守ると書くところを、守護ると書きたくなるほどに『グラップラー刃牙』シリーズを愛しているゴジラインから、今回お届けするのは守り方に関する基礎知識です。
本作における近づかれたときの、打撃と投げ(発生5フレーム)を振り分けたガードの揺さぶりは、非常に強力で、”守り方”を知らないとあっという間に倒されてしまいます。格闘ゲームの攻めというのは、ある程度の操作テクニックや勢いのつけ方のコツがわかってくれば、情報をもとにそれっぽく再現することが可能なのですが、守りに関してはとにかく地味な練習が必要で、それも、作品によっていろいろとセオリーが変わってくる大変ややこしい要素になっています。その分、初級者、中級者帯では、この守りの要素が大きな差になってきます。今回の記事は、そんなややこしく、練習するのがそれほど面白くない守りの要素のひとつである『ストリートファイター5』における密着状態の打撃と投げを使い分けた攻めへの対処法を、何種類か紹介します。
ただし、ここに紹介するものは、基本的なものから、ちょっと便利なものまでさまざまですが、状況によってこれらを使い分けることが重要です。相手の選んだ行動によって、正解は変わってくるからです。ただ、一つしか知らないよりは、二つあったほうがいい、それよりも三つ、四つ。手札は多いほうがいいので、初、中級者の方は、少しずつレパートリーを増やしてみてくださいね。
相手の攻撃を防ぐガードは、打撃の選択肢に対してかなり安全に身を守れます。中、強攻撃、必殺技はガードすると体力を少し削られてしまいますが、非常にローリスクです。ガードの弱点は当然といえば当然なのですが、投げに弱いこと。本作の投げは、見てから投げぬけできない速度(発生5フレーム、投げぬけ猶予7フレーム)となっていますから、ガードのみで相手の攻めを防ぐことはまず不可能です。フレームとはなんぞやという方は、投げは早い、投げぬけの猶予時間も早い程度の認識でOKです。普通のキャラクターの弱パンチの発生速度が、3、4フレーム程度と考えてください。
では、打撃と投げの揺さぶりに対して、ガードはあまり有効ではないのかというと、そんなことは全くありません。考え方によっては、投げはくらってもダメージが低く、打撃をくらうよりはリスクが低いのです。一番最悪なのは、投げに対処しようとして行った行動が、打撃に負けてしまい、そこからコンボをくらってしまうという状況なので、”ガードは防御行動の中ではリスクが低い”という意識を持っておきましょう。初心者の方は、攻めに対してすぐ動こうとしがちですがこれは非常にリスクの高い対処です。”投げだけでやられている”と感じてから、ガード以外の防御方法を覚るくらいで丁度いいかもしれません。
相手の打撃、投げ、どちらにも勝てるある意味究極の選択肢ですが、読まれてガードされてしまうと、大ダメージを受けるコンボで反撃される可能性もあります。じゃんけんに自信があるという人や、天運を信じている人は”運”と”読み”を信じて、無敵技に頼るのも良いかもしれませんが、常人がこれだけで打撃と投げの二択を切り抜けようとするのはあまりにも危険です。もちろん、たまには撃つことでびびらせるのは立派な戦術であり、試合の流れの作り方なので、”無敵技を持っているだけで相手は警戒して、攻めの手を緩めてくれることがある”、”勝負どころではうつ”というような感覚で構え、使っていくのが良いでしょう。
投げに勝ちやすく、打撃の選択肢を相手が戸惑ったときにヒットしやすい対処法です。ただし、通常技の出の早さはキャラクターによって異なるうえに、相手の連係がきっちり通常技による割り込みを潰すものであった場合、コンボまでつなげられて大ダメージを受けてしまうことも珍しくありません。本作では、弱攻撃からつながるコンボが少ないので、弱攻撃での割り込みを狙う場合は、カウンターヒット時につながる技を入れ込むのも戦術のひとつ。かりんなら、しゃがみ弱P→立ち中Pと割り込めば、打撃の選択肢にカウンターをとったときにしっかり繋がってくれます。
