【いつもの】令和元年の『チームソニックレーシング』01.チーム戦のレースゲームはじめました

ゲームを最大限に楽しむ集団【Goziline】は永遠に繰り返すeスポーツ元年に囚われている。
2019年5月、新作ゲームの本数が少ない時期に、また我々は新たなeスポーツを見つけてしまった。

おれは浅葉。ゴジラインというゲーミングコミュニティなのか暇人の集まりなのかわからない団体にいる唯一の人格者である。
セガの最新作『チームソニックレーシング』が気になりはじめたのは5月頭頃。

△5月21日に発売された『チームソニックレーシング』。

最大12人が参加できるレースゲームということだけが頭に入っており、170人近くいるGozilineのLINEグループに公式サイトのURLを貼り付けてダイレクトマーケティングを試みた。12人全員の身内対戦をやってみたかったのだ。しかし人数のそこそこいるゲーミングコミュニティとはいえ、新作を発売日に12人が購入するというのは難しい。そもそも、画面を見ないことで知られているゲーマーたちが集ったLineグループに貼ったURLをきっちりチェックしているメンバーがどれほどいるだろうか。だいたいみんな自分の言いたいことを書き、時に飯写真でマウントをとったり、たまに自分の所属する会社のゲームをステマしたりしている。
発売日前の時点で、決定的に『チームソニックレーシング』の魅力を伝える方法はないものか。そう考えていた時、一人の男が言葉を発した。

ささき「パッと見だと普通に面白そうなんだけど」

△約1名狂った反応を示している男がいるが、ゲームロボの発言に注目して欲しい。

ゲームロボと言われる男「ささき」。ゲームロボは眠らない。常に新作と向き合い続けている。しかし、多数のゲームを遊びながらも、彼が心の底から「面白い」と褒めるゲームは限られている。ゲームロボのお眼鏡に叶ったタイトルは、メンバーたちからも一目置かれることとなる。そんなささきが、公式サイトを見ただけで「面白そう」と興味を示すタイトルというのも珍しい。皆が一斉に、公式サイトや既出の情報をチェックし始める。

「割とちゃんと作ってそうなんだよなあ」(上から目線)

「3人チームのリレーじゃなくて、3人チームで同時に走って協力しあうのか。面白いかもしれん」(上から目線)

「『マリオ●ート』のガワを変えたゲームかと思ったら、チーム戦がメインなのか」

急に、わかったような面をしたようなやつらが発言しはじめ、気がつけば12人を超えるゲーマーたちがPS4版の『チームソニックレーシング』を買う決意を固めていた。
リアルソニックを名乗るやばいやつも参戦することになった。かつてない闘いの予感だ。

保険の漢「ナカジマ」


昼の時点で12人以上が『チームソニックレーシング』を買うことになった。
しかしおれは、一抹の不安を抱えていた。
ささきの発言以降、みんなの集まりが良すぎるのだ。

△おかしい、人の集まりがよすぎる。

だいたいこういう多人数ゲームはおれやささきのように、比較的なんでも買う「人柱」となる存在がプレイして、配信などを通じて布教することでコミュニティ内に広がっていく。しかしこの『ソニックレーシング』ときたら、みんなプレイ動画すら見ずに「買うか」なんて言い始めている。漂ってくる勝ちに飢えた狼たちの気配を、おれは敏感に察した。そして問いかける。「まさか君ら、レースゲームうま男か?」と。

「あーてぃはレースゲームガチ勢」、「いや、全然そんなことないよ。それをいえば●●さんも」、「いやいやおれはマリオカートを少々。そういや●●さんも、グランツーリスモやってましたよね」、「リアル系のレースゲームはやるけど、こういうお祭り系のはあんまりやらないよ」

