【EVO2017】観戦ガイド01.やりこみは円熟の域へ!『ストリートファイターⅤ』の見どころ

2017年7月14日〜16日にかけて、アメリカで格闘ゲームの祭典EVO2017が開催されます。
今回の記事では、そのタイトルの一つである『ストリートファイター5』の見どころをお届けします。

ストリートファイターⅤ
発売日:2016年2月18日
プラットフォーム:プレイステーション4、PC(steam)
ジャンル:2D対戦格闘
価格:プレイステーション4版 通常版 7,990円(税抜)
ダウンロード版7,398円(税抜)

△2016年2月に発売された『ストリートファイター5』は、アップデートを重ね、現在はシーズン2へと突入。

“シーズン2″という新たな舞台

発売から1年が経過し、現在の『ストリートファイター5』はシーズン2に突入しました。豪鬼、コーリン、エドといった新キャラクターたちの追加に加え、既存キャラクターの性能変更や、システムの仕様変化などが施されたことで、対戦シーンも若干変化しています。(シーズン2内ではバランスの再調整が行われたため、現在のバージョンをシーズン2.1と呼ぶこともある。)
シーズン2では、シーズン1で高い評価を受けていたリュウ、春麗らがマイルドになり、一部のキャラクターの強化などが行われました。シーズン2の稼働から数カ月が経った現在、強化の恩恵を大きく受けたいぶき、ラシード、バイソン、ザンギエフらが脚光を浴びています。これらのキャラクターは、EVO2017でも、その活躍を見かける機会が多いはず。

△いぶきは、EX苦無を絡めた攻めが非常に強力です。ガード時はいぶき側が先に動き出せるうえ、ヒット時は見切りづらいガードの揺さぶりを仕掛けられます。Vトリガーを絡めた見切りづらい攻めも持ち併せているため、試合をひっくり返す能力も高めです。

△どっしりとした地上戦を得意とするザンギエフ。リーチの長いしゃがみ弱Pは、多くのキャラクターにとって脅威となる牽制技です。接近戦での、打撃とコマンド投げを使い分けた攻めも強烈です。

そのほか、攻めの機会を作りやすいキャミィや、最近では海外の強豪プレイヤーの活躍も目立つかりん、シーズン2の再調整で下方修正されたガイル、ユリアンなども、先にあげたキャラクターたちとも十分渡り合える強さを持っています。
そして、一般的な「強キャラクター」ではなくとも、本作に登場するすべてのキャラクターには、ちゃんと「武器」が用意されています。本作は、攻め側がとにかく強い作品なので、蓋を開けてみれば、ダークホース的なキャラクターが勝ち進んでいる可能性は十分にあります。

△海外の強豪プレイヤーの活躍で、再注目されているかりん。コンボダメージが高く、画面端へと相手を追いやりやすいのが強みです。

近距離での攻防

『ストリートファイター5』の一番わかりやすい見どころは、近距離での打撃と投げの攻防です。本作は、ダッシュやジャンプなどが素早いため「守りきって勝つ」という試合展開が起きにくい作品となっているので、守りきって勝つという展開よりも、どこかで相手をとらえてこの読み合いに持ち込む勝ちパターンが多くなることが予想されます。

△ダッシュを意識していると対空が出ず、上を意識しているとダッシュを通しやすくなってしまうという自分との戦いのようなシビアさも、観戦者としては大きな見どころです。

本作の特徴として、投げに対する防御行動である投げ抜けを見てからできない設計になっているため、打撃と投げを振り分けるだけで、強烈なガードの揺さぶりを仕掛けられるのです。打撃からは当然、大ダメージのコンボ(連続技)につなげられるため、この読み合いに数回負けてしまうと、一気に体力がなくなります。

