【Xbox One Xでゲームする.04】拳法、魔術、ときどきシューティング。アクションRPG『ジェイドエンパイア~翡翠の帝国~』がたまらなく愛おしい

2005年に発売された『ジェイドエンパイア~翡翠の帝国~』を、Xbox Oneの下位互換機能で遊んでいるが、まるで別のゲームを遊んでいるかのような感覚になる。オリジナル版では長く感じたロード時間も頗る短くなり、セーブも爆速、グラフィックも美しい。

▲2005年に発売されたアクションRPG『ジェイド エンパイア』が、Xbox Oneで美しく、快適に生まれ変わった。

中国テイストのある古代世界を舞台に、拳法や超常の力を習得していくという本作の独特な冒険は、(誇張された)カンフー映画好きにはたまらない。手からオーラが出たり、敵がめちゃくちゃにふっとんだりするのはもちろん、時には首だって飛ぶ。僕は『カンフー・ハッスル』とか大好きです。

▲相手を剣で攻撃していると首が飛ぶことも。

魔術や魔物や幽霊といったどこまで本気なのかわからない存在や、膨大なテキストで描かれる会話、突如遊ぶことになるシューティングゲームなど。稀に見る混沌としたRPGになっている。そこにゆるいローカライズもあわさるとなると、B級ゲームではと思う方も少なくはないだろう。しかし、このゲームは、この混沌とした作品を、当時にして大真面目な技術と表現力を注ぎこみ、本気で作ってしまった。だって制作は、あのBio Ware。『バルダーズ・ゲート』や『Mass Effect』を作ったところのゲームとなると、興味が湧く方も多いのでは。それがさらに、Xbox One Xの下位互換性という素晴らしい機能でさらに研ぎ澄まされているとなると、これはもう、オススメしないわけにはいかない。

▲キャラクターの名前もとてもユニーク。こちらは最初の街にいる微笑む山さん。

▲いきなりシューティングゲームが始まったりして最高です。『ニーア オートマタ』好きの人も安心。

プレイ開始時に、主人公を選択し、カスタマイズする。そこからの成長はプレイヤーの好みでさまざまに変えられる。数多くの”スタイル”という攻撃方法は、スタイルポイントを割り振るころで、次第に性能が向上していく。物理攻撃を伸ばすもよし、魔術を極めるもよし、本作のアクションバトルはおおらかに、いろいろなプレイスタイルを許容してくれる。アクションの難度自体はそれほど高くなく、セーブをこまめに活用すれば、クリアーすることも難しくないだろう。オリジナル版では若干処理落ちを感じた敵の多いシーンも、Xbox Oneで遊ぶとさくさくと動く。いったいどんな技術が使われているのだろうか。とにかくすごい。

▲剣や棍を振り回して戦うもよし。

▲遠距離攻撃が多い魔術を主力にするのもよし。

話しかけられる人物が多く、その話の内容が多彩なのも本作の面白いところ。イベントに関係ない人でも、かなり長い会話のやりとりを楽しむことがでいる。物語を進めるには、それほど多くの会話をこなす必要はないが、その気になれば、いろいろな人から、話を聞き、時には選択肢で応答することも可能だ。
選択肢の内容は、主人公の会話パラメーターによって変化することが多いため、プレイするたびにちょっとした驚きがある。誠実な受け答えをしていくのもよし、尊大に振舞うもよし、守銭奴として生きるもよし。会話は当然、いくらバリエーションが多いとはいえ、数は限られている。しかし、そんな会話の中に、自由度すら感じてしまう。

▲こちらが会話パラメーター。このステータスによって、会話中の選択肢が変化する。

▲暴力的な受け答えもバンバン登場する。『ロマンシング サ・ガ』でガラハドからアイスソードを略奪したという人も満足だろう。

昔プレイしたときも衝撃を受けたが、今遊んでも強烈すぎる世界と人物たちに引き付けられてしまう。気の向くままにプレイするほうが楽しいRPGだから、ひとまず攻略も必要ない。最近では、オープンワールドRPGが自由度の象徴のように扱われるが、本作のような、ユニークなつくりとボリュームで、自由度を演出するRPGも良いものだ。古き良きRPGのフリーシナリオのような手ごたえが、本作にはある。下位互換とはいえ、Xbox Oneを買う理由になっても良いほど、オンリーワンのRPGだと思います。

『ジェイドエンパイア~翡翠の帝国~』
Xbox版発売日:2005年4月12日
2018年4月よりXbox One後方互換対応
ダウンロード版:1029円(税込み)
ジャンル:アクションRPG

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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