幼い頃、ツインシュートに挑戦して怪我をしたことのある浅葉です。
ファミコン、スーパーファミコン時代を生きたおっさんゲーマーであれば、テクモ版『キャプテン翼』を知っている方も多いはず。
テクモから発売された『キャプテン翼』シリーズは、コマンド選択式のRPGのようなシステムを軸にした異色のサッカーゲームでありながら、サッカーの概念を覆すかのような演出や駆け引き、時には、圧巻のオリジナルストーリーでファンたちを魅了しました。センターサークル付近から必殺シュートを打てば得点することも日常茶飯事なそのカジュアルすぎるゲーム性は、サッカーのルールを知らずとも楽しめる作品として唯一無二の存在感を放っていました。ゲームの駆け引きや仕組みがダイナミックというかぶっちゃけ大雑把な部分も多くあったからこそ、友達と遊ぶ「対戦モード」がとにかく笑えて、熱かったのです。
・主なテクモ版『キャプテン』翼
1998年 キャプテン翼(ファミコン)
1990年 キャプテン翼II スーパーストライカー(ファミコン)
1992年 キャプテン翼VS(ゲームボーイ)
1992年 キャプテン翼III 皇帝の挑戦(スーパーファミコン)
1993年 キャプテン翼IV プロのライバルたち(スーパーファミコン)
1994年 キャプテン翼(メガCD)
1994年 キャプテン翼V 覇者の称号カンピオーネ(スーパーファミコン)
この時代の『キャプテン翼』の思い出を語りだしたら止まらないほど、おれはこのゲームを愛していたし、今でもたまに友達と集まって遊んだりしています。
そして、今でも、『キャプテン翼』のゲームが出るたびに、テクモの作った『キャプテン』翼の幻影を追いかけて、”とりあえず”遊んでいます。『キャプテン翼』のゲームは、どことなくテクモ版をリスペクトしているものが多く、遊んでみると、重なるところを感じることも多いのです。
KLabから配信されることが発表されていたスマートフォンゲーム『キャプテン翼 たたかえドリームチーム』にも、なんとなくテクモ版の影を感じていました。
しかし、他のテクモ版の影を感じた他社作品を遊んだときにはいつも、ぐっとくる瞬間をがありつつも、俺の中で『キャプテン翼』のゲームといえばやはり、テクモ版なのだと痛感します。
あと、一歩、一歩足りない。これならリメイク版を出してくれとか、丸パクリでも構わないと思うことすらあります。
比較して面白かったとか、よくできているとかそういうことではなく、俺に深く刻まれた『キャプテン翼』のゲームが、テクモが作り出していた作品なのです。
思い出補正もありますが、今遊んでも、「これなんだよなあ」となってしまうのです。
そして迎えた6月、いよいよ『キャプテン翼 〜たたかえドリームチーム〜』が配信開始。
期待も不安もありますが、基本無料のゲームですから、気楽にスタートしたのですが、5分くらい遊んだ時点でもう、完全にやられてしまいました。
『キャプテン翼 〜たたかえドリームチーム〜』は、テクモ版『キャプテン翼』の血を色濃く受け継いだもので、テクモ以外の会社が作ったものとしては、最もそのリスペクトが深いものになっていると感じたからです。
ゲームライター的なことをしていると、「この作品は〜に似ている」という表現はなかなか使いづらいものがありますが、この作品はもう、テクモ版へのリスペクトが溢れています。
いろいろな大人の事情で、リスペクトしているというところがゲームメディアや公式発表でクローズアップされていないように見えますが、ファンとしておれが言っておきます、ここにはおっさんたちの求める『キャプテン翼』がある!
