【プレイレポート】ホラー×美少女『WHITEDAY~学校という名の迷宮~』の本当に怖いところ

こんにちは。ポニーテールの良さを知る男・浅葉です。
今回の記事では、ヒロインの四宮しずくちゃんがKAWAIIので、直感的に購入したホラーゲーム『WHITEDAY~学校という名の迷宮~』のプレイレポートをお届けします。
発売前の情報から、探索と謎解きがメインの、脱出ゲームのようなものを予想していたのですが、実際に遊んでみるとその怪作っぷりと、ガチすぎる難度に驚かされました。自分自身、まだ本作を1周クリアーしたばかりなので、作品の全貌をつかみきれたとはとても言えませんが、この作品はまさに今が旬!今でしかできない体験を皆さまにもしてもらいたいので、今回はざっくりとしたレポートをお届けします。

『WHITEDAY~学校という名の迷宮~』
発売日:2017年8月24日
プラットフォーム:プレイステーション4
ジャンル:ホラーアドベンチャー×恋愛シミュレーション
価格:PS4パッケージ版:4,800円+税、ダウンロード版4,300円+税
発売元:アークシステムワークス
開発:SONNORI Corp

△プレイヤーは、主人公の山本勇人を操作し夜の学校を探索します。もともとは韓国のゲームですが、なんとこの作品のオリジナル版が世に出たのは2001年のこと。今遊んでも尖った部分や、深みを感じる要素がたくさんあることに驚かされます。

△こちらが本作のヒロインの一人、四宮しずくちゃん。ホラーゲームのヒロインらしくミステリアスな雰囲気を醸し出しています。

鉄板のホラー×学園モノ
学校内を探索し、「謎」と「過去」を探る

プレイヤーは、夜の学校に閉じ込められてしまった主人公の山本勇人を操作し、学校からの脱出を目指すことになります。校舎内にある数々の部屋を探索し、脱出のためのヒントや、過去に学校で起きた事件の情報を集めていきます。いわゆる「脱出ゲーム」系の作品になっていて、中にはかなり難解な謎解きも用意されています。パズル的な謎解きが、閃きがきっかけに解けた時の爽快感はかなりのもので、この感覚は本作の肝といっても過言ではありません。
本作のジャンルは、ホラーアドベンチャー×恋愛シミュレーションとなっていますが、要素として色濃いのはやはり「ホラー」。もともとは韓国の作品ですが、その怖さの質感は日本のホラーゲームと近く、視覚的な仕掛けよりは、物語に潜む恐怖を重視した作品となっています。学園内に散らばる物語を集め、知っていくうちに、学校や登場人物たちの秘密が明らかになり、そこに宿る恐怖を読み取ってしまった時、怖さが溢れ出すのです。
こうしたじわじわとくる恐怖を演出する「サウンド」も本作の優れた点の一つです。本作を遊ぶ際は、ぜひ、音を大きめにして遊んでみてください。

恋愛要素については、探索パート内で発生する、ヒロインたちとの会話で、どう言った応答をするかによって分岐していきます。エンディングも複数用意されており、特定のヒロインルートでしか浮かびあがってこない物語もあるため、物語の全貌を知るためには、周回プレイが前提になっています。本編とは関係ないサブストーリー的な読み物や、おまけ要素や収集要素など、「周回」プレイを飽きさせない工夫も見られるうえ、クリア時には「プレイ時間」なども表示されるので、タイムアタックを楽しむこともできそうです。

『WHITEDAY~学校という名の迷宮~』プロローグ
物語の主人公は「八城高校」に転校したばかりの2年生「山本勇人」。彼は、学校のベンチに座っていた可憐な美少女「四宮しずく」に一目惚れする。
偶然にも、しずくの日記帳を拾った勇人は、彼女の日記帳を返そうと夜の学校に向かう。
「八城高校は呪われた学校だ」、世間ではまことしやかに囁かれていたその噂はすべて実話だった。
真夜中の学校では、恐ろしい幽霊や、安全を守るはずの守衛たちが、逃げ惑う学生を襲撃する。
そんな恐怖と絶望の空間に変貌を遂げた学校は、勇人をも閉じこめてしまう。
「おっさん」は不死身にして最強
校内を徘徊する恐怖の存在

ここまでは普通に紹介してきましたが、ここからは本作の醍醐味である「おっさん」の話をしたいと思います。
本作における最大の敵は、お化けでも怪奇現象でもなく、「おっさん」です。本作のお邪魔キャラクターとも言える「おっさん」は、バットを手に持ち、学校内をウロウロし、主人公を視界に捉えると物凄いスピ−ドで追いかけてきます。距離が近づくと、手に持ったバットをブンブンと振り回し、体力が最大の状態でも3回殴られるとゲームオーバー。セーブポイントまで戻されます。ゲーム難度をあげると、バット一撃で即死したりします。
しかも、本作にはこの「おっさん」を攻撃する術がなく、プレイヤーは基本おっさんにビクビクしながら移動し、おっさんに見つかったら素早く物陰に隠れてやり過ごすことになります。しかし、この「おっさん」の索敵範囲は高性能ソナーでも備えているかのように広いので、隠れたつもりが逆に追い詰められているという事態になってしまうことも珍しくありません。

