第二回の執筆にあたり、編集部のほうから「トロフィーとか総プレイ時間とか表記できたりします?」と訊かれたのですが、「どっちも(PS3初期の作品なので)ないです……」と涙を呑んだ遼智子です。目安になるかどうかはわかりませんが、数えられないほどプレイし、XBOX360版の実績について相当する部分は全てやりきりました。
前回の記事はこちら
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【今さらレポート】「今」だからこそやり直したい『真・三國無双5』.01
前回の記事では『無双5(PS3版)』独自の魅力についてつらつらと語っていきましたが、今回は無双5の楽しみ方に触れつつ反省会を行い、その後キャラランクについてお話しします。キャラランク以外興味ねーぜ!という人は中盤まで飛ばしてください。
発売日:2007年11月11日
プラットフォーム:プレイステーション3、Xbox360
ジャンル:タクティカルアクション
コーエーテクモゲームス
『無双5』のアクションは独特で未だに取って代わられることの無い魅力があることは前回お話しした通りです。筆者はいつも「今日はこいつで遊ぼう」と1~2キャラ程度に絞っては、色んなステージをフリーモードで遊んだりしています。このゲームはカジュアルにいろんなキャラクターを触るより、キャラクターをある程度絞って使い込んだ方が楽しさを大きく見出せるゲームです。なので、慣れないうちは使い込むキャラクターを絞った方が良いでしょう。ステージ難易度は1から6まであり、最高難度の修羅であっても1や2のステージであれば比較的気軽に楽しめます。逆に難易度6の修羅ステージは筆者でもクリアが安定しないことがあり、かなりハードです。
ステージにはそれぞれ3つの戦功目標(いわゆるミッション。攻略に成功すると経験値と武器を1つ入手できる)が設定されており、それの達成を目標にするのも楽しいです。ただ、ステージによっては運が絡んだり無茶な行軍を要求されたりとかなり難易度が高いので、慣れないうちは無理に達成を狙わずともよいでしょう。単純に「今日はこの動きができた!」といった立ち回りの成長を感じやすいのも『無双5』の楽しみの一つです。もちろん、戦功目標の達成を目指した進軍ルートの構築も楽しみ方の一つです。wikiに掲載された模範ルートだけでなく、色々なルートを試してみると新しい発見があって楽しかったりします。
また、『無双5』は味方との共闘感や敵の意思を持った行動をゲームシステムの中に上手く落とし込んでいるのが特徴です。戦場における「画面外での」敵と味方の戦闘は主に「士気ゲージ」と「戦意」によって管理されています。両方ともプレイヤーが敵軍を撃破したり拠点を制圧したりと活躍することで味方側に振れていき、有利になると目に見えて味方が強くなります。逆に不利な場合は数で有利な味方もあっさり敗走するので、この士気・戦意システムが分からないうちは味方の進軍調整に苦戦し、バタバタと敗走していくことも多々。ステージごとに苦戦しやすい味方はわりと固定なので、何度もプレイして研究してみましょう。高難易度ステージでは敵軍の士気が有利になるイベント(しかも振れ幅が大きい)が複数回起こるので、戦略面でも一筋縄ではいきません。
敵の意思を持った行動はシステム化されているため、その行動は多岐に渡ります。一時的に戦意が最高になって行軍状態となる「突撃」を始め、戦意最高になってプレイヤーを死ぬまで追いかける「追討」、配下武将が独立軍団となって乱数行動を始める「別動隊出撃」、全軍団が戦意最高になって突撃をするレアイベント「全軍突撃」などなど。他にも細かい行動がいくつかあり、全く同じ戦況になることが少ないのです。これは味方でも同様で、時々拠点で防御を固めたり、体力が減った状態だと進軍せずに待機したりします。ゲーム的には意味の薄い「進撃」や「同行要請」の台詞も用意されており、生きた戦場を演出しています。
これまで、記事では『無双5』が「面白いゲーム」であったと語ってきました。しかし、発売当時の評価としては、万人ウケする作品ではないというところに着地しています。ざっくりというと、『無双5』を受け入れられなかったプレイヤーも多かったのです。なぜ当時、そういった反応が起きたのかを、筆者の視線(オタク的思考)から分析すると、以下のような点が思いつきます。
・ストーリーの掘り下げが浅かったこと。
