【プレイレポート】「強氣」システムがもたらす戦いの革命!格闘ゲーム『FIGHTING EX LAYER』がアツい

プログレッシブに生きていきたいと考えだした浅葉です。
ゴジラインでは6月28日より、PS4ストアで配信されている格闘ゲーム『FIGHTING EX LAYER』をガチャガチャと遊んでおります。
だって、あの『ストリートファイターEX』シリーズを制作した、アリカの最新作なんだぜ!
本作には、一人用で遊べるCPU戦がないのですが、もうこの時点で「とにかく対戦してくれ」というメッセージを勝手に受信した気になって、ひたすら対戦を繰り広げています。
オンライン対戦は快適かつ、レスポンスも爆速。トレーニングモードも使いやすく、近年の格闘ゲームと比較しても異常すぎるロードの速さ。
そう、本作はまさしく、格闘ゲームの対戦を愛するもののために作られた作品!(だと思います。)

『FIGHTING EX LAYER』(『ファイティングEXレイヤー』)
配信開始日   :2018年6月28日
プラットフォーム:プレイステーション4、プレイステーションVita
ジャンル    :格闘ゲーム
プレイ人数   :PlayStationR4版:1人(オンラインプレイ時2人)
開発、販売   :アリカ
価格      :
ダウンロード 通常版 :6800円+税、
ダウンロード ライト版:4800円+税
通常版とライト版の違いは公式ページ参照

△『ストリートファイターEX』シリーズを手掛けたアリカから、まさかの新作格闘ゲームが登場!これはやるしかない!

△キャラクターセレクト画面には、『ストリートファイターEX』シリーズでおなじみの「彼ら」の姿も。

最初のプレイフィールはクラシックな格闘ゲームに感じましたが、本作ならではの「強氣」なるシステムが激しくアグレッシブで前衛的なため、初日はハチャメチャすぎる対戦を過ごしました。しかしそれから数日、対戦を繰り広げた結果、本作の特徴と肝をとらえつつあります。それでも、人によって、「強キャラ」として挙げるキャラがばらばらだったりします!
今回の記事では、この熱くて対戦がやめられない『FIGHTING EX LAYER』の見所をご紹介します。

おまけ:ゴジラインのゆるゆる対戦動画

高速のダッシュが地上戦の軸となる

『FIGHTING EX LAYER』は、格闘ゲームになれたプレイヤーであれば、すんなりと基本的な動きを覚えることができる作品となっています波動拳、昇龍拳、竜巻旋風脚といった具合の必殺技も多く、キャラクターの動きがクラシックな格闘ゲーム寄りでわかりやすいため、コンボなども比較的簡単です。格闘ゲームの伝統的な戦術である「飛ばせて落とす」もほどほどに機能するため、トレーニングモードを少し遊べば、「もうわかった」となるプレイヤーも多いのではないでしょうか。

△いわゆる飛ばせて落とす戦術を軸にするキャラクターも。

しかし、実際に対戦してみると、試合のスピード感に驚かされるはず。本作はゲームスピードがとてつもなく早く、そのうえ滑るように長距離を移動する高速のダッシュが攻めの起点となっているため、どっしりと腰を据えた地上戦というわけにはいきません。リーチの長い牽制技も、よほどうまく使わない限り、終わり際にダッシュ攻撃がぶっ刺さります。そしてダッシュを警戒していると、ジャンプ、いわゆる「上」の動きが通ってしまいます。密着状態では、打撃と投げの二択を仕掛けられてしまうため一触即発の状態に。ガードしていてもゲージがもりもりたまり、「隙消し」のスーパーキャンセルなどの使用頻度が上がってしまうという流れも想定されます。

△ダッシュからのしゃがみ弱→しゃがみ中は、全キャラクター共通のお手軽ぶっ込み技。ダッシュ慣性が乗っていれば、ここからしゃがみ弱Kやしゃがみ中Pに繋げられます。弱、中攻撃共にガードされると、繰り出した側が不利になるのがこの戦術をからめた駆け引きの肝。弱→遅らせて中などで相手の反撃を刈りとれるようになると、対戦の読み合いがめちゃくちゃ深まります。

コンボは『ストリートファイターEX』でお馴染みのレシピを代用できるものも多いので、90年代格闘ゲームを遊んでいた方ならすぐに基本的なものはこなせるはず。もちろん、本作ならではのものも多数あるので、練習のしがいもあります。また、一人用モードとして、さまざまなコンボに挑戦する「エキスパートモード」が用意されており、中にはかなり高難度なお題も。レシピが表示されるものもあれば、「70ヒット以上のコンボ」といった具合に、与えられた課題にプレイヤーが答えを見つけ出さなければいけないものもあります。『ストリートファイターEX』シリーズの家庭用版でも同様のモードがあり、こちらも難度が高いことで有名でしたが、今作のものも歯ごたえ抜群です。

