【いつもの】『ONE PUNCH MAN A HERO NOBODY KNOWS』対戦連載03.世界を終わらせるカニ

がちょから発せられた「ワンパンマン誰かおるか」の呼びかけ。
この呼びかけを日本語で直訳すると”ワンパンマンでクソ素晴らしい戦術を見つけたから誰か生贄はおるか”ということになる。
ゴジラインの身内対戦において、誰かが「対戦しよう」と呼びかけてくるイベントには、必ず裏がある。確実に相手をボコせる自信がついたとき、確実に相手をネタ殺しできるとき、その言葉は発せられるのだ。

△連日盛り上がっているワンパンマンの対戦ですが、キャラクターゲームでがちょさんが調べものをして現れたときはだいたいろくでもないことが起こります。

この対戦を申し込まれる前までに、浅葉vsナカジマの対戦、そしてトレーニングモードで得た知識を読者の皆様にご紹介しておこう。

ワクチンマンはガチ

プレイ開始して間も無く解禁されるワクチンマン。彼は攻撃力こそ平均的だが、相手の位置をある程度サーチする必殺技・エネルギー弾を持つ。この必殺技は、横移動で避けることができるのだが、この前段階でガード不能のレーザー(通常技)を横移動していると避けるのが非常に困難になる。ゲージを大量に持ったワクチンマンに対して、近接キャラクターで挑むのはあまりに危険。さらに、エネルギー弾の暗転がレーザーが届く前に発生してしまうと、レーザーまで追尾してきたりして地獄。

▲ワクチンマンの溜め△攻撃(ガード不能)を横移動で回避してしまうと……

△横移動に□必殺技のエネルギー弾がヒットorガードしてしまうことがほとんど。暗転が絡み最初のレーザーが追尾してくるという謎の仕様が発生することもあるので極めて危険な連係だ。ゲージを溜めて繰り返すだけで、今夜勝ちたいワクチンマンの完成。

各種ガード不能でぼったくる

本作の一部の通常技はボタン押しっぱなしで”タメる”ことで、ガード不能技に変化する。中には、非常に攻撃範囲と持続に優れたものがあり、わかりやすいものではフブキのタメ□などが非常に強力。受け身後の行動を使い分けることで完全なハメにはならないが、微妙な読み合いになることも多々ある。また、タメ攻撃ではないものの、一部キャラクターの必殺技でガード不能判定のものがあり、これらはキャンセルで繰り出すだけでもかなり強烈な連係となる。

△タツマキのサイキックスロー(□必殺技)はガード不能攻撃。キャンセルから繰り出せばかなり回避が難しい連係となる。オンライン対戦ではこの手のガード不能でぼったくってくる輩が多数いるので、対策することを考える前に自分で使おう。

浅葉vsがちょ


浅葉vsがちょの歴史は、『BLEACH ~ブレイド・バトラーズ~』とかまで遡る。もともと我々が出会ったったのは硬派な格闘ゲームだったような気もするが、対戦の記憶はさまざまなクソ技に彩られている。『バトルスタジアム D.O.N』では、お互い「仕上がったから対戦しますか」とケンちゃんの家に集まってみたら、二人とも最強キャラを選んでいてずっこけたこともある。最近の戦績はかなりがちょが勝ち越しており『僕のヒーローアカデミア One’s Justice』では、がちょの編み出した恐ろしいクソムーブによって浅葉が爆発四散した。なおこの際のクソムーブは、ゴジラインで紹介(参考記事:【ヒロアカOJ】今夜ハメたい常闇くん攻略【コンボ】)したあと入念にバランス調整により消されてしまったことから、3月発売の続編は攻略を隠すスタイルでいくそうだ。勝ちたがりすぎて怖い。