ストーリーモードにあたる無双モードが1キャラあたりで6ステージしかなく、総ステージ数もシリーズとしては少なめであった。ストーリーの内容に関しても6ステージで収める都合上か省略された部分も多く、史実度外視のオリジナルストーリーがあまり受け入れられなかったようだ。しかし、筆者本人はムービーを全スキップするタイプなのでそれほど気にしていなかった。
・チュートリアルが無かったこと。
これは前回の記事でも触れましたが、連攻撃のガード・回避キャンセルや強攻撃の連攻撃でのキャンセルなど、操作説明に明文化されていないシステムが多くありました。『無双5』のアクション・タクティクスの要素を容易に理解できなかった環境がそのままハードルの高さにつながったものと考えられます。元々『無双』シリーズがカジュアルなゲーム性で好評を博していたこともあり、その煽りは大きいものだったと考えられます。
・アクション的楽しさに到達すための準備が多かったこと。
まず、連舞システムはランク∞の状態が一番楽しいのですが、∞になるためにはレベルによるスキルの解禁が必須でした。(アイテム等による強化は一時的)キャラクターの操作感に関わる要素のうち、連舞ランクと特殊技がレベルによる解禁であったため、レベリングが窮屈に感じられたものと考えられます。
また、連舞ランクは「攻撃の被弾」と「攻撃しないまま一定時間経過」という2つのネガティブペナルティでしか減少しなかったこともあり、「低い連舞ランク=窮屈なもの」というのがシステム的に確立されていたことも一因と言えたでしょう。(意図したところであるかどうかは別として)更に、最高難度の修羅に挑むにはレベリング以外にも優良な武器の入手が必須です。無双5は武器入手が完全なランダム入手だったので、リセットマラソンをこなす必要があったということです。ゲーム自体の難易度の高さと合わせて、入口に立つためのハードルは中々に高かったといえます。
・攻略速度を求められるステージが多いこと(高難度は特に)
これは本当に筆者自身が個人的に感じたことですが、高難度になると味方の救出やイベントの攻略でとにかく敵将の撃破速度が求められることが多いので、行動方針に自由度を出し辛いことがあります。イベントを放棄すれば問題ないのですが、なんだかモヤっとします。この性質上、敵将の狙い撃ちが難しいキャラや攻撃速度に難があるキャラはキャラランク(後述)では後れを取りやすいです。
・キャラ差がわりと大きいゲームだったこと
後ほどのコーナーで詳しく記載しますが、このゲームはキャラクターごとの性能差が大きいです。(主にモーション性能と特殊技の性能で)好きだったキャラが連舞システムの波に乗り切れていないキャラ性能だと、上記のアクション的ハードルの高さも合わせて大変だったと思われます。
更に、基本的に『無双5』は敵が強いゲームです。複数の敵が襲い掛かってくると、前回解説した三すくみの連・強・ガードがまとめてプレイヤーの前にのしかかってくることになります。キャラパワーが低めのキャラだと、こうなってしまっては回避、弾き、乱舞以外にまともにとれるアクションがないので、その期間が退屈に感じられることがあったかもしれません。
最初からキッチリ読んできてくれた方も「御託は良いからさっさとキャラランクを寄越せ」と飛ばしてきた方もお待たせしました。ここからは、アクションゲームは強いキャラクターで気持ちよくなってナンボ、という持論の下、『無双5』で強いヤツらを紹介していきます。ただ、その前に本作での評価基準について、以下にまとめてみたので、興味のある方はこちらも読んでみてくださいね。
連攻撃前半部分に大きな穴は無いか:連攻撃のガードキャンセルでラッシュをかけるのが基本となる『無双5』(逆に∞で追加される部分まで振るのは横槍の関係で難しい)では、初段から4~7段目程度までの性能がそのまま連攻撃の性能になります。リーチが短いだけなら標準武器によるリーチ補強で補えますが、それ以外の欠点があると非常に辛いです。また、このゲームの連攻撃は一回ごとにある程度前進するのですが、距離が無さすぎるor大きすぎると弱点にもなります。前進しなさすぎるキャラ(例:曹操・夏侯惇)は横槍を入れられやすく、前進しすぎるキャラ(例:関羽・甘寧)は無双乱舞などのラッシュで取りこぼしやしく、ダメージ効率が悪くなります。
