あけましておめでとうございます。
酉年生まれの浅葉です。
奈良県の山奥にいたため、インターネットから遠い存在と化し、更新の予定が大幅に遅れております。
【2016年私的神ゲーレポート】の2本目として紹介するのは、フリューから発売された学園ジュブナイルRPGの『Caligula -カリギュラ-』。発売前の情報を眺めているときは、イラストやシナリオ、世界観に力が入っている作品だなあと思っていたのですが、遊んでみてその作りこみの深さに驚かされました。ストーリーだけでなく、膨大なやりこみ要素を整備した作風に、すっかりとやられてしまったのです。
そう、本作は、RPGマニアのことをよくわかっている作品です。
がっつりと遊べる携帯ハードの作品を探しているという方は、是非この作品を手に取ってみてください。
ゲームの詳しい紹介については、公式サイトや、以前のゴジラインの記事をご覧ください。
【プレイレポート】PS Vita『Caligula -カリギュラ-』が、アニメ化してほしいくらい素晴らしい(Goziline)
一見、万人受けはしなさそうな素材を、より多くの人がカタルシスを感じるように描ききったストーリー。
ストーリーだけに頼ることなく、緻密に作りこまれた斬新なバトルややりこみ要素。
これだけの尖った要素を盛り込みつつ、よく破綻せずに、【素晴らしい作品】になったのは本当に凄い事だと思います。
奇抜さ盛り込んだ作品は数多くあるのですが、奇抜さを面白さに昇華できないまま力尽きた作品も山ほどあるんです。
そこへいくと本作は、このトゲトゲしい要素や仕様の数々を、”面白い”と思えるところまで磨いて、絶妙なバランスでまとめあげてきています。
発売後に複数回のアップデートが行われ、システムや操作性の改良はもちろん、要望に応える形でのコンテンツ追加なども行われました。これらのアップデートにより、エラー落ちや発売当初に感じた小さな不満点などが解消されました。あまりに尖ったシステムの多い作品なので、プレイヤーすべてが満足する形のアップデートとは言えないかもしれませんが、誰がみても「開発陣の愛情」が伝わってくる対応でした。本当に、物語とRPGが好きな人が作ったんだなというのがひしひしと伝わってきます。
本作のシナリオは、『女神異聞録ペルソナ』や『ペルソナ2』を手掛けた里見直さんが手掛けています。加えて、学園ジュブナイル、人間の二面性という本作のテーマを眺めると、『ペルソナ』シリーズに被るのではと感じてしまうかもしれませんが、本作の物語、バトルともに、大きく違った方向に振り切れてます。”3Dマップの質感”や、”作中で使われるボーカルつきの楽曲が多く、そのどれもが素晴らしい”という点は『ペルソナ』ファンにも刺さるかもしれませんが、遊び心地は随分と異なります。
人間の二面性という点においては、かなりギリギリまで踏み込んでくるので、一目惚れしていたキャラクターたちの印象が、後半ではガラリと変わります。本作が、もしアドベンチャーゲームとして発売されていたら、”理想のヒロイン、ヒーロー像”を壊されたプレイヤーからブーイングが起きていたかもしれません。彼らの心に抱えた闇は、思いのほか深いのです。
本作は、万人受けしないであろう要素も【個性や表現】として盛り込みつつ、RPGとしてのクオリティの高さでプレイヤーを強引にひっぱっていく作品です。
キャラクター、シナリオ、バトル、サウンド、グラフィック、やりこみ要素。
全てがマッチしなくても、プレイすればどこかかならず心惹かれる場所が見つけられるはずです。
そして、誰かと語り合う相手が欲しくなる!
本作にどっぷりとハマった方には、ゲームの後に発売された、サントラやノベルもオススメです。
これらは、クリアー後に是非ともご覧になってください。
もっともっと語りたいことはあるんですが、この作品は皆さまに新鮮な気持ちで遊んでほしいので、ここらへんにしておきます。
もし遊んだという方がいましたら、いつか語り合いましょう(笑)
この制作陣の次回作が出るなら、絶対に遊びたい!
そう思わせてくれる、情熱的で、風変わりな作品です。