コツコツ書いていくつもりが、すっかり放置気味だったこのコーナー。あと4本ほどの更新を予定していますが、2月内に終わることを祈るばかりです。
今回の記事で紹介するのは、自分の周りのコアなゲーマーたちから絶大な支持を受けている『雷子-紺碧の章-』。この作品は、2015年に発売された三国志時代をベースにした『雷子』の続編、シリーズ2作品目にあたります。この作品をここで初めて知ったという人は、『雷子』を遊んでからこちらにとりかかってください。2作品遊んでもそれほど時間はかからないうえ、中断などもしやすいゲーム設計になっているので、忙しい方にもオススメです。
本作のジャンルはシミュレーションゲームですが、本作の一番の魅力は、鮮烈な”生き死に”の物語にあります。今回の記事では、ネタバレは極力避けるつもりですが、記事内に使っている画像については本編中のものばかりなのでご注意ください。タイトルだけ見て、「わかった、買うわ」という方は、今ここで引き返しても後悔はしないはずです。
プラットフォーム:ニンテンドー3DS、プレイステーション Vita
ジャンル:シミュレーション+歴史アドベンチャー
発売日:2016年4月21日
価格:5800円+税
発売元:クロン
物語の舞台は古代中国の春秋時代です。呉と越、二つの国を超えたドラマは、思わぬ方向へと急展開を見せます。歴史とファンタジーの入り混じった本作ならではの物語は、リアリティを所々に匂わせながら、衝撃的な結末へとたどり着きます。現代とは異なる死生観の中で繰り広げられる登場人物達の過酷で切なく、時に熱いその物語は、本作でしか体験できない【ドラマ】としてプレイヤーに突き刺さります。筆者は、本作の描かれた時代については、不勉強で知らないことばかりですが、本作のストーリーにはすっかりやられてしまいました。アドベンチャーゲームが好きな人には、何かしらの爪痕を残してくれる作品です。
本作はCERO Dの作品で、グロテスクな描写も登場します。グロ趣味に偏った作品というわけではなく、壮大なドラマを描くための演出の一環ですが、なかなかハードな描写もあるので血に弱い方はちょっと気をつけたほうがいいかもしれません。ニンテンドー3DSのゲームにしては攻めすぎではと思うラインの描写もあり、プレイステーションVitaでもここまでの作品はなかなかないぞというシーンも多め。とはいえ、こうしたハードなシーンがあるからこそ、他のゲームにはない不思議な重厚感を感じられるのです。
また、ここぞというところで鳴り響く、ボーカル付きの楽曲はどれも本当に素晴らしいです。曲だけ聞くと、歴史ものには合っていないように感じるかもしれませんが、ゲームをプレイしながら聴くと、この曲こそ『雷子』だというような感覚に陥ります。今から購入を検討している方は、本作の早期購入特典であるオリジナルサウンドトラック付きのものを探してみてください。本作で使われているボーカル付き楽曲がぎっしりと詰め込まれたこのサントラは、遊んだ後に必ず欲しくなる逸品です。
シミュレーション部分は、古き良きシミュレーションRPGを思わせる画面ですが、育成要素というものはありませんし、頭の体操的に遊ぶことができます。全体を通してそれほど難しくはありませんが、後半のほうにちょっとだけハードなステージが用意されていますが、敗北してしまっても、何度か繰り返しているうちに通り抜けることができるはず。ちなみに前作の『雷子』には、後半に多くのプレイヤーを絶望させたかなり高難度なステージがあるので、こちらで詰まったと言う方は、インターネット上におそらくあるであろう攻略情報などを参考にプレイしてみると良いかもしれません。
ネタバレを避けすぎて、あまりにもぼやぼやとした記事になりましたが、血を見たら倒れるという人以外には、ぜひ遊んでほしい作品です。シミュレーションRPGというよりは、ミニゲームつきのアドベンチャーゲームといった感覚で遊べるので、物語を楽しみたいというプレイヤーにもオススメです。(おれの周りに『雷子』の話ができる人が少ないので、ぜひもっと多くの人に遊んでほしい。)ちなみに、前作の『雷子』も本作も、しっかりとその時代の物語を描ききっていますが、『雷子』シリーズの構想は全4部作とのことで、今後もシリーズ展開が続くことが示唆されています。続報がないのが若干不安ですが、いつまでも待つ!