格闘ゲームの世界では、テクニカルなキャラクターを自由自在に操り、予想だにしない新しい戦術を生み出すプレイヤーを”職人”と呼ぶ。
そして、職人たちの繰り出す技はときに、勝敗以上に、見るものを魅了する。
ゲームを最大限に楽しむ集団・ゴジラインのメンバーである、ナカジマ、あーてぃ、回転王も、かっては”職人”として尊敬を集めていたが、それはもう遠い昔の話。
いまや、騒がしいだけのおっさんになりつつある。
おれ「最近、ゴジラインがただの厨房集団と思われつつある。”職人”プレイヤーのことをとりあげて、イメージ回復を図るのはどうか」
※厨房:幼稚な言動が目立つ人を指すインターネットスラング。格闘ゲームの世界では、簡単かつワンパターンな戦術で勝ちを拾いにいくプレイスタイルを指す。
ナカジマ「職人なら、あんたの目の前にいるだろ」
おれ「”職人”だれか心あたりない?」
ナカジマ「『GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-』のミッションモード、全キャラ終わらせてる男の姿、見えず?」
おれ「あんた手先は器用なのは認めるけど、戦い方が汚いんだよな。欲望にまみれてる。ブーメラン・コイチの異名を持つ男、職人とは認めがたい」
ブーメラン:『GUILTY GEAR』シリーズで相手の攻撃を受けて吹き飛ばされたときに、受け身をとったあと即座に、空中ダッシュや突進技で襲い掛かってくる動きを指すスラング。ナカジマの繰り出すブーメランは、非常にバリエーションが多彩なことでも有名。
ナカジマ「あんたの求める職人って、どんな人なんよ」
おれ「『GUILTY GEAR』だと、ヴェノム使いか、ラムレザル使い。どっちもレアキャラクターだし」
ナカジマ「ヴェノムなら一人、心当たりがある。ヤベエ人がおる」
おれ「おれは、”アーティ式”ができない人を、”職人”とは認めんぞ」
ナカジマ「アーティ式はおれでもできるんだが」
おれ「だが、貴様は職人ではない」
いつか役立つ『ギルティ』スラング02
アーティ式:『GUILTY GEAR X』で、ゴジラインのメンバーである”あーてぃ”が考案した攻め。今ではヴェノム使いの間では基本連係となっているが、当時はガードバランスを溜める優秀な戦術として恐れられていた。浅葉とナカジマは、このアーティ式という響きを気に入っており、アーティが何か新しいネタを見つけるたびに全て”アーティ式”と名付けている。以下に、あーてぃがこの記事のために撮影した、『GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-』のアーティ式の動画を掲載する。
おれ「その職人候補の名前は?どんな人?」
ナカジマ「310さん。”サトー”って読む。自分の作った連係に、”ダークフェニックス”とか名前つけてる猛者だよ」
おれ「今すぐにでも会いたい!」
ナカジマ「連絡先知ってるから今LINEで聞いてみるわ」
おれ「ダークフェニックスってどんな連係なの?」
ナカジマ「わからん……。ヴェノムは火とか不死鳥とか出さないはずなんだが。彼のつぶやきによると、ゴジラインのEVO観戦ガイドに載ってないのがおかしいほどの連係らしい」
【EVO2016】観戦ガイド02.『GUILTY GEAR Xrd Revelator』日本人プレイヤー多数参加! https://t.co/2ixDiTddKf
おかしい…知っておきたいスラングにダークフェニックスがない…
— 310.venom (@310_progressive) July 6, 2016
おれ「ダークフェニックス、みてえ」
ナカジマ「ほかにもいろいろなオリジナル技があるらしい」
ゴジラインはおっさんの趣味の集まりかつ、収入源が特にないため、完全な趣味活動。
いくらゲーム好きとはいえ、そう簡単に参加してくれるとは思えない。
ナカジマ「話聞かせてくれってお願いしたらゴジラインよく見てくれてるらしく、OKとのこと。いろいろ話をきいて記事にしてみよう」
やっててよかった、ゴジライン。
ナカジマ「ついでに、ダークフェニックスのレシピも聞いてきた。あーてぃにやってもらおう」
おれ「ダークフェニックス、すげえ!めっちゃ削ってるぞ!」
あーてぃ「ダークフェニックス、確かに難しい。これは”職人”の技だね」
ナカジマ「本人曰く、DPXと略すらしい」
おれ「実際にこの連携は強いのだろうか」
あーてぃ「投げから半分はつよい気がする」
ナカジマ「ほかのオリジナル連携もテクくて強いのかもしれん。はやく見たくなってきた」
自らの考案した連携や戦術に、インテリジェンス溢れる”技名”をつける310氏。
ダークフェニックスの名前の由来は、その他のオリジナル技は。
次回、310氏の”職人”っぷりが伝わってくる、「座談会編」にご期待ください。