そして、決して安易に真似ただけという作品ではなく、名作のエッセンスを継承しつつも、今風の新しさやスマートフォンゲームとしてのカジュアルさをもたせていると感じました。
こんな尊敬に満ちたゲームが2017年に出てくるなら、当時のテクモ版のスタッフも本望だろうと勝手に解釈しております。
そんなわけで、今回の記事では、『キャプテン翼 たたかえドリームチーム』の魅力について、勢いだけで語っていくことにします。
日向くんのタイガーショットを撃って数秒で、もうこのゲームの虜になっていました。日向くんの後方に虎が出現し、足元から光を放ちながら強烈なシュートが放たれる。シュートは、敵チームのメンバーを吹き飛ばし、ネットを突き破らんばかりの勢いでゴールする。おれの求めていた吹き飛ばしが、ここにはありました。センターサークルから撃ってもゴールへと勢いよく飛び込む必殺シュート、そこにリアリティなどは全く必要なく、もっと言えばバランスなんてどうでもいいんです。実際は対戦ものなので、ちゃんとバランスをとっている節がありますが、ストーリーモードのノーマル難度では、適当にSSRキャラクターの必殺シュートを連打しているだけで、相手チームをボコボコに出来ます。
ドイツの皇帝、カール・ハインツ・シュナイダーのカイザータックルも、清々しくプレイヤーを宙へと打ち上げてくれました。これが格闘ゲームの世界なら、ここから空中連続技へと持ち込めても何ら不思議ではない。必殺技には、パスやコンビネーションも用意されていますし、想像以上に必殺技の数が多いのも嬉しい!最高かよ。
試合のバランスとしては、テクモ版とは異なっており、キャラクターの持つ3つの属性「力」、「速」、「技」の相性によって、コマンド選択の結果が変化したりしますが、操作はテクモ版と同じくコマンド選択型なので、ちょっと知識をつければ、爽快な試合が楽しめます。そもそも、勝ち負け以前に、適当に必殺シュートを打ってるだけでも楽しいんです。
ストーリーモードは、原作をなぞる形で進んでいき、会話パートでは名シーンが次々と押し寄せてきます。中学生編で、合間に「中原中の12番」のエピソードとして葵新伍がでてきたのには度肝を抜かれました。スーパーファミコン版の最終作が出たのは1994年、葵新伍のエピソードが漫画になったのも1994年。彼はスーパーファミコン版には登場していなかったんです。今回は、こんな序盤から姿をチラ見せしつつ、SSRとしても登場してくれます。神かよ。
しかも、本作には、オートモードと倍速モードが用意されていて、序盤のストーリーモードであれば、ちょっと強いキャラクターを並べてオートと倍速をオンにしても、もりもりクリアーできてしまいます。大幅な点差をつけているのに、試合時間がまだたっぷり残されているという時でも、このオート+倍速モードが大活躍。『キャプテン翼』のスーパーファミコン版をリスペクトしようとすると、「CPUとの試合時間」は大きなネックになる場所だったので、この仕様はとてもありがたい。
ちなみに、ストーリーモードでは、自分の手持ちのキャラクターを全て使うことができます。中学生の全国大会に、ピエールくんやシュナイダーくんを出して暴れるのは、なかなか爽快です。
テクモ版をリスペクトしているとはいえ、本作ならではのものや、スマートフォンゲームっぽい要素もしっかりと用意されています。
選手を強化する育成は、素材を集めたり、ゲーム内マネーをかけることで進めていきます。同一のキャラクター間であれば、必殺技を継承できるというシステムも用意しており、同じ選手でも、プレイヤーによって、違った強さを得ることがあるのです。これは、同一キャラクターの対戦が起こりうるオンライン対戦において、プレイヤーの好みややり込みを発揮しつつ競える、面白い要素だと感じました。強力なキャラクターは基本的にガチャによる入手ですが、イベントなどでも「強力な必殺技」を持つキャラクターが登場したりするので、単純にお金をかければ強くなるというゲーム性ではなさそうです。もちろん、お金をかけないで強くなるというわけではありません。
(オンライン対戦モードについては、サービスが始まったばかりの現時点では、練習試合的なモードしか遊ぶことができませんが、何やら7月からこのモードが本格始動するとのこと。プレイヤーを指定してのフレンドマッチも出てくればいいなあと思いつつ、今は育成して牙を研いでいます。)
と、駆け足で紹介してみましたが、『キャプテン翼』のゲームにハマっていた方には、めちゃくちゃオススメの作品です。オンライン対戦でもりもり勝ちたい場合はともかくとして、ストーリーと試合を楽しみたいという場合は、今の所無課金でも一通りの要素を遊べるようです。おれは無課金で遊ぶつもりが、周りのおっさんたちが「クラブ運営にはお金が必要」とか言い始めて課金をし始めたので、ついついガチャガチャっとしてしまいました。俺の一番好きなキャラである、カール・ハインツ・シュナイダーくんが出なくてブチ切れています。
最近の漫画『キャプテン翼』からもいろいろなキャラクターが今後登場するようですし、これからが楽しみな作品でもあります。個人的にはもうここまできたら、テクモ版に出ていたオリジナルキャラクターも出して欲しいですね。ストラットくんのメガロゾーンシュートや、コインブラくんのマッハシュートだって打ちたいし、アルシオンくんのスターバーストも見たい。ダ・シルバくんのパッションスタンピートで敵を抜き去りたいし、雨の日に謎に強いフライハイトくんだって使いたいし、ゲルティスくんのダークイリュージョンでシュートを止めたい。
コラボでなんとかならんのかー!と思いつつ、今日もシュナイダーくんが出ないか期待しつつ、少しガチャを回したいと思います。
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