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【ネタバレほぼなし】ついに『Outer Wilds』を遊んだ。そして、僕も誰かの背中を押したい

   

今回の記事はレビューでもゲーム内容の紹介でもない。

『Outer Wilds』が面白いという話が聴こえはじめてからしばらく経った。ゲーマーの友人からも「やってみなよ。面白いよ」と言われることが何度かあった。
SNS上ではレビューも見かけるようになったが、僕はそれらのリンクを踏まなかった。なぜなら勧めてきた友人たちはみんな口を揃えて「事前に情報を仕入れるな、攻略はほんとうのほんとうに詰まった時にしか見るな」と言ったニュアンスのことを強く警告してきたからだ。僕がプレイするまでに知りえた情報は、本作が海外で既に高い評価を得ていることと、ダウンロードストアのゲーム説明である「恒星系最後の20分間を繰り返すタイムループの謎に迫る、終末的な宇宙探索アドベンチャー」であること。そしていくつかのスクリーンショットと以下の動画である。どうやら、一人称視点で宇宙を探索するゲームのようだ。

僕はゲームをたくさん買いはするものの、購入の動機は自分が楽しめそうと思えるソフトが中心で、これが購入するソフトの9割を占めている。そして、あと1割くらいは信用しているゲーマーの友人、もしくは一部のレビュワーの「面白い」を信頼して買っている。しかし、本作はどうやら「情報を仕入れない方が良いらしい」ので、レビューもうかうかと読めず、すぐに遊んでみようとはならなかった。Xboxではゲームパスの中に入っており、無料で遊べるにも関わらず、だ。それは、ゲームのダウンロードストアで見ることができるスクリーンショットやムービーを見る限り、自分向けのゲームではないだろうという予感があったからで、僕はこの手の一人称系の探索ゲームがあまり得意ではないのだ。緩慢なテンポの探索ゲームを遊んでいると、すぐに眠くなってしまう。

そんな状態だったから、様々なゲームをプレイし、クリアーしている間、『Outer Wilds』のことはほとんど忘れていたのだが、周囲の口コミはしとしとと聴こえ続け、好奇心のコップに静かに満ちていった。そして、何度目かわからないSNS上の「面白かった」という声が最後の一滴となり、水を溢れさせた。そして覚悟を決め、向いていないであろうその作品を遊び始めた。

ゲームを始めると、どこかもわからない場所へと投げ出された。何をすればいいかもわからないし、ゲーム側から与えられるチュートリアル的な情報がごくわずか。探索する範囲を広げていくものの、これが何につながるのが見えてこない。目的もなくRPGのマップを彷徨っているような感覚を覚えた。正直、開始して1時間くらいは、どこが面白いのか素晴らしいのかさっぱりわからなかった。ゲーム好きの友人たちが、この手のゲームが苦手であると知っているであろう僕に対して、情報を仕入れずにやってみろという理由もわからない。それでも、今までに見てきた、面白い、素晴らしい、稀有な体験が出来るゲームであるという抽象的な口コミを信じてプレイを続けた。これらの声がなければ、やっぱり向いていないなと投げ出したことだろう。人の好みはそれぞれだと知っていても、ゲーム好きの人たちがいう、面白いという感覚に全く近づけずに終わるのは寂しいじゃないか。

少しでも新しい展開を起こしたくて、よくわからない宇宙の中を歩き続けていた時、頭の中でゲーム内で得た知識と経験がつながる瞬間が訪れた。これがみんなの絶賛する『Outer Wilds』なのだと気づかされた時、ゲームに抱いていた疑いと、ぼんやりと感じていた倦怠感は吹き飛んでいた。序盤こそ僕が苦手なテンポの探索アドベンチャーだったが、自分の中でつながりを自覚した時、本作は全く別のゲームへと変わっていた。すごい!

△興味のある方、ぜひ遊んでください。

そしてOuter Wildsを遊び終えた僕は、この作品をまだ未プレイの人にも遊んで欲しいと強く思っている。何もわからない状態から始まるけれど、いろいろやっているうちにやるべきことが見えてくる。そこまではやや忍耐力がいるかもしれないが、解放のカタルシスは必ず訪れる。事前に情報を仕入れなくて良かった、攻略を見なくてよかったと思うはずだ。

そう考えると本作は実に挑戦的なゲームだ。よくわからない序盤があるからこそ、後半の爆発的な加速が活きてくる形式になっている。よくわからない序盤を遊んだだけでは、まるでどんなゲームか見えてこない。そこで探究心を発揮できる人は良いが、そうじゃない人は逃げていくかもしれない。しかし本作は、それを恐れずこの形をとっている。最後までプレイしてくれる人がいることを信じて。最初に本作の面白さに気づいた人はすごいなと関心させられてしまうし、ゲームライター的なものをしている一人として悔しさもある。もっと早くプレイしておけば良かったと、自分で見つけられなかった名作を相手に何度思ったかわからない感覚がツンと蘇る。

あとあと、勧めてくれた友人たちに話を聞くと、彼らも僕と同じように話題になってたソフトだったから気になってプレイしたという。僕たちが目にした口コミは書き手が優しかったのか、ネタバレを避ける類のものばかりだった。確かにこの作品には、多くを語りたくなる部分があると同時に、人に薦める場合は多くを語ってはいけないという凄みがある。万人受けするゲームではないかもしれない、ただ最後まで遊んで欲しい。褒めるのも、文句もそれからだ。そしてもし興奮が重なる人がいれば、ネタバレ全開で、ああだったこうだったという話を交わしたい。

この記事が、僕の背中を押してくれたたくさんの口コミのように、誰かの背中を押してくれたら幸いだ。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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