【アルブラ】プレイステーション4で遊ぶ『ミリオンアーサー アルカナブラッド』。これは、ただの移植版ではない!

新規プレイヤー向けに格闘ゲームをすすめる際に、「遊びやすい作品」と決まり文句のように発してしまったりすることはないだろうか。しかし、この遊びやすいというのは、格闘ゲーム経験者から見た感覚なので、なかなかあてにならないことが多い。蓋を開けてみれば、連続技はシビアで、立ち回りとかいうあいまいなものもわかりにかったりする。しかし、11月29日に発売される『ミリオンアーサーアルカナブラッド』は、自信をもって「とても遊びやすく、楽しい」と推していきたい作品だ。今回の記事では、格闘ゲームコレクターの浅葉が、その魅力をオタク特有の早口で紹介する。家庭用移植にあたって追加された、さまざまな新要素にも注目だ。

▲全国のゲームセンターで稼働中の『ミリオンアーサー アルカナブラッド』がいよいよ家庭用に登場!

▲家庭用版には、3人の新キャラクターも参戦。詳細は、記事の後半で!

ちなみに本作は、PlayStation™Storeでダウンロード版を事前購入すると、発売日の48時間前から遊べるアーリーアクセス権を得ることができる。アーリーアクセスで遊ぶことができるのは、製品版となっており、フルに楽しめるのが嬉しいところ。すこしでも早く遊びたいという人は、こちらもチェックしてみよう。

遊びやすさを支える親切設計
まずは3つのコマンドを覚えよう

格闘ゲームというと、難しい、敷居が高いといったイメージがあるかもしれないが、本作は「格闘ゲームの面白さを損なわない範囲で、操作まわりの難度を極力簡単にした作品」と言うことができる。具体的には、いわゆる必殺技コマンドは存在するものの、そのほとんどが、↓\→+ボタン、→↓\+ボタン、↓/←+ボタンで完結するようになっている。一部キャラクターは、もうちょっと難しい必殺技コマンドもあるが、せいぜい→\↓/←+ボタンくらい。つまり、この3つか4つのコマンドさえ入力できるようになれば、どのキャラクターも楽しめるし、いろいろな連続技や戦術にとりかかることができるというわけだ。

▲こちらが必殺技コマンド。超必殺技的なものも、基本的なコマンドにボタンを1つ足すだけで成立するものがほとんど。

格闘ゲームの中には、ボタンの組み合わせだけで必殺技が出るものも存在するが、必殺技コマンドを入力して、キャラクターを華麗に動かすという達成感も、やはり素敵な要素のひとつ。立ちB→立ちC→必殺技からキャンセルサポートを挟んでダッシュ攻撃から空中コンボといった、ちょっと難しそうなレシピができたときのおれ強くなった感を、是非多くの人に体験してもらいたい。操作性も近年の格闘ゲームの中では群を抜いて良く、覚えにくいキャラクター別コンボというものもほとんど存在しない。本作は、格闘ゲームの面白さを伝えることを諦めず、歯ごたえを残しつつも、とてもやさしい作品なのだ。

▲サポート騎士と呼ばれる、アシスト攻撃も、コマンドで出すことが可能。発動できるポイントにもルールがあり、必殺技と同じような感覚で使えるので、初心者にもなじみやすいシステムとなっている。

▲基本的な動きをわかりやすく教えてくれるチュートリアルモードも有り。

空中ダッシュするゲームだけど、かんたん!


本作は、空中ダッシュを軸にした動きが攻防の要となる。空中ダッシュがあるゲームというと、攻めが鬼のように強い作品という印象がある方もいるかもしれないが、本作は空対空や対空迎撃の手段も豊富なため、攻守の入れ替わりが起こりやすい。いわゆるネタ殺し的な要素も少ないので、勝敗の原因を振り返りやすいのも魅力だ。

▲空中コンボなども簡単なものがほとんどなので、格闘ゲーム経験者ならすぐに対戦に入れるはず。

キャラクターごとのやりこみ要素も豊富

必殺技コマンドにさえ慣れてしまえば、そこからさまざまな動きを構築できる。そして、そのさまざまな動きというのが実に多彩で、やりこみがいがある。つまり、敷居はほどほどに低く、奥は深いのだ。キャラクターを選ぶ場合は、見た目で選ぶもよし、性能で選ぶのも良いだろう。どのキャラクターも、特徴的な強みをはっきりと持っており、熱い戦いを楽しめるはずだ。余談だが、本作には過去に2回全国大会が行われており、その2回で予選突破キャラクターがさまざまに分かれている。結果だけを見ると、なかなかにバランスの良い作品ということができる。一人だけ、とてつもない弱さを誇るスノーホワイトというネタキャラ枠的な存在がいるが、このキャラクターも画面端に相手を追い込めば一気に倒せるパワフルな攻めをもっている。そこまでもっていくのがなかなかに難しい。)

