【TGS2018】音声収録と主題歌が聴けるスペシャルな『夢現Re:Master』ステージレポート。みやざーディレクターにも新作のコトを聞いてみた!

2018年9月20日(木)〜9月23日(日)、千葉・幕張メッセにて開催中された東京ゲームショウ2018。今回の記事では、9月23日に開催された『夢現Re:Master』スペシャルステージの模様をお届けする。このステージには、工画堂のスタジオのみやざー氏、司会進行の森一丁氏、アニソンシンガーの亜咲花さん、声優の吉岡麻耶さん、井澤詩織さんらが登壇した。

△東京ゲームショウ最終日となる23日には、『夢現Re:Master』のステージイベントが開催された。(左から)司会進行の森一丁氏、アニソンシンガーの亜咲花さん、声優の吉岡麻耶さん、井澤詩織さん、 工画堂のスタジオみやざー氏らが登壇した。

『夢現Re:Master』は、ゲーム会社を舞台にした作品となっているが、この発想の源泉には、「アニメ会社を描いた人気アニメ作品」があったという。ゲームを作り続けてきた工画堂スタジオが、ゲームの話を作ることで、プレイヤーに楽しんでもらえるのではと考えたそうだ。またタイトルについては、一目で、女の子同士の恋愛や友情をテーマにした「百合」ものであることをわかってもらうべく、今回のようなタイトルにしたそう。過去に制作した『白衣性恋愛症候群』や『白衣性愛情依存症』といった漢字のタイトルは、ユーザーからの評判は良かったものの、工画堂スタジオの営業からは「もう少しふわっとした響き、ひらがななどはどうか」と相談されていたそうで、今回はいろいろと悩んだ末、略称とふわっとした響きを持つ『夢現Re:Master』になったそうだ。結局漢字を入れてしまったと語っていたみやざー氏だが、『ゆリマスター』という公式の略称は、これからどんどん浸透していくことが期待できる。

関連記事:【TGS2018】工画堂スタジオ最新作『夢現Re:Master』(ゆリマスター)が電撃発表!キラ☆ふわガールズラブ最新作は、ゲーム制作会社アドベンチャー!

吉岡麻耶さんと井澤詩織さんは、ステージ上で「音声収録」を再現。「ゲーム内では、音声収録をシナリオに盛り込めなかったため、このステージでその模様をお届けしたい」というみやざーさんからの無茶振りで始まったこの企画は、音声収録をする声優さん、音響監督役を務める声優さん、ゲームディレクター役のみやざーさんという配役でスタートした。収録にはいるときにスマートフォンの電源を切ったり、水を飲むというという再現も行われ、和気藹々としながらもところどころリアリティを感じる場面が見られた。ちなみに、『夢現Re:Master』では、音声収録はまだ行っておらず、声優陣には、キャラクターの説明をした程度とのことだったが、ステージ上では見事なキャラクターの演技を披露していた。

△無茶振りに対応する吉岡さんと井澤さん。

声優陣のステージの後は、アニソンシンガーの亜咲花さんが『夢現Re:Master』の主題歌である『Place of Promise』を披露。ゲームの主人公である「あい」と「こころ」というキーワードを含んだこの主題歌は、人と人の絆を爽やかに歌い上げたものとなっていた。ゲームのシナリオについてはまだ不明だが、明るく希望溢れる未来を感じさせるポップな楽曲で、本作の「キラ☆ふわ」ぶりを象徴する歌になりそうだ。ちなみに、この楽曲も、音声収録と同じく、レコーディング前の状態で披露したとのことで、亜咲花さんは、フレッシュな気持ちで歌えたとステージの興奮を語ってくれた。

▲主題歌を歌唱する亜咲花さん。レコーディングはまだとのことだが、素晴らしいステージを見せてくれた。

ステージの最後には、ステージイベント出演者のサイン入りポスターを賞品にした抽選会が開催された。発売はまだ先のゲームだが、本作の美麗なメインビジュアルに心を惹かれた人も多かったようで、抽選会では歓喜の声が飛び交っていた。みやざー氏からは、「いろいろなプラットフォームで遊べる作品なので、多くの人に遊んで欲しい」と言うメッセージが伝えられ、ステージは賑やかな拍手とともに幕を閉じた。

『夢現Re:Master』
発売日:2019年2月予定
ゲームジャンル:キラ☆ふわガールズラブゲーム制作会社アドベンチャー
プラットフォーム:PlayStation 4 、PlayStation Vita、Nintendo Switch、Windows PC (Windows8、10)、Steam
※一部プラットフォームはダウンロード販売のみの予定
工画堂スタジオ
公式サイト:http://yuremaster.kogado.com
ゆリマスターを鋭意制作中!
ディレクターみやざー氏インタビュー

――「工画堂スタジオ最新作」が発表されて嬉しいです。『白衣性愛情依存症』のファンブック(※1)のインタビューを撮らせていただいた際には、2017年くらいに新作が来るのかなと思っていたのですが(笑)
みやざー氏:お待たせしてすみません(笑)実際は、ファンブックでの宣言通り、2015年からメインシナリオライターと一緒に動いていたんですよ。ゲーム会社モノをやるというのも早くから決めていて、この部分については概ね問題がなかったのですが、プレイしたときにお客さんが感じてくれる「深み」の部分を出すプロットで躓いてしまったんです。複数のシナリオライターさんに参加してもらって、ようやく形になったので、こうして発表することができました。