浅葉「おれもタダでは負けねえからよ」

がちょ「浅葉さんのチームは、フブキ、ボロス、サイタマね。そのチーム強いんすか(笑)」

浅葉「こいつ……、まさかおれのチームがよええとでも」

がちょ「まあ、ちょっと試してるチームでいきますわ」

がちょが選んだチームは、ワクチンマン、タツマキ、そしてタンクトップタイガー。おれ(浅葉)とナカジマの間で厨キャラ扱いされているワクチンマンと、インターネッツ上で強いと噂されていたりするタツマキ。ここまではいい。最後にいるタンクトップタイガー、こいつが実に不気味だ。タンクトップタイガーについては、浅葉&ナカジマも、「こいつはないな」と2分くらい触ってキャラセレ画面に戻ったキャラクターだからだ。何かやってくるとしたらこいつだろう。

△がちょが選んできたのはタンクトップタイガー。

キャラクターゲームのキャラの吟味は、恐ろしいスピードで行われる。
しかし、このスピード感には、当然落とし穴もある。見落としていたキャラクターが実は強かったりもするのだ。
そして、先鋒はタンクトップタイガー。競り負けて弱攻撃をくらってしまったところから、悲劇は始まった。

トッ・トッ・トッ・ハーッ・シャーッ!
フン・トッ・トッ・トッ・ウリィー!引き裂く!

浅葉「わけのわからんコンボで半分減ったが」

がちょ「タンクトップタイガーの良さ、感じていただきましたか」

浅葉「調べたときそんなコンボルートなかったんだが。□□□△からはダッシュ間に合わないし、□□□△タメはそもそも連続ヒットしなかったのに」

がちょ「そうなんですよ。でも、□□□ちょいため△からはダッシュが間に合うんだよなあ。あなた、バンダイナムコエンターテインメントのキャラゲー何年遊んでるんですか?素人?ちなみにこいつガード不能技も持ってます」

あまりの火力差に、サイタマを呼ぶまで至らず押し切られてしまう。バンダイナムコエンターテインメントのキャラクターゲームは、隠された財宝(強ムーブ)をいかに素早く発見するかの闘いである。よくある格闘ゲームの常識に捕らわれているものほど、この財宝を見逃してしまう。そして、おれも過去の経験に縛られた愚者だった。

トッ・トッ・トッ・ハーッ・シャーッ!
フン・トッ・トッ・トッ・ウリィー!引き裂く!
以下の動画は、浅葉がボコされている途中のもので、おっさんたちの騒ぎ声が入っているが気にしない方のみ視聴してほしい。

そこから数戦、がちょにボコボコにされつつも、このゲームの”リズム”を掴み始めてきたおれは、がちょのタンクトップタイガーにも徐々に対応できるようになってきた。なにせ、俺の使っているフブキというキャラクターも、インターネッツ上で話題のテクニカルキャラクターだからだ。□□↑△・□□□□地獄嵐という17秒くらいで覚えられそうなコンボで3割から4割くらい体力が吹っ飛ぶ。しかも、立ち回りに関してはフブキのほうが上だ。

