安田記念といえばウオッカな僕
日本競馬の最高峰・日本ダービーが終わり、また新たな1年がはじまったなと感じる競馬ファンのケンちゃんです。ちなみに日本ダービーですが馬券的には大爆死。ですが、念願の制覇となった福永ジョッキーのインタビューは良かったし、勝ったワグネリアンも素晴らしかったゆえ悔いがない競馬でしたね。
梅雨に差し掛かり暑くなってきましたが、まだまだ春のGⅠシーズンは終わらず、今週は芝マイルの頂点(1600m戦)を決める安田記念。ということで、僕の中で思い出に残っている勝ち馬ウオッカ、そしてそのライバルであるダイワスカーレットについて話していきましょうか。『ウマ娘』の中でもかなりライバル心むき出しの彼女ですが、その設定は彼女たちのリアルな戦績からきているのです。
ウオッカvs.ダイワスカーレット4番勝負
2007年度クラシックの同期生として死闘を繰り広げた両馬。直接対決も数回ありつつも、それより牡馬を圧倒した成績を残したのが印象的。つねに某掲示板でもファン同士がどちらが強かったか、議論になるようなライバル関係でした。
【1】2007年チューリップ賞(GⅢ):阪神芝1600m
まず最初に直接対決をしたのが2007年の桜花賞前哨戦“チューリップ賞”。このときウオッカは2歳牝馬の頂点である阪神ジュベナイルフィリーズを勝っておりすでにGⅠホースに。かたやダイワスカーレットもGⅢシンザン記念で牡馬の有力馬アドマイヤオーラの2着と、すでにある程度の力を示していました。
▲ウオッカが1番人気、ダスカが2番人気。このときからライバル対決は始まっていた
結果はウオッカの勝利。このときダイワスカーレットはかなり圧倒されていたように見えていますが、ウオッカの脚を計っていたという噂。“““囮”””戦術だったのか……おそるべし安藤勝己。
◆安藤勝己(騎手) 相性はアンカツ。地方笠松競馬で1976年にデビューし、2003年に中央競馬に移籍。地方時代のオグリキャップのジョッキーだったり、いま種牡馬で活躍するキングカメハメハの主戦だったりと、名だたる名馬にまたがって来たファンタジスタ。中央競馬では6593戦1111勝、GI22勝。
【2】2007年桜花賞(GⅠ):阪神芝1600m
そして本番の桜花賞。前走で圧倒的な力でライバルに勝利したウオッカが1番人気。もう勝負付けが済んだと思われたダイワスカーレットは、別のステップレースを快勝してきたアストンマーチャンにも差をつけられた3番人気に。新聞などの雰囲気もウオッカの確証というムードでした。
▲安藤勝己マジックの伝説のレースその1。キーワードはケツブロック。
前回とは逆にウオッカより前に付けたダイワスカーレット。4コーナーでダイワスカーレットを捉えようとするウオッカに対して、安藤勝己渾身のコース取りが炸裂。その結果、ウオッカは外を回る羽目となり、セーフティリードのままゴールイン。これで1勝1敗に。
桜花賞後はともに3歳牝馬の次の目標であるオークスへ向かうと思われたところ、ウオッカはなんと牡馬との戦いを選び日本ダービーを選択。一方ダイワスカーレットはオークスへそのまま向かおうとしましたが怪我でリタイア。直接対決は秋へと持ち越されることになりました。
▲無謀と思われたダービー参戦でしたが69年ぶりに牝馬が日本ダービーを勝利。実はウオッカは左回り東京の神であることが後ほど判明したのですが……(東京でGⅠ6勝)。
【3】2007年秋華賞:京都芝2000m
3度目の対決は牝馬三冠レースの最終戦秋華賞。オークスを怪我でスキップしたダイワスカーレットは前哨戦のローズS(GⅡ)を制して順調な仕上がりでしたが2番人気。ウオッカは宝塚記念以来の休み明けでしたが、日本ダービーを制した勢いで1番人気に。とはいえ、単勝はウオッカ2.7倍、ダイワスカーレット2.8倍とほぼ僅差で、2強対決というムードでした。
▲ダイワスカーレットはこのころから逃げ・先行的なレースをするように。チューリップ賞とは正反対。
ダイワスカーレットがまんまと4コーナー先頭のまま逃げ切り、ウオッカは休み明けの影響かレインダンスをも捉えられず3着という結果に。ダイワスカーレットはこのあとエリザベス女王杯を勝利、年末の有馬記念で2着と盤石の強さを見せつけ、この時点では「ダイワスカーレットの方が強い!」という評価が主流だったでしょう。
