【レビュー】Xbox Series X|Sを「2台目」以降のハードとして買う選択

2台目とは何事かとどこかから怒られるかもしれませんが、一ゲーマー一ハード制という法律は日本になさそうなのでお許しください。

▲私の撮影したXbox Series Xはまじでタダの箱のようになりましたが、実際はめちゃくちゃ格好いいです。

ハードの話をすると、”どのハードが一番優れているか”というような話に流れがちですが、僕はこれについては”ハードはあるだけ楽しい”と思っています。一台買うという場合でも、性能の優劣とかよりも、結局のところプレイヤー自身のやりたいことと照らし合わせて買うはずです。
そこへいくとプレイステーション5は僕にとってめちゃくちゃ魅力的です。だってこれがないとリメイク版の『デモンズソウル』もできないし、『ライザのアトリエ2』をより良い環境で遊ぶこともできない。そのうえ『ファイナルファンタジーXVI』だって最速で遊べるのはおそらくこのプラットフォームでしょう。

しかし、いくら他のハードがすごいとはいえ、Xbox Series X|Sもすごいんです。

こう言うと、いやいやだってXboxでしょ、日本じゃちょっとねえと思う方がいるのもわかります。筆者は初代Xboxから今までこそこそとXboxを愛でてきたのですが、正直Xbox Oneの時代は寂しいものがありました。日本での発売は数か月遅れ、出るソフトは少ないし、頼みの綱のサブスク”Xbox Game Pass”もなかなか始まらない。正直、「このハードを持っていることで満足する」くらいの状態でした。オンライン共闘ゲームを遊んで「世界に僕たちしかいませんね、ディストピア!」とかで盛り上がった記憶もあります。
しかし、Xbox One Xが出た頃には後方互換が充実しはじめて、今年の4月にはいよいよ日本版Xbox Game Passがスタートしました。ただ残念なことに、後方互換とXbox Game Passの合わせ技はかなり満足度が高かったのですが、これが整った時期ってもう新ハードの気配が漂っている頃だったんですね。そんな時期に声を大にして「Xboxを買え」とは言えません(言っていないとは言っていない)。この度ついにそれらのサービスをさらに快適に楽しめるXbox Series X|Sが発売となりました。ローンチの予定だったであろう『Halo Infinite』は延期となったのは辛いところですが、それでもめちゃくちゃ遊べるハードになっています。

本記事では、2台目以降のゲームハードとして買いたくなるXbox Series X|Sの魅力をお届けします。

Xbox Game Passが神という話


Xboxの良いところというと、真っ先にでてくるXbox Game Pass。こちらは100を超えるゲームが遊び放題のサブスクリプションサービスです。サブスクで100を超えるというと玉石混交なラインナップ、むしろ石が多いのではというイメージを持つ方がいるかもしれませんがそんなことはありません。Xbox Game Studiosの作品は初日からラインナップ入りしますし、過去の大作ももりもり入っています。当然、月額料金さえ払っていれば一か月に何本でも何時間でもサブスクサービスのゲームを遊べること。サブスクで遊べるゲームはもちろん、通常販売されているものと同じ内容で、DLCなどを適用したい場合はその追加料金だけで遊べます。最上位のプランである1100円のULTIMATEは、PC向けのゲームパスも含むのでめちゃくちゃにお得です。しかもこれはXboxのオンラインサービスも兼ねていて、オンラインでのマルチプレイとか対戦が遊べます。他のハードのオンラインプランと比較してもかなり豪華です。

△Xbox Game Passの価格は月額850円から。1100円のULTIMATEがめちゃくちゃお得です。

現在、最近の作品ですと『Gears 5』や『The Outer Worlds』、『テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER』なんかも遊べますし、発売されたばかりの『Tetris® Effect: Connected』、『ドラゴンクエスト11S』も遊べます。現在と書いたのはXbox Game Passが時期によって一部ラインナップが入れ替わるからですが、短いものでも1か月は無料なので、RPGくらいなら十分クリアできるはず。そして、サービスインから今まで入れ替わっていないタイトルも多く、たとえば『NieR:Automata』などはいまのところずっとこのサービスの中で遊べています。

△めちゃくちゃお得なゲームパス。お試しプレイ的なものではなくて、全て最後まで遊べます。

正直、Xbox Game Passだけあれば、「ゲームをしたい」という欲求はほとんど満たされます。豊富なリストの中から気になるものをダウンロードして、とりあえず遊んでみる。そして合っているようだったらがっつりと遊ぶ。これだけでいくらでも時間を使うことができます。ただ、あくまでサブスクリプションサービスということで、今一番遊びたいタイトルがラインナップの中にない可能性もあります。ラインナップの中から楽しそうなものを探すという遊び方で付き合っていくと良いでしょう。

