EVO観戦ガイド第三弾は、『ポッ拳 WiiU-POKKÉN TOURNAMENT-』をお届けします。『ポケットモンスター』の”ポケモン”たちが、熱いバトルを繰り広げる本作は、格闘ゲーマーだけでなく、子供たちにも大人気のタイトルです。
既存の格闘ゲームとは異なる”ルール”さえ押さえてしまえば、プレイも、観戦も非常に面白いタイトルなので、この機会に本作の基本を学んでおきましょう!
(今回の記事は、孤高の『ポッ拳』戦士・凡さんの協力を経て作成しています。)
参考記事:【ポッ拳】Road to Evolution 2016 ~WiiU 本体をもとめて~
『ポケットモンスター』の”ポケモン”たちが、熱いバトルを繰り広げる3D格闘ゲーム。十字キー一方向と、ボタンを組み合わせるだけのシンプルな操作が多く、敷居の低いゲームとして幅広い層に人気を集めている。フィールドフェイズ(3D)とデュエルフェイズ(2D)、2つのフェイズにより全く違ったかけひきが発生するのが特徴。開発は、バンダイナムコエンターテインメントの『鉄拳』チーム。
『ポッ拳』を観戦するうえでおさえておきたいのは、本作の最大の特徴ともいえる2つの”フェイズ”について。本作には、フィールドフェイズとデュエルフェイズという2つのフェイズが存在します。まずは、この2つのフェイズについて基本的な情報を紹介します。
・フィールドフェイズ
フィールドフェイズは、フィールドを自由に動き回って駆け引きを行う3Dバトル形式となっている。遠距離戦を得意とするポケモンは、このフェイズで強みを発揮することが多い。
・デュエルフェイズ
画面視点が横からみた形に切り替わるデュエルフェイズでは、2Dバトル風のかけひきが楽しめる。コンボや起き攻めといった要素が際立つのがこのフェイズで、近距離戦を得意とするポケモンは自分が有利になる形でこのフェイズへの移行を狙っていく。
ゲーム開始時は、フィールドフェイズから始まります。フェイズ変化が起きる条件は、相手に特定の攻撃をヒットさせる、コンボで一定の内部数値を越える、つかみ攻撃(通常投げ)などがあります。ポケモンによって有利な距離やフェイズがあるので、使用するポケモンが得意なフェイズをコントロールすることが勝利に繋がります。
ポケモンかんたん分類表
・近距離を得意とするポケモン
カイリキー、リザードン、マニューラ、ガブリアス、マスクド・ピカチュウ、バシャーモ
・遠距離を得意とするポケモン
テールナー、スイクン、シャンデラ、サーナイト
・オールラウンダー
ピカチュウ、ミュウツー、ダークミュウツー、ジュカイン、ゲンガー、ルカリオ
もうひとつの見どころは、攻撃の3すくみです。本作の攻撃のほとんどは、通常攻撃、つかみ攻撃(投げ)、ブロック攻撃の3種類に分類され、それぞれの間に以下のような強弱関係があります。
・通常攻撃はつかみ攻撃に勝ち、ブロック攻撃に負け
・つかみ攻撃はブロック攻撃に勝ち、通常攻撃に負け
・ブロック攻撃は通常攻撃に勝ち、つかみ攻撃に負け
この強弱関係をひっくるめて、”三すくみ”と表現します。
通常攻撃を読んだ場合はブロック攻撃を出し、ブロック攻撃を読んだ場合はつかみ攻撃をあわせるというシンプルな駆け引きが、本作では重要な”読みあい”になっています。一部のキャラクターは、相手のブロック攻撃に打ち勝つ”ブロック貫通技”を持っていますが、基本的な立ち回りでは、この3すくみにしたがって技の相性が決定されます。この3すくみのかけひきは、多くの試合で見ることになります。技と技がかち合いそうな場面では、どんな選択肢をとりにいくかに注目してみましょう。
この3すくみのシステムが活きるのは主に近距離戦ですが、相手をダウンさせたあとに仕掛ける”起き攻め”の場合は、勝敗法則が少し異なってきます。
・起き攻め時の攻撃相性について
起き攻めをする側 | 起き攻めを受ける側 | 勝敗 |
通常攻撃 | 通常攻撃 | 起き攻めをする側の勝ち |
通常攻撃 | つかみ攻撃 | 起き攻めをする側の勝ち |
通常攻撃 | ブロック攻撃 | 起き攻めを受ける側の勝ち |
つかみ攻撃 | 通常攻撃 | 相殺 |
つかみ攻撃 | つかみ攻撃 | 起き攻めをする側の勝ち |
つかみ攻撃 | ブロック攻撃 | 起き攻めをする側の勝ち |
ブロック攻撃 | 通常攻撃 | 起き攻めをする側の勝ち |
ブロック攻撃 | つかみ攻撃 | 起き攻めをする側の勝ち |
ブロック攻撃 | ブロック攻撃 | 最大タメ成立側の勝ち |
この表の中で重要なのは、通常の3すくみルールとは違った結果になる起き攻め時の”つかみ攻撃”です。3すくみのルールに従えば、つかみ攻撃と通常攻撃がぶつかった場合は、通常攻撃側が勝ちとなるのですが、起き攻め時は、通常攻撃の発生よりも早くつかみが重なっているため、”相殺”となります。このため、相手の起きあがりに”投げ”を重ねるのは、リスクが低い選択肢でもあるのです。(投げに対しては、相殺の起きない打撃攻撃の”6+X”を出すことで打ち勝つことが可能ですが、この選択肢は他の起き攻めに全て負けてしまうので繰り出す側にも勇気がいります。)
