【イベントレポート】御祭性ミリオンアーサーを熱くした至高の戦い!血聖大戦2018『ミリオンアーサー アルカナブラッド』大会レポート

2018年3月21日(水・祝)、千葉県の舞浜アンフィシアターにて「御祭性ミリオンアーサー」が開催された。今回の記事では、このイベント内で行われた『ミリオンアーサー アルカナブラッド』の全国大会「血聖大戦2018」に焦点を当てて、当日の模様をレポートする。

御祭性ミリオンアーサーとは
『ミリオンアーサー』シリーズのオフィシャル「お祭りイベント」として、 ステージではゲストを迎えてのトークイベントや当日会場先行の強敵討伐などがお披露目。シリーズの新たな試みとなる『交響性ミリオンアーサー』や『叛逆性ミリオンアーサー』の新情報に加えて、当日のサプライズとしてまさかの「アニメ化」情報も発表された。壇上には、シリーズプロデューサーの岩野弘明氏、『ミリオンアーサー アルカナブラッド』のプロデューサー琢磨尚文氏、声優の明坂聡美さん、 長妻樹里さん、ランズベリー・アーサーさん、芦澤佳純さんらが登壇した。 

最後の枠をかけた御祭性特別大会

血聖大戦2018の最後の枠「御祭性特別大会」(当日予選大会)には、抽選で選ばれた31人の強豪プレイヤーたちが参加した。この日までに行われた15のエリア決勝予選と同じく狭き門となったこの予選だが、関東圏以外のプレイヤーたちの姿も見られた。

△多くのプレイヤーが駆けつけた御祭性特別大会(当日予選)。

△当日予選から、ベスト8選出までは、アンフィシアター内の別室で行われた。大会時間外は選手や観戦者用の対戦台として無料開放されていた。(全天球カメラRICOH THETAにて撮影)

るーしゃ選手の(ニムエ)は、堅実な立ち回りと、画面端での多彩なラッシュを活かして予選を勝ち上がっていった。プレイヤーのやりこみが進んだ現時点では、テクニカルでありつつも、「弱いキャラクター」というレッテルを貼られがちなニムエだが、るーしゃ選手のプレイからは確かなキャラクターの個性とやりこみが伺えた。

決勝では、るーしゃ選手と、Dブロックを勝ち上がってきたまっ茶選手(ゼクス)が激突。

勝った方が決勝大会出場となる運命の一線は、両者一歩も譲らないデッドヒートに。大会ならではのミスも見られたものの、最後はまっ茶選手が意地の一撃を通して勝利した。

『アルブラ』の頂点を決める血聖大戦、開幕!

ベスト16からベスト8までを決める一回戦は、琢磨プロデューサーとゴジラインのケンちゃん、ナカジマ、声優の芦澤佳純さんが解説席に座って試合の模様を中継しつつ進行した。ここからの試合模様は、スクウェア・エニックス公式の御祭性ミリオンアーサー血聖大戦2018動画から観ることができるのでチェックしてみよう。

△一回戦の配信パートやメインステージのオープニングムービーでは、全選手が紹介されていた。

目立った強さを発揮し、周囲のプレイヤーを驚かせていたのは、ジャッシー選手(ゼクス)。エリア決勝では、本作の強キャラクターとして知られるゼクス同キャラ戦をくぐり抜けてきたプレイヤーだが、一回戦ではぢ選手(ビスクラヴレット)を安定感のある立ち回りと、鋭いガードの揺さぶりで圧倒していた。
優勝候補と目されていた人斬り抜刀斎選手(居合アーサー)と、キリヤ選手(ゼクス)の試合では、ところどころで強気な選択肢を見せたキリヤ選手が終始試合のペースを作る形となった。キリヤ選手は展開の早い通常技からのダッシュキャンセルを仕掛け、そこから6+Cなどで「ジャンプ仕込み投げ抜け」を狙うアグレッシブなスタイルで人斬り抜刀斎氏のガードをこじ開けて見事に勝利した。
格闘ゲーマーの多いギャラリーを魅了していたのは、大会ならではの「勝負ムーブ」。この日の一戦を勝つために、リスクを承知で放たれる大技が、セオリーや戦術を超える瞬間も多々見られる素晴らしい大会となった。なお、本大会のベスト4までは、一試合先取のルールで行われた。選手はもちろん、ギャラリーにとっても格闘ゲームの一試合先取の緊張感を噛み締められる大会となっていた。

△緊張感溢れる一試合先取の試合は名勝負尽くし。ひのきの棒選手が、相手の投げ抜け後に無敵技を仕掛けるシーンは必見!

