【いつもの】『らんま1/2バトルルネッサンス』で、原作再現が生む奇跡のバトルを楽しむ

格闘ゲームコレクターの浅葉が、書いて放置していた記事をお届けします。

コンシューマーハードで発売されている格闘ゲームのコレクションは充実しているものの、中には「対戦」における実地検証を試していないソフトはまだたくさんある。今回遊ぶことにしたプレイステーション用タイトルである『らんま1/2バトルルネッサンス』も、その中の一つだ。
スーパーファミコンで発売されている『らんま1/2』の格闘ゲームは、どれもよくできた傑作で、未だに対戦会などが開催されていると聞く。しかし、『らんま1/2バトルルネッサンス』については、対戦会どころか、ガチな対戦動画もあまり見られない。これは、おれと「彼」で攻略するしかない。

今回のesports
『らんま1/2バトルルネッサンス』
プレイステーション
発売日1996年12月6日
(株)小学館プロダクション

△見た目は3D対戦格闘ゲームですが、技の性質やコマンドはどちらかというと2D格闘ゲーム寄り。原作にこだわりまくった独創的システムが、唯一無二のバトルを生み出すぜ。

時は、2018年の年始まで遡る。記事の公開が遅れたのは、推敲に時間を重ねたからではなく、ただの怠慢である。

おれ「あけましておめでとうございます。『らんま1/2バトルルネッサンス』やろうぜ

ハヤシお前の年始の挨拶、30台半ばの大人のものとは思えねえんだけど」

おれ「スーファミの『らんま』はそこそこ対戦したけど、このプレイステーションのやつは、誰とも対戦したことがない。ちょい今から家に来てくれ

俺とハヤシくんの戦いは、古の小学校時代から続いている。最近は、家庭用格闘ゲームに戦場を移し、ギャアギャアと騒ぎながら対戦を繰り広げている。前回の聖戦の模様も記事にしたので、今回も何か書いて載せようと思っていたら半年が経過した。

【キャラゲー】ベルトスクロールアクションとしてではなく、対戦ゲームとしてSFC『美少女戦士セーラームーンR』を楽しむ

△本作で使用できるキャラクターはご覧の通り。

小さいキャラには技が当たらないのが常識

僕たちは、格闘ゲームに置いて小さいキャラクターが有利な状況というのを数多く見てきた。通常キャラクターならヒットするはずの技が空振りし、小さいがゆえにジャンプ攻撃の的を絞れない。最近では、格闘ゲームに露骨に小さいキャラクターが減ってきたこともひしひしと感じている。

