【ボードゲーム】嵐の中で大熱戦!『桜降る代に決闘を』第1回ゴジライン大会レポート

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対戦型カードゲーム『桜降る代に決闘を(以下『ふるよに』)』を前回初めて遊んで以来、公認大会に武者修行へ行ったり、公認のネット対戦ツールで友人と対戦したりと、すっかり『ふるよに』の魅力に取り憑かれてしまった男・イナガキです。

△デジタルゲーム版のリリースに備えて始めたはずの『ふるよに』ですが、すでにアナログゲーム版の段階からドハマリしています。

そしてこの『ふるよに』の魅力をLINEグループ「406ゴジライン」の皆にも広めるべく、406ゴジラインの有志を募ってボードゲーム会を開催! ……のはずが、当日にあいにくの台風接近。開催は見送られることとなりました。しかし、それでも「台風……? そんなことより『ふるよに』やろうぜ!」と言ってくれた、命知らずの変人決闘者2人が会場にやってきてくれました。今回は、そんな中開催された超身内大会「第1回406系ふるよに大会」の様子をレポートします!

(※本記事のカード画像は『桜降る代に決闘を』公式サイトのものを使用しています)

△大会前に、今回が初『ふるよに』のささみさんに特訓中。カードのテキストを読み込む後ろ姿に、世界的頭脳スポーツ“UNO”ガチ勢の圧を感じます。

今回の大会に参加する決闘者たち 

イナガキ:様々なジャンルのゲームに手を出しては浅瀬で止まってる自称「永遠の初心者」。

△イナガキの使用メガミは近距離が得意なスタンダードキャラ・ユリナ(刀)と、傘を開閉することで武器の特性を変えるテクニカルキャラ・ユキヒ(傘)。

JETさん:アナログゲームからデジタルゲームまで幅広いジャンルのゲームを楽しむベテランゲーマー。温厚な物腰とは裏腹に、殺意高めのプレイングを好む。

△JETさんの使用メガミは遠距離攻撃を得意とするヒミカ(銃)と一撃必殺の技を持つハガネ(鎚)。

ささみさん:PS4版UNOが遊びたくて「406ゴジライン」の門を叩いた“UNOガチ勢”。TCG経験はないものの、PS4版UNOでは国内トップクラスのランキングにいる、生粋のカードゲーマー。

△ささみさんの使用メガミはユリナ(刀)と、カウンターの鬼である“ピンク”ことトコヨ(扇)。

今回の大会は、上記3名による総当たり戦で開催することとなりました。

一戦目 vsささみさん(ユリナ/トコヨ)

まずは、今日初めて『ふるよに』に触れたささみさんと対戦。ささみさんは大会前に、一通りのキャラは触ったものの、まだ不慣れな様子。

ささみさん「これは格闘ゲーム界隈で言うところの『初狩』という行為では……?」

イナガキ「初狩られもせずに一人前になった奴がどこにいるものか!」

そんな初心者相手に本気全開の自分ですが、これは初狩が楽しいということはなく、実際、全力でプレイした方が、相手もプレイングの参考になるんじゃないかって思って……皆さんもそう思いません?

【眼前構築】
さて、『ふるよに』には、対戦前に自分が使うカードを選ぶ「眼前構築」というルールが存在します。相手のメガミの戦略を予想し、自分の使うカードを選択するこのルールは、『ふるよに』の大きな特徴であり、魅力でもあります。
今回の対戦相手であるささみさんが使うのは、自分と同じ近距離戦が得意な「ユリナ」と、中距離戦&カウンターが得意な「トコヨ」。対戦では中~近距離での殴り合いが頻発すると予想し、攻撃カードを入れられるだけ入れることにします。また、「トコヨ」の超強力カウンター「雅打ち」を警戒し、「雅打ち」の射程外から攻撃できる「しこみばり/ふくみばり」や切札「はらりゆき」も投入して、攻撃のバリエーションも増やす形で対戦に臨みます。

△相手の攻撃に先んじて一撃を与え、さらに攻撃を無効化できる「雅打ち」はトコヨを代表する1枚。防ぐには、射程(2-3)の外から攻撃する必要がある。

そして始まった「桜花決闘(対戦)」では、お互い中~近距離主体のメガミということもあり、速やかにお互い間合いを詰めていきます。牽制的な攻防が数度行われたあと、ささみさんが出したカード。それは……審美眼!

△このカードが場に出されている限り、「対応」と書かれたカウンターカードを使用する度に相手のライフに1ダメージを与えるという厄介な能力で、公式ブログでも話題を呼んでいる今最もアツい1枚!