最終決戦の舞台は舞浜アンフィシアター壇上!

ベスト8からは、舞浜アンフィシアターの壇上に舞台を移して試合が進んでいった。舞浜アンフィシアターの壇上は、「御祭性ミリオンアーサー」のステージイベントが開催されており、多くの『ミリオンアーサー』ファンに見守られながら、『ミリオンアーサー アルカナブラッド』の熱い戦いが繰り広げられた。中でもとりわけ大きな歓声が上がっていたのが、隆選手(虚無型エターナル・フレイム)の試合。虚無型エターナル・フレイムは、『ミリオンアーサー』シリーズに縁の深いキャラクターであり、当日のステージイベントの登壇者に長妻樹里さんがいたこともあり、ギャラリーの心を掴んでいたようだ。

△『ミリオンアーサー』ファンにはお馴染みのエタフレも大会では大活躍。

また、本作のゲストキャラクターであるリースや、幻のゲーム『デッキメイク ミリオンアーサー』からの参戦となるゼクス・ジークフリートなども、会場のギャラリーたちは暖かく受け入れていたように見えた。リースのド派手なミリオンエクスカリバーが炸裂すると、会場からは大きな歓声が上がっていた。

△ベスト4以降では、舞浜アンフィシアターのステージからプレイヤーが登場する演出アリ。

『アルブラ』覇者を決める、運命の決勝戦!

決勝戦は、ジャッシー選手(ゼクス)VSKジロー選手(リース)のカードとなった。ジャッシー選手は、王位型コンスタンティンを立ち回り、起き攻めで積極的に発動し、試合のペースを作っていくスタイル。対するKジロー選手は、リースの強みであるリーチの長さを生かした堅実な立ち回りを得意とするスタイルで大会を勝ち上がってきた。試合は、両者ともにやりこみを存分に披露しあう好勝負に。ジャッシー選手が、コンボを途中で止めて強気な「補正切り」を仕掛けて試合のペースを掴んだと思いきや、Kジロー選手は、凄まじい精度のヒット確認で押し返すといった展開なども見られた。

△決勝はゼクスvsリースの組み合わせに。

△決勝戦、緊張感漂う舞台で筐体に座るジャッシー選手(左)とKジロー選手(右)。

この名勝負を決めたのは、王位型コンスタンティンを駆使したジャッシー選手。やや押し込まれた状況からも、コンスタンティンを発動する事で、相手の選択肢を削り、立ち回りの流れをつかむという動きがリースの長所を封じる形となっていた。決めてとなったのは、相手の空中ガードを素早く判断して繰り出した立ちA→サベージアサルトアクション。格闘ゲーマーであれば「今のは無理」と言える状況で、とっさに勝負の選択肢を仕掛けたジャッシー選手には、歓声と大きな拍手が送られた。 

△決勝大会前のコメント似て「ゼクスの中のゼクス」と意気込みを語ってくれたジャッシー選手が優勝!

優勝したジャッシー選手からは、優勝の喜びとともに、「面白いゲームだから遊んで欲しい」といったコメントが会場のギャラリーに向けて届けられた。熱い戦いと、それを包む暖かい会場のギャラリー、優勝者からの前向きなコメントを受けた琢磨プロデューサーはしばらくの間、涙を堪えるほど感極まっていたようだ。大会終了後には『ミリオンアーサー アルカナブラッド』のVER1.10の稼働が近日中に行われることが発表された。キャラクターの調整、変化は200箇所以上に及ぶとのことなので、また新しい感覚で戦いを楽しむことができそうだ。

△アップデートでは、キャラクターの動きにも多数の調整が入る模様。

血聖大戦2018優勝 ジャッシー選手インタビュー


ーー 優勝、おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。

ジャッシー:嬉しいですね。大会では、普段の試合の成果が活かせてホッとしています。こういう大きなイベントに出るのははじめてなので。

ーー歴戦のプレイヤーかと思うほど、動きに迷いがないように見えました(笑)『アルカナブラッド』を遊ぶ前は、どのようなゲームを遊んでいたのでしょうか。

ジャッシー:『ストリートファイター』シリーズを遊んでいましたね。時間としては長く遊んでいるんですが、大会にはあまり縁がありませんでした。自分より強いプレイヤーがたくさんいるなあと思って遊んでいました(笑)

