キャリバーシリーズ20周年おめでとうございます。『ソウルキャリバー』といえば店頭設置されたドリームキャストの体験版を友だちと数時間遊んだなーという記憶が蘇るがちょです。あれから20年経ったという事実に今震えています。
今回のタイトルはそんな20年の歴史ある3D剣戟格闘ゲーム最新作『ソウルキャリバーⅥ』(以下、キャリバー6)です。前作『キャリバー5』から実に6年ぶりの新作となる本作のコンセプトは“リブート(再起動)”。果たして『ソウルキャリバー』はどのように生まれ変わったのか!? その魅力をドドンとお伝えしていきましょう。
発売日 :2018年10月18日(木)プレイステーション4/Xbox One
2018年10月19日(金)STEAM
プラットフォーム:プレイステーション4/Xbox One/STEAM
ジャンル :武器格闘アクション
プレイ人数 :1~2人(オンライン時:1人~8人)
販売元 :バンダイナムコエンターテインメント
価格 :パッケージ(PS4)・ダウンロード(PS4・XboxOne) 7,600円
デジタルデラックス(PS4・XboxOne)10,600円
オープン価格(STEAM)
CERO :CERO D
ソウルキャリバー6のここが面白い
個性的なキャラたちの邪剣を巡る物語
16世紀の世界を舞台に邪剣ソウルエッジを巡って、サムライから忍者、騎士、化け物と個性的なキャラたちが武器を駆使して戦う本作。西洋東洋ごちゃまぜかつ神話を含んだ世界感がウリです。
女性キャラも正統派美少女から清純派金髪巨乳、ロリ、女王様、全身ぴっちりスーツ女忍者などバリエーションに富んでいるのでおすすめです。個人的には悪側のキャラのデザインが秀逸だと思っていて、巨大斧を振り回す巨人アスタロス、気持ち悪い動きで戦う怪人ヴォルドなどはキャリバーの世界観を広げてくれます。
シリーズの原点から辿れるストーリーモード
世代交代のおこった『キャリバー5』から一転して、『キャリバー6』では物語の始まりの時代に焦点を当てられています。始まりの年となる1583年から年表型メニューで辿れるメインストーリーに各キャラのエピソードが用意されていて、今までのソウルシリーズのストーリーを知らないプレイヤーでも楽しめるでしょう。また、ミュージアムではこれまで各作品の設定画像や人物事典など豊富な資料も入ってます。
△装備が全部破壊されると各キャラ下着になるので下着の設定もしっかりと入ってます。他にも、『ソウルエッジ』から『ソウルキャリバー』1~6までの資料も。 |
キャラクリエイトが熱い
『キャリバー』と言えば、自分のオリジナルキャラを作れるキャラクリエイトもウリのひとつです。
今回は人間以外の種族を選べるので今までにはないキャラクリも可能です。キャラパーツはDLCで増えていくようなのでこれからさらに色んなキャラを作れるようになるでしょう。大好きなマンガや映画のキャラを作るもよし、自分の願望を詰め込んだ理想の彼女(彼氏)を作るもよしです。
△キャラクリエイトのために買ったという人も多いであろう本作。自分はデッドプールを作成しようとしてあえなく断念したので、バキ道にお熱な代表浅葉の作ったスクネ(と言い張るもの)を貼っておきます。 |
△装備パーツをランダム作成しているだけでもファッションショーを見ている感覚で楽しめたりします。 |
完成された8-WAYRUNシステム
まず本シリーズの面白さとはなんぞやと問われたら、真っ先に出てくるのが8-WAYRUNを軸としたバトルシステムでしょう。
8-WAYRUNとは前後左右斜めの8方向を自由に走れるシステムで、今でこそ珍しいシステムではないですが、本シリーズのすばらしいところは基本設計に8-WAYRUNを主軸とした攻防を取り入れたところにあります。
他の3D格ゲーではボタンにパンチやキックで分かれて設定されている場合が多いですが、本作では横斬り、縦斬りがボタンに割り振られてます。縦斬りは浮かせ技や高威力系などの中段技が多い本命の攻撃で、対抗策は8-WAYRUNの横移動になります。この横移動には、左右に攻撃する横斬りが活躍します。面白いのが横斬りへの対抗策で、横斬りは中段技が少ないため上段・下段技を防げるしゃがみガードが有効になったりします。すると、しゃがみガードを崩せる中段技が多い縦斬りが活きる……、これが『キャリバー』シリーズの読み合いの根源的な部分です。