△『チームソニックレーシング』の画面を一目見て、「これは勝てる」と確信した浅はかな男たちの思惑がぶつかりあう。

醜いなすりつけ合いが始まった。
完全にハメられた形だ。おれ以外の人間は、何らかの形で「レースゲーム」をやり込んだ経験があるのだ。勝てそうな対戦には威勢良く名乗りを上げたいのやつらの陰謀が渦巻いている。
ちなみにおれは、運転免許をとってからしばらく、奥さんとドライブを繰り返していたが、一緒に『マリオカート』を遊んで惨敗してからというもの、しばらく奥さんがハンドルを握っていたほどの腕前の持ち主だ。
このままではカモられる。万年最下位もありうる。身の危険を感じたおれは”保険”を用意することにした。

おれ「おーいナカジマ、『チームソニックレーシング』やろうぜ」

ナカジマ「『チームソニックレーシング』is何」

格闘ゲームなどの実況で最近有名になってきたナカジマ。この男は格闘ゲームではテクがある風の評価をされているが、それ以外のアクションが絶望的に下手である。
ナカジマがいれば、おれが最下位になることはないだろう。

△保険。

おれ「3人1組で戦うチーム戦のレースゲームらしい。実質『キング・オブ・ファイターズ』

ナカジマ「なるほど」

優れたプレゼンテーションは簡潔なものである。数時間後、ナカジマから購入の証明を示す「領収書」が届いた。
購入時間が明らかに仕事をしていない人の時間だったことと、レシートではなく領収書の画像が届いたことに一瞬疑問を感じたが、おれはその疑問を心の内に留め、保険を迎え入れることにした。
ブッちぎりたい男たちのイオン頼み


ゴジラインには、調べものが好きなプレイヤーも多い。
対戦ものに向き合う際に、必要なのはがむしゃらなプレイだけではなく、知識も必要というわけだ。格闘ゲームでも、勝ったり負けたりしながら、システムが、フレームが、対策がとか言い始める。
どりでんという男も、そんな性質の持ち主だった。最近は『デッドオアアライブ6』を始めたらしく、ニコという女キャラクターに萌えている。

どりでん「公式サイトを見てたらヤバいことに気づいた」

おれ「どうしました」

どりでん「イオンで『チームソニックレーシング』を買うと、『特製冊子 ブッちぎり音速レーシングガイド』ってのがもらえる。これ、実質攻略本では」

△イオンの特典が判明し、緊張が走る。

『チームソニックレーシング』には、店舗別特典がいくつか用意されている。イオンの特典はなんとレーシングガイドだったのだ。データを求める男にとってマストアイテムだ。

どりでん「予約してないから不安になってきた。イオンへ行ってきます。なんたって、”ブッちぎり”書いてますから、これの有無はかなり勝敗に関わる」

おれ「おれも不安になってきた、イオン行きます」

おれたちは午後休をとり、各々の近場にあるイオンへと走った。

△こちらが、イオンで入手できる『特製冊子ブッちぎり音速レーシングガイド』。薄い取り扱い説明書のような内容なので、秘密のウルテクが載っているわけではないが、これがあることで安心してレースに臨むことができる。eスポーツに取り組むことで、下準備を怠らない立派な大人になれるのだ。

明かされる真実


23時に戦いのゴングは鳴った。Goziline内で20人を超える購入者があらわれ、結局のところ12人どころか部屋を2つ作ることになるほどの大盛況。
なんとこのゲーム、ボイスチャットのチャンネルを切り替えることができ、「部屋にいる参加者全員」、「自分のチームのみ」、「プレイヤーの個別ミュート」など、オンライン対戦をばりばりに意識した機能がしっかりと備わっている。最近のeスポーツブームで、対戦もののゲームに注目が集まっているが、肝心のオンライン対戦のロビーが恐ろしく不便だったりする作品が多いのでちょっと警戒していたが、想像以上のクオリティでUIにうるさすぎる男たちも大満足のスタートとなった。

▲12人全員身内の夢の部屋が爆誕。

3人1組で戦うチーム戦とは一体なんなのか、とりあえず説明書を読まない男たちは、戦いの中でゲームへの理解を深めていく。遊び始めて1レース目で、何もわからなくても楽しいゲームであることがビリビリと伝わってくる。以下は、みんなでせーので始めて見たタイミングプレイだが、12人参戦のチーム戦のハチャメチャ感が詰まっている。