ーー『アルカナブラッド』の大会に出ようと思ったのはなぜでしょうか。

ジャッシー:『アルカナブラッド』は、シリーズものではなく、第一作ということで、みんな最初からのスタートというのがきっかけになりました。オンライン対戦で、いろいろなプレイヤーと戦えるのも、自分の実力を図りやすくて助かりました。そして、大会まで続けられて、この後もやっていこうと思っているのは、このゲームが面白かったからです。起き攻めとかコンボとかが、自分にとってはわかりやすいレベルのものですし、人にもおすすめできる作品だと思っています。

ーーエリア決勝では、ゼクス、盗賊のひしめく大会を抜けてきたと聞いて驚いていました。予選はどのような心境で挑まれましたか。

ジャッシー:盗賊、ゼクス戦が得意なので、エリア決勝はあまり心配していませんでした。自分としては、トーナメントを見て、いけるかなと思ったくらいです。店舗予選を通過するまでの方が大変でしたね。大会の雰囲気というか、対面台の感覚に慣れることが必要だったんです。

ーーオンラインでの店舗間対戦と、店舗外対戦の違いということでしょうか。

ジャッシー:そうですね。今回の決勝大会前にも、オフライン対戦で感覚を調整しました。ただ、オンラインとオフラインの違いがあることがハンデにはならないと思います。オンラインでやっていたことはオフラインでできるわけですし、オフラインでしかできないことというのは、練習よりも感覚的なものなので。そういう意味では、安心して遊べる作品なので、競技として楽しみたい人にもおすすめできますね。

ーー決勝大会のトーナメント表を見た時の感想についてはいかがでしょうか。

ジャッシー:人斬り抜刀斎選手(居合アーサー)と当たることもありうると思っていたので、この試合が一つのポイントになりそうだなと思っていました。その他の試合は、普段の自分の動きができれば良いなと考えていましたね。

ーーサポート騎士にコンスタンティンを選んでいた理由についてお聞かせください。同じ枠に、ランスロットを組み込んでいるプレイヤーが多いと思うのですが。

ジャッシー:コンスタンティンの方が強いと自分は感じているからですね。起き攻めも強力ですし、立ち回りでもプレッシャーをかけることができます。画面端に押し込まれそうな時でも、コンスタンティンがラインをあげてくれたりするのも強みですね。

ーー本日はありがとうございました。おきまりの質問ですが、読者にメッセージをお願いします。

ジャッシー:面白いゲームなので、ぜひみなさん触ってみてください。格闘ゲーマーの方であれば、すぐにしっくりくると思いますし、初心者の人にもおすすめです。僕もプレイヤーとして続けていくので、対戦できる機会を楽しみにしています。

△大会の上位入賞者、参加者には『ミリオンアーサー アルカナブラッド』内で使える特別称号が授与された。

御祭性ミリオンアーサー内で開催された「血聖大戦2018」は、格闘ゲームの大会として、稀有な魅力を持つものだった。『ミリオンアーサー』のファンに囲まれながら、腕を磨いた格闘ゲーマーたちが競い合うという構図を聞いた時、その盛り上がり方どのようなものになるか想像できなかったのも事実だ。
格闘ゲームは「難しい」という見方も多く、実際に勝てるようになるまでは、それなりの練習を要するジャンルであることも間違いない。『ミリオンアーサー』シリーズにおいて、『アルカナブラッド』はやや敷居が高いゲームと言われれば、それも間違いないだろう。当日会場にいた人には、『アルカナブラッド』を遊んだことがないという人も、一定数いた。
しかし、その大会が、蓋を開けてみれば、多くのギャラリーに受け入れられ、参加や観戦をしていた格闘ゲーマーたちからも「良い大会だった」という声が多数上がるものになっていたことは、作品として大きな成功と言えるのではないだろうか。会場に来た人の声を聞いてみると、「『アルブラ』を遊んでみたくなりました」といった声や、「はじめて試合をみたけど、面白かった」、「うまくはなれなそうだけど、楽しそう」という声を、格闘ゲーマーの間からは『ミリオンアーサー』に興味が湧いたという声なども拾うことができた。『ミリオンアーサー』というコンテンツが築いてきた暖かなファンと、格闘ゲームの熱気が交差する素晴らしいイベントが、再び開催されることに期待したい

△『ミリオンアーサー』シリーズのプロデューサー・岩野弘明氏。ギャラリーからの愛されっぷりが伝わってくるシーンも多々ありました。

△大会終了後の琢磨プロデューサー(中央)。本大会を企画した時は、いろいろな不安もあったそう。熱い戦いと、会場の暖かな雰囲気に感動していたようだ。右は二刀アーサーに扮した声優のランズベリー・アーサーさん、左は居合アーサーに粉した桜野友佳さん。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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