また、今回の記事の趣旨からは少しずれるのですが、発生の早い弱攻撃を安全に出せる状況では、なるべくボタンを押しておくことは常に意識して戦いましょう。ベガの強ダブルニープレスのあとや、かりんの大蛇、ラシードのスピニングミキサー、春麗の6+強Kのあとなどは、反撃はできないものの、こちら側が有利なので、素早く弱攻撃などをおしておけば、反撃にならないまでも、相手の無敵技以外の選択肢をつぶせます。無敵技を撃ってくる可能性もありますが、ここで黙っていると好き勝手されることが多いので、しっかりボタンを押すことで、”知っている”ということを相手に伝えましょう。
ダウンを奪われたあとに、ダッシュで無理矢理距離を詰めてくる相手には、早め起き上がりからの弱攻撃が非常に有効な状況も多いことも覚えておきましょう。起きあがりに技が重なる状況なのか、そうでないのかを把握する”キャラクター対策”は、本作の攻略の肝となる要素です。下に貼っている動画は、かりんがEX烈殲破のあとに、ダッシュを仕掛けて起き上がりを攻めようとしているところに早め起き上がりからのケンの立ちP(4フレーム)が確定している状況です。こういった状況は非常に多いので、怪しいと思ったら、トレーニングモードのレコーディング機能を使って調べてみてくださいね。
打撃と投げの揺さぶり来そうになったら、ジャンプするのも選択肢のひとつです。相手の攻めがはじまったらすぐに、方向キーやレバーを斜め上に”入れっぱなし”にすることから、”入れっぱ”と呼ばれるこの防御方法は、投げをジャンプで回避し、相手の打撃の選択肢が遅れていた場合、かわしたり、空中やられになってしのぐことができるんです。ただし、ジャンプを入力した瞬間、投げに対しては無敵になるものの、コマンド入力完成直後の3フレームは(バーディは4フレーム、ザンギエフは5フレーム)地上判定になっているため、一部の密度の高い打撃連携に対しては、地上やられになってしまいます。中、上級者の使ってくる攻めには、ジャンプを潰すことを目的としたものも多いので注意しましょう。コマンド投げに対しては投げ抜けが効かないため、バックステップと並んで重要な対策になります。
バックステップは、でかかりから対投げ無敵があり、動作途中に空中やられになる時間があるため、間合いの調整だけでなく回避行動としても使えます。投げを回避し、打撃の選択肢を空中くらいしやすいという点は同じですが、バックステップはジャンプよりも空中判定への移行(2F目まで地上判定、その後空中判定へ)が早いので、相手の打撃を空中くらいしやすいというメリットがあります。ただし、バックステップ中は、カウンターやられ判定になっているため、一点読みのクラッシュカウンター技を出されると大ダメージを受けるというリスクもあります。
ジャンプよりも、空中判定への移行が早いことを活かせば、特定の連携への対策としても使っていけます。一例として、ララの弱ボルトチャージをくらったあとの、打撃と投げを使った揺さぶりへの対処を、動画として紹介します。一回目のボルトチャージ後は、防御側がジャンプを入力してしたことで、打撃の選択肢であるしゃがみ中Pを地上ヒットでくらってしまいますが、2回目はバックステップを使うことで、打撃を空中ヒットでやりすごし、ララがキャンセルで繰り出してきた弱ボルトチャージが空振ったところに反撃を決めています。 ララなど、コマンド投げを持つキャラクターを相手にしたときは、投げ抜けの読みあいを無視できるので、防御時にはバックステップによる対策を混ぜる必要があります。
そして、本作の守りの要である”グラップ(投げ抜け)”です。投げのつかみ判定発生は、5フレームと先に書きましたが、グラップ(投げ抜け)の猶予フレームは、このつかみフレームが発生した瞬間から7フレームとなっています。発生速度をみてもわかるように、見てから抜けるのは無理なので、狙う際には”読みでグラップを入力”する必要があるのですが、相手の打撃と投げを使い分けた攻めに対して、ここは投げが来そうだと”反射的”にグラップを入れるのは極めて危険です。グラップのコマンドは投げと同じなので、少し離れた間合いで様子見されると投げが空振り、隙を生じてしまいます。さらに、投げの発生はそれほど早くないので、密度の高い打撃連携に対しても弱いです。つまり、近距離の攻防において、カンだけでグラップを入れるというのは、少々リスクの高い行動になっています。そこで、このリスクを少しでも減らすために、以下に紹介する2つのグラップテクニックを使っていきましょう。ちなみにこの項目のグラップは当然、投げ抜けできないコマンド投げには無力です。コマンド投げに対しては、ジャンプやバックステップを使って対処しましょう。