△基本ルールのレースはチームで勝利するのが目的。基本ルール以外にも、対戦形式は存在するが、基本ルールの面白さがブチ抜けているため、まずはこれを遊ぶといい。

本作の基本ルールとなっている3人1組のチーム戦は、3人の順位などから算出されるポイントの合計点が高いチームが勝利になるルールであることがわかった。一人が1位でも、残りの二人が振るわなければチームとしての勝利はない。そしてこのチームによる戦いを盛り上げるためのシステムこそが、『チームソニックレーシング』の肝になっている。他の参戦者を妨害できるアイテムの譲渡を駆使して、チームに最大限役立つようにアイテムを使うこと。先に走るチームメイトの走行跡に発生するラインブーストを活かすこと。速度差のあるチームメイトの車に触れることで発生するタッチブーストも重要だ。こうしたチーム戦術を使うことで、超必殺技的ゲージ的なものがたまり、これが満タンになるとアルティメット・ブーストを発動可能になる。アルティメット・ブースト中は無敵になるうえ、敵チームの車体を接触することで弾き飛ばせるので、イキり散らしたプレイができる。

△チームメイトの走行したところに発生する「ライン」の上を少しの間走って、抜け出すことで「ラインブースト」が発生する。

△アルティメット・ブーストは超必殺技的な存在。効果中に、敵に体当たりを仕掛けることで効果時間が延長するというオタク知識が本日もたらされた。

始めたばかりで戦術も何もないバトルは、チャットとともに多いに盛り上がった。想像していた通り、レースゲーム経験者が多く、おれの順位は振るわない。
しかも予想していた以上に「保険」ことナカジマが下位に行ってくれず、おれは最下位になってしまうことが多かった。誠に遺憾である。

△お、おかしい。保険のはずのナカジマが上位にいる。

おれ「ナカジマさんあんた、アクションゲーム下手なはずでは

おれとナカジマの付き合いはそろそろ20年近くになる。アクションゲームがうまかったことなど一度もなかったはずなのに。

ナカジマ「浅葉さん、おれ、スーファミのマリオカートのタイムアタック記録、「雑誌」に投稿してたんだわ」

おれ「は?」

ナカジマ「つまり、この中の保険はアンタってワケ」

血管のキレる音が聞こえたような気がした。

△最下位を連打することになるかと思いきや「アイテム」運により、勝ったり負けたりの試合を楽しむことができた。腕の差があっても楽しめるゲームということが身にしみてわかったが次はナカジマを滅ぼす。ちなみに、リアルソニックは1位をとり続けていました。

『チームソニックレーシング』は神ゲー


その戦いに参加した誰もが、久々の満足感に包まれていた。ゲームの内容はもちろん、楽しい遊びに触れるまでの導線も良い。対戦モードでは最初からすべてのキャラクターが解禁されていて、パーツというカスタマイズ要素はあるものの、初日の時点ではカスタマイズの有無で大きな差が生まれることはなかった。キャラクター解放、育成などをやっている間に飽きが来てしまい、対戦を楽しむことなく終わるゲームも多い中、『チームソニックレーシング』のわかっている感ときたらたまらない。メガドライブミニに『幽☆遊☆白書~魔強統一戦~』を収録してくれたり、おれたちの中のセガへの信者ゲージがまた増加していくのを感じる。昨日は感極まり、『チームソニックレーシング』アンケートを送った者まで現れてしまった。

今日も昼からプレイしているGozilineメンバーがいて、まだまだ遊べること間違いなし。このゲーム、遊ぶのも楽しいけど、大会なんかがあれば、うまい人同士のチーム戦もめちゃくちゃ見応えあると思うので、今のeスポーツブームの波に乗ってどーんと行って欲しいものですな。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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