【プレイレポート】旅をしたくなるRPG『FINAL FANTASY XV』

『FINAL FANTASY XV』のエンディングまでたどり着き、プラチナトロフィーも取得した社壊人・浅葉です。それでもまだまだやれることが残っているのがこのゲームの凄いところです。
今回のプレイレポートは、あくまで、おれの辿ったプレイを振り返ってのものなので、「全然そんなことなかったよ」という人もいるはずです。自由度の高いオープンワールド系のゲームは、プレイスタイルがさまざまですから、どういう遊び方をしたかによってその感想が大きく異なることが多いのです。とはいえ、本作も過去の名作と言われるオープンワールドRPGと同じく、「楽しもうとするプレイヤーに応えてくれる」作品になっています。
記事では、楽しいと感じながら終始プレイしていた自分が、どういったところに惹かれたのかを紹介しつつ、感想をつらつら書いていきます。

△

△本作を遊んでいて、オープンカーが欲しくなりました。

旅をしたくなるRPG

効率を追求すれば、クリアーもプラチナトロフィーもそれほど時間はかからなかったはずなんですが、このゲームでは寄り道を繰り返しました。(RPGをプレイするときはいつも、一周目はメインのストーリーだけを追いかけて、最後までたどり着くことを優先しています。)いろいろな場所に楽しみが配置されているオープンワールド系のゲームというのもあるのですが、この”旅”を続けたいという気持ちがずっと離れなかったのです。

△この4人の旅が、とにかく最高でした。

△この4人の旅が、とにかく最高でした。

本作の発表時からたびたび、インターネット上で”ホスト”と呼ばれていたイケメン兄ちゃん4人の旅はとにかく楽しそうです。車を走らせて広大な世界を移動し、キャンプをしたり、料理をしたり、写真を撮ったり、釣りをしたり。なんでお前らそんなに楽しそうなんだよと思っていたら、自分も楽しくなって、いろいろな寄り道をしてしまいました。

△ノクトの友人でありながら、警護役である仲間たち。彼らとの旅は、とても楽しいです。

△ノクトの友人でありながら、警護役である仲間たち。彼らが仲間でよかったと、冒険の途中で度々感じることになります。

△釣りを楽しむノクティス王子。多彩なルアーやロッドが用意されており、釣れる魚は場所によってさまざまです。釣りレベルを上げれば、大物を釣りやすくなります。

△釣りを楽しむノクティス王子。多彩なルアーやロッドが用意されており、釣れる魚は場所によってさまざまです。釣りレベルを上げれば、大物を釣りやすくなります。

特にやられてしまったのは、仲間の一人、プロンプトが持つ”写真”のスキル。これは、プロンプトが冒険の様子を写真に納めてくれるというもので、放っておくと色々なところをパシャパシャと写真に収めてくれます。こなれてくると、自撮りを始めたり、戦闘中に写真を撮るスキルが使えるようになったりします。

△戦闘中でもスキルを使えば、写真を撮影することが可能です。

△戦闘中でもスキルを使えば、写真を撮影することが可能です。

△プロンプトの撮影した写真は、任意で保存することも可能です。

△プロンプトの撮影した写真は、任意で保存することも可能です。SNSへの投稿なども楽しめます。

△どういったカメラを使うか、エフェクトをどうかけるかといった設定も変更できます。

△どういったカメラを使うか、エフェクトをどうかけるかといった設定も変更できます。

オープンワールド系 RPGの醍醐味のひとつに、プレイヤーによって通る道のりが異なるという点があります。世界に生きる人々からの頼まれごとをどの順番でこなしたか、どういった経路で目的地に向かった。キャラクターのレベル上げやスキル構築などによって、ゲームから受ける印象も随分変わってきます。そんな「自分だけの冒険」を、プロンプトの写真スキルが強烈に印象付けてくれます。たとえ、同じ道のりを辿ったとしても、プロンプトの撮影する写真のタイミングや構図は、ランダム性が強いため、そこにはやっぱり自分だけの冒険が記録されているのです。