強攻撃・強溜め攻撃は敵集団を効率よく攻撃できるか:広範囲の敵に効率よく大ダメージを与えられる強攻撃、強溜め攻撃があると雑兵の撃破効率が良く、素早く拠点制圧や敵将撃破を狙える。もし強攻撃がタイマン向けの場合は連攻撃が優秀でないと撃破数や乱戦の処理で伸び悩むことに。
殺陣・弾き飛ばし・回避の3つの守りの要素に弱点がないか:ここまでで解説したとおり、無双5は守りの比重が大きいです。ガード状態から繰り出せる殺陣・弾き飛ばし・回避に欠陥があると立ち回りが窮屈になりがち。逆にこの3つが優秀なキャラは連・強攻撃に多少の穴があっても強気に立ち回ることができます。
攻撃のヒット数は多いか:各攻撃のヒット数が多ければ多いほど連舞ゲージ、無双ゲージを稼ぎやすく、強力な武器効果である一閃との相性が良くなる。特に最高難度の修羅は通常の場合、一閃に火力を依存するので重要な要素になる。
特殊技に制圧力があるか:特殊技は1ステージ中でキャラクターにもよるが使用回数は大体2~4回程度。一回の使用でステージ中の強敵を倒せる性能であるかどうかは重要。特に発動時に周囲の敵を気絶させられる「大喝」があるキャラは便利。
スキル「闘志」を持っているか:先述の通り無双5は無双ゲージの回収効率が生存率に直結するので、無双ゲージの上昇率が上がる闘志の有無は非常に大きい。あった方が積極的に無双乱舞を発動できるので生存率、火力効率も段違い。
他にもいくつかありますが、これ以上語るとキリがないので割愛いたします。
真・三國無双5(PS3)キャラランク(2017年9月版)
SS:呂布・諸葛亮・孫尚香
S:趙雲・張遼・月英・張飛・孫策・曹仁・関平・周瑜
AA:張郃・陸遜・甘寧・淩統・司馬懿
上位と中堅の壁
A:関羽・貂蝉・甄姫・劉備・孫堅・呂蒙・徐晃
B+:魏延・董卓・小喬・黄忠・夏侯惇
B:馬超・太史慈・張角・曹操・許褚・龐統
中堅と下位の壁
C:黄蓋・袁紹・曹丕・周泰・孫権・夏侯淵
E:典韋
呂布:恐らく無双5で最も大きな武器変更を食らった男。他作でお馴染みの方天画戟から無双7では愛娘の武器である十字戟に持ち替えている。リーチが短くなってしまったという欠点があるものの、標準武器で補える範囲であることからあまり気にならない。連2~3キャンセルのループコンボが頭上を含めた全方位からの横槍をシャットアウトできるというスゴ技で、これと無双乱舞、特殊技以外は何もいらないと言ってもいい。闘志と全方位攻撃のシナジーで無双ゲージがあっという間に溜まるのもグッド。
オススメ武器:標準・氷、標準・炎、力・氷、力・炎
諸葛亮:特殊技の火計が拠点内の敵将の体力を半分、副将以下の敵を瀕死にするというゲームバランスがぶっ壊れるスゴ技。大喝で守りもできる上に開書、伝書大袋で使用できる回数も全キャラ中トップクラスというドがつく優遇っぷり。それ以外にも殺陣、弾き、回避、連4キャンセルの性能が高く小回りも効きやすい。拠点の外に強敵が居るステージがやや苦手なものの、一閃との相性も良く初心者でもその圧を発揮しやすい。
オススメ武器:標準・氷、標準・炎
孫尚香・月英(弓):発売初期から凶悪なキャラクターとして有名だった弓の二人。連舞ランク∞になると3体まで攻撃できる貫通矢×5本を一度の攻撃で発射するため、他のキャラを圧倒的に凌駕する火力を誇る連攻撃がスゴ技。弓による攻撃なのでアウトレンジから一方的に敵を射殺することもでき、貫禄のランクイン。ただし、横槍への弱さ・乱戦への弱さがワーストでありかなりピーキーな面もある。特殊技、スキル、無双乱舞の〆の性能差で孫尚香の方に軍配。
オススメ武器:技・氷、力・氷
趙雲:連・強攻撃共に後方への判定が弱いという欠点があるものの、非常に高性能な殺陣・弾き・回避に加えて無双乱舞の火力も高い。回避と弾きで敵をいなしつつガードキャンセルを活かした連攻撃3段のラッシュで敵将を削り、危なくなったら乱舞で逃げ切る。という無双5の基礎を最も強く活かせるキャラなので初心者にもオススメしたいキャラの一人。
オススメ武器:標準・氷、技・氷、力・氷
張遼:闘志や強力な特殊技こそ無いものの、モーションに全く穴が無く優秀なキャラ。無双乱舞の火力が高い他、全キャラ中唯一連攻撃の1段目に武器属性が付与されるオンリーワンの特徴を持つ。氷武器を担いで適当に1連キャンセルで凍結させてからの強攻撃がシンプルながらに強力でオススメ。
オススメ武器:標準・氷、力・氷
