【ストリートファイター5】あの日見た中足天狐のタネを僕たちはまだ知らない

浅葉vsナカジマ。
その戦いは、ゲームを最大限に楽しむ集団・ゴジライン設立よりも遥か昔から、二人が出会った瞬間から始まっていた。
時には攻略を語り合う仲間でありながら、新作が出るたびに「殺す」、「(お前がおれに勝てないということを)わからせる」などと物騒な言葉を交わしながら、幾度も拳を交えてきた。
そして、満を持して発売された『ストリートファイター5』。
この作品もまた、おれたちの戦いの舞台だ。

ナカジマ「かりん同キャラやろうよ」
おれ「ああ、ええよ」
おれはこの時点で、「こいつ、何かをやる気だ」と確信した。
こいつはなにか、かりんで、くだらないネタを見つけたに違いない。最近あいつはバルログと春麗にお熱だったはず。いきなりかりんの同キャラを申し込んでくるには、どうもタイミングが不自然なのだ。
しかし、ナカジマとの戦いから逃げるわけにはいかない。逃げた時点で敗北、それがおれたちの掟だ。

△かりんの同キャラは、さしあいが適当なおれとナカジマでやると、力と勢いとぶっぱなしをぶつけあうパワー・ゲームになります。

△かりんの同キャラは、さしあいが適当なおれとナカジマでやると、力と勢いとぶっぱなしをぶつけあうパワー・ゲームになります。

飛び交う前ダッシュ、欲望にまみれた立ち強K、空気のように放たれる大蛇(ガードされるとかりん側が微妙に不利)→EX烈殲破(無敵技。ガードされると死ぬ)、しゃがみ弱Pでほぼ対応できると自分たちで記事にしておきながら、それでも飛んでくる紅蓮拳の裏周り。「大蛇からの派生技、知らんかー」、「不利フレームの魔術師とは、おれのこと」など、30歳を越えたおっさんとは思えない言葉が飛び交う戦いの中、違和感を感じる場面がいくつかあった。そして、その違和感は、ナカジマも感じていた。

ナカジマ「浅葉さん、あんたの中足天狐、まさか
おれ「……」
ナカジマ「強Pからのヒット確認もうまいっすね。あんた、”やってる”だろ
おれ「問おう、やっているとは、なんのことだ。そういえばお前も天狐、うまくなったな
ナカジマ「中足のあと、236と同時押しボタン連打。この技に気づいたのが、おれだけではないとは」
おれ「お前、同キャラ挑んできたのはその技があったからか。おれも1日前にたどり着いたわ」

△この中足天狐に、”やりこみ”が詰まっている。

△この中足天狐に、”やりこみ”が詰まっている。

△コマンドに注目してみてください。

△コマンドに注目してみてください。

説明しよう。
本作では、キーコンフィグでスキルボタンを設定できるのは、ナカジマが書いたリュウの記事でも説明済み。VスキルボタンやVトリガーボタンを設定することで、リバーサル等の受付時間が短いこれらの技を、出しやすくすることができる。ボタンを縦に二つ同時に押すという動きは、かなりの場数を得た格闘ゲーマーでも難しいのだ。
ここまでは、知識として知っているという人も多いだろう。このちょっとした発見から、おれとナカジマは偶然にも、あることに気づいた。

かりんもそうなのだが、普通のキャラクターは、普通の状態で、236+Vスキルボタンと入力すると、普通にVスキルが出る。これは、必殺技のコマンドよりも、Vスキルのコマンド受付が優先されていることで起きる現象だ。しかし、通常技からキャンセルで236+Vスキルボタンとやると、かりんはキャンセルで刹歩が出る。つまり、かりんの場合は、通常技からキャンセルでVスキルが出せないため、必殺技コマンドが優先されるのだ。しかも、この状況でのボタンの優先順位はKよりもPが高いためナッシュで同様の操作をすると、Pのソニックブームが出るが、かりんの場合は236+Pで出る技がないので、Kボタンの必殺技刹歩が出る。
そして、かりんの刹歩中に出せる派生は、Pボタンのみなので、そのままスキルボタンを連打しておくと、最速天狐が出る。最速にならないときもあるが、タイミングがはやければしっかりつながってくれる。
これは、スキルボタンを投げに置き換えても、同じ現象が起きる。

ここまで気づいたおれたちは、先日のコパグラ検証の際に、弱P+弱Kの投げボタンが有用なのではないかということで、右下に投げボタンを置いた。そして、右上にスキルボタンを配置し、かりんのうさんくさい天狐を繰り出していたのだ。なお、投げボタンでも同様のことができるうえ、投げボタンの場合は弱の刹歩が出るので、リスクがかなり減る。立ち強Pからキャンセルで236+投げボタンと入力し、ヒットを確認したら投げボタンを叩くなど、簡単な運用も可能。反応のウルトラ良い人なら、中脚のヒットを確認して、投げボタンを押せるのではなどと考えましたが、おれら今夜を勝ちたい勢には不要そうなので検証するのはやめました。
興味のある方は、トレーニングモードで是非お試しください。

ナカジマ「この”テクニック”あるとないとじゃ全然ちげえ」
おれ「天狐は、キャンセルする技によって刹歩からボタンを押すタイミングが違うから厄介なんだよね。やりこめば安定するだろうけど、これならやりこまなくてもわりと安定する
ナカジマ「中足の状況確認とかに使えそうなのが熱いね。これは低空百裂と比べてどうなんだろ。ルール上アリ、なんかね
おれ「e-sportsの世界ではなしの可能性もあるけど、おれらの住む動物園では”アリ”かな」
ナカジマ「かりんの場合、投げボタンとKKKボタンもいいね。飛び道具抜けのEX刹歩が出しやすい。しかし、同じところにたどり着いてたの、びっくりした」
おれ「お前も、マジ、できる男だな。見直したわ」

△これが、今夜勝ちたいかりん配置。KKKボタンもよさそうですね。

△これが、今夜勝ちたいかりん配置。KKKボタンもよさそうですね。


持ちうる限りの力と技術をぶつけあい、お互いを認め合う。
これもまた格闘ゲームの面白さなのだ。
おれたちは新たなるキーコンフィグを求めて、トレーニングモードへと帰っていく。
でっかい大会などに出られるという方は、自己責任の上でお使いください。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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