△有料DLCは無料にはなりませんが、ゲームパスでゲームをダウンロードして、別に有料DLCを購入して適用することも可能。格闘ゲームなどにも便利です。例えば『鉄拳7』ゲームパスでダウンロードして、追加で州光のDLC(500円)を購入して遊ぶということも可能です。

後方互換も神という話


後方互換の充実っぷりもXboxの見逃せないところです。Xbox Oneの時代から、Microsoftはコツコツと初代Xbox、そしてXbox360タイトルの互換に取り組んできたんですね。しかもMicrosoftの謎技術により、後方互換タイトルのグラフィックはオリジナル版よりも美しくなり、ロード時間なども大幅に減少したタイトルが多く、Xbox360時代に人気を博した『ブルードラゴン』、『ロストオデッセイ』、『インフィニットアンディスカバリー』なども素晴らしい手ごたえをもたらすはずです。Xbox Oneの時代ですら後方互換機能のあまりの快適さに驚いていたのですが、Xbox Series X|Sはより快適になりました。

△Xbox360時代の国産RPGの後方互換が個人的にはアツい。謎技術でロードも短縮され、なんか画面も綺麗です。

Xboxといえば海外向けソフトが多いという印象をお持ちの方がいるかもしれませんが、日本人的に嬉しい後方互換も多いのです。個人的な好みでずらっと挙げていきますが『ファイナルファンタジーⅩⅢ』シリーズ(一部は英語音声日本語字幕)、『バイオハザード CODE:Veronica完全版』、『ランブルローズXX』、『バーチャファイター5FS』、『ガーディアンヒーローズ』、『ぐわんげ』、『ジェットセットラジオ』、『パンツァードラグーンオルタ』、『レイディアントシルバーガン』、『バレットソウル』とかが遊べるなんて最高だと思いませんか。シューティングゲームも充実しております。
しかもこの後方互換、オリジナル版のダウンロード版、またはディスクを持っていれば追加費用はなしで遊べちゃうんです。ディスクを使って後方互換タイトルを遊ぶ場合は、ディスクを本体に入れる必要があるので、必然的にハードはXbox Series Xとなります。ディスクを本体に入れると後方互換用のデータがダウンロードされ、以降はディスクがプレイ認証用に必要になるという仕組みです。(Xbox Series Sはディスクドライブがないので、こちらで後方互換を遊ぶ場合はダウンロード版のみとなります。)後方互換タイトルをディスクで持っている方や、中古ゲームショップ巡りを楽しみたいという方はSeries Xを買うと良いかもしれませんね。

△初代Xbox時代のタイトルも一部互換に対応しています。オリエンタルなRPG『ジェイドエンパイア』を熱烈にオススメします。

そして見逃せないのが、多くの後方互換において”オンライン機能”が生きていること。共闘ゲーや、格闘ゲームのオンライン対戦が楽しめたりするんですね。しかも、当時は長かったロード時間が短縮されています。しかも他の新ハードでは遊べないタイトルも多く『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』とか、『THE KING OF FIGHTERS NEOWAVE』とか『ネオジオバトルコロシアム』も遊べます。なんとソニックシリーズの格闘ゲーム『ソニック・ザ・ファイターズ』もオンライン対戦が可能でした。
唯一残念なのは、現在Xbox Series X|S対応のアーケードスティックが市場にないことですね。Xbox One用のものを使えるのですが、こちらはとてつもなく品薄ですし、Xbox Series X|S対応のものはHORIから今冬発売されるようですが、まだ発売日も不明です。早くアケコンで遊びたい!

△爆速ロードで遊ぶ懐かしい格闘ゲームは最高です。こちらは『ソニック・ザ・ファイターズ』。

新作ゲームの勢いはゆるやか


Xbox Game Passと後方互換の話はわかった、新作についてはどうなのかと思われる方もいるでしょう。正直Xbox Series X|Sはローンチの新作が弱いのは否めません。『スパイダーマン:マイルス・モラレス』、『デモンズソウル』、『Godfall』なんかが発売日にばばーんと出たプレイステーション5と比べると正直寂しいです。それにこれから先どういうタイトルが出るのかという点でもPS5とそうラインナップは変わらないですし、『ファイナルファンタジーⅩⅥ』も今のところプレイステーション5版が出ることしか発表されていません。Xboxのポジティブな材料としては、Microsoftが今年の9月に突如ベセスダの親会社であるZeniMax Mediaを買収したことですが、これもこの買収によってXbox独占タイトルが充実するのかそうでないのか今の時点ではわかりません。そのうえまだまだ日本のメーカーのソフトは少ない。こうした事情がXbox Series X|Sを2台目以降に推したい理由でもあります。

