PS4『電撃文庫FIGHTING CLIMAX IGNITION』を原作厨として楽しむ.02

話は先月、2016年1月まで遡る。
PS4『電撃文庫FIGHTING CLIMAX IGNITION』を原作厨として楽しもう!みたいな話をしたところに、ゲームを最大限に楽しむ集団・ゴジラインのトリックスターというか、サイコパス、ナカジマがわけのわからないことを言い始めた。

ナカジマ「闘会議の『電撃』の大会出るわ。抽選応募した。『ギルティ』で頑張ってるから、これも通るだろう
おれ「大会出るってあんたこのゲーム、素人じゃん」
ナカジマ「出ることに意義があると思っている。今から間に合わせるだけの”P”見せるわ
“P”(ぴー)とは、プレイヤー性能の略で、ゴジラインの連中の基本スタンスは、勝ったら”P”、負けたらキャラ差。己の過ちを認めないおっさんたちは、デリケートな生き物なのだ。

回転王「さすがに大会が近すぎて、今から追いつくとか無理そうだけど。コスプレ枠で頑張ってください
『電撃』の大会では、コスプレも流行のひとつだ。大規模な大会の配信を見ていると、とても気合いの入ったコスプレをして出場している選手も多く見かける。決勝大会出場権をかけて、各地である予選を勝ち抜いた人とは別に、「コスプレ枠」なる審査を通過して決勝大会に出てくる人もいる。その大半が男性の選手なのだが、ニコ生の配信画質で見ていると、その男性が女の子に見える瞬間があるのがスゴイ。

回転王「大会に出るということは、練習せなあかんな
おれ「でも、その大会、家庭用にしか出てない黒子とかまだいないんじゃないの
そう、おれたちが遊んでいるのは家庭用。闘会議で使われるのは、アーケード版のはず。アーケード版には、家庭用からの新キャラクターである、黒子やユウキが出ていないのだ。

ナカジマ「大会に出るからには、原作縛りとか言ってられん。シャナ×お兄様やるわ
一度も対戦していないにも関わらず、原作厨として楽しむ身内ルールを破壊しにかかるナカジマ。これがサイコパスの立ち回りだ。シャナ×お兄様は、本作のキャラクターとサポートの中でも、最強候補に挙がる組み合わせ。どこぞやの大会で見た、このタッグから繰り出されるとんでもない火力の連続技を見て、「これならおれでも、”ワンチャン”ある」と思ったのだろう。この浅はかさが、ナカジマという男の幹になっている。

△突如全国大会を目指すとかいい始めたナカジマの選んだ組み合わせがこちら。

△突如全国大会を目指すとかいい始めたナカジマの選んだ組み合わせがこちら。

回転王「ふむ。まぁ、おれらは原作縛りでいいよ」
おれ「この前記事を更新したときに、浅葉さん、大河×竜児は厳しい道のりになりますよとか何人かの心優しいアドバイザーに助言をもらったんだけど
回転王「逃げようとするな。お前。その程度なんすか、あんたの『とらドラ!』愛は」
おれ「まぁ、ちょっと練習してみたから、まず回転王からぼこすか」
回転王「ほう。おれはこのゲーム”わかってる”から、負けても萎えるなよ」
おれ「死んでもらう」

本作には、対戦の模様を記録して、再生できるリプレイモードがついています。ここに表示される自らのキーディスプレイに酔いしれるはずが、あまりに雑すぎてびびりました。この動画は見世物以上の価値はなにもない、ゲーム特有の仕込みや、テクニックをなにも持たず、今まで遊んできた格闘ゲームの経験という名の老害力で戦うものなので、そっと閉じていただくことをオススメします。上級者の方は、キーディスプレイつきの動画をばんばん公開して、このゲームのプレイヤー育成に励んでいただければと思います。

回転王「40試合やって、2回も負けてしまったか。浅葉さんの、このゲームならではのセオリーや仕込みをまったく知ろうとも、生かそうともしないプレイ、マジ雑で格好よかったです
おれ「投げが全く抜けれん。抜けられたらもっと勝ってたな」
回転王「負けたときに言い訳するのはださいみたいな風潮が完全に関係ない大人だなあんた
おれ「回転王さん、おれが投げ抜けれないのわかってて、投げ連打してくんだもん。そういうプレイが、格闘ゲームから初心者を遠ざけるんですよ
回転王「なぜかおれが悪い方向になりつつある。まぁ、ジャンプ攻撃はところどころうまかった。伊達に20年ジャンプと暴れだけで飯食ってるわけじゃないなとは思った」
おれ「やめろ。おれのプレイヤーとしての価値下げるのは」
ナカジマ「二人の対戦を見てて、思ったわ。原作縛りは確かに面白いけど、ここはおれのいる場所じゃない」
回転王「ふむ」
おれ「おれは、大会に出ないといけないからな。原作に縛られず、強さを求めて、ゲーセンで練習してくるわ。じゃあの」

こうして、ナカジマは、闘会議に向けて、ゲーセンに修行に向かった。
twitterで、「大会にエントリーします」みたいなことを書いたナカジマを見て、有名プレイヤーたちがアドバイスを送っている光景も見られた。どれも、有用な情報ばかり。格闘ゲームコミュニティの暖かさを感じる。これらの情報をうまく活用し、練習すれば、短期間での上達も夢ではないのかもしれない。

だが、おれは、おれだけは気づいていた。この先に待ち受ける、残酷な未来に。

そして、運命の日は訪れた。
おれ「そういえば、闘会議の抽選どうだったの」
ナカジマ「『ギルティ』は通った。相方は小川だから、勝てるね
おれ「ふむ、『電撃』は?」
ナカジマ「抽選に落ちた。2タイトルは通らない仕組みなのかもね」
おれ「ゲーセンで練習してたのに残念だな。どれくらい練習したの?」
ナカジマ「2クレ(※)
おれ「2クレ
※クレ=クレジットの略。ここでは、アーケードゲームに、一回分の料金を投入して遊ぶことを指している。1クレジットは100円。プレイ時間にして5分くらい。

サイコパスの発言は話半分で聴く。
これが、ゴジラインにおける、”ルール”だ。

おれ「ほら、お前も原作厨として遊ぶんやで」
ナカジマ「ハイ」

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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