ちょっとした『メガテン』オタクの浅葉です。
今回の記事では、『真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY(ディープストレンジジャーニー)』のプレイレポートをお届けします。
本作はニンテンドーDSで発売された『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』のリメイク版にあたる作品で、凄まじく雑に説明するとかつての『メガテン』らしい3Dダンジョンに、『世界樹の迷宮』ライクなやりこみ要素を添えたダンジョンRPGです。
本作では、新しい悪魔やダンジョンが追加され、より歯ごたえのある冒険が楽しめる作品となっております。『メガテン』ファンにはもちろん、ダンジョンRPGファンにもグサりと刺さる難度が魅力の作品となっております。
発売日:2017年10月26日
プラットフォーム:ニンテンドー3DS
ジャンル:ダンジョンRPG
価格:通常版 6480円、初回限定版16800円
開発:アトラス
高難度ダンジョンを踏破せよ!
本作の肝となるのは、仲魔(仲間にした悪魔)を伴ってのダンジョン探索。ダンジョンは広大で、後半に進むにつれて頭の体操的なギミックや、作ったやつ何考えてんだ的な構造のマップが登場します。結構なダンジョンRPGオタクであるおれも、オリジナル版の『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』には血管がキレそうな感覚を覚えるマップがあって、おのれアトラスと怒っていたのですが、今作の新ダンジョンはよりぎりぎりを攻めてきます。一歩間違えればクソゲー扱いされそうなマップをちまちまと攻略している間はストレスさえ感じますが、その分通り抜けた瞬間の喜びは凄まじく、この感覚を味わえるのはこのダンジョンがあったからと手のひらくるりをできるゲームバランスになっています。
こう書くと、難しいゲームは苦手という方は敬遠してしまうかもしれませんが、インターネット攻略情報を見ればダンジョン面はとたんに簡単になるので、ちょっとでも興味があれば身構えず手にとっていただければと思います。(本作の完全攻略本なるものも11月に発売されます。)
しかし、ニンテンドー3DSでダンジョンRPGを遊ぶと、このハードとジャンルの相性の良さにいつも感心させられます。上画面にはフィールド、下画面にはマップ、この環境に慣れてしまうと、一画面ハードでのダンジョンRPGがやや不便に感じてしまうほど。読み込みも爆速、素晴らしいです。
スリルあるバトルを楽しむ
ダンジョン内では、さまざまな悪魔が襲いかかってきます。戦闘にも、古き良き『メガテン』のワビサビである奇襲をくらって全滅というパターンも珍しくなく、こちらも歯ごたえ満点ですが、今作では主人公専用のコマンダースキルが追加されたことで、バトル難度自体は若干マイルドになっています。
マイルドになるなんて許せないと怒っている方もご安心下さい、本作には難度設定の項目があり、「エキスパート」を選べば理不尽な世界へと旅立てます。
本作のバトルで重要なのは、属性による攻撃。敵の弱点属性で攻撃を仕掛けると、同一スタンスの仲魔が追撃をかけてくれる「デビルCO-OP」というシステムが発動します。最近の『メガテン』および『ペルソナ』シリーズでは、弱点属性で相手を攻撃すると行動ターン数が増える「プレスターンシステム」を採用していますが、こちらと違いスタンスの縛りがあるため、どのように仲魔を編成するかという戦略面が重要になってくるのです。(このスタンス縛りは、後半になると解消されていくのですが、それでも属性の重要さは変わりません。)
バトル面も歯ごたえ十分ですが、それ以上に、好きな仲魔を好きなだけ鍛えて連れまわせるという素晴らしき点こそが本作の最大の醍醐味です。弱点耐性は悪魔によって異なるので、中には何をやってもダメなやつもいますが、それでも最大まで鍛えれば、難度ノーマルのラスボスくらいは小指で倒せるようになるのです。
強いスキルに関しては、「デビルソース」という継承システムを使うことで、そのほとんどを継承できますし、ステータスに関しても育成手段が用意されているので、お気に入りのジャックフロストと冒険し続けることもできるのです。
最強の悪魔を作ろうとすると、10年前から続くテンプレ構成(勝利の雄叫び、不屈の闘志)などが顔を出し、なぜか耐性がめちゃくちゃ強いみんな大好きアリスちゃんの出番となったりするのですが、今作では、ボス悪魔を仲魔にした際に、ボスが使用していたスキルが使用できるという変更が加えられたため、強さを求めるプレイヤーにも楽しめる余地が発生しています。
また、本作には、オリジナル版と同じく、仲魔のパスワード機能が用意されています。これは、自分の仲魔のパスワードを書き出す機能で、このパスワードを共有することで、他のプレイヤーにも自分の仲魔を使ってもらえるのです。しかも、DS版とパスワードは同一とのことなので、昔一緒に旅をした仲魔とまた、同じ世界を巡れるのです。神ゲー!
そんなわけで、おれのPTで大活躍中のアリスちゃんのパスワードも貼っておきます!「最強パスワード」とか書いておけばアクセス数が伸びそうですが、呼び出しにかかるお金もとんでもないことになっているので、ご利用は計画的に。
HP916
MP508
オールステータス99
ジハード 至高の魔弾 メシアライザー
コンセントレイト 不屈の闘志 勝利の雄叫び
現在は、今作から追加された新たな仲魔や、お気に入りのマンセマットさまを育成中。こちらもパスワード化できましたら、このサイトのどこかにひっそりと置いておきたいと思います。
新要素と細やかな変更点
新たなダンジョン、新たな悪魔といった追加要素だけでも十分楽しめますし、オリジナル版を遊んだのはずいぶん前なので、忘れていることも多く、新作のような気分で遊んでいます。
新しいアプリも追加され、同時にすべてのアプリを発動できるため(性能が干渉するものは対象外)、これらを駆使すればオリジナル版とは違ったプレイフィールで遊ぶことが可能です。ほかにも、たくさんの追加要素があるので、オリジナル版を楽しんだプレイヤーなら、間違いなくより楽しめる作品になっています。
新ダンジョンの追加に伴い、新キャラクターのアレックス(女の子です)も登場しますが、彼女のイベントシーンは『メガテン』とは別の世界の作品のようで、新鮮味を感じつつ遊ぶことができました。ただし、オリジナル版を遊んだ方ならわかると思いますが、本作はダンジョンRPG方面に特化した作品で、ところどころの鋭い描写などから『メガテン』成分は流れ出ているものの、ゲーム全体の物語成分はやや薄めです。(それでも、今回はイベントシーンにムービーなどが作られています。既存のイベントシーンでもムービーが追加されており、なんと、マンセマット先生の登場シーンも!)
そして、この物語描写があっさりしているというのはまったく短所ではありません。周回を前提として遊ぶダンジョンRPGとしては、このテンポが実に心地よく、演出などもうるさすぎない程度で、じっくりとハクスラ的に冒険を楽しむうえでは、ほどよい塩梅のように感じます。(テンポ面に関しては、バトル中の演出カットなども設定できるようになっており、オリジナル版からは格段によくなっていますが、メッセージスキップやイベントスキップがもっと爆速であっても良かったのではと思います。)
現在おれは、1周目を終え、2周目へと突入しました。引継ぎが充実しているうえ、2周目限定の要素もあるので、まだまだ遊べそうです。新ダンジョンについては踏破しましたが、最後の最後のワープゾーンには、血管がキレそうになるというか、マジでキレていたと思います。
クラシカルなダンジョンRPGであり、凄まじいやりこみ密度を感じる本作、この秋の夜長に、遊んでみてはいかがでしょうか。