△プロンプトの写真は、仲間の意外な表情も引き出します。

△プロンプトの写真は、仲間の意外な表情も引き出します。

イケメンたちの旅に惹かれて、プレイ中に思わず、主人公たちが使っているキャンプ用品”Coleman”の商品をいろいろ調べてしまいました。最近はホームセンターなどでも見かけるほどメジャーなキャンプ用品ブランドですが、『FF15』の世界でまさか見かけることになるとは!おれも来年はキャンプマンとして生きるぜ。

△キャンプができる場所はさまざま。

△キャンプができる場所はさまざまです。時には、山の上でだって楽しみ始める4人組。キャンピンググッズはすべてColemanのものです。

△作中のあるシーンでは、ヴィヴィアン・ウェストウッドの店舗が登場します。

△作中のあるシーンでは、ヴィヴィアン・ウェストウッドの店舗も登場します。

賛否両論ありそうなストーリー

本作で一番の、賛否両論が分かれる部分はおそらくストーリーでしょう。ストーリーの良し悪しというのは、プレイヤーの好みによって評価が分かれるものですが、本作のストーリーは本来、もっと長いものを想定していたか、作りこみきれなかったのではという印象もあります。
エピソード間のつなぎが緩い部分が多く、よく言えばプレイヤーの想像力をかきたてるところも多いのですが、「なぜこうなったのか」という説明が足りていない箇所がいくつかありました。発売後にも、追加コンテンツが来るらしいので、そこで補完してくれると嬉しいですね。

△サブクエストでは、メインクエストでは語られない登場人物の素顔や、過去の物語が登場することも。ストーリーが淡白に感じた人は、いろいろなサブクエストを遊んでみてください。

△サブクエストでは、メインクエストでは語られない登場人物の素顔や、過去の物語が登場することも。ストーリーが淡白に感じた人は、いろいろなサブクエストを遊んでみてください。

ただ、ストーリーを演出する映像や演出のクオリティが凄まじいので、面白いか面白くないかというよりは「これって凄いよね」という印象に巻き込まれることも確かです。ここまで美しい映像や演出であれば、どんなストーリーだって輝いて見えるのです。超大作の持つオーラは、半端じゃありませんし、ハッタリでもありません。エンディングは、「参りました」の一言です。

△本作は、ノクティス王子の成長の物語でもあります。

△本作は、ノクティス王子の成長の物語でもあります。

△ノクティス王子の婚約者であり、過酷な使命を背負うルナフレーナ。筆者、このヒロインが大好きになりました。

△ノクティス王子の婚約者であり、過酷な使命を背負うルナフレーナ。筆者、このヒロインが大好きになりました。

バトルはクリア後が本番

本作のバトルは、今までのシリーズの中でもかなり”アクション”性の高いRPGとなっています。アクションに寄ったことと、魔法を装備として精製して装備、使用するというシステムになった事で、武器による攻撃がメインのゲームになっているので、スーパーファミコン時代に色濃く感じた、剣と魔法のRPGという面での『FF』らしさは薄れていますが、遊び応えは十分です。

△広大な世界には、予想だにしないような敵も多く潜んでいます。

△広大な世界には、予想だにしないような敵も多く潜んでいます。こんなの倒せるのかという巨大な敵とも、いつかは向き合うことになります。

武器の種類は豊富で、多彩なアクションが用意されています。武器を切り替え、”シフト”を使いこなして有利な位置取りや体制の立て直しを図ったりする戦闘は、マップや状況によって戦術を切り替える楽しみがあります。しかし、ストーリーで戦うバトルは、比較的ワンパターンな動きで勝ててしまうため、戦闘の自由度という面では低めに感じる人も多いはずです。
こう書くと一見ネガティブですが、この点はコマンド系RPGが好きな、またはアクションRPGが苦手な人への配慮になっています。個人的にはこの緩い戦闘の作りのおかげで、安心して遊べるRPGになっていると感じています。

△敵はモンスターだけではありません。志を異にする”帝国”との戦闘も、次第に苛烈になっていきます。

△敵はモンスターだけではありません。志を異にする”帝国”との戦闘も、次第に苛烈になっていきます。

また、この戦闘の面白さがわかってくるのは、「ストーリーを余裕でクリアーできる」レベルに達してからだと感じました。ストーリーを適正レベルで進めていると、どうしてもごり押しがちになる戦闘ですが、ストーリーのボス以上のレベルの敵と戦う際は、特殊な戦略や下準備が必要になってきます。このレベル帯での戦闘は、これぞやりこみ系RPGと言えるものになっています。