ハヤシ「じゃあ俺は、キャラ愛でおじいちゃんを選ぶわ。かっけえ」

おれ「オイ!『らんま』でキャラ愛語って八宝斎選ぶの、狂ってるでしょ。お前、そのキャラ、「身長」で選んだな」

ハヤシ格闘ゲームは、小さいキャラが有利なことが多いからな。八宝斎の身長なら、「立ちパンチ」が当たらないと見てるよ」

おれ「カスが。俺は魂のキャラ、シャンプーちゃんを使う」

誤解のないように言っておくと、おれは昔からシャンプーちゃんが好きだ。

おれ「技が、当たらねえ!」

△予想通りおじいちゃんに当たらない上段攻撃。立ち弱攻撃だけではなく、強攻撃も当たらないあたり凄まじい圧を感じます。

ハヤシ「八宝斎、予想通り小さいな」

おれ「キャラゲーなのに何やられ判定を真面目に判定作ってんだよ。立ちパンチで八宝斎殴らせろ!」

ハヤシ「おじいちゃん殴るの、さすがに許されんよ。道徳の心を忘れずにesportsに臨め

雨のルネッサンス

おれ「なんか雨が降ってきてシャンプーが猫になったのはいいんだけど、猫に変身したら技が1個しかなくなったんだが」

△画面上にいきなり表示されるSQUALLのマーク。

ハヤシ「原作設定を忠実に活かし、試合中にランダムで雨を降らすシステム、神すぎる。ランダムで出るお湯に触れると元に戻るらしいぞ」

△雨に直撃すると体が光に包まれ。

△可愛い猫ちゃんに変身!原作への絶大なリスペクトから生まれたシステムが、全ての格闘ゲームを過去にする。

おれお湯に触れる前に粘着されて負けるんだが。小さいのはいいんだが、火力がない、攻撃手段がない

ハヤシ「そら原作でも動物はよええ。雨の予報みたいなの出るから、それ見たら警戒しろ」

おれ「予報だけ出て、雨が降らない時があるんだけど」

ハヤシ「天気予報のリアル、感じろ。毎回当たる天気予報なんてない。ちなみに八宝斎は雨に当たっても影響ない。原作リスペクト、徹底しとる」

おれ「仕方ない、足払い中心で戦うわ」

ハヤシ「あれこれ、八宝斎防御力低くね。攻撃食らうとめちゃくちゃ減るんだけど

△小さいキャラクターには、低体力という弱点が!21世紀の格闘ゲームでも採用される伝統あるルールがここにも。神調整なんだよなあ。

おれ「神調整。小さいキャラは体力がすくない。これ格闘ゲームの伝統ね」

ハヤシ「これ、そういうレベルじゃなく低い。八宝斎引退するわ」
格闘ゲーマーの引退は早い。そして、復帰も早い。
おれたちの言葉に、責任感などないのだ。

インフィニティ・ストーム

ハヤシ「雨雨うるさいから、俺も良牙使ってその神システム体験するわ」

おれ「だんだんコツ掴んできたわ。おれもあかねちゃん使うわ」

ハヤシ「技よくわからんけど、とりあえず対戦してみるか」

おれ「あれ?今スライディングからスライディングがつながらなかったか?3回くらい受身取れなかったんだけど」

ハヤシ「俺も思った。ついに「始まった」か」

おれ「俺は「終わり」感じてるんだけど」

ハヤシこれは、「無限」ですね。インフィニティであり永久でありハメかもしれん

※無限:永久につながる連続技、コンボのこと。

おれ「たまに受身が取れるけど、タイミングばっちりだと「無限」だなこれ」

△スライディングの当たり方が悪いとそのままゲームオーバーもありうるデスゲームが幕を開けた。実際に倒しきるまでヒットさせるのはちょっと難しい。スライディング→しゃがみ弱→スライディングなどのアドリブを織り交ぜれば成功率があがる(ハヤシ談)

ハヤシ「ハヤシ式、来ちまったな。このゲーム、接地寸前の相手を拾い続ければ、無限コンボになるっぽいな。他にもありそうだから調べてみるか」

おれ「やべえ、玄馬、パンダになると「無限」が使えるようになる

ハヤシ「水かぶって弱くなるキャラだけじゃなく、強くなるキャラも用意されているとは。深すぎる」

おれレシピは下◯を繰り返すだけ、あまりにも深い。ただタイミングは若干むずい」

ハヤシ無限コンボは一見簡単に見えても、そこに職人の技が詰まってたりするんだよなあ。SNSで無限の動画だけ見て、「クソゲー」って決めつける世の中に絶望している。というわけで永久はありでやりましょう」

おれ「永久を肯定するためのご高説に感動しました。しかしこのゲーム、くらい中から脱出するシステムはないけど、雨が運よくふってくれば無限から逃げられるのかもしれん。神ゲーか?」
これだから格闘ゲームはやめられない。

△猫に蹴りを入れるらんま氏の絵面がなかなかに壮絶です。

豚vs猫は10:0なのかもしれない

おれシャンプーも無限ぽいのいけそうだな。やはり、俺の魂のキャラはシャンプー

ハヤシ「俺は最初から、良牙って決めてたんだよなあ。こいつだけ無限が割と簡単なのアツい」

△良牙vsシャンプーの試合では、どうぶつガチバトルが発生しやすい。

おれ「基本的に、無限コンボを警戒して守り気味の戦いになるから、そこに雨が降ってきてめちゃくちゃになるの味わい深い」

おれ「おい、これ、豚vs猫、10:0だろ。猫の攻撃、豚に当たらねえ!