ウオッカはエリザベス女王杯を怪我で取り消してからは、ジャパンカップで4着、有馬記念では2着だったダイワスカーレットに対して11着と、“燃え尽きてしまった感”が漂っていた記憶があります。
【4】2008年天皇賞(秋):東京芝2000m
2008年シーズンとなり、ダイワスカーレットは大阪杯以外春は全休。一方燃え尽きたと思われていたウオッカは東京芝1600mのGⅠ、ヴィクトリアマイルを2着、安田記念1着と復調。「やっぱり強かったんだ、ダービー馬は伊達じゃねえ!」というムードの中、秋を迎えることになりました。
そして4度目の対決は東京芝2000mの天皇賞(秋)。秋華賞時とは逆に、ダイワスカーレットは有馬記念以来7ヶ月ぶりの休み明けで参戦。一方ウオッカは前哨戦の毎日王冠(GⅡ)を2着と好走し、順調に駒を進めました。
▲競馬人生でも3本の指に入るベストレース。何度見ても飽きない。このとこウオッカが1番人気、ダイワスカーレットが2番人気でした。レース後の確定シーンまでが神。
休み明けながら逃げるダイワスカーレットに対して、直線で襲いかかるウオッカ。直線半ばではウオッカの完全勝利と思われましたが、ダイワスカーレットが意地の粘り腰を見せて同年のダービー馬ディープスカイを巻き込んでの。大混戦に。
ゴールの時点ではほぼほぼ差がなく、どっちが勝ったかは誰もわからない状態。ウオッカの調教師である角井先生も「死刑判決を待つ心境」とまで言わしめた13分間の写真判定ののち、掲示板の1着の部分にはウオッカの14番が点灯。待っている僕らも同着なんじゃないかと思い、ハラハラさせられたものです。
▶(参考サイト)ギャンブルジャーナル「ウオッカとダイワスカーレットに審判が下されるまでの「13分間」
▲当時の競馬場の様子をYoutubeから。13分間一生写真判定の画像を見せられた記憶。
戦績は2勝2敗の五分。勝負は仔たちへ……
この伝説の天皇賞(秋)が二頭の最後の戦いになり、結果は2勝2敗の五分。勝敗は彼女たちの仔の世代へと受け継がれることに。天皇賞後ダイワスカーレットは有馬記念を制し、海外遠征へ向かおうとしたところで怪我で引退。最後まで怪我に付きまとわれた現役生活でした。
一方、ウオッカは東京競馬場の鬼として2009年にはヴィクトリアマイル、安田記念、ジャパンカップとGⅠを3勝。年度代表馬に輝くほどの大活躍。2010年春に再度海外遠征へチャレンジしましたが、鼻出血を起こして引退。GⅠ計7勝、牝馬ながら日本ダービー制覇という大記録を残し、現役を引退しました。
▲ウオッカの伝説のレースは日本ダービー、天皇賞(秋)に加えて、この2009年安田記念でしょう。直線半ばまでは終わった感があったものの……。
『ウマ娘』でもライバル対決が見たい
競馬史でも屈指のライバル的戦いを繰り広げてくれたウオッカとダイワスカーレット。もちろんその設定もアニメ『ウマ娘』でも引き継いでおり、ときどきニヤつけるシーンがあったりします。アニメは同じスピカに属するスペシャルウィークとサイレンススズカ中心のストーリーのため、ふたりのレースは見れそうにはないですが、外伝やゲームではぜひとも再現して欲しいところ。
競走馬が擬人化の『ウマ娘』になっても同じ感情で見れるというのが、このアニメのすごいところ。こんな感じで少しでもリアル競馬の知識があれば、『ウマ娘』がちょっとだけより楽しく視聴できるといい例かな、と。
つぎは宝塚記念に合わせてゴールドシップでも書こうかな。ではまた。
▶第1回:今週は日本ダービーなのでナリタブライアンを思い出してみた
ケンちゃん
二台のスマートフォンを駆使し、さまざまなスマホゲームをプレイする。
人呼んで”スマホのケンちゃん”。
メンバーからは白猫のケンとも呼ばれている。
大の格闘ゲーム好きでもあり、対戦格闘とつけば何でも買う。
『KOF MAXIMUM IMPACT 2』世界チャンプという強烈な実績を持つ。
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