PS2®向けアクションゲームとして登場して以降、数多のゲームプレイヤー達を魅了し、屈指の名作として選ばれ続けてきた『ワンダと巨像』。今年の2018年2月にはPS4でリメイク版が発売されました。このリメイク版、オリジナル版を遊んでいない方はもちろん、オリジナル版もリマスターのPS3版も遊んだという方にも、是非遊んで欲しい素晴らしい作品となっています。
今回の記事では、PS4版の魅力を、追加要素の一つであるフォトモードを通して紹介していきたいと思います。
ストーリーも、巨像の攻略法も変わっていないんでしょうと思っている方、PS4版はグラフィックがただ美しいだけではないのです!
美しいフィールドが、最高のロケーションとなる
『ワンダと巨像』の物語は、ほぼ一本道です。プレイヤーの行動や選択によって、物語が変化するということはほぼありません。しかし、冒険の過程で歩むことになる広大な世界には、自由が溢れています。ふと足を止めてみたり、何もなさそうな場所を走り回ってみたり、「世界を自由に探索できる」という意味では、オープンワールド型のゲームと言ってよさそうです。
プレイヤーが探索することになる世界は、とても美しく広大です。森に入ると木漏れ日が揺れ、砂漠を走ると砂が舞う。光があり、闇がある。そんな何気ない表現も、とても慎重に、繊細に作りこまれているように感じます。地面や岩場で、シャカシャカと動くトカゲ、物語を読み取ってしまいそうになる岩のひび割れ、こうした意味ありげな要素は、物語の進行や攻略に関わってはきませんが、プレイヤーの視覚と好奇心を心地よく刺激してくれます。
ゲームの中でも、現実と同じように、思わず足を止めて立ち止まってしまうということが起こり得ます。そして、現実ではできない危険な角度から世界を眺めたり、ギリギリまで一歩を踏み出せる。この冒険の感覚こそが、本作の最大の魅力だと筆者は考えています。
そして思うのです、ここで写真を撮れたらどうだろうと。それを叶えてくれるのが、PS4版から追加された「フォトモード」なのです。とんでもなく“フォトジェニック”な世界を、最高のツールで一枚の写真にする。そんな贅沢が本作にはあるのです。
モデル(ワンダとアグロ)と、カメラマン(自分)で、撮影旅気分
フォトモードというカメラを持って、『ワンダと巨像』の世界に繰り出しましょう!良い写真を撮りたいという気持ちを抱えて世界を歩けば、今までにない発見や感動に出会うことも。筆者は、ワンダとアグロにモデルになってもらい、カメラマン気分で旅をしてみましたが、なんとなく撮影してみるだけでも、素晴らしい絵になる美しいスポットばかりでした。
朽ち果てた神殿、泉、滝。現実で撮影しようものなら、カメラや機材の準備、天候への配慮など、プロ根性が必要になりそうなスポットでも、本作のフォトモードなら手軽に美しい一枚に仕上げてくれます。そして、少し工夫することで、より美しかったり、研ぎ澄まされた表現が可能になるのも嬉しいところ。写真の醍醐味や奥深さと完全に重なるわけではありませんが、写真の楽しさは確かにここにもあるのです。
スクリーンショットをさらに楽しくしたプロ並みの機能たち
最近はゲーム機本体のスクリーンショット機能もすごく便利になっていて、ボタン一つでスクリーンショットを撮影できるハードも増えてきました。しかし、PS4の『ワンダと巨像』のフォトモードでは、ゲーム機本体に依存するスクリーンショット以上の表現が可能になっています。なんと、画像編集ソフトかのように細かい設定変更が可能なのです。画像編集というと、手間がかかるものと思う方がいるかもしれませんが、本作のフォトモードは、びっくりするほど簡単に“イイ感じ”の写真ができるように設計されています。
フォトモードの使い方は、設定で“フォトモードを有効化”にしておいてから、ワンボタン(十字キーの↓)を押すだけ。すると、その瞬間にゲームにポーズがかかったような状態になります。この状態から、カメラを360度好きな位置に持っていけるので、とりあえずフォトモードを起動してからアングルを調整することができるのです。フォトモード中には、フィルターや彩度などの細かな設定も可能です。各設定については、とてもおもしろいポイントなので、要素ごとに分けて細かくご紹介していきたいと思います。
①画角・回転・注視点
画角はズームイン、ズームアウトのことです。L2やR2ボタンでのズームと合わせて使うことで、より引いて全体の写真を撮ることも、狙った物のドアップを撮ることもできます。めいっぱいに近づくことで、ワンダの衣装の素材感や肌が繊細に描かれていることがよく分かりますね。彼の肌は物語でもポイントになっているので、変化を観察するのもよさそうです。
回転は左右に90°づつ回転でき、臨場感を出すためにすこし斜めにしてみたり、縦向きの写真を撮ることも可能です。