△キャラクター別のお題にチャレンジするエキスパートモード。課題の後半では、コンボレシピを閃く必要があります。

『FIGHTING EX LAYER』の闘いを面白くする豆知識
立ちガードとしゃがみガードの硬直差
『FIGHTING EX LAYER』では、立ちガードのほうがしゃがみガードよりも、ガード硬直が短く設定されています。
つまり、立ちガードもしゃがみガードも可能な技は、立ちガードで防げば、割り込みや反撃の起点を作りやすくなるのです。この意識して立ちガードを行うことができるようになれば、細かいフレーム争いで有利になることが多いというのも、本作の面白いところ。

△立ちガードはしゃがみガードよりもガード硬直が短い。両ガード可能な技が来ると読んだときは、思い切って立ちガードを狙うのも戦術のひとつだ。

格闘ゲームの常識を破壊する「強氣」

本作の最大の醍醐味と言っていいのが、キャラクターにさらなる能力を付与する「強氣」。画面下に5つのアイコンが表示されているのが「強氣」を示します。この強氣の発動条件を試合中に満たすことで、その強氣の特殊効果が発動するという仕組みです。一つ一つの強氣には、発動条件が設定されており、「6秒間相手に触れられない」という能動的なものから、「累計で12回ダウンする」といった受動的なものまで、その条件がさまざまです。強氣の中には、「スーパーアーマーを付与」、「ゲージが自動回復」、「前方へのテレポート」、「ガードキャンセル付与」など、格闘ゲームのルールの中では明らかに強いとされるものが多数存在し、そのうえ一度発動したらラウンド終了どころか、試合終了まで永続的にその能力が付与されるものがほとんどとなっています。

△こちらが強氣。強氣5つで1つのデッキとなっています。右側に書かれている発動条件を試合中に満たすことで、強氣の効果が発動します。

強氣は5つの組み合わせで一つの「デッキ」として扱われており、プレイヤーは試合開始前に15種類用意されたデッキから1種類を選択し、戦いに臨むことになります。デッキリスト(『FIGHTING EX LAYER』公式ページ)。

△サンダーボルトデッキの中の一つ「テレポート」は、ダッシュ攻撃で触るが発動条件。

△強氣発動後はダッシュがテレポートに変化。試合終了まで永続するので、ハチャメチャが押し寄せてくる。

以下に、強氣の一部を紹介する簡単な動画を載せてみました。このほかにも「ゲージが回復する」といったものや「必殺技を使うたびに攻撃力がアップする」など、見た目は地味ながら、かなり強力な強氣が多数用意されています。

格ゲー操作に革命をもたらすプログレッシブモード

本作には、クラシックモードとプログレッシブモード、2つの操作体系が用意されています。クラシックモードは、従来の格闘ゲーム、『ストリートファイター』シリーズを起源とする波動拳、昇龍拳、竜巻旋風脚といった必殺技コマンドを入力することで、キャラクターを操作するというものです。このモードでは、他の2D格闘ゲームと同じような感覚でゲームをプレイすることができるのです。

△こちらがクラシックモードの必殺技コマンド。いわゆる、波動、昇龍コマンドのものが中心です。

△クラシックモードのスーパーコンボコマンド。真空波動拳等のコマンドが多めです。

プログレッシブモードでは、一方向+ボタンで必殺技を繰り出すことができます。最初の手触りは、操作を簡単にする初心者救済システムのように感じますが、プログレッシブモードを選択しても、技の数は一切減らないところがミソ。従来の格闘ゲームでも、シンプルモードやイージーモードといった形で、必殺技コマンドを簡易化する試みはされてきましたが、そのほとんどが、通常操作に比べて技が減るという弱点を抱えていました。つまり、シンプルやイージーモードでゲームに慣れたら、普通の操作方法にチャレンジしてみてねというものがほとんどだったのです。

