EVO 2016の観戦ガイド第六弾は、『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』。今回の記事は、本作のトレーニングモードをこよなく愛する、課金ゴリラ氏に協力していただきました。
2011年11月17日にPlayStation 3、PlayStation Vita、Xbox 360で発売された、マーベル・コミックとカプコンのクロスオーバー作品。『MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds』のバージョンアップ版にあたる作品で、キャラクターや新規バトルシステムなどが追加された。本作のバトルは、3キャラクター1組のチームで闘う形式となっており、バトル中のキャラクターがサポート攻撃を繰り出す”ヴァリアブルアシスト”などを絡めた連携や攻めの自由度は極めて高い。格闘ゲームを代表する”お祭りゲー”のひとつ。
(記事協力 課金ゴリラ:アーケードゲームから、家庭用のキャラクターゲームまで、幅広いゲームジャンルの”トレーニングモード”を愛するパワー系プレイヤー。刺繍の入ったスカジャンなどを普段着にしているため、第一印象はほぼ”怖い”で統一されている。)
コンボダメージの極めて高い本作では、どのように初手を取りに行くかが重要です。キャラクターによっては、ファーストアタックからそのまま1キャラクターを倒し切ってしまうことも可能なので、試合開始直後から緊張感溢れる駆け引きが見られるはず。
そして、キャラクターを1人倒してしまえば、続いて出現してくるキャラクターに”出現攻め”を仕掛けられます。この”出現攻め”は、ほぼノーリスクでガードの揺さぶりをかけられる瞬間になるため、出現攻めで2人目を倒し、3人目にも出現攻めを成功させて、あっさり3タテという試合も珍しくありません。熟練のプレイヤーたちは、この出現攻めの際に、さまざまな絡め手を用意しているので、相手を倒したあとの動きにも注目してみましょう。
中段、下段、投げの揺さぶりが強力な本作では、ガード方向を揺さぶられにくい空中ガードや、連携を届きにくくするアドバンシングガードを使い分けて相手の攻撃をさばいていくシーンも多くみられます。しかし、熟練のプレイヤーたちは、空中ガードには空中投げ、アドバンシングガードには、タイミングをずらして打撃を仕掛けるという揺さぶりをしかけてきます。接近戦では、攻める側と守る側の動きに注目してみましょう。
そして、もうひとつわかりやすい見どころとしては、Xファクターの使いどころ。Xファクターは、ラウンドに一回のみ使用可能で、効果中はキャラクターが赤黒く変色します。この状態では、攻撃力やスピードに大きくボーナスがかかるため、コンボの火力が大きく向上します。Xファクターの発動ポイントはさまざまで、試合の流れやキャラクターによっては、1人目での発動をしかけるという戦術も有効になってきます。
複数のキャラクターでコンボをつなげていくチームエリアル(TA)にも要注目。チームエリアルを仕掛けると、”じゃんけん”のような読みあいが発生、ここで仕掛けた側が読み勝つと、火力に乏しく、ゲージのないキャラクターでも、後続のキャラクターで大ダメージコンボを狙えます。チームエリアル始動でのみ可能な永久コンボを持つ、ドクター・ドゥームが後ろに控えているときは、一気に勝負が決まってしまうことも珍しくありません。
現環境で強キャラクターとされているのは、バージル、ゼロ、モリガン、ドクター・ドゥームら。初手をとりやすいゼロ、凄まじいけん制能力を誇るモリガンは先鋒として、バージルは強力な必殺技”幻影剣”を活かすために3番手として配置されたチームを見かけることも多いはず。この3キャラクターは、体力が若干低いという弱点もありますが、うまく運用できれば相手に何もさせずにKOしてしまうことも珍しくありません。
ドクター・ドゥームは、体力がやや高めで、強力なヴァリアブルアシストや、チームエリアルを絡めた実戦的なコンボもあるため、チームの総合力を大きく向上させるキャラクターとして定評があります。
3キャラクター1組のチーム戦となっている本作では、単純に強いキャラクターを寄せ集めることよりも、3キャラクターが上手くかみ合う形でチームを組むことが重要です。特に、メインキャラクターとヴァリアブルアシストの相性は、チームを組む上で避けては通れない要素となっています。先鋒キャラクターの強みを引き出すようなチーム構成を好むプレイヤーも多く見られます。
課金ゴリラ氏が注目する
プレイヤー
BE | Takumi :メインチームはマグニートー、ドクター・ドゥーム、バージルだが、先鋒ゼロやモリガンのチームも高いレベルで扱えるため、状況に応じたキャラクターチョイスを仕掛けられるプレイヤー。本年度のEVOに参加する日本勢では、上位入賞最有力候補。
AW | ネモ:近年は 『ストリートファイター』シリーズに取り組んでいるが、実力が錆付いていなければ、上位入賞もありうる。海外勢からも高い評価を受けているプレイヤーの一人で、今大会でも注目を集めている。独自の戦術を組みたてることを得意としており、注目の薄かったノヴァの評価を飛躍的に高めたプレイヤーとしても知られている。
ABEGEN:使うチームは重量級3人の総体力360万パワーズ。立ち回り面では厳しい組み合わせの試合も多いが、相手が誰であろうと、ワンチャンスをつかめばおかまいなしに倒しきる。重量級の固さを活かした、力強いプレイに注目。
プレイヤーたちのやりこみは熟練の域に突入し、ガードの極めて困難な連携をきっかけに一気に勝負が決まってしまうことも珍しくない本作ですが、それは「勝敗の安定しないゲーム」を意味するわけではありません。上位にあがってくるプレイヤーたちが見せる、さまざまな”強み”のぶつかりあいを楽しみましょう。