表では、ブロック攻撃を起き攻めに使ったときは、つかみ攻撃に”勝ち”となっていますが、こちらはつかみ攻撃の発生よりもブロック攻撃が早く重なった場合の結果です。ただし、ブロック攻撃を重ねにいく戦術には、受け側のブロック攻撃最大タメに負ける可能性が高いので、こちらは投げに比べてリスクの高い選択肢になっています。
起き攻めは、一気に勝負が決まりかねないステージなので、デュエルフェイズでどちらかがダウンを奪ったあとには要注目です。
プレイヤーアイコンの上にあるゲージを”共鳴ゲージ”と呼びます。共鳴ゲージが最大になると”共鳴バースト”が使用可能になります。共鳴バーストを発動すると、一定時間、以下のような効果が得られます。
・通常時の相手のY攻撃(弱攻撃)でひるまなくなる
・ポケモンわざの強化
・『バーストアタック』が使用可能になる(一回の共鳴バースト中に一回だけ使える)
非常に強力な効果を持つ共鳴バーストをいちはやく使うためには、効率よく共鳴ゲージを溜めていく必要があります。共鳴ゲージはバトル中に、攻撃を当てたり、受けたりしているうちに溜まっていきますが、前述した3すくみの攻防に打ち勝つことで発生する”クリティカルヒット”で大幅に増加します。また、フィールドフェイズ中に発生するエネルギーを獲得、フェイズチェンジを起こす、アシストポケモンの効果などでも増加するので、プレイヤーやポケモンによっては、こうした要素をうまく活用して、共鳴ゲージを効率的に溜める戦術も見られるはずです。
現在の環境で高い評価を得ているポケモンたちは、大会での活躍も期待できそうです。今回の記事では、タイプ別の注目ポケモンを紹介します。
遠距離を得意とするポケモンでは、テールナー、シャンデラの安定感のある立ち回りに注目です。これらのポケモンに対しては、対戦する側が専用の対策をとっていく必要があるため、試合によっては封殺する形で勝利することも珍しくないはず。フィールドフェイズの遠距離、中距離では圧倒的な強さを発揮するシーンが見られるはずです。
近距離型のポケモンでは、マスクド・ピカチュウとリザードンに注目。マスクド・ピカチュウは分身して相手を幻惑する”かげぶんしん”などのトリッキーな動きも可能なほか、一度相手に近づけば高性能なブロック攻撃が大きなプレッシャーを与えられます。リザードンは、主力技の「ほのおのパンチ」ににブロック性能がついており、下手に手を出すとカウンターから大ダメージを与えられるのが強みです。またデュエルフェイズでは「ちきゅうなげ」が強力。この技は、威力が高い&空中の相手もなげるつかみ攻撃のうえ、コンボの締めに使うことでフェイズチェンジを防止できるので、勝負ところで決まると一気に試合を決めてしまうこともあります。
オールラウンダー型のポケモンでは、評価の高いダークミュウツーとピカチュウの活躍が期待されます。ダークミュウツーは、一部の技を発動すると自傷ダメージが発生し、自分のHPも減少してしまうものの、その技の数々は非常に強力。体力管理を徹底できるプレイヤーが使えばフィールドフェイズでプレッシャーをかけ続けるような攻めを展開できます。ピカチュウは、その移動の早さもさることながら、共鳴ゲージの溜まるスピードが速いという強みにも注目です。試合によっては、一試合に複数回、共鳴バーストを発動することもあります。
そのほか、ダークホース的な存在としては、多数の設置わざや遠距離の相手を投げる特殊なつかみ攻撃”ギガドレイン”を持つジュカインや、海外人気の高い遠距離型ポケモン・スイクンにも注目です。ジュカインは、やりこみ勢の中では評価の高いポケモンですが、使用するプレイヤーが多くないこともあって、対策不足なところに噛み合う可能性もありそうです。
バトルで操作するポケモンとは別に、サポートポケモンも見どころのひとつです。攻撃を繰り出してくれるものや、防御的な役割を果たしてくれるものなど、その効果はさまざま。相手キャラクターに応じてサポートポケモンを変えるという戦術も存在します。
ゲーマーなら一度は見たことがある人気ポケモンたちが、ド派手なアクションを繰り広げながら戦うバトルの模様は、誰がプレイしているかに関わらず、非常にドラマティックで見ごたえのあるものになるはずです。そして、今回紹介した、フィールド、三すくみと、共鳴バーストの仕様まで頭に留めておけば、より一層試合観戦が楽しくなります。
そして試合を観て、興味が湧いたという方は、本作を手にとって遊んでみてください。チュートリアルなども充実しているうえ、オンライン対戦も快適なので、安心して遊べるタイトルになっています!