【新作レポート】おれたちの待っていた『サムスピ』がここに!『SAMURAI SPIRITS』試遊会プレイレポート【対戦動画】

2019年4月5日、東京の神田明神ホールにて『SAMURAI SPIRITS』発表会が行われた。
本イベントは格闘ゲーム『サムライスピリッツ』シリーズ最新作となる『SAMURAI SPIRITS』のイベントで、本作から参戦する新キャラクターや、発売日が発表され、ゲームの雰囲気をわかりやすく伝える対戦ステージなども披露された。

イベントの模様はこちら(YouTube SNK公式チャンネル)

タイトル:『SAMURAI SPIRITS』
メーカー:SNK
プラットフォーム:プレイステーション4、Xbox One X
発売日:2019年6月27日(木)
ジャンル:剣戟格闘
価格:パッケージ版、ダウンロード版 7200円+税

ゴジラインでは、イベント後に行われた試遊会バージョンを、時間の許す限りプレイしてきた。今回の記事では、プレイすることではじめて見えてきた本作の醍醐味を紹介する。なお、記事中には、発表会後に行われた試遊会で、技やシステムをいろいろと試しつつ対戦してみた動画を挟んでみた。ゲームの雰囲気を感じられる本記事オリジナルの動画となっているので、興味のある方はチェックしてほしい。

※本記事の内容は、2019年4月5日に行われた『SAMURAI SPIRITS』試遊会バージョンを元に作成しています。開発中作品のため、製品版では、内容等が変更となる可能性もあります。

”強”斬り一閃!おれたちの待ち望んだ『サムスピ』

本作の通常技は、弱斬り、中斬り、強斬り、蹴りの4種類。(『サムスピ』プレイヤーの中には、”大斬り”という呼称に慣れている方もいるかもしれないが、試遊会の基本操作表では弱、中、強表記となっていた。)『サムスピ』シリーズというと斬撃でばっさりというゲームが多いが、本作はその爽快感を最新の表現と手応えで再現した作品となっている。

▲通常時の強斬りでも、大ダメージを与えられる。

数試合対戦してみた限りでは、相当な体力差があっても、一撃をねじ込めば大逆転という光景も珍しくなかった。強斬りのダメージは体力の3割程度、怒り状態だとさらにダメージアップが見込めるようだ。さらに、強斬りを上回る技ダメージの技として、秘奥義、一閃なども存在し、これらの技は状況によっては体力の半分近くを一瞬で奪い去る。発表会のステージで、「連続技はあまりない」と語られたように、技の隙に下手にコンボを狙うくらいであれば、強斬りを叩き込む方がダメージが高い場合も多いのが印象的だった。

試遊会バージョン操作説明

▲一試合に一回のみ使える”秘奥義”の凄まじいダメージに注目。

当たるとめちゃくちゃ減る技をご紹介


怒り爆発&一閃:弱斬り+中斬り+強斬りの同時押しで発動する怒り爆発。発動すると、しばらくの間”一閃”という大ダメージの突進技を放つことができる。一閃は、突進中に無敵時間があるようで、斬撃はもちろん、飛び道具をすり抜けつつ攻撃を仕掛ける。非常に強力なシステムだが、「怒り爆発」は一試合中に一回しか使うことができず、効果終了後は怒りゲージが消失するというペナルティがある。使いどころを考えて、ここぞという時に発動することで強みを発揮しそうなシステムだ。

▲怒り爆発は全体モーションがやや大きいものの発動モーションが無敵。その後に繰り出せる一閃は、無敵時間が長い。

秘奥義:一閃と同じく、一試合に一回のみ使えるシステムで、挙動はキャラクターによって異なる。ヒットすると大ダメージを与えられることは共通しているものの、攻撃発生はかなり遅め。試遊会では、通常技キャンセルから連続技として成立させることもできなかった。一見、使いにくそうに見えるが、しっかりと「確定状況」を見極めて使うことができれば、勝負を決めるようなダメージを叩き出せるため、上級者向けのやり込み要素になりそうだ。

武器飛ばし技:怒りゲージが最大になった状態で使用できる必殺技。ヒットすると、相手の武器を吹き飛ばし、素手状態にする。飛んだ武器を拾うまで、相手は素手状態で戦うことになるので、試合のペースを握ることが可能。