最近ではあまり見なくなったリングアウトシステムも依然として存在し、ステージの位置取りなどが他の3D格ゲーよりも重要になりやすいのも特徴でしょう。足元をすくわれる下段や投げであっさり落ちたりしますが、空中コンボ自体があっさり風味なので運ばれすぎて落とされることはほぼなく、そこにストレスはないです。
2D格ゲーイズムでより奥深く
『キャリバー6』ではキャリバーの基本システムは踏襲しつつ、ガードブレイク、パワーゲージ、超必殺技、MAX発動といった2D格闘ゲーム寄りのシステムを数多く搭載しています。今作からのシステムではなく過去作で似た(同じ)システムがあったりもしますが、今作はより2D格ゲーチックに作られさらにブラッシュアップされた感じですね。
ソウルゲージはいわゆるパワーゲージで、パワーゲージのいい点である体力ゲージ以外の駆け引き、ラウンドごとに変化していく対戦状況など2D格闘ゲームのいいところをうまく昇華しています。ゲージをどうやって効率よく回すかなどは2D格ゲーではセオリーのひとつですが、本作でもゲージをいかに無駄なく消費し溜めるかで勝率が変わってきます。
そんなソウルゲージを消費して使う行動が超必殺技的なクリティカルエッジ、パワーアップ技のソウルチャージです。
まずクリティカルエッジですが、減る・派手・簡単と3拍子揃ったゲージ消費の超必殺技です。ワンボタンで超火力かつパナし性能が高いなどゲージ消費をするだけあってかなりの高性能技になります。
このクリティカルエッジのパナし性能が高いのは賛否両論みたいですが、2D格ゲーで散々パナしパナされを経験した自分からしたら全然気にならなかったです。『スト4』のワロスコンボなどに代表されるノーリスク無敵技から6割飛ばされて負けたり、無敵コマ投げから10割消し飛んで負けたりなどの経験がオレを不感症に強くしたのかもしれません。真面目な話、3本先取のゲームでパナされて負けるのなら相手との実力差は微々たるものだと思いってます。
ちなみにソウルシリーズ第1作目の『ソウルエッジ』では武器ゲージ消費のクリティカルエッジがあったので原点回帰と言えば原点回帰だったりします。
ソウルゲージ消費技のソウルチャージは、無敵切り返し&パワーアップ技です。ソウルチャージ自体は昔からあるシステムですが、長いスキだらけの発動モーションが完了すると、次の技がカウンターヒットや一部技がガード不能になったりなどの地味な効果でした。しかし、今回のソウルチャージはゲージ消費技になっただけあり本気の超性能ソウルチャージです。
まず発生が超早い&無敵(?)の切り返し技として強力です。発動後は一定時間パワーアップ状態になり、一部の固有技が解放されてコンボ始動技、崩し技などハチャメチャ技が増えます。さらにガードの上から体力を削ったり、火力が上がったりと基本性能も上がります。つ、強い。
同じゲージ消費技で比べると、安定大ダメージだがぶっぱするとリスクもあるクリティカルエッジ、ローリスクの切替しでダメージ期待値が高いソウルチャージといった構図です。ゲージ消費技としてはたぶんどちらも強いので、どちらか片方しか使わないといったことはなさそうです。上級者の戦いになるほど安定志向になる切り返しのソウルチャージを選択し、そこに裏切りのクリティカルエッジが飛んでくるといった感じになるのではないでしょうか。
攻撃・防御システムが進化
ガードインパクトなどに代表される『キャリバー』固有の防御システムは見直しされシンプルかつ初心者でもプレイしやすいよう工夫されてます。
まず新しく追加されたリバーサルエッジなる防御システムですが、いわゆる『スト4』のセービングアタック的な敵の攻撃を耐えて反撃する防御行動です。中下段投げ関係なく敵の攻撃を受け止められてボタンホールドで待機時間を伸ばせるので、割り込みとして優秀です。一応、ガード耐久値を消費する技なので連発するとガードブレイクしやすくなってピンチになったり、縦斬りなので横移動にも弱いなどリスクはしっかりあります。
このリバーサルエッジはヒットさせると特殊演出に入って横斬り、縦斬り、蹴りのジャンケンになります。相手の攻撃を受け止めてガードさせる、最大ホールドでガードさせるでも特殊演出に入ります。
【リバーサルエッジ専用かけひきの特徴】
・基本は横斬り・縦斬り・蹴りのジャンケン
・アイコは2回目のジャンケン発生
・2回目は発動側が勝つとハイリターン
・アイコ2回目は発動側が勝利
・ガードは全攻撃防御可能だが縦斬りに弱い