△こちらがプログレッシブモードの必殺技コマンド。クラシックモードでは波動コマンドだったものが、ニュートラル状態から6+Pに変わっていることがわかるはず。

△プログレッシブモードのスーパーコンボコマンド。真空波動コマンドが、後・前+ボタンに変化しています。

しかしながら本作のプログレッシブモードは、技の数は同じ、そのうえで、コマンドが簡略化できるときているので、使いこなせば強いモードであることは間違いありません。クラシックモードの波動拳コマンド(236)は6、昇龍拳コマンドは3、2回転コマンドとなっている技も、プログレッシブモードでは上・下とコマンドを入力することで繰り出せます。慣れないうちは暴発も起こりますが、プログレッシッブモードのコマンドは全て「ニュートラル」、つまり、方向キーをどこにも入れていない状態から入力しないと発動しないという仕様があるため、この操作を手癖にすればすぐに暴発も治まってくるはず。
クラシックとプログレッシブ、どちらのモードが強いのかというのはまだわかりませんが、格闘ゲームに慣れている方はクラシックでサクサクと遊べますし、格闘ゲームはあまりやったことがないという方は、本作だけを遊ぶのであれば、是非プログレッシブモードを試してください。このコマンド入力モードは、今までにない操作感のものとなっているので、格闘ゲームのハードルの一つである、操作の難しさをある程度すり抜けることができます。(過去にも、必殺業ボタンを設けた格闘ゲームというのは幾つかあるのですが、この作品の場合は、6ボタンかつ、弱・中・強を使い分けて、クラシカルな格闘ゲームのような遊び方をできるのが醍醐味です。)
個人的な感想では、格闘ゲーム慣れしている方は最初、プログレッシブモードの操作ミスによる暴発に戸惑うはず。ニュートラルを介するとはいえ、斜め下方向+ボタンの必殺技があるキャラクターは、やや繊細な操作を求められます。理論上はプログレッシブモードのほうがやれることが多そうですが、格闘ゲームに慣れ切った人が暴発をケアする手間を考えると、クラシックも十分に選択肢に入るというのが現時点での感想です。ゴジラインでは、1+PorKコマンドを持つキャラクターはクラシック、それ以外のキャラクターはプログレッシブで遊んでいる人が多いです。

おまけ:『FIGHTING EX LAYER』発売前のゴジライン

ナカジマ「やっぱ格闘ゲーマーはクラシックでしょ。必殺技コマンド入れないのは格闘ゲームにあらず

浅葉「プログレッシブって、操作簡単だけど、やれること少なくて弱そう」

===発売日に1時間ほどプレイしたゴジライン===
浅葉「やっぱりプログレッシブなんだよなあ。クラシックを大事にする気持ちはもちろんあるけど、新しいものとともに生きていきたい。やれることも増えてるし神」

ナカジマ「2回転が2コマンドで出るの神」

△やりこみを重ねればおそらく、プログレッシブとクラシックの差はそれほどない印象。

『FIGHTING EX LAYER』はココが面白い

『FIGHTING EX LAYER』の最大の魅力は、気軽に対戦の面白さを体感できるところ。一見クラシックな格闘ゲームに見えますが、そこに強氣という試合を引っ掻き回すシステムが乗ることで、今までにない手触りの格闘ゲームとなっています。試合前半は強氣を発動させるための動き、それを阻止する動きの応酬となり、強氣が発動しやすい試合後半は特殊な対策が軸になるというのが本作の基本的な試合の流れで、ここまでラウンドごとに駆け引きが変わっていく格闘ゲームというのは、あまり見たことがありません。時には、基本戦術というものすら破壊して、強氣を優先するということもあるのです。操作や基本セオリーは従来の格闘ゲーム、それも90年代のもので十分にカバーできるので、古き良き格闘ゲームを愛する方でも安心して遊んでいただけます。そこに、めちゃ早いゲームスピードや強氣が乗ることで、作品ならではの新しさを味付けをしたのが『FIGHTING EX LAYER』なのです。

△ゲームの作りもまさしく対戦特化。オンラインモードはレスポンスも良く、格闘ゲームを語る際に大きな評価点となるラグを意識する瞬間もありません。

強氣がめちゃくちゃ強いので、ハチャメチャ格ゲーかと思いきや、戦術を突き詰めていくと、この激しい戦いの中でも安定感が出てきます。負けた原因もわかりやすく、その原因を埋めるための対策も複数存在することが多いので、上達の感覚がしっかり味わえるのも良いところ。特に、キャラクター対策に、技を使うのではなく、強氣を使うという発想が出てくるのは本作ならではの面白さでしょう。
ゴジラインでは、「wwwwwwww」みたいなやりとりが飛び交う初日の対戦を経て、今では「あの状況でこうしておけばよかったな」といった真面目な話をすることが増えました。それでもまだ、ハチャメチャ要素は楽しく、必殺技をガードさせてディレイスーパーコンボで反撃を狩るという戦術がまかり通ったりするため、真面目と不真面目の間をほどよくさまよう絶妙なバランスとなっています。いろいろな格闘ゲームを遊んできた我々からすると、「懐かしくも新しい」というテンプレ的表現が一番しっくりくるような気がします。

格闘ゲーマーのみなさまはもちろん、ビギナーの方も、プログレッシブモードで是非この熱き対戦に参加してみてはいかがでしょうか。
オンライン対戦は頗る快適なので、遠方のお友達との対戦もバッチリです。(観戦モードは未実装、部屋は2人までなので、対戦模様を見せたいという方は、PS4本体のブロードキャスト機能を活用するのが良さそうですね。)
次回は、キャラクター別の基本戦術をざっくり紹介する記事などをお届けしたいと思います。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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