注視点の設定では、ワンダとアグロのどちらを注視するかを選べます。操作しているワンダ注視では気づかないような瞬間が偶然発見できたりするので、切り替えてみると面白い写真が撮れたりもします。
②フィルター・フィルム粒子・明度・コントラスト・露出
“高彩度”、“モノクロ”、“セピア”など、17種類のフィルターが用意されており、さらにそれぞれ効果の強さも変えることができます。フィルム粒子の項目をONにすれば、ざらっとしたレトロな雰囲気にも。このフィルターとフィルム粒子の効果はゲームプレイ画面に適用することもでき、例えばモノクロ設定でゲームをプレイすれば、全く違う『ワンダと巨像』を味わうことができます。
明度では色の明るさ、コントラストでは明るさの対比を、露出では光量も調節でき、これらの要素だけでもかなり“ばえる”一枚が出来上がります。
③彩度・カラーバランス
彩度では色のあざやかさを、カラーバランスでは“ミドルトーン”、“ハイライト”など4つの項目から、赤、緑、青のメーターで細かな色合いを設定できます。前項のフィルターなどと合わせて極端にいじってみても、毒々しい雰囲気になったり、イラストのようになったりと、面白い写真に変身します。
④被写界深度
被写界深度の項目では、“オートモード”と“カスタムモード”を選ぶことができます。より一眼レフのようなカメラ的な要素で、ピントの位置やボケの量を自由に設定することができます。
この二枚の写真は、上の写真は手前のワンダにピントを合わせて背景の階段をぼかしたもの、下の写真は逆にワンダをぼかしたものです。まるで単焦点レンズのカメラで遊んでいるかのように、自由にピントを調節し、ボケの量(どのくらいのボケさせるか)を変えることができます。
こうした画像編集ソフト並みの細かい調整が誰でも直感的にできるうえ、自由度も高いので、自分だけの一枚を簡単に切り取ることができます。あまり考えずにメーターをグリグリといじってみるだけで、これだ!っとなる加工ができるのがおもしろいですね。写真好きの方でもそうでない方でも、“フォトモード”は是非一度触ってみてください。
キラキラと呼ばれるものを集めてみた
本作の世界中をあちこち探索していると、しゃらんしゃらんと音が鳴るポイントがあります。その周辺を探してみると“キラキラ”としたものがあり、普通にプレイしているだけではこれが何のために必要なのかが全くわからない、謎のアイテムが手に入ります。
これは一時期インターネット上などで話題となった“PS4®版の隠し要素”と言われているもので、世界の各所に点在しているとのこと。せっかくなので、有志達がアップしてくれていたyoutubeや、丁寧に日本語で解説してくださっている攻略サイトさんにお世話になり、すべて集めてみました。“フォトモード”を目的としたロケーション探しにもイイなと感じたので、少しだけご紹介したいと思います。まずこのキラキラとしたものをすべて集めるためには、Hardモードの“タイムアタックモード”をある程度クリアーすると手に入る“若しの布”というアイテムが必要になるとのこと。
“タイムアタックモード”は、物語を一度クリアーすると解禁され、あらかじめ決められた時間内に巨像を倒すことができれば成功というもの。16体すべての巨像が対象となっているので、事前に巨像の行動パターンや攻略方法をある程度理解しておく必要があります。
無事“若しの布”を手に入れると、行ける場所が増えます。上空からふわふわと落下できるようになるので、万が一の落下にも耐えれるようにもなるという嬉しい特典も。(“タイムアタック”では他にも巨像の攻略に有用なアイテムをはじめ、ワンダやアグロの見た目を変えることができるアイテムも手に入るため、ぜひ頑張りたい要素です。)
“キラキラ”したものは、そのほとんどが思いもよらない場所にあります。“こんなところ昇れるの?”っと驚くような崖を山羊のように昇って行った場所や、“若しの布”で行けるようになる岩の上など。配置した方も、これらを最初に見つけた方々も、本当にスゴい!
79個のキラキラを集めると、秘密の場所への扉が開きます。そこでは、上の写真のようなめちゃくちゃかカッコイイ剣を入手できます。隠し武器的な存在が、まさかPS4版で追加されているとは!
筆者は新たに手に入れたアイテムたちと再び写真撮影の旅を楽しんでいます。
『ワンダと巨像』に初めて触れるという方はもちろん、既に遊んだという方にも是非、このフォトジェニックな世界を、フォトモードとともに歩んでもらいたいと思います。過去のリメイク、リマスターとは一風異なる新しさと妙味溢れる世界を、是非体験してみてくださいね。
ね っこ
遊んだゲームのことを一ヶ月で忘れる奇跡の記憶力の持ち主。
ファミコン版『ドクターマリオ』をノーミスでクリアーする祖父のもとで育つ。
”作業”ゲーが得意で、トロフィーコンプリートしたタイトルも多い。
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