△こちらがXbox Oneローンチの日のストアページ。ゲームパスで『テトリスエフェクト・コネクテッド』が遊べるのはお得ですが、PS5の方がラインナップとしては豪華でした。

ただ、今回のXboxはソフトラインナップの事情を抜きにしても、素晴らしいハードだと思います。先述したXbox Game Passと後方互換は現時点でXboxの大きな強みであり、これを真似できるプラットフォームが他に出てくる可能性も低そうです。そして、心配していたハードの性能差の部分も、『アサシン クリード ヴァルハラ』をXbox Series Xとプレイステーション5で比べてみた限りでは、そんなに大きなものでもなさそうです。正直、ロード時間が大幅に違ったらどうしようと思っていたのですが、2つくらいのシーンを比較してみた限りでは、両ハードのロード時間に顕著な差は見られませんでした。比較するシーンを増やしたり、条件をもっと研ぎ澄ませて整えれば差がでてくるのかもしれませんが、僕は今のところ「ハードの性能差については気にするほどではない」と考えています。あとこれはハード側の問題ではなくソフトの問題ですが、Xbox Series Xでは『サイバーパンク2077』はエラーほぼなしで遊べており、ほどほどのスペックのPC版に近い体験が楽しめます。PS5でも(うちの奥さんが)遊んでいますが、こちらは現状エラー落ちが多めです。(もちろんこうした問題は間も無くソフトアップデートで直るでしょう。)

以下は友人が作った動画ですが、『アサシン クリード ヴァルハラ』のロード時間比較です。ソフトの最適化の具合や、シーンによって変化するものなので参考程度に見てもらえればと思うのですが、明確な差はほとんどありません。一部格闘ゲームは、プレイステーション5の方が少しだけロードが早かったです。

Xbox Series X|Sは2台目以降にするべし


新ハードの発売が重なったことで、Xbox Series X|SとPS5ではどちらが優れているか、どちらを買うべきかという議論が出てきたりしますが、冒頭でも買いたようにそれぞれのハードでしかできないゲーム体験があるため、比較に大きな意味はありません。プレイステーション5にもいいところはたくさんありますし、そもそも『マリオ』や『スマブラ』や『ゼノブレイド』といった神ゲーをやりたいならSwitchが必要です。ただ、「どのハードを先に買うべきか」と迷っている方や、「どちらかしか買わない」という方は、”日本国内のソフトラインナップにおいては、Xboxはまだまだ弱い”ということも意識しておくべきでしょう。そうするとやっぱり二台目以降なのかなと思うわけです。

じゃあ買わなくてもいいのかというと、買ったほうが絶対に楽しいハードであることは間違いなく、いやまじでいいハードなんですよと崖から突き落とすくらいの勢いで背中を押したい。迷うくらいなら買えとも言いたい。Xbox Game Passと後方互換で元はとれます。あとは、個人的な感覚ですが、セールがとにかく安い印象があります。現在同タイミングでプレイステーションストアでもセールが行われていますが、一部タイトルの価格はXboxの方が圧倒的に安いです。

△セールはかなりパワフルな値下げが行われます。発売されたばかりの『イモータルズ フィニクス ライジング』とかも既に40パーセントオフです。(定価で買ったのに!)

これからの話ではXboxをクラウドベースで動作させ、スマートフォンやタブレッドで動作させるProject xCloudも導入される予定があり、ゲームプレイの幅がさらに広がる予感もあります。ただ、これに関しては、スマートフォンのリモートプレイも現状かなり快適で、スマートフォン用のコントローラー”Razer Kishi”を使えば、ニンテンドーSwitchの携帯モード的なプレイフィールでXboxのゲームを遊べることも付け加えておきます。後方互換対応タイトルが対応していないのは残念ですが、そこそこのアクションゲームくらいならこなせますし、格闘ゲームのトレーニングモードでちょっと調べ物をするというのにも便利です。

△こちらがRazer Kishi。このコントローラー的なものを……。

△スマートフォンにガチャり。格闘ゲームの練習くらいなら問題なく使えます。

そんなわけで何が言いたいかというと、みんなXbox Series X|Sを買いましょう。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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