【プレイレポート】『俺達の世界わ終っている。』が変態的に面白いゲームだった

生まれ変わったらゲーム制作サークルに入りたい浅葉です。
本日の朝方、『俺達の世界わ終っている。』をクリアーしました。こんなにVitaを長い間握りしめていたのは久しぶりで、未だ余韻が続いています。
ジャッジメント7という、謎のゲーム会社が巻き込まれる「世界」をめぐる物語は、どこか熱くて、切なくて、驚かされて。しつこくて、ありふれているところもあるけれど、荒唐無稽で。この作品でしかないものが溢れていて。とにかくハチャメチャで。素晴らしいゲームでした。
※本記事のネタバレ成分は低めです。ただし、画像は、ゲーム中のものを使用しています。

『俺達の世界わ終っている。』
発売日:2017年11月9日
プラットフォーム:プレイステーションVita
ジャンル:新世界アドベンチャー
価格:パッケージ版6800円+税、ダウンロード版6296円+税
パッケージ版には早期購入特典として小冊子が付属。
レッド・エンタテインメント
公式サイト

△このグラフィックに何か感じるものがあればマストバイ!なほどに面白いゲームです。

今回の記事では、その魅力について、勢いのままに書いてみたいと思います。

物語が神っている。

主人公の所属するゲーム開発集団「ジャッジメント7」は、自分たちが考え出した設定やキャラクターたちが登場する「新世界」に迷い込みます。新世界では、彼らの混沌としたゲームと同じく、ユニークすぎるイベントが次々と起こります。エロス漂う女性NPC、変態要素満点の武器の生成、リア充ポイントをためるゲームなど、おふざけが過ぎまくった展開の連続に、ゲームを始めたばかりの頃は、こんなゆるいゲームでどうプレイヤーを揺さぶるのかと心配になりましたが、そのゆるさは最初から最後まで続き、いつしかそれが心地よくなってきてしまいました。そして、そのゆるさの中に時折劇薬のような展開が混ざることで、かってない不思議な渦が生まれるのです。

△曲者しかいないゲーム開発会社・ジャッジメント7のメンバーたち。変熊Tシャツを着ているのは、ジャッジメント7の代表・尾張世界(CV:杉田智和 氏)。天才的なプログラミングの腕を持つ、残念な変態だ。

△物語の舞台は浅草。実際の風景にかなり近い形で背景が落とし込まれているので、舞台探訪もはかどりそうだ。

STORY 2017年、夏。東京は浅草の一角にある弱小ゲーム開発会社「ジャッジメント7」

変態プログラマーの異名を持つ男、尾張世界はついうっかり、現実を拡張する悪魔のプログラムを書き上げてしまった。

そして、その日を境に変化していく現実。

ジャッジメント7が考えた設定が、キャラクターが現実となり、世界の滅亡へと向かうシナリオが爆走を開始する。自分たちが生み出したある意味「終わっている」世界に翻弄される、ジャッジメント7の残念で壮絶な闘いが、今ここに人知れず開幕する。

アドベンチャーゲームの中で伏線が回収される時、プレイヤーは心を揺さぶられます。やられた、そうだと思っていたという風に、自分の推理や推測を確かめる時、驚きや喜びがプレイヤーの中に生まれるからです。本作でも、たくさんの伏線が張り巡らされていて、それらをちょっと考えるだけで、プレイが何倍にも楽しくなりますす。
そして、本作は、こうした伏線の回収だけでなく、人と人の関係性や信頼関係が築かれていく様がとても楽しく、色濃く描かれています。私は伏線の回収よりもむしろ、こちらの魅力にやられてしまい、何気ないテキストまで楽しく読むことができました。(サスペンス物に慣れている人は、伏線を疑いまくり、だいたいどんな伏線が出てきても「そうだと思ってた」と心の中でドヤ顔をしてしまうのですが、私もそのタイプの人間です。)

キャラクターが神っている。

ジャッジメント7には、変態、中二病、超天然といった、ゲームやアニメの世界ではよくあるテンプレ属性を持つ人物が揃っています。こちらのキャラクターづけに関しては、あまりにもステレオタイプすぎて驚かされたりもするのですが、そんな彼らが、ふとした時に見せる強さ、弱さがとても美しいのです。ツンデレがデレるのはお見通し、そのデレ方すらも想像できる、それでもプレイしていて続きが気になって仕方がないし、そわそわしてしまいます。おれは普段、アドベンチャーゲームを遊ぶとき、ボイスを途中から聞かなくなるのですが、本作についてはほとんどの場面のボイスを聞いてしまいました。熱い想いを語る瞬間はもちろん、何気ない会話のひとつひとつに、キャラクターたちの魂が宿っているように感じたからです。

△女性キャラクターとの個別ルートもあり。私、浅葉は、『ときめきメモリアル』の如月さんのメガネ外しエンディングを選ぶほど、メガネっ娘から遠い人間だったのですが、本作は一番右の結城七罪さんに恋をしてしまいました。kawaii。

△キャラクターの描かれ方もとても丁寧です。セリフのひとつひとつに、キャラクターのらしさが詰まっています。

キャラクターを大きく見せるというだけでなく、細かく描写されたイベント CGも見どころの一つです。ここでイベントCGが見たいなあという時には、それが男キャラクターであってもしっかりと素晴らしい絵がパッと表示される、大胆な作り込みにも驚かされます。ゲームを遊んでいるのに、ときどきアニメを見ているような感覚になるのは、その躍動感あるイベントCGのおかげなのかもしれません。

ゲームとして神っている。

本作はバカゲーであり、ギャルゲーであり、泣きゲーであり、中二病のゲームであり、大人のためのゲームのような気もする、ジャンルを特定できない混沌とした物語になっています。ぶち抜けたコメディ表現もあれば、シリアスなサスペンス展開も随所に登場する。当然、女性キャラクターとのギャルゲー的な展開も外しません。最近のアドベンチャーゲームには珍しく、選択肢による分岐だけでなく、細かいシーン変化も用意されていて、違う選択肢を選ぶ喜びがあるのも嬉しいところです。

△ぼーっと見てしまうとさっと消えてしまうタイプの「選択肢」も用意されています。これは、S.O.S(Selection Of Soul)システムと呼ばれ、主人公の心の叫びを選択するものです。選択肢が同時に流れてくるわけではないので、様子見をしていると、一番良さげな選択肢が消えてしまったりするのです。

アドベンチャーゲームとしてのエンタテイメントがこれでもかという勢いで詰まっていて、時にご都合主義で、くどく感じてしまうこともあるけれど、遊び終えた時には、満足感が強く残ります。ネタバレの一つや二つ、三つや四つでは揺るがない物語と、魅力的という言葉では収まりきらないキャラクターたちがいる世界は、圧倒的な物量と濃厚さで、プレイヤーを飲み込んでしまうのです。ストーリー、キャラクター、ボイス、BGM、システム、どれも素晴らしい!個人的には、今年のベスト5には間違いなく入る面白さ。騙されたと思って、是非、遊んでみてください。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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