・移動は3方向で横斬り・縦斬り・蹴りのいずれかを避ける
・一部選択肢にキャラごとの固有性能あり
・勝つとソウルゲージも上昇
基本的に疑似ジャンケンですが、長引くと仕掛けた側が有利になるのがポイントです。選択肢ごとにリスクリターンが違っていて、ローリスクに見えるガードはハイリターンの縦斬りで再度ジャンケンが発生するなど、地味に深い読み合いをさせられます。また、自身の体力状況やステージの位置取り、使用キャラなどでもリスクリターンが変わってくるのでただの運ゲーと片付けるのは浅はかでしょう。
次に、相手の攻撃にタイミングよく合わせて敵を弾くガードインパクトですが、今回はコストを払わずに上・中・下・投げすべてを弾きます。タイミングさえ合えばほぼ何でも返せるので、攻撃側は的を絞らせない動きが大事になってきます。弾いたあとはよろけを誘発しますが相手もリバースインパクトで弾き返せるので読み合いです。
これら防御技が強い代わりにブレイクアタックという防御行動を破壊する属性を持つ技もあります。発生の遅い技が対応技なことも多いので見てから防御行動で全部反撃されるといったことはありません。
相手の攻撃をガードし続けるとガード耐久値がなくなりガードブレイクしスキだらけになります。ラウンド持ち越しかつガード耐久値の回復スピードも遅いので、ガードで耐えるだけでなく勇気のガードインパクトもたまに必要になるといった点も面白い要素のひとつでしょう。
基本コンボはシンプル・長めのコンボは状況限定
『キャリバー』は3D格ゲーにしては珍しく空中コンボの追撃が1~2発で終わるゲームで基本コンボぐらいならすぐに習得できるので対戦までのハードルが低いのも特徴です。
これがいいのか悪いのかは判断が難しいところですが、コンボが短すぎるとトレモが面白くないなどの不満が出やすく、コンボが長すぎると長すぎるでヒマだとか初心者が覚えれないなどの不満が噴出しがちなのが格ゲーの世知辛いところ。本作では基本コンボは簡単に壁叩きつけコンボやリーサルヒットという特殊条件達成のときには長めのコンボを許すといった方針が取られています。個人的にはコンボがないゲームは深みを持たせにくいと思っている派なのでこの方針には賛成で、実際にトレモもかなり楽しく遊べてます。
なお、初心者を意識しただけあってパッドによるプレイもちゃんと意識された造りになっており、アケコンでなくても問題なくコンボもできるのでパッドプレイヤーも安心を。実際、自分は今回はパッドでプレイしてます。
ゲーム内解説がボリューム満点
本作はキャリバーの有名プレイヤーが制作に関わっているだけあって、ゲーム内のチュートリアルやキャラクターの解説もかなりのボリュームになっています。キャラの主力技やコンボ解説だけでなく、キャラの動かし方まで載っているのに驚きです。
キャリバー6の残念なところ
ソウルチャージやリバーサルエッジなどの演出時間が長いのがちょっとテンポが悪く気になります。他にも、UI周りも文字が小さすぎだったり細かいとこで不便さは感じますね。
あとはいつもはキャラ衣装が2~3種類用意されているのですが、今回は1種類しかありません。これは悲しすぎる……。DLCでいいんで『キャリバー1』の2P衣装シャンファ(赤服ホットパンツのお団子)ください!
『ニーア』から2Bも参戦!
シーズンパスがすでに発表されており、これからも新キャラや新クリエイトパーツがどんどん追加されていくようです。先日『NieR:Automata』から2B(ヨルハ二号B型)がゲストキャラとして発表されたのでこちらも期待しましょう!
まさにリブートの名にふさわしいデキとなっており、対戦ゲームとしての完成度はかなりのものを感じさせる『ソウルキャリバー6』。ゲームとして正当進化しただけでなくより洗練されシンプルかつ奥が深くなったといって過言ではなさそうです。実際のところ自分は『キャリバー5』をスルーしてて今回が久しぶりのキャリバーシリーズでしたがかなり満足してます。
みなさん6年振りのお祭りを楽しむのは今です!
がちょ
この男が作ったフレーム表は数知れず。
持ち前の調べもの力を活かして、キャラゲーの発売初日に永久コンボをひっさげて現れることも珍しくない。
「走ってきて無敵技しか打たない」と言われるほどの力強いプレイスタイルは、ゴジラインでも異彩を放っている。
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