イナガキ(数あるトコヨのカードの中から、予備知識無しで「審美眼」を選ぶとは良いセンスすぎる…さすがUNOガチ勢……)と、相手の対応カードを恐れて手出しができない自分。しかしこのカード、実はささみさんの「おとり」。ささみさんのデッキには対応カードがほとんど入っていなかったことが、対戦を進めるうちに発覚します。
自分が審美眼を警戒している間に手札を整えていたささみさんと、相手に「対応」カードが無いことに気付いて慌てて体制を立て直そうとする自分。戦術的にかなりアドバンテージを失ってしまった感はありましたが、幸いにも「ユキヒ」の間合いを詰めるカードたちに助けられて、得意とする近距離戦に持ち込むことができました。自分もささみさんも、近距離戦に強い「ユリナ」を使ってはいましたが、ささみさんのもう1柱のメガミ「トコヨ」は、近距離ではほとんど無力。一方、自分のもう1柱「ユキヒ」は、傘を開くことで近距離でも戦えるため、徐々にライフ差を広げることに成功します。
最後は、自分の「一閃」を受けたささみさんが攻撃を無効化する切札「久遠の花」を使ったのを確認したあと、超強力な攻撃系切札「月影落」を決めて初戦を勝利で飾ることができました。

△“ピンク”の切札「久遠の花」は『ふるよに』最強の防御カード。相手のコスト6以上の切札を防げれば圧倒的アド得です……が、残念ながら今回はその真価を発揮せず。

二戦目 vsJETさん(ヒミカ/ハガネ)

その後に行われた、ささみさんとJETさんの対戦では、JETさんが快勝。つ自分とJETさんによる優勝決定戦を行うことに。

△ちなみに、自分もJETさんもこの日はボーダーシャツを着用。まるでペアルック。

 

【眼前構築】
以前、JETさんとこの組み合わせで対戦した時は、遠距離攻撃でこちらのシールドである「オーラ」を削り、防御が薄くなったところで強力な攻撃カード「マグナムカノン」で大ダメージを与える……という戦法が非常に厄介でした。

△JETさん愛用の「マグナムカノン」は、遠距離から相手に2ダメージを与えられる強力な攻撃。自分のライフも減るものの、それより先に相手のライフを0にしてしまえば良いんだろ、という熱い想いが伝わる1枚。

そこで、「オーラ」をなるべく切らさない方が良いと考え、傘を開閉する度にオーラが回復する「かさまわし」を投入。さらに、ヒミカの得意な遠距離戦に付き合わないため、距離を詰める「足捌き」といったカードもデッキに採用。相手の戦法への対抗手段を備えます。

△傘を開閉するだけでオーラが増える「かさまわし」は、地味ながら優秀な防御系カード。

対戦は予想通り、JETさんの遠距離攻撃から開始! オーラとライフに同時にダメージを与える強力な全力攻撃「フルバースト」を撃ってきますが、幸いにして間合いを詰める対応カード「もぐりこみ」を持っていたため射程外に移動でき、難を逃れます。

△傘の開閉で距離を離すか詰めるか変わる「ひきあし/もぐりこみ」は、対応で使うことで相手の意表を突ける便利なカード。入れていて損はない。

とは言え、その後もJETさんは、「バックステップ」「ヴァーミリオンフィールド」といった間合いを離すカードを駆使し、なかなか近づかせてくれません。対する自分も、相手の攻撃をオーラで受けつつ、こまめに「かさまわし」をしてオーラを切らさないように対峙。戦いは持久戦の様相を呈してきます。しかし、数度のターンを経て相手のカードを観察するうちに、自分の中ではひとつの確信が芽生えます。

イナガキ「(何ターンも経ったのに、JETさんは大好きな『マグナムカノン』 をまだ使ってこない。ということは、今回は入れてないのでは……!?) JETさん――あんたのデッキ、見切ったよ。前進!!」

JETさん「じゃあ間合いに入ったので『マグナムカノン』で」

イナガキ「……あ」

確信は気のせいでした。

この時点で自分の残りライフは2。対するJETさんは4。倍近いライフ差を付けられてしまいました。目の前にちらつく「敗北」の二文字。だが、JETさんのオーラを見ると、意外と少ないことに気付きました。JETさんは、距離が離れる代わりにオーラが減るアクション「後退」を繰り返していたため、ちょうどオーラが尽きているタイミングだったのです。
そこで自分のターンに「この瞬間しかない!」とばかりに、あらゆるリソースを払って一気に距離を詰めます。さらに攻撃「斬」と切札「月影落」で一挙に4ダメージを与えることに成功。これでJETさんのライフは0に……!
こうして華麗な逆転勝利を決め、見事「第一回406系ふるよに大会」で優勝を飾ることができました。

△対戦終了直後の1枚。二戦とも決め手となったのが、写真の右側にあるユリナの切札「月影落」、超強かったです。

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イナガキ

イナガキ

ゴジライン愛読者のおっさんゲーマー。アナログゲームのイベント運営やTCGプロデューサーなどの仕事を経て、某出版社でアナログゲーム系書籍の編集者に。好きなボードゲームは「ティカル」と「王への請願」。LINEグループ「406ゴジライン」でボードゲームの話題が出ると途端に長文を投稿し始めるタイプのオタク。

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