格ゲーを知っている人が「格ゲーはじゃんけんだ!」なんて言うことがあります。ざっくり言えば”じゃんけん”の一言で済まされてしまうのですが、流石にグーチョキパーだけで成立するシンプルなもんではありません。チョキに対してグーを出したのに負けた!なんてことはザラだし、パーに対して後出しのパーで勝つこともできてしまいます。なにより始めたばかりではどの技がグーなのか?チョキなのか?もわからないと思います。今回はそんなじゃんけん要素を理解するお話です。
ここまで説明してきた中で、『スト5』の攻防は基本的に「打撃」と「ガード」と「投げ」で行われてることがわかったと思います。お互いが密着状態でかつ5分の状況の場合は以下のような3すくみが成立します。
「打撃をチョキ」、「ガードをグー」、「投げをパー」と置き換えてみてください。
一見じゃんけんが成立しているようにも見えますが、これが実践ともなると、試合展開が速い場合は打撃を出す前に投げられていたり、投げよりも出るのが遅い打撃を出した場合はそもそも投げられてしまいます。それくらい「投げ」は強い選択肢ということをまず覚えておいてください。
ここに「投げ抜け」という要素が加わることで、読み合いが変化します。
「投げ抜け」は投げられた直後に投げを入力することで成立し、結果的には引き分けとなります。投げが強い、とわかっているプレイヤーであればあるほど、相手が近くに来たらとりあえず投げ抜けを入力する人が多いです。投げ抜けを失敗した時は「投げ」自体が漏れてしまうのですが、これが結構強いんです。なぜなら発生の遅い打撃とガードを投げてしまうからです。「少し待ってから投げ抜け」という選択肢が強いことがわかりましたでしょうか。実際に強いし上級者の間では「遅らせグラップ」というテクニックとしても認識されています。この遅らせグラップは「発生の早い技に対するガード 兼 投げ抜け」という最初はグーだけど後出しでパーも出すという、後出しじゃんけんが可能なんです。
「そんなの、ズルい大人やんけ」となりますが、ちゃんと遅らせグラップに勝つ選択肢もあります。それが“遅らせ打撃”です。前述した通り、投げに対しては打撃が有効でしたよね。”遅らせグラップ”と”遅らせ投げ”は実質同じことなので、遅らせ打撃が有効になります。遅らせに対してこちらも遅らせることで「後出しでパーを出した相手に、後出しでチョキをぶつける」というじゃんけんが成立するのです。
わけがわからなくなってきたと思うので、再びまとめてみましょう。
ざっくり言えば”じゃんけん”の一言で済んでしまうのですが、技を出すタイミングや状況次第で単純なグーチョキパーにならないことがわかりましたでしょうか。格ゲーが上手くなってくると面白いのが、段々と対戦相手と自分の間でしかわからないようなじゃんけんになってくるところです。このチョキが通れば勝てる!(相手がグーだったら死ぬ)というじゃんけんを仕掛ける人や、いかにじゃんけんをしないで勝つかという考えの人もいるし、「おれのスピードについて来れるかよ?」という勢いでハイスピードじゃんけんを仕掛ける人もいます。
それがキャラに伝わり、プレイに反映されて、相手にも伝わるのが、格ゲーの面白さの醍醐味とも言えます。
ということで今回は3すくみの話でした。
まとめ
1、投げと打撃とガードは格ゲーの基本3すくみ
2、スト5はそこに投げ抜け(遅らせグラップ)を含めた後出しが可能
3、遅らせグラップに対しては遅らせ打撃で対抗できる
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ナカジマ(コイチ)
あらゆる格闘ゲームを雑然と遊ぶ浅葉の悪友。
『ギルティギア』シリーズ等、アークシステムワークスの作品では有名プレイヤーとして名を馳せる。密かに、第三回TOPANGAチャリティーカップ『スーパーストリートファイター4』で優勝という実績も。
ソニーコンピューターエンターテイメント主催のイベント”闘神激突”では、格闘ゲームの強いおっさん”闘神”として、『ギルティギアイグザードサイン』で鮮やかなネタ殺しを披露した。
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