【プレイレポート】負けたときのあったまりっぷりが尋常ではない『フォーオナー』

某ゲームメディアの編集者から、「『フォーオナー』は格闘ゲームに似てるから、ゴジライン向きだと思います!」と言われたのがきっかけで遊び始めたこの作品ですが、クローズドβテスト一日目からぶちギレ要素満載の対戦に身を投じております。
ゲームメディアの編集者の中には攻略の大変そうなゲームを「向いてますよ」と押し付けにくる方も多いため、話がきたときは「適当なこと言いやがって」と思っていたのですが、これは間違いなく、おれたちのような対戦ジャンキー向けのゲームです。勝ったときの爽快感と、負けたときのあったまりっぷりがこれほど絶妙なゲームは久しく遊んでいなかった気がします。結果、仕事となるはずだった原稿はほとんど進んでおりません。

『フォーオナー』
ヒーローと呼ばれる、伝説の戦士たちの戦いを描いた3Dアクションゲーム。ナイト、ヴァイキング、サムライの3勢力に分かれた計12人のヒーロー達の、ユニークな武器とプレイスタイルを駆使し、戦場を駆け巡っていく。直感的な操作を盛り込んだ「アート・オブ・バトル」は、1対1の決闘の緊張感をゲームに落とし込んだものとなっている。1vs1の決闘はもちろん、最大4vs4で戦う戦略性の高いバトルなどが楽しめる。

△キャラクターや戦場の描写にも力を注いでおり、没入感の高いバトルが楽しめる。

プラットフォーム:プレイステーション4 Xbox One PC
ジャンル:3Dアクション
CERO:Z

発売日:2017年2月16日
価格:パッケージ版:8,400円+税、ダウンロード版:7,500円+税
発売元:ユービーアイソフト

ちなみに、FOR HONORは、”名誉のため”にというニュアンスの言葉ですが、我々の対戦では、負けそうになるとすぐに背を向けて逃亡する男や、その攻撃ガードできないんだわとか勝ったあとに煽ってくる男などがチンパンジーのようにはしゃいでおります。

浅葉「背を向けて逃げるのか!あんた、このゲームのタイトル知っとる?」

ナカジマ「フォーオーナーだろ」

浅葉「owner(オーナー)じゃねえから!HONOR(オナー)だから。名誉のためにって意味なんだよ!」

ナカジマ「名誉はいらねえ、勝ちたい。死にたくない」
地獄のような戦いの模様を音声付きで録画して、某メディアに送り付けたのですが、記事からカットされていました。

△浅葉vsナカジマの戦いは、某メディアからクローズドβテスト権利をいただいた時点から始まりました。試合に勝てないと判断すると、すぐに背を見せて逃亡するナカジマから、騎士道精神を感じました。

本作の最大の魅力は、その遊びやすさにあります。操作や駆け引きがとにかく直観的で、わかりやすいのです。
バトルの基本的な駆け引きは、上、左、右の構えを取り合いつつ、攻防を繰り広げるというものになっています。上に構えていれば、上から攻撃を繰り出すことが可能で、相手の上からの攻撃をガードしたりパリィ(武器弾き)することができます。ガードできない攻撃などもありますが、そういった行動にはそれなりのリスクや欠点が設定されているため、構えの読みあいを軸にしつつ、アクセントとなる行動を仕掛けるのが本作のセオリーとなります。相手と相対したら、構えを合わせられないようにスイッチしつつ攻撃の機会をうかがったり、初手をとりにくい状況では、相手の構えにあえてあわせてガードやパリィで攻めをいなしたあとに、反撃を叩き込んだり。状況によって戦術はことなりますが、その戦術に伴う操作やルールは非常にシンプルなので、複雑な操作は苦手という方でも、すぐに熱い対戦を楽しむことができます。
また、本作は、近接武器を使った戦いがメインなので、相手を遠距離から攻撃できる手段はほとんどなく、シューターのようにエイム力を問われるようなシーンもほとんどありません。

△手前のキャラクターの上にみえているのが、構え位置をあらわすアイコンです。今は上に構えているので、上からの攻撃を繰り出せます。そして、上に構えているので、相手の上からの攻撃を防げる状態にあります。