張飛:初期リーチが全キャラ中トップクラスで攻撃全体の振りも速いという神がかった攻撃性能を誇るキャラ。闘志も持っているのでとにかく連2~3キャンセルを強引にねじ込んで無双ゲージを回収し、ギリギリの所で無双乱舞を押し付ける張飛らしい力押し戦法が特徴。逆に弱点も大きいのが特徴で、回避、無双の〆、機動力の性能が軒並み悪いなど守りに穴が目立つ。
オススメ武器:技・氷、力・氷
周瑜:通常時のダッシュ連攻撃以外の全ての攻撃に使い道があるという多芸さが売りのキャラクター。特に強溜めの発生が速く、雑兵処理やゲージ回収にもってこいのスゴ技。特殊技も大喝+分身で高火力、かつ開書のおかげで最初から使えるのが大きな魅力。連攻撃が初期の段階から背後に対応しており、初期状態でも使いやすいのでオススメ。
オススメ武器:標準・氷、技・炎、技・氷
関平・曹仁・淩統・徐晃・呂蒙(戟):連攻撃、強攻撃、強溜め攻撃、無双乱舞、主要となるモーションに穴が無く、低ランクからでも非常に優秀。殺陣が弱いという欠点があるものの、殆ど気にならないだろう。5人の間で差があるのは主に特殊技・強攻撃の性能差、闘志の有無などによるもの。モーションが共有されているため、似たようなキャラと思われがちですが、強攻撃・強溜め攻撃は別物の攻撃であることの方が多いです。特殊技や機動性もキャラごとにまちまちなので、操作感は意外と異なってきます。
オススメ武器:標準・氷、技・氷
孫策・張郃・馬超・太史慈(槍):戟と同様に、主要モーションに穴が無く優秀なことに加え、殺陣も優秀というおまけつき。ただし、無双の〆や強攻撃の乱戦での性能はやや戟に見劣りする。前者二人と後者二人で大きな差があるのは主に特殊技の火力差、強攻撃・強溜め攻撃・無双の〆の性能差がかなり大きいため。
オススメ武器:標準・氷、標準・炎、技・氷
陸遜:殺陣・弾き・強攻撃の性能が高い上に、巻き込みに優れるので無双ゲージ回収のメインウェポンとして使っていける。そのため、リーチが標準レベルながらに標準武器によるリーチ強化を必要としない特異なキャラクター。特殊技は諸葛亮と同じ火計だが、こちらは若干火力不足な代わりに特定の敵を打ち上げにくい。そのため、拠点放火時の敵の攻撃ルーチン弱体化を利用したラッシュの布石に使うことが可能。∞ラッシュまでつなぐことでかなりの火力を狙っていける。
オススメ武器:技・氷、力・氷
甘寧:弾き飛ばしが全キャラ中トップクラスの高性能。強攻撃がダウンした敵を叩き起こして殴れることに加え、連3~4段キャンセルの前進力が強くリーチの短さに対して敵を捕捉しやすいため、一度攻勢に出てからのラッシュ力の圧力が魅力的。前進力と弾き飛ばしのおかげで標準武器によるリーチ補強を受けずとも戦いやすく、特殊技の分身攻撃の瞬発力が全キャラ中No.1の神火力。無双乱舞で敵を取りこぼしやすいのが玉に瑕。
オススメ武器:標準・氷、技・氷、力・氷
司馬懿:回避と弾き飛ばしの性能が非常に高く、連2段をガードと回避で振り回すのが強力。二刀流でヒット数も稼ぎやすく、一閃の恩恵が大きい。周囲を翻弄する技に恵まれており、緩やかな防戦をキープしつつ安全に戦えるのが特徴。ただ、連攻撃・強攻撃共に横槍に弱く特殊技の性能も低いので、攻勢時の火力を一閃に依存しがち。関羽と並んで上位キャラの門番的な立ち位置。
標準・氷、技・
典韋:無双乱舞の性能や弾きの性能が低く、連攻撃の元々のリーチが短い上に標準武器の恩恵(リーチ強化)を受けられない不具合がある、殺陣連の発生・掴みがともに酷い、全モーションを通して武器属性を活かせる攻撃が弾き飛ばししかない、などなど強キャラの条件から全力脱線しているかわいそうなキャラ。闘志があったり大喝持ちだったりと細かい点では条件を満たしているものの、連攻撃・強攻撃ともに敵将へのダメージ効率が悪く、敵将撃破速度は全キャラ中最低。せめて無双乱舞だけでも普通につながってくれれば一弱にはならなかったのだが……
オススメ武器:技・雷、技・氷
中堅キャラには黄忠、夏侯惇、孫堅などの立ち回りにアクの強いキャラが揃っているのでいつか詳細な解説もやってみたいですね。上位組は初期段階でも快適に戦えるキャラクターが揃っているので、始めたての『無双5』プレイヤーにもおすすめです。次回は無双5をやる上で必要になるレベリング、武器、軍馬の厳選作業や実戦における立ち回りの方針等についてのお話をする予定です。
遼智子
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