▲工画堂スタジオ・しまりすさんちーむのディレクター「みやざ-」氏にTGS会場でお話を伺ってきた。なお、この画像は、みやざー氏の「ゲームもののインタビューなので、画像加工ソフトでガンガンに加工してください」との要望を受け、編集部のほうで「スマート加工」をさせていただきました。

――シナリオライター陣はとても豪華ですね。個人的には、西川真音さんのお名前があって驚きました。『シンフォニック⁼レイン』は、未だ忘れられない作品です。大好きですけど、チクりとくるような。今作も、今までのみやざーさんが手掛けた作品と同じく、鋭すぎる展開が用意されている、「killer☆ 不和」(※2)風味なのでしょうか。

みやざー氏:今回は何もないです。今回も何もないです。普通にキラ☆ふわしているので、安心して遊んでください、と書いておいてください。

1『白衣性愛情依存症』のファンブック:2015年12月に『白衣性愛情依存症』のファンブックとして発売された『白衣性愛情依存症 ホワイト・メモリアル』のこと。ゴジラインの浅葉が、本作の企画・執筆を手がけている。

2 killer☆ 不和:みやざー氏が過去に手がけた作品では、プレイヤーを驚かせる衝撃的な展開やバッドエンドが用意されていた。中には、キラ☆ふわと言うよりは、killer☆ 不和と字を当てた方がしっくりきそうなシーンも。

――わかりました(笑)

△作品の「深み」については、ネタバレになるので現段階では明かせないとしながらも、はじめてしまりすさんちーむの作品に触れてくれる人も満足させるようなものを目指しているという。

みやざー氏:西川は百合ものははじめてに近いんですよね。本作では、「キラ」なところを引き受けてくれていたりします。シナリオライターの特徴が、うまく作品の中に収まっているので、この人の作品が好きという方がいれば、楽しみにしていてください。

――「キラ」な部分というと、『白衣性』を楽しんだ自分としてはなかなか不穏なのですが(笑)ゲーム会社の物語というのは、みやざーさん自身や、工画堂スタジオの経験を活かしたものになっているのでしょうか。

みやざー氏:工画堂で起きたことをネタにしようとすると、ユニークなものも多いのですが、汚いものが多いなと気づいてあまり入れていません(笑)廊下に裸足の足跡がついていたみたいな怪談が出たと思ったら、それは風呂に入っていない開発者の足の油だったとか(笑)そういうものは省いています。工画堂スタジオネタとして大きなところでは、メインビジュアルの後ろにあるビルは、高円寺に工画堂スタジオがあったときの建物をモチーフにしていることですかね。どちらかというと、工画堂スタジオだけではなく、ゲーム開発、特に中小の開発環境がある現場でのあるあるネタを盛り込んでいますね。実は本作のシナリオ陣、メインシナリオライター以外みんな、ゲーム会社への勤務経験があるんですよ。

――イラストレーターさんもとても豪華ですね。ゲーム内ゲーム原画も2名いるのですね。

みやざー氏:ゲームの中の女の子たちが作っているゲームを「別のもの」と表現するために、複数原画は一役買ってくれています。本作のユリイカソフトの女の子たちは、同人ゲームを、商業作品としてリメイクしていくんです。その過程を鮮明に描くために、同人版と商業版でイラストレーターを変えています。同人版を笛さん、商業版を早瀬あきらさんにお願いしました。メインキャラクターデザインは、藤ちょこさんですね。藤枝雅さんは、ヘッドフォンをつけた女の子が得意ということで、じゃあお願いしてみようとさきのキャラクターデザインをお願いしました。その絵を、藤ちょこさんが本作のテイストに合わせてくれているんです。

△ヘッドフォンがトレードマークのさきは、藤枝雅さんがキャラクターデザインを手がけている。

――KONAMIステージでまさか、工画堂スタジオのステージが見られるとは思いませんでした。

みやざー氏:流通がKONAMIさんなのは『白衣性愛情依存症』と同じなので、ゲームショウでチラシくらい配らせてもらえないかなと思っていたら、まさかのステージも使えますよというお話をいただいて。こんな機会ないからやってみようということで、発表とちょっとした企画をする2ステージをやらせてもらいました。発表は、北川に「こういうものはプロデューサーがやるべき」とお願いしましたが(笑)プロモーションも北川が「俺に任せろ」と言っていました。プロデューサーが広報をやって、社長がチラシを配るみたいなことがウチの会社では当たり前なんですが、こういう「兼任」は、『夢現Re:Master』のユリイカソフトの中でも描かれています。

――ステージでは、2019年2月発売予定と発表されましたが、現在の開発状況はどれくらいでしょうか。

みやざー氏:『夢現Re:Master』の中でも、キャラクターたちが、「あなたのゲームは何パーセントできてますか」というゲームメディアの質問に答えるシーンがあるんです。そこでは「50パーセントくらいでいいんじゃない」といった風なやりとりがあるのですが、僕もそれに倣って、そうですね、50%くらいですかね(笑)

――本作の発売を楽しみにしております。

みやざー氏:お待たせしまった方々には、申し訳ありません。その分、楽しんでもらえる作品になっていると思います。しまりすさんちーむの作品ということで、可愛いけれど、鋭い牙があるような作品になっていると思うので、よろしくお願いします。

――やっぱりkiller☆ 不和成分もあるのでは(笑)ありがとうございました。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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