合の4は←、1は↙をあらわす。Nはニュートラル。

『鉄拳』では距離の取り合いや技のスカし合いが重要な要素となってきます。この戦術を成立させるために、山ステは相手と素早く距離をとる技術として活きるのです。しかし、入力の複雑さも相まって多くのプレイヤーの壁となっているのもまた事実。実際にトレーニングモードでコマンドヒストリーを表示しつつ入力してみるとわかりますが、めちゃくちゃ難しく感じるという方も多いのでは。

山ステの仕組みについて

入力のコツや指の使い方の前にまずは山ステの仕組みから説明します。仕組みを理解することが山ステのコツを掴む上で一つの大事な要素となりますので少しお付き合い下さい。
まず、鉄拳のバックダッシュの仕様として下記のような制約があるのをご存知でしょうか。

tips:『鉄拳』のバックダッシュの仕様


・バックダッシュ中の硬直は一部の例外を除いてなんでもキャンセルが可能

・一部の例外にはバックダッシュが含まれる

つまり“バックダッシュの硬直をキャンセルしてバックダッシュが出来ない”ということです。山ステというのはこの制限を回避するために”バックダッシュの硬直をしゃがみでキャンセルし、バックダッシュを繰り返す”というテクニックとなります。

山ステのトレーニング法01
まずは環境と意識すべきポイントを知る

では実際に入力のコツを交えて入力方法を解説していきます。練習に使うキャラはブライアンかポールを使用しましょう。この2キャラは214入力でスウェーが出てしまい、正確な山ステの入力が出来ていない場合に失敗がわかりやすいためです。トレーニングモードで広めのステージ(屋久島がオススメです)を選び、コマンド履歴も表示させましょう。練習はコマンド履歴の確認をしつつ行います。

では多くの人がつまずきやすい入力方法ですが

“バックダッシュのしゃがみキャンセル” だから ”4n41を繰り返せばよい”

という考えをまず捨てて下さい。

考えを捨てられましたか?

それでは、まず皆さんには”14n4″つまりしゃがみ状態からの最小入力でのバックダッシュの練習をしていただきます。

多くの人が山ステの入力において実際につまずいているポイントは”バックダッシュのしゃがみキャンセルが難しい”とか”コマンドを繰り返すのが難しい”という部分ではありません。おそらく多くの人が”しゃがみからのバックダッシュを最小入力で出すこと”に苦労しているはずです。まずは、しゃがみ状態から最小入力でバックダッシュが出る感覚を覚えることを目標とします。繰り返すのは後回しでよいです。トレーニングモードでコマンドヒストリーを表示して練習してみましょう。

山ステのトレーニング法02
”コマンドの入力”と”脱力”で基礎をつくる

山ステの入力のコツは、

入力でコマンドを完成させる場所と脱力でコマンドを完成させる場所を作る!

と先に語っておきます。力みと脱力……、まるで格闘漫画の世界みたいですね。これだけでは抽象的すぎてわからないと思うのですが、この気持ちを忘れずに練習に取り組んでみましょう。

まずは14の部分、しゃがみ状態からの4入力からスタートしましょう。
入力の要素によって指を分けて入力するのがコツです。

・親指は後ろ入力担当
・人差し指は下入力担当

上記の様に指の役割を分けた場合、両指に力を入れると1入力が完成する形となります。この状態から下入力を担当する人差し指の力を抜くことで4入力を完成させます。具体的には1入力の状態から人差し指の力を抜くことでレバーのバネの力でレバーが上に上がります。ここでレバーが上に上がらない場合は親指の力が入りすぎです。後ろ方向に倒れるだけの力をかけてバネの力だけで4入力を完成させましょう。

これでスムーズに14入力はできました。まだ入力自体はゆっくりでも構いません。コマンドヒストリーを確認して14だけのコマンドとなっている事を確認してください。

次に、N4入力に移ります。先ほどの14入力の状態から後ろ入力担当となる親指の力を抜き、レバーのバネの力でNを入力した後に再度4を入力します。これだけです。この際Nを入れるために力を抜くタイミングではレバーから親指を離さずに力だけを抜くことに気をつけてください。

では、14N4と続けて入力してみましょう。

ここで一点だけ気をつけねばならないことがあります。それは、レバー入力はゆっくりで良いと先ほど書きましたが、4N4の部分だけはバックダッシュが成立するだけの速度が必要ということです。それ以外のコマンドはゆっくりでオッケーです。1回の山ステに10秒ぐらいかかってしまっても良いので正確な入力を心がけてみましょう。早くするためのコツは後程説明します。

大事なポイントまとめ


・赤字部分のコマンドは指で入力するのではなく、脱力で入力する

・青字部分のコマンドは指を使って入力する

・全体的に親指は4方向に入れっぱなし(Nの時のみ脱力、指は添えたまま)

・4N4だけバックダッシュが成立するだけの速度を意識

これでしゃがみ入力からの最小入力バックダッシュをなるべくゆっくり目にやってみましょう。しゃがみ状態からこの入力でバックダッシュが出る、という感覚を掴むのがとても大事です。この感覚が山ステにおけるコツの7割近くを占めているといっても過言ではありません。

