おれには『サマーレッスン』のひかりちゃんがいるから、残念だけどリアルの女の子に興味はないんだ。でも、このソフトはVRのプレイレポートを一緒に書いているさいとうさんも興味がなさそうだし、仕方ないからおれが書くかとダウンロードして遊んでみました。
360デート おさななじみ
配信日:10月13日
価格:1000円(ダウンロード専売)
プレイステーションVR専用タイトル
配信日:10月13日
価格:1000円(ダウンロード専売)
プレイステーションVR専用タイトル
本作は、ゲームではなく、ドラマです。ストーリーは一本道で、プレイヤーが物語に鑑賞することはできません。おれ自身、若かりし頃は恋愛ドラマにハマっていた時期もあり、最近だっていくつものギャルゲーをクリアーしてきました。そんなおれに、生半可な恋愛物語が刺さると思うなよ。
ストーリーは、サッカー部のレギュラーになれたものの、怪我をした主人公を、みさきちゃんが慰めるために帰り道を共にするというものです。ラブコメ及びギャルゲーの基本技、不意打ちの「だーれだ」から始まる物語は、34歳のおっさんの俺からするとかなりこそばゆいもので、どこか見たことのあるような流れなんですが、VRを活かした360度映像をキョロキョロとしながら眺めると、今までのどのコンテンツにもない、妙な臨場感があります。時折、主人公がボイスつきで喋るので、そこで現実に立ち戻りますが、このデートにプレイヤーが、何らかの操作やジェスチャー、声で介入できるようになれば、新たなる扉が開かれるかもしれません。
おさななじみでツンデレガールの”みさき”というキャラクターの設定は、ギャルゲーにはありがちなものですが、こういったキャラクターを安易に実写で演ってしまうと、ふとした瞬間に嘘臭さが出てしまい、見ている側もさめてしまうのですが、石川恋さんの演技は終始、この夢の世界を崩すことなく最後まで運んでくれます。ハマり役というには小規模なコンテンツですが、実写化コンテンツに向いた方なのかもしれないと感じました。
物語は30分もかからずに終わる短いもので、何となくオチを想像しつつも、VRをいかした”トラップ”なんかを楽しみつつ進めることができました。セクシーなお姉さんが歩いてきて、思わず目を向けてしまうシーンがあるのですが、それに見とれていた主人公にみさきちゃんが怒るシーンは、VRを活かした秀逸な仕掛けです。もちろん、ゲームではないので、お姉さんを無視したとしても、みさきちゃんは怒るのですが、初見の鑑賞者がそう動かざるを得ないような状況を作るというのは、今後もVRの手法の一つになってくるのではないでしょうか。
そして、想像していた”オチ”を、少しだけ裏切るラストは、”やられた”の一言。伏線の張り方が自然すぎて、全然気づきませんでした。これを見るためだけにやっても良いのではと思う出来栄えです。とある言葉、アイスクリーム、昔話、これらが全部繋がるエンディングは、ギャルゲー好きの方に刺さるはず。こんな展開あるわけねーよ!でも、あると幸せなんだろうなあ。
コンテンツの時間に対して、ややお高い印象はありますが、プレイステーションVRを買ったなら一度は見て欲しい作品の一つです。もう一度言いますが、エンディングは、失われし青春を追い求めるおっさんゲーマーにもグッときます。
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浅葉 たいが
ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。