驚くべきことに、猫に唯一許された攻撃手段は、豚の背が低すぎて空振りしまくる。しかも、豚の攻撃を持続でヒットしてしまうと、しばらくの間ループコンボとなってしまうおまけつきだ。豚vs猫のダイアグラムをつけるとしたら、10-0の可能性も出てきた。
ハヤシ「猫が豚に勝つのはおかしいでしょ。アラフォーなんだから現実を見ろ」

おれ豚も無理、スライディングも無理。なんなんだこのゲームは」

ハヤシ「あなた、この組み合わせで「キャラ差」感じてるみたいですけど、これ「人の差」だからね。そこんとこ嚙みしめといて」

おれ「いや、まてよこれ。豚と猫、ガードの上段、下段の区別がなくね

ハヤシ「え、マジで」

おれ「説明書よく読むと、豚、猫、パンダは投げられませんって書いてる」

ハヤシ動物用の投げられグラフィック書くのがめんどくさかったんだろう

おれ人間状態でリードをとってたら、動物でガードすりゃタイムアップで勝ちだなこれ

猫と豚の後ろ下がりがあまりに早く、なぜか無限ステージが用意されているため、究極の護身がここに完成しつつあった。

めくりのルネッサンス

猫と豚は、ガードに上下段の区別がない。この発見は、リードしたら積極的に雨を浴びるという戦術を生み出した。良牙のスライディング始動の永久コンボも、スライディングをガードすれば確定反撃がつくことが判明し、シャンプーにもループコンボがあることが判明。俺たちの戦いは一進一退の泥試合と化していた。同じ実力のプレイヤーが、強さの近いキャラクターを使う。千日戦争の気配が漂い始めた時、奇跡は起こった。
おれ「あれ今、猫でガードできなかったんだけど。良牙、ガード不能攻撃の持ち主か」

ハヤシ「いやこれ、地上で前進ベクトルの強い技を出すと、猫や豚の横幅が小さすぎて”めくり”になってる。存在判定貫通アパカ完成したな

おれ「なるほど、地上技の前進ベクトルが豚や猫の小柄なキャラを貫通するというわけだな」

△再密着で繰り出したアッパーが八宝斎を貫通!

△その後の派生攻撃は、めくりとなって遅いかかる。

ハヤシ異常な状況を状況に冷静に分析できるようになってる自分たちがこええ」
前進ベクトルを持つ技を幾つか調べてみたところ、ダッシュの押し合い判定でも相手の後ろ側に回りこめることがわかった。中段、下段、投げを使い分けてガードを揺さぶるという格闘ゲームのセオリーは崩壊し、戦いは終局に向けて加速していく。特に玄馬のパンダ状態のアッパーは凄まじく、小柄なキャラクター以外ももりもりめくってくるため、「存在判定貫通アパカ」というスラングが定着した。

さよならはルージュとともに

戦うこと3時間。勝敗は5分に近い形で進み、どちらが勝ちとは明確に語れないまま時間だけが過ぎていった。
以下に、朝方、ハヤシくんが途中で寝始めた際の試合動画を貼っておく。格闘ゲームしながら寝る阿修羅を初めて目の当たりにして震えた。

おれたちが学んだことは、体力リードを奪われたうえで動物に変身させられたらオワリということだ。軸ずらしはあるものの、攻撃力が低すぎてリードを取り返せない。
ハヤシ「そういえば隠しキャラ使ってなかったな」

おれ「出してみるか」

・ルージュの使用方法
VSモードで乱馬にカーソルをあわせて時計まわりにキャラクターの上を移動して決定。2P側は反時計まわり。

ハヤシ「おれ、20年前からルージュのこと好きだったんだよな」

おれらんまといえば、ルージュみたいなところある」

△めちゃくちゃ減る飛び道具を持つルージュさん。あまりにもkawaii

キャラクターゲームにおいてラスボスが最強すぎることは何ら不思議なことではない。しかし、このルージュさんのように、他のキャラクターの1000億倍くらい強い飛び道具でゲームルールを破壊してくるようなプレイアブルボスはなかなか見られません。次回、機会があれば、ルージュ同キャラを煮詰めてみたいと思います。

『らんま1/2バトルルネッサンス』を終えて

おれ「どうですか、格闘ゲームのルネッサンスは」

ハヤシ「原作再現のシステムがかなり笑える。雨降ってくるシステムは神。対戦に不確定要素があっていいね。何に使うかわからない技も多いけど、減りが大味だから楽しめる」

おれ「案外バトルバランスも面白いのかもしれん。無限コンボが見た目ほど簡単じゃないね。またやりましょう」

ハヤシ「またやるのかよ」

おれ「ストーリーモードではステージいくつか見たのに、対戦だと選べなかったとか、いろいろ謎は多い」

『らんま1/2バトルルネッサンス』のウルテク、最強キャラ提案などをゴジラインでは募集しております。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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