▲こちらがダントツの最弱キャラクターと噂されるスノーホワイトさん。ただ、弱いとはいえ、コマンド投げを絡めた攻めはかなり強烈なので、立ち回りを「サポート騎士」というお助けシステムでフォローすれば、夢がないわけではない。ちなみに、プレイステーション4版では、若干攻撃回避の性能がが向上したそうなので、ちょっと強くなっている可能性も。

新キャラクター3名が追加され、戦いはより華やかに

ここからは、家庭用ならではの新要素について紹介していこう。まず、大きな変化として、家庭用には、3人の新キャラクターが追加されている。3人とも、他作品とのコラボキャラクターとなっており、『叛逆性ミリオンアーサー』から山猫アーサー、『LORD of VERMILION IV』から異界型 咲山小梅、そしてSNKの作品である『THE KING OF FIGHTERS XIV』からはなんと異界型 八神庵が登場する。3人とも、とても魅力的なキャラクターで、アーケード版からのプレイヤーであっても目移りしてしまう人も多いのではないだろうか。(個人的には、山猫アーサーちゃんが最高にツインテールkawaii精神にあふれていることにも感動している。)

▲『叛逆性ミリオンアーサー』からは、山猫アーサー(右)が登場。画像は、本作最大の大技・ミリオンエクスカリバー成立時のワンシーン。演出、めちゃくちゃ力はいってます!

▲『LORD of VERMILION IV』から咲山小梅。リーチの長い攻撃を得意とする。使い魔による攻撃には、さまざまな属性が付与されているため、コンボの伸びしろもありそうだ。

△『THE KING OF FIGHTERS XIV』からの登場となる八神庵。

ざっくりと性能を紹介すると、山猫アーサーは、一見遠距離を得意とするキャラクターに見えるが、近距離技にも使いやすく、優秀なものがそろっているため、オールラウンダー的な立ち位置になりそうだ。唯一気になったのは、ゲージやサポート騎士を使わずにダウンを奪う手段が少ないこと。とっさの連続技のチョイスなどが、やりこみ要素になってきそうだ。小梅は、一人で複数の属性攻撃を使えるというユニークな強みを持っている。新キャラクターの中では唯一、ノーゲージで放てる無敵技を持たないため(部位無敵のある技は所有している)、守りは工夫が必要になりそうだが、リーチの長い技を組み合わせた連係や立ち回りはそれを補う強さを感じさせる。八神庵は、リーチがやや短いものの、連続技後の状況がよく、このゲームにおいて非常に強力なガード崩し手段であるコマンド投げを持つのが大きな強みになりそうだ。

新ストーリーモード”EPISODE OF ARCANA BLOOD”

家庭用には、アーケード版のストーリーのその後を描く”EPISODE OF ARCANA BLOOD”も収録されている。こちらは、アドベンチャーゲームのような会話パートと、バトルパートから構成される長編のストーリーモードで、『アルブラ』の物語にひとつの区切りがつくところまで描かれる。本作オリジナル主人公の二刀アーサーと居合アーサーが辿る物語は、『ミリオンアーサー』らしく、笑いあり、癒しあり、シリアスあり。見ごたえのあるものになっている。『ミリオンアーサー』ファンの方はもちろん、この作品から『ミリオンアーサー』に触れるという人にもわかりやすく、シリーズへの興味を誘うゲームモードとなっているので、是非遊んでみてほしい。

▲こちらが家庭用のメニュー画面。さまざまな新モードがあることがわかるはず。

▲ストーリーモードには、イベントCGも若干数あり。ストーリーも本作の見どころの一つだ。

プレイステーション4版は、新たな『アルブラ』だ

プレイステーション4版は、単なる移植版ではなく、さまざまな要素が追加された新たな『アルブラ』といっても過言ではない。このほかにも、CPUを倒す時間を競うTIME TRIALモードや、アーケード版よりもさらに使いやすいTRANINGモードが実装されている。格闘ゲームを始めてみたいというビギナーにも、またとない参戦タイミングなので、興味のある方は、是非プレイしてみてほしい。

▲追加された新キャラクターたちが、どこまで旧キャラたちと渡り合えるかも気になるところ。

また、余談ではあるが、本作はコミュニティにとても熱気があり、過去に行われた大会なども大いに盛り上がった。家庭用版も近いところでは「冬劇」というイベントで大会が開かれることが決定しているので、腕に自信のある方はもちろん、家庭用でプレイを始めたという方がいれば、現地を訪れたり、放送を閲覧してみるといいだろう。ゴジラインでは、発売日以降も、『アルブラ』の攻略や記事を掲載していく予定。ビギナーの人に向けた記事も多数用意しているので、ゆるいプレイガイドとして活用していただければ幸いだ。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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