【浅葉の2016年私的神ゲーレポート.02】プレイ後に語り合いたくなるRPG『Caligula -カリギュラ-』

あけましておめでとうございます。
酉年生まれの浅葉です。
奈良県の山奥にいたため、インターネットから遠い存在と化し、更新の予定が大幅に遅れております。

【2016年私的神ゲーレポート】の2本目として紹介するのは、フリューから発売された学園ジュブナイルRPGの『Caligula -カリギュラ-』。発売前の情報を眺めているときは、イラストやシナリオ、世界観に力が入っている作品だなあと思っていたのですが、遊んでみてその作りこみの深さに驚かされました。ストーリーだけでなく、膨大なやりこみ要素を整備した作風に、すっかりとやられてしまったのです。
そう、本作は、RPGマニアのことをよくわかっている作品です。
がっつりと遊べる携帯ハードの作品を探しているという方は、是非この作品を手に取ってみてください。

ゲームの詳しい紹介については、公式サイトや、以前のゴジラインの記事をご覧ください。

【プレイレポート】PS Vita『Caligula -カリギュラ-』が、アニメ化してほしいくらい素晴らしい(Goziline)

△遊び方次第で難度が大きく変わるタイプの作品なので、RPG初心者でも遊べます。やり込み要素は膨大なので、おれのようなRPGマニアにも刺さる作品となっています。

△主人公たちが冒険する世界はいわゆる【夢の世界】。【夢の世界】では、多くの人が【理想の自分】に変身して過ごしています。それは、行動を共にするヒロインも例外ではありません。学園ジュブナイル系RPGでよくある”二面性”レベルに止まらず、かなりエグイ裏設定があったりするので好きなヒロインの真の姿に衝撃を受ける人も多いはず。

一見、万人受けはしなさそうな素材を、より多くの人がカタルシスを感じるように描ききったストーリー。
ストーリーだけに頼ることなく、緻密に作りこまれた斬新なバトルややりこみ要素。
これだけの尖った要素を盛り込みつつ、よく破綻せずに、【素晴らしい作品】になったのは本当に凄い事だと思います。
奇抜さ盛り込んだ作品は数多くあるのですが、奇抜さを面白さに昇華できないまま力尽きた作品も山ほどあるんです。
そこへいくと本作は、このトゲトゲしい要素や仕様の数々を、”面白い”と思えるところまで磨いて、絶妙なバランスでまとめあげてきています。

△登場する人物全てに【名前】と【個性】が割り当てられ、500人以上のNPCを仲間にすることができます。なぜここまで作り込んだのか、全くわかりませんが、とにかくスゴイ。ゲーム内のシステムとして存在する相関図は、とんでもない勢いで伸びていきます。

発売後に複数回のアップデートが行われ、システムや操作性の改良はもちろん、要望に応える形でのコンテンツ追加なども行われました。これらのアップデートにより、エラー落ちや発売当初に感じた小さな不満点などが解消されました。あまりに尖ったシステムの多い作品なので、プレイヤーすべてが満足する形のアップデートとは言えないかもしれませんが、誰がみても「開発陣の愛情」が伝わってくる対応でした。本当に、物語とRPGが好きな人が作ったんだなというのがひしひしと伝わってきます。

△バトルに”ひと工夫”が求められるようになる中盤以降から、キャラクターの育成や装備品集めが楽しくなってきます。

本作のシナリオは、『女神異聞録ペルソナ』や『ペルソナ2』を手掛けた里見直さんが手掛けています。加えて、学園ジュブナイル、人間の二面性という本作のテーマを眺めると、『ペルソナ』シリーズに被るのではと感じてしまうかもしれませんが、本作の物語、バトルともに、大きく違った方向に振り切れてます。”3Dマップの質感”や、”作中で使われるボーカルつきの楽曲が多く、そのどれもが素晴らしい”という点は『ペルソナ』ファンにも刺さるかもしれませんが、遊び心地は随分と異なります。
人間の二面性という点においては、かなりギリギリまで踏み込んでくるので、一目惚れしていたキャラクターたちの印象が、後半ではガラリと変わります。本作が、もしアドベンチャーゲームとして発売されていたら、”理想のヒロイン、ヒーロー像”を壊されたプレイヤーからブーイングが起きていたかもしれません。彼らの心に抱えた闇は、思いのほか深いのです。

△マップにも作りこみを感じます。世界観など含めて、めちゃくちゃアニメ化されてほしい作品です。

本作は、万人受けしないであろう要素も【個性や表現】として盛り込みつつ、RPGとしてのクオリティの高さでプレイヤーを強引にひっぱっていく作品です。
キャラクター、シナリオ、バトル、サウンド、グラフィック、やりこみ要素。
全てがマッチしなくても、プレイすればどこかかならず心惹かれる場所が見つけられるはずです。
そして、誰かと語り合う相手が欲しくなる!
本作にどっぷりとハマった方には、ゲームの後に発売された、サントラやノベルもオススメです。
これらは、クリアー後に是非ともご覧になってください。

もっともっと語りたいことはあるんですが、この作品は皆さまに新鮮な気持ちで遊んでほしいので、ここらへんにしておきます。
もし遊んだという方がいましたら、いつか語り合いましょう(笑)

この制作陣の次回作が出るなら、絶対に遊びたい!
そう思わせてくれる、情熱的で、風変わりな作品です。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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