山ステのトレーニング法03
山ステの初歩を完成させよう

次はついに山ステに突入します。今回はバックダッシュを二回出せることを目標とします。次のコマンドを続けて入力してみましょう。

4N4 14N4

今回新たに登場した4N4ですが、こちらは単なるバックダッシュです。先ほどのしゃがみ状態からの最小入力バックダッシュの手前にバックダッシュのコマンドをつけただけですが、これで山ステの完成です。

4N4では1回のバックダッシュで下がれる最長距離を意識して欲しいです。理由としては途中で1のしゃがみを入れてしまうと本来下がれる距離を途中で止めてしまうことになるからです。また、41という今回のパーツと先ほどのパーツの繋ぎとなる部分についてですが、ここは5秒程度かけてゆっくり腰を下ろしても構いません。山ステの成立には早さが影響のない箇所となるので、まずは正確な入力で感覚を掴みましょう。次にレバーを入れたまま、先ほどのしゃがみ状態からの最小入力バックダッシュです。一連の流れを10秒ぐらいかかってしまっても良いのでやってみてください。

できましたか?
おめでとうございます!これで、山ステが完成です。

山ステのトレーニング法04
実戦で使える山ステを目指す

このままではゆっくりとしたステップで、隙だらけとなるため実用レベルではありません。ではこれを実用レベルまで持っていくにはどうしたらよいでしょうか?大半の方が早くコマンドを入力しなければ、と考えますがその前に山ステの効果についておさらいしましょう。

はじめに説明したように鉄拳では距離の取り合いや技のスカし合いが重要な要素となるため、山ステは相手と素早く距離をとる技術という風に思われがちです。しかし、それだけではありません。“山ステ最大のメリットはガードしながら下がることができる”ということです。”ガードしながら下がる”については初めに説明したバックダッシュの制約を思い出してみて下さい。

・バックダッシュ中の硬直は一部の例外を除いてなんでもキャンセルが可能

このキャンセルが可能という行動の中に「ガード」も含まれます。つまり鉄拳はバックダッシュの硬直中であってもガードが可能となります。

山ステの効果をざっとまとめると下記のような形になります。
素早く距離を取るバックダッシュを繰り返すことで

・相手との距離調整を自由に行う
・相手の技を空振らせる
・ガードしながら下がることが可能

上記が可能なステップということです。因みにガードしながら下がることは可能ですが入力の都合上1に入力が入ったタイミングのみ中段攻撃を食らってしまうということになります。ここから考えられる効果的なステップのやり方は下記となります。

①なるべく4が入力されている
②しゃがんでいる時間が短い
③しゃがみ入力の回数が少ない

この条件を見て頂くとわかるのですが理想的な山ステは単にコマンドを早く入れればよいわけではないことがわかります。コマンドを早く入力するという事はつまりしゃがみとなる1入力の回数が増えてしまうという事です。それは中段攻撃を食らうリスクを増やすことに他なりません。もちろん速度が遅すぎても距離が離せず本末転倒となってしまうため、まずは②から練習してみましょう。尚、①はコマンドの入力の過程で身についている(はず)です。

では少しずつでよいので山ステのしゃがんでいる時間を短くしてみましょう。
まだ山ステを繰り返さなくて良いので正確なコマンドを心がけつつ4n4(最大伸ばし)1(2秒入れっぱなし)4、4n4(最大伸ばし)1(1秒入れっぱなし)4、と少しずつ短くします。1入力以外は元々のスピードで問題ありません。最終的な目標は下記の動画を参考にしていただければと思います(三回目のしゃがみ時間を参考にしてください)。

 

自分が正確なコマンドで入力でき、かつ安定する速度でしゃがみ入力が可能になったら次は繰り返しを練習してみましょう。まだ参考動画よりゆっくりでも構いません。コマンドに慣れ余分な力が抜けた後は速度がだんだん上がってくるはずです。

ゆっくりで良いので4n4 14n4 14n4 14n4という感じで続けて入力してみましょう。実戦では3回程度バックダッシュが出来れば充分となるためまずは三回を目標にしてみるのも良いかもしれません。

尚、③については距離調整の関係で細かくバックステップを刻む必要があり、しゃがみ入力を増やすケースがあります。しかしこちらは意識して練習する箇所というより実戦の中で咄嗟に調整する箇所となる為、トレーニングモードでは①②を目標に練習してみましょう。

今夜から山ステを覚えよう

コマンドがうまく入力できなくなったりコマンドがこんがらがってしまった場合は”しゃがみ状態からの最小入力バックステップ”の入力確認に立ち返ることをお勧めします。無理に最初から速度を出そうとせず、早く入力するポイントを絞れば山ステはそこまで難しいコマンドではありません。最終的にはリズムです。早く出そうとせず、山ステの強みを最大限生かす入力を心がけていれば理想的な山ステに辿り着けると思います。それでは良い鉄拳ライフを!

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どりでん

どりでん

雑なプレイしかしないゴジラインのおっさんたちに『鉄拳』を教えてくれる先生。いろいろ調べものをしてから新しい格闘ゲームに臨む知的ゲーマーに見えるが、スイッチが入ると雑極まりないプレイを繰り出す。
沖縄ローカルのファーストフード店「A&W」を愛する漢でもある。

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