△侵入者を排斥するために校舎内をウロウロしているおっさん。お化けよりも何よりも強い、本作の最強キャラクターと言っても過言ではありません。おっさんは二人存在していて、こちらはゲーム序盤から中盤までプレイヤーを悩ませる「おっさんA」です。

△こちらが「おっさんB」。おっさんAよりも心なしか移動速度が早いためか、まくのが非常に難しいです。プレイヤーにはスタミナ的な要素があり、走っているとだんだん減速していくのですが、おっさんたちのスタミナは無尽蔵。

おれなんかは、あまりにも「おっさん」にボコられすぎ、そのたびにセーブポイントまで戻されるという恐怖体験を繰り返した結果、ホラーゲームというよりは「おっさんゲー」という印象が強いです。おっさんさえいなければ、おっさんさえ倒すことができれば、おっさんが出なくなるDLCがあればどれだけいいか。おっさんを倒せるロケットランチャーが販売されたら、1万円でも購入します。アークシステムワークスの格闘ゲームは、ユーザーの声を聞いたバランス調整がたびたび話題になりますが、このおっさんもついでに弱体化していただければと思います。この記事の見出しを「おっさんから逃げまどう恐怖! 『WHITEDAY~学校という名の迷宮~』プレイレポート」にしようか真剣に悩みました。

△おっさんたちをやり過ごしやすいポイントとして重宝する「トイレ」。ホラーゲームでトイレというと恐ろしいスポットに感じますが、このゲームではここが聖域となります。

△おっさん以外にもゲームオーバーになる要素はありますが、おっさんの理不尽に比べれば可愛いものです。

このゲームはおっさんが一番怖い。

ゲームのプレイフィールをガラリと変える
大胆な衣装チェンジ
ホラーゲームが苦手な人は、本作の早期購入特典として付いてくる『ブレイブルー』のコラボコスチュームを適用して遊ぶのもオススメです。主人公はラグナ・ザ・ブラッドエッジになりますし、ヒロインたちはノエル・ヴァーミリオンちゃんに、おっさんはヴァルケンハインやテイガーになります。『ブレイブルー』のもう一つの世界線だと思い込めば、恐怖を軽減できるはず。

△テイガー(おっさん)に追いかけられる、ラグナ(主人公)。コスチュームは、イベントムービー中にも適用されるため、作品の雰囲気がガラリと変わります。

△おっさんにやられるよりは、テイガーにやられる方がいいという方もいるのでは。

また、この他にも有料DLCで制服の別バージョンや、水着などが用意されています。現在、おれは3周目をこのコスチュームで遊んでいるのですが、ほの暗い学校内で水着を着てウロウロする主人公たちやヒロインたちには、怪しい魅力があります。

△おっさんの水着コスチューム。キタキタお○じコラボではありません。

『WHITEDAY~学校という名の迷宮~』
完全攻略はキミに任せた!

物語の雰囲気は、学園ホラーとして完成度の高いものになっていて、どこか切ない舞台裏や、多くを語りすぎないキャラクターたち。そして、本編を進めるうちに明かされていく、数々の秘密などは、ホラーゲーム好きの心をくすぐるはず。ホラーゲーム愛好家には是非とも遊んでもらいたい一作です。しかし、先述した「おっさん」の存在により、いわゆるステルスアクションのような進め方を強いられるシーンが多いため、そこは人を選ぶかもしれません。

△本作のセーブには、ゲーム内で手に入る「サインペン」が必要です。つまり、セーブ回数は有限なので、どこでセーブするかというのも攻略上大事なポイントとなります。

ゲームの難度設定はオプション項目として用意されていますが、初見の場合はノーマルで開始してもその難しさに驚くはず。難度をイージーにすると、おっさんの接近がわかりやすくなるものの、おっさんは不死身ですし、変わらずバットで殴ってきます。しかも、本作には現時点で、目立った攻略情報がありません。PS4への移植作にもかかわらず、ネット上に攻略がほとんど見当たらないのです。こうした状況ですから、コンプリートを目指すとなると、「自力プレイ」での攻略をすることになります。ちょっと詰まったらネットを検索するという攻略スタイルになれてしまった我々へのカウンター作品としては抜群の出来と状況が揃っているので、ハードコア・ゲーマーになりたい人は、本作を手に取ってみてください。
ちなみにおれは、現代キッズの武装の一つである「ニコニコ生放送」で攻略のヒントを聴きまくるという荒技でクリアーしました。

△おっさん以外の要素は、周回プレイ時に大きく変化しません。ゲーム難度を上げると、ガチのステルスアクション顔負けの難度になります。

そんなわけで、おれはゲームメディアが現状アップしている本作のレビューなどを見ると「この記事はまさか、クリアーせずに書いているのでは」という疑いが湧いてきます。(中には「詰みました」と書かれている大変正直なレビューもあります。)切ない物語が、歯ごたえのある難度が、ヒロインたちの恋愛模様がとか気軽に書いてるけど、それは本当にプレイしてみたのか、デバックコマンドじゃねえのかと疑ってしまう。それほどの難度とおっさんの圧を放つ怪作ですから、ゲームの腕前や忍耐力に自信のある方は是非、「攻略」を完成させてほしいと思います。攻略が完成した暁には、メールなどでトロフィーコンプリートの手順などを送っていただけると大変喜びます。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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