△投げの対の選択肢となる打撃からは、コンボにつなげられます。コンボや投げでダウンを奪うと、再び起き上がりを攻められるため、体力を一気に奪うチャンスとなります。

格闘ゲームのセオリーである、ダウンさせた相手を攻める「起き攻め」は本作でも非常に強力ですが、本作は相手をダウンさせる技からの攻めを継続しにくいように設計されています。技の攻撃が出ている時間も短めなので、技を正確に起き上がりに重ねるためには、特定の技を空振ってタイミングを合わせる「フレーム消費」と呼ばれるテクニックを使うことがあります。相手をダウンさせたあと、技を空振って攻め立てている時は、このテクニックを使っている可能性も。逆に、起き上がりに技を重ねることが難しいことを活かし、強気に弱攻撃を繰り出すのも防御側の戦術のひとつです。

△打撃によるダウンは、一部の例外的な状況を除いて、ダウン側がその場、後方の受け身を使い分けられますが、投げによるダウンは後方受け身がとれないため、攻めを継続しやすくなっています。画面端の投げの後は、距離が開きにくいため、投げ→投げの連係を狙いやすくなります。

もう少しマニアックな話をすると、シーズン1で有効だった「ジャンプグラップ」と呼ばれる、ジャンプと投げ抜けの良いところを足したような防御方法が、システムの変更によりとれなくなったため、攻めをしのぐのが一層難しくなっています。最近の対戦シーンでは、バックステップグラップ(バクステグラ)と呼ばれる、バックステップとグラップの複合入力による回避が流行していますが、こちらも読まれてしまうとバックステップ中に存在する被カウンター時間に、クラッシュカウンターを狙われてしまうというリスクがあります。

△バックステップグラップによる防御は強力ですが、読まれると強攻撃によるクラッシュカウンターを受けてしまいます。弱→強などの連係は発生の早い技で割り込まれやすいという弱点もありますが、バックステップには極めて有効です。

Vトリガーは危険がいっぱい

Vトリガーが溜まれば、試合の緊張感が一気に高まります。上にあげたいぶきやバイソンもそうですが、ユリアンやレインボー・ミカなど、Vトリガーを絡めた強烈な攻めを持つキャラクターは多数存在します。通常技や必殺技のヒットを確認してVトリガーへとつなぎ、そこから表裏をゆさぶったり、打撃と投げの2択を仕掛ける「おかわり」的な戦術は、スタン(気絶)のシステムがある本作では非常に有効です。

△Vトリガーは、コンボ以外にも活用できるポイントが多いシステム。時間停止を利用し、相手の技を確認してから行動するという戦術も存在します。

観戦時に役立つかもしれない用語集

軸ずれ(技):技の発生前に、キャラクターのやられ判定が移動する技やそれを使った防御テクニックのこと。本作の連続技に使うパーツは、技のリーチが短いものが多く、軸ずれ技にヒットしてしまうと、コンボとして成立しないものも多いため、起き上がりや不利フレームでの暴れ技として使われる。ラシードの立ち弱Kやベガのサイコブラストなどが該当技。

△キャミィのバックステップは、最近注目を集めている強力な軸ずれ行動のひとつ。いぶきの雷打→ダッシュしゃがみ弱K(持続)→立ち弱Kの連係なども、軸をずらして連続ヒットを回避できる。

柔道:投げでダウンさせた相手の起きあがりに、再び投げを重ねること。または、その動きを繰り返すことを指すスラング。本作の投げは、後方受け身をとることができないという性質を持つため、その後の打撃と投げを使い分けた攻めが非常に強力で、キャラクターによっては、投げでダウンさせた相手の起きあがりに、通常技による割り込みを許さない形で投げを重ねることができる。この戦術に対しては、投げ抜けや、ジャンプ、無敵技といったリスクの高い防御手段を取らなければならないため、様子見のガードを選択したところに、2、3回連続で投げが決まってしまうことも多い。

△画面端で複数回投げが決まる光景も、本作では珍しいことではありません。

一部、見どころがオタク的になりすぎましたが、攻めが非常に強いゲームかつ、Vトリガーでの逆転性も合わさって、最後の1ドットまで何が起こるかわからないゲームなので、ワクワクしながら眺めていただければと思います。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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