△APをつかって、スキルを習得すれば、できることの幅が広がっていきます。筆者は旅が楽しすぎて、写真関連のスキルを優先してしまいました(笑)

△APをつかって、スキルを習得すれば、できることの幅が広がっていきます。筆者は旅が楽しすぎて、写真関連のスキルを優先してしまいました(笑)

『FINAL FANTASY XV』を語ろう

最初にも書きましたが、本作は、そのプレイの仕方によって、受ける印象が大きく異なるゲームです。楽しもうとすれば、しっかりと膨大なコンテンツが応えてくれます。逆に、「このゲームはこういうものだ」と決めつけて遊べば、その範囲の出来事しか体験できず、なんともあっさりした冒険だったなという感想が湧いてくるかもしれません。本作を遊ぶ際は、先入観を持たず、「せっかく買ったんだしいろいろやってみよう」という緩い気持ちで臨むのが良いかもしれません。

△ストーリーを追いかけるだけでも、本作を楽しむことはできますが、せっかく遊ぶなら隅々まで探索してみてください。

△ストーリーを追いかけるだけでも、本作を楽しむことはできますが、せっかく遊ぶなら隅々まで探索してみてください。

ストーリーだけを追いかければ20時間という、発売前の情報も、概ね正しい概算です。ただ、これは広大かつ膨大な冒険が用意されているオープンワールドを最小限に冒険した場合の話で、すべてのコンテンツを楽しもうとすると、100時間はかかりそうです。(おれの場合、トロフィーコンプリートに50時間弱かかっていますが、トロフィーコンプリートを終えても、訪れていない場所や、倒していない敵がいます。)

△本作を楽しむ秘訣は、旅を楽しむこと。

△本作を楽しむ秘訣は、”旅を楽しむこと”だと思います。

筆者は今年も、かなりの数のRPGを遊びましたが、この作品だけは、ゲームファンなら遊んでおいて損はない作品だと思います。これだけのお祭りムードがあり、多くの人が遊んでいる作品ですから、語り合える仲間や機会に巡り合うことも少なくないはずです。そして、本作の要素の多くが、過去のゲームとの比較できないほど作りこまれているため、「面白かった、面白くなかった」という話だけにはならないはずです。きっと、この作品をきっかけに、いろいろな話ができるのです。どう遊んでも楽しいのが優れたゲームと言えるのだという意見もあるかもしれませんが、人によって体験や印象が変わるゲームって、それはそれで素敵だと思います。

△筆者の友人は、魔導アーマーとの戦闘がとにかく迫力があってイイ!武器と金属がぶつかる音がたまらんとか言っていましたが、俺にはさっぱりその感覚がわかりませんでした。

△RPGマニアの友人は、魔導アーマーとの戦闘がとにかく迫力があってイイ!武器と金属がぶつかる音がたまらんとか言っていましたが、おれにはさっぱりその感覚がわかりませんでした。

今後のアップデートも発表されているので、今の『FINAL FANTASY XV』よりも進化したものが遊べる可能性も低くなさそうです。その時に、「発売した時は、こんな感じだったのが変わったもんだねえ」と話せる特権が得られるのは、今だけです!

前回の記事にも書きましたが、このお祭りを楽しみましょう!

The following two tabs change content below.
浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

人気記事

  1. 1位

  2. 2位

  3. 3位

最近の記事

  1. 【インタビュー】8人対戦&6人同時プレイで遊べる『ファントムブレイカー:バトルグ…
  2. ノベルのゲーム化・コミック化100%を目指す「キマイラ文庫」が2025年にオープ…
  3. 【レビュー】『ロリポップチェーンソー RePOP』は素晴らしき「リミックス」版だ…
  4. 【食】『スト6』大会「BATTLE ARENA TOKUSHIMA 2024」で…
  5. 【TGS2024】マチ、ビスケ、ウボォーギンが遊べる!『HUNTER×HUNTE…
PAGE TOP