▲武器飛ばし技がヒットすると、相手の武器を吹き飛ばせる。

めちゃくちゃ減るゲームが持つ、不思議なプレイフィール

「めちゃくちゃ減るゲーム」ということで、戦いが大味になってしまうことを心配する方もいるかもしれないが心配は無用だ。しっかりと格闘ゲーム制作に手慣れたSNKの味付けで、初心者でも遊びやすい間口の広さと、やりこみに耐えうる奥深さを併せ持っている。
発表会の中で行われた、声優の天崎滉平さんとプロゲーマーのももちさん、チョコブランカさんのエキジビションマッチでは、本作の奥深さを感じさせるワンシーンが見られた。プロゲーマーの2人が、技を試すように戦っていたところ、天崎さんの「一閃」が見事に刺さり、ラウンドを奪うような大ダメージを叩き出したシーンがあった。発表会の日に初めてプレイしたということもあるが、「当たりやすく、大ダメージを与える技」があるというのは、プレイヤー間に実力差のある試合にも、ほどよい緊張感をもたらしてくれる。これは、他の格闘ゲームではなかなか起こらない稀有な現象だ。
そして、同じレベルのプレイヤー同士で戦うと、「勝つためにどうするか」ということを考え抜くことになる。「威力の高い攻撃を当て、相手の威力の高い攻撃をくらわないこと」がシンプルなセオリーとなりそうだが、本作には充実した防御システムが複数種用意されている。

多彩な防御システムの一部をご紹介


見極め&押し返し:相手の攻撃をギリギリまで引きつけてガードすると”見極め”が発生する、見極めには、相手をやや長めにノックバックさせる効果があるようで、これができるようになると牽制の打ち合いが若干有利になりそうだ。押し返しは、立ち状態で見極め成功時に、□と△を同時押しすることで発生。成功すると、文字通り相手を押し返すようなモーションで攻撃を仕掛け、ダウンを奪うことができる。字面だけ読むと非常に強そうなシステムだが、押し返しのダメージはかなり低め。さらに、見極め後の入力タイミングも短いため、見極めが成功することを見越してボタンを押す必要があるのも面白いところだ。守りのシステムにも、しっかりリスクをつけるという理念が垣間見えた。

▲見極めは通常のガードとは異なるエフェクトが出る。押し返しは一瞬しか猶予がないため、見極めが成立することを見込んでボタンを押す必要がありそうだ。


避け:相手の攻撃を交わす避けは、隙こそほどほどにあるが、試遊会では”飛び道具”を回避する行動として活用することが多かった。本作の飛び道具は全体的に強力に見えたが、この避けのシステムがあることで、安易に連発できないようになっていた。

▲強斬りを回避でいなすシャルロット。


弾き返し:相手の斬撃を受け止めて反撃する当身技のようなもの。成立時は相手が大きく仰け反るため、強斬りはもちろん、秘奥義も確定ヒットさせることができていた。ハイリスクハイリターンな位置付けの選択肢だが、仕掛けた後の硬直はやや短め。空振りを視認して大技を叩き込むのは難しそうだったので、失敗しても見過ごされることが多かった。
傑作の予感

新しい『SAMURAI SPIRITS』はUnreal Engine4で作り込まれた鮮烈な剣戟格闘だ。『サムスピ』を「リブート」することをテーマに、「継承、進化、革新」の三軸で開発を進めてきたという本作は、かつてのゲーセンっ子も、若い世代をも引き込む魅力を持っているように感じた。強烈な斬撃が当たった時の興奮、食らってはいけない大ダメージの技を食らって負けてしまった時の悔しさ。最近では、テクニックに寄った格闘ゲームが目立つが、試遊会で遊んだ限りでは、テクニックとは違った部分で競うゲームのように感じた。「強斬りを当てるのがうまい」といった、攻略理論を飛び越えるようなプレイヤーが出てくる可能性も十分にありそうだ。

▲『サムスピ』だけが持つ爽快感は本作でも健在。

また、発表会では「一人用」の作り込みにも驚かされた。本作には「ゴースト」というシステムが実装されており、このゴーストがプレイヤーのテクニックや癖を覚えて成長していくというのだ。ゴーストをオンライン上にアップロードする機能もあるとのことで、発売後にはいろいろなゴーストと連戦することもできるだろう。非常に挑戦的なゴーストだが、この試みには大いに期待している。「対人戦さながらのCPUとバトルできること」は、ビギナーが上達したいと考えた時に、何かしら役立つような気がするのだ。対戦相手が人間の場合は、実力差を感じたときに、諦めに似た気持ちを抱く人もいる。しかし、相手がCPUであれば「攻略してやろう」となる可能性もある。対戦観というのは人それぞれで、ゴーストとの対戦に気が進まない人もいるかもしれないが、新しい可能性を持つ要素であることは間違いない。

試遊会バージョンコマンドリスト

ゴジラインでは引き続き、本作を独自の切り口で追いかけていく。ワイワイとみんなで「斬り合う」戦いが開幕するのが、待ち遠しくてたまらない。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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