2022年10月20日、Switch/PS4にアーケードアーカイブス『闘姫伝承 ANGEL EYES』が配信開始となりました!古き良きアーケードゲームを現代の環境で遊べるようにガンガン移植してくれるアケアカ、格闘ゲームファン的にも「神」です。ありがとうありがとう。
さて、今回紹介する『闘姫伝承 ANGEL EYES』は1996年にアーケード版が稼働。使用キャラクターがみんな女の子というところに注目された作品ですが、実は当時としてはかなり斬新なシステムを盛り込んだ格ゲーだったのです。2D描画のキャラとポリゴン描画のキャラが混在してるのとかも味。
稼働時は攻略がまだまだ口コミの時代なので、本作の持つ独特の魅力は知る人ぞ知るものだったのですが、後になって「このゲーム実は面白い?」みたいな評価も出てきました。しかし、その頃にはプレイ環境も減り、今となっては対戦どころかプレイも難しいゲームとなっていました。プレイステーションの家庭用はアレンジ移植であり、アーケード版とは内容が異なるんですよね。そんなレアなソフトが、このアケアカに登場!アケアカなので残念ながらオンライン対戦はありませんが、一人用とトレモで十分800円の元はとれることでしょう。
ハチャメチャバトルを楽しもう
本作の面白さの軸になるシステムといっても過言ではないのが、弱K+強Kを同時押しすることで発動する「ホーミングダッシュ」。相手の位置をサーチしてビューンと飛びかかるシステムなのですが、これがめちゃくちゃ早くて、対空されにくいお手軽接近技として機能します。これで近づいて、超特大ダメージのコンボを狙うというのが本作の基本戦術です。
コンボにもホーミングダッシュは大活躍。相手を浮かせる技から、ホーミングダッシュで追撃をかけるという今風の格闘ゲーム的なことができるんですね。1996年に出たゲームって、コンボが楽しい作品が多かったような気がしますね。有名なところでは『X-MEN VS. STREET FIGHTER』とか、いろんなキャラのループコンボを探しましたし……。アケアカでも遊べる『NINJA MASTER’S〜覇王忍法帖〜』とか『神凰拳』も実はコンボとかシステム周りがとても面白いんですよ。

▲一部の技を当てると「ATTACK CHANCE」という表示が、これは追撃できることを示すサイン。ホーミングダッシュからのジャンプ攻撃の出番です。ちなみにいま8割くらい減っていますが、ジャンプ攻撃2段から地上技→キャンセル必殺技とつないだところです。命の価値が問われるゲーム、それが闘姫伝承なのだ。
『闘姫伝承 ANGEL EYES』のコンボは爽快かつスピーディ、そしてよく人が死ぬ。コンボが伸びるとなぜか技のダメージがアップするという逆補正という神仕様の影響もあるのですが、とにかく単発がめちゃくちゃ減るので、それがコンボになってしまったら5割、7割、10割と消し飛びます。それも2秒とか3秒とかで終わるものが多いです。中には永久コンボもあるのですが、永久コンボを使うまでもなく相手の体力が10割消し飛びます。
だらだらと続く永久コンボって、やってる側は楽しいんですけど、喰らっているほうはどうしても暇なんですよね。その点本作は、ジャンプ弱→強→しゃがみ弱→しゃがみ強→必殺技→ホーミングダッシュからジャンプ弱中強とかでOK。「あっ、即死した。次いこ」みたいな感じでカジュアルに対戦にしていただければ幸いです。
ホーミングダッシュとめちゃ減りコンボがあることで、かなりアッパーな戦いになる本作ですが、こうした矛的なシステムに対して、強力な盾となるシステム「ガードキャンセル」が存在します。ガードキャンセルは、ガード中に任意の必殺技コマンドで発動。ゲージなんかはもちろん使いませんし、ガードキャンセルで無敵技はもちろん、当たると即死コンボに持ち込める危険な技も繰り出せます。なので、対戦慣れしてくると、攻める側はガードキャンセルされにくい連係や、ガードキャンセルされたとしてもリスクの小さい連係を使う必要があるんですね。でもまあ、そういう細かいことを考えなくても、「めちゃ早いダッシュを通したら勝てる」、「ガーキャンからでも勝てる」みたいな感じで対戦していきましょう。ここらへん詰めるとしたら、2023年のevoの種目にこのゲームが入った時とかではないでしょうか。

▲あまりにも強力な切り返し手段であるガードキャンセル。受け付けはシビアなので、弱攻撃などを軸に攻めると失敗を誘発しやすい。あと、そもそも空中ガードのリスクが低めなので、ガードキャンセルに頼らなくても戦えます。
トレーニングモードで修得しよう
本作独特の仕様や、バグっぽいけど面白い挙動もたくさんあって、それらを活かした戦術の組み立ても実に奥深いです。この時代の格闘ゲームでは、ただのエフェクトになっていることも多い「属性やられ」に意味を持たしているのも面白いところ。火で相手が燃えたり、雷で相手が感電しているところには、火や雷部分に攻撃判定が発生しているんですね。火や雷に包まれている相手に、下手に追撃をかけるとダメージを受けてしまうんです。なので、こうした状態の相手に追撃する場合は、やられ判定が先端部分にない技を使うという地味テクが必要になります。
バグっぽいものとして有名なのは、「縦押し」と呼ばれるテクニック。これは、弱P+弱Kや、強P+強Kの同時押しをチェーンコンボとして入力することで、本来発生しない「立ち強P→しゃがみ強P」などを繰り出せるというもの。また、これの応用で、ジャンプ強P→ジャンプ2+強P+強Kとやると、ジャンプ強P→ジャンプ強Pというチェーンが発動するなど、可能性は無限大です。
こうした面白要素を練習できる、簡易「トレーニングモード」があるのも嬉しいところ。アーケード版で練習しようにも相手の体力がすぐゼロになるという問題がありましたが、アケアカ版ならその夢が叶う!いくらでも何度でも即死コンボを練習できるってもんです。(冒頭にも書きましたが、家庭用は微妙に仕様が違う部分があったりして、アーケード版とはプレイフィールが異なるんですよね。追加要素などもあるので、こちらはこちらで楽しいですが。)今見ると本作のアート周りも味があって良いですね。オープニングで見られるイラストなども、思わず見入ってしまいました。これでお値段900円以下。めっちゃお得なソフトだと思いますので、格闘ゲーマーの方は是非遊んでみてくださいね。

浅葉 たいが