その敷居の低さは、英語オンリーのクローズドβテストに参加して、「やべえ、英語まじでわからねえ」とか言いながらゲームパッドをガチャガチャしていたゴジラインのメンバーたちが、プレイをはじめて数分後に対戦を楽しめていたほどです。クローズドβテストの際にがちょさんがGoogle翻訳ツールを使い始めたときはどんだけ勝ちたいんだよと思いましたが。

△ガードやパリー不能技、投げなど、構えを無視して攻撃できる技も存在しますが、それなりのリスクや弱点がある場合がほとんどです。

と、バトルの根幹となるルールや駆け引きは非常にシンプルですが、使用可能な12人のヒーローは、その性能がさまざまに異なります。動きは遅いものの、相手の攻撃に耐えながら動けるヒーローや、相手を出血状態にし、徐々に体力を奪う策士のようなヒーローなど、ひとりひとりに強烈な個性が与えられています。そのため、実際に対戦してみると、キャラクターによって重きを置く技や戦術が大きく異なり、組み合わせにより発生するかけひきも変化します。こうしたヒーローごとの性能については、ゲーム内のチュートリアルで詳細な説明をしてくれるので、対戦型のゲームを初めて遊ぶという方にも、非常に親切です。

△浅葉のお気に入りキャラクターの”野武士”。出血状態を誘発する技を持つヒーローで、リーチの長さが強みです。厨キャラとナカジマにdisられていますが、ゲーム上の説明では”テクニカル”と書かれています。

△ゲーム内のキャラクター別チュートリアルは、動画つきで解説される非常にわかりやすいものになっています。

さらに、本作には3つのゲームモードが用意されていて、ゲームモードによってプレイフィールもガラリと変化します。1vs1の試合を楽しむ”デュエル”という形式では、対戦格闘のような駆け引きに集中して戦うことになります。2vs2のブロウルではチームプレイを意識しつつ、2vs1にいちはやく持ち込むように戦いを急ぐ必要があります。4vs4形式のドミニオンでは、陣地を奪い合う駆け引きがあるため、状況に応じて攻守を切り替える必要があります。どのモードも、遊びごたえ十分で、対戦もの好きなら間違いなく熱くなれるものになっています。開発サイドがメインとして遊んでほしいモードは、ドミニオンではないかと予想しているのですが、身内対戦で遊ぶブロウルモードが対戦格闘ゲーム的な面白さを残しつつ、チームプレイが楽しめるモードになっているので、自分としてはこちらも盛り上がってほしいところです。

△陣地をとりあうドミニオンモードでは、陣地を奪い合うスピード感溢れる戦いが楽しめます。兵士を倒すことでレベルアップする要素や、このモードならではの”スキル”も存在します。

この手の3Dフィールドを駆け回るゲームだと、シューターものが依然として人気です。しかし、最近はシューター系のゲームも煮詰まってきていて、かなり練習しないと勝負の土俵に立てないことが増えてきました。その点この『フォーオナー』は、この手のバトルものとしてはシンプルな操作を軸にしていて、かけひきもわかりやすいので、対戦ものの入り口として最適かと思います。まだ発売されたばかりなので、いろいろなレベルのプレイヤーがいて、自分の腕前に合った人と対戦しやすいのも魅力です。

△ヒーローのコマンドリストがこちら。操作はめちゃくちゃ簡単です。

格闘ゲーム好き、対戦もの好きの人が遊ぶと、帰ってこれない熱さのあるゲームなので、とにかく戦いたいという人はいますぐ遊んでください。他の作品との比較を書くのはあまり好きではありませんが、『ブシドーブレード』的な緊張感もあり、『ギルティギア2』的なメレーアクション性もあわせもつ作品です。この2作品にハマったという方は、最新の技術で作られた本作も是非遊んでみてください。ゴジラインでは、『ギルティギア2』をこよなく愛するプレイヤーのがちょさんが本作を絶賛しております。

対戦相手がいないという方は、プレイステーション4版であればゴジラインのメンバーとそのお友達がお相手いたしますので、気軽にtwitterやメールフォームにご連絡ください。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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