がちょ「タンクトップタイガーを倒してもワクチンマンがいるんですけど、弾幕対策大丈夫か?」

浅葉「ワクチンマン対策は微妙にしてきた」

その結果が以下の動画である。ボロスさんのタフなビームに注目していただきたい。

ワクチンマンのエネルギー弾に対して、相打ちでダメージ勝ちがとれるのがラスボスであるボロスの必殺技である暗黒エネルギー波なのだ。

がちょ「ワクチンマンがダメージ負けしてる。こんなはずでは……。そのキャラ、火力なさそうで見限ったけど、ワクチンマン倒すためだけにいるような存在だったとは」

浅葉「やっぱり”ラスボス”なんだよなあ」

△”暗黒エネルギー波”だけはかなり臭うボロス。もともと浅葉のチームは、相手を倒しきるよりも、時間稼ぎでサイタマを呼ぶという戦術寄りなので、なかなか相性が良い。

勝ったり負けたりの激戦は数時間に及んだ。

浅葉「ナカジマさんにも是非そのチームを味あわせてください」

がちょ「ナカジマさんには、おれの真のチームでいくか

浅葉「なに!?」

がちょ「タンクトップタイガーは、試してみただけ。実はもうひとつある」

この台詞を聴いたとき、おれはがちょの”負け惜しみ”だと思っていた。しかし、このゲームの真の地獄はここから始まるのだった。

ナカジマvsがちょ


ナカジマvsがちょの真剣勝負が行われるのは実に久しぶりのことである。
最近では、ビジネスサムライとして『サムライスピリッツ』の選手として活躍を続けつつも、シャルロッテをシャルロットと言い間違えたりしつつ『グランブルーファンタジーVS』を遊んでいるが、そうしたタフなeスポーツ格闘ゲームに向き合ううちに、キャラクターゲームを楽しむ心を失っているのではと心配したものだ。
しかしこれは完全な杞憂で、在宅勤務を言い渡されたナカジマは『ワンパンマン』の調べものに夢中だ。
本気のナカジマは強い。いい勝負が期待できる。
そう思いながら、二人の試合を眺めていた時、異変が起きた。

ガサガサガサガサ!ガサガサガサガサ!
画面内をカニのようなものが走り回り、ナカジマが一生転び続けている。
そして、カニにひかれるとサイタマ召喚までの時間がどんどん短縮され、あっという間にサイタマが登場しているではないか。

△画面上を走り回る”カニ”。これもあまり注目していなかった童帝というキャラクターだが……。

浅葉「あれ、それなんでガードしないの?」

ナカジマ「これは……」

がちょ「ガード不能なんだよなあ。□ため△。はーおもしろい」

ナカジマ「ほかのキャラのガード不能重ねと違って、遅めに重ねると起き上がりの種類とか変えても重なってるぽくみえるこれ。地獄。ハメか?」

フブキやタツマキのガード不能を使った戦術については、ある程度受け身で的をずらすことで対策してきたものの、”カニ”は完全に想定外

がちょ「ネット対戦でこの技見て”ヤバイ”と思ったんだよな。これを起き上がりに重ねたらどうなるんだろうとワクワクしてました。このゲーム、漢気に溢れてて今のところ無敵技が見当たらない」

浅葉「かに道楽……すげえ

ナカジマ「キレた」

ナカジマは、自分がクソ技を繰り出しているときはニコニコしているが、相手がクソ技を繰り出してくると途端に怒り始める烈火のような漢である。先日おれが対戦していた際、ワクチンマンで飛び道具を連打していたら、「浅葉さん、そのつまらん戦法で勝って楽しいの?いいよ、おれはその戦法に挑む側でいるよ」とかいいながら、数試合後にナカジマのチームにもワクチンマンが入っていた。そんなナカジマが今回選んだ道は当然。

カニvsカニ

地獄の同キャラマッチがスタートした。
以下はあまりにも見苦しい動画なので、心に余裕のある方のみご覧ください。

キャラクターゲームのパワフルな戦術は、仕掛けるのもかんたんであれば、パクるのも簡単。ゴジラインでも、最終的に同キャラ対戦を煮詰めたゲームも少なくない。

血で血を洗う同キャラ戦は、夜遅くまで続いた。カニがぶつかり合う画面を目の前にしている間、おれたちは『ワンパンマン』の中にみなぎるバンダイナムコエンターテインメント精神を噛みしめつつも、これが最後になるかもしれないという予感を感じていた。

最後かもしれないだろ、だから全部話しておきたいんだ。

NHKオンラインのファイナルファンタジー大投票を観たからか、頭の中にティーダの声が聞こえてくる。そういえばおれは、ティーダになぜか”バタレイ”って名前をつけてあのゲームを遊んでたっけな。

この時点でおれたちはまだ気づいていなかった。
『ワンパンマン』にはさらなる可能性と、過去におれたちが向き合ってきたとあるゲームとの微かなリンクがあったことを。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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