中、上級者が使う”インチキ”テクニックのひとつ。今回の記事では、ここからが”今夜勝ちたい”的な内容になっています。以前の原人狩りコーナーの記事のコピペになりますが、遅めグラップとは、相手の最速投げの選択肢を投げ抜けできるぎりぎりまで引き付けて、グラップを入力するというテクニックです。いまひとつイメージが掴みにくいという人は、トレーニングモードでかりんをダミーにしてレコーディングで、密着状態の立ち弱K→しゃがみ中Pと、立ち弱K投げの連係を覚えさせてください。そのうえでこれらの連係をランダム再生させ、立ち弱Kのあとにしゃがみガードをしつつ遅めにグラップを入力して、成功すれば、打撃にはガード、投げに対して投げぬけが発動するはずです。このグラップ方法は、垂直ジャンプや遅らせ打撃に弱いものの、相手のガードの揺さぶり方の癖を見極めたうえで使えば、非常に強力な防御手段になります。投げ抜けが苦手という人は、まずこの方法から覚えていきましょう。
ただし、原人狩りコーナーの記事に書いたように、このグラップ方法は、『ストリートファイター4』の頃のタイミングと似ているため、手癖になっている人も多いので、逆手にとられやすい防御法でもあります。垂直ジャンプをあわせられてしまうと、目もあてられないことになるので読まれないように使っていきましょう。
そして、今回の防御テクニックの最後に載せる”ジャンプ遅らせグラップ”は、垂直ジャンプによる遅らせ投げ漏れに対応できる防御法です。やり方は、遅らせグラップのタイミングで、方向キーやレバーを上要素に入れて、グラップのコマンドを入力するだけです。この入力を行うと、早めの投げに対しては投げ抜け、遅らせ打撃に対してはガード、垂直ジャンプのようなかなり遅らせた打撃に対しては、ジャンプ弱P+弱Kを同時押しすることで”漏れる”ジャンプ弱Kが発動し、自動的に回避、画面端ではつぶしてくれることすらあります。空中投げのあるキャラクターは、この入力をすると、空中投げが漏れるのですが、強P+弱P+弱Kといった形で、別のボタンを同時入力すると強Pが出せるように、同時押しするボタンによってどの空中技を出すのかを選べます。これができると、守りが一気に固くなるので、是非習得してください。
以前の記事で、7グラップと書いていたのが、このテクニックになります。『ペルソナ』の格闘ゲーム等では、上級者の間でよく使われているテクニックだそうです。この防御法への対策には、入力上あたりやすい下段始動の連続技か、ジャンプの着地を攻めるか、大幅に遅らせた打撃などがあるのですが、どれも非常に難度が高くなっています。以下の対ラシードの動画では、通常技で割り込めない立ち弱P→投げ、打撃の選択肢である立ち弱P→立ち中P、遅め投げ抜けに有効な立ち弱P→垂直ジャンプ強Kをこの防御法で対処しています。キーディスプレイを見ていただければ、毎回ララが、7方向にキーを入れてグラップを入力しているのがわかると思います。練習方法は、この動画そのままのものをオススメします。レコーディング機能でラシードに上記3つの行動を覚えさせて、投げと立ち中Pにはガード、垂直ジャンプ強Kに対してはバックジャンプが出ていれば成功です。要注意なのは、下方向に溜めコマンドの必要な必殺技を持つキャラクターは、長めのしゃがみガードを介してジャンプ遅らせグラップをしてしまうと、必殺技の入力が優先されて暴発することがあります。春麗などは、この暴発が起きないように、ガード時間を意識して使ってください。
今回の記事では、密着状態の防御手段についてお知らせしました。このほかにも、弱パンチグラップ、バックステップグラップなどあるのですが、入力が非常に大変かつ、有効に使える状況がごく限定的なので、今回は割愛します。今後対戦攻略が進んでいく中で、有用だと思える状況が増えてきたら、こちらについても詳しく書かせていただきますね。
そして、最初にも書きましたが、これらの防御法は、使い分けが大事です。慣れてくれば、”この状況ではこれ”というのがわかってくるかと思いますが、最初のうちは、いろいろと試してみてください。
誤字脱字、嘘大げさ紛らわしい内容があれば、報告していただけると大変助かります。
それでは皆様、良き『スト5』ライフを!