【EVO JAPAN2024】1996年発売の『あすか120%スペシャル BURNING Fest.』がまだまだアツい!?EVO Japanサイドトーナメントもお見逃しなく!

「10年早かった」とか言われるタイトルが増えているように感じます。ゲームの歴史も蓄積されてきたからでしょうか。
『あすか120%』の場合は当時の家庭用シーンを盛り上げた人気作でありながら、いま見ると20年早かったのではみたいな要素が多いことにびっくりします。必殺技の簡易コマンド、ワンボタンダッシュ、オートガード、相殺判定を活かした守りやすさ……。こんなにもカジュアルで初心者向きで、しかも現代格闘ゲームで「新しい」とか言われている要素の起源もいくつか垣間見えたり。しかも隠しコマンド入れると攻撃判定とかやられ判定が見えたり、それをスローで再生できたり。90年代の作品ですよ。今ならこれがどれだけすごいことかよく理解できます。

そんな『あすか120%』を遊び続けるプレイヤーたちがいます。
特に愛され続けている『あすか120%スペシャル BURNING Fest.』Ver.2の熱気はものすごいものがあり、以前にゴジラインでは、そのコミュニティの中心人物であるみやざき氏にお話を伺いました。(インタビューの過去記事こちら)。そこでやりこみの歴史と、最新の情勢を聞き、実に驚きに満ちた時間を過ごしました。しかしそのインタビューも集大成というわけではなく、その後もまだまだ新しい攻略が見つかり、最近では流行のレバーレスコントローラーまで導入して遊んでいるというのです。しかも、最近ではその熱すぎるコミュニティの大会を年間通して行っており、今週末から東京で開かれるEVO Japan2024のサイドトーナメントもその一環なのだとか。壮大すぎるでしょ……。

▲みやざきさんたちが取り組んでいる[AFC(あすかふぁんくらぶ)チャンピオンシップシリーズSeason2024]の一年のスケジュールがこちら。これもう完全にeスポーツなのでは……。1996年発売のゲームですよこれ。(AFCの概要はこちら、公式戦のレートランキングはこちら

でも、それだけ熱くなるのも、いまならよくわかります。このゲームは正直、いま遊んでもオンリーワンの存在です。独自性のある面白さが、色褪せず感じられるのです。
本記事では奇跡の格闘ゲーム『あすか120%スペシャル BURNING Fest.』の魅力を紹介します。

『あすか120%スペシャル BURNING Fest.』Ver.2とは?
1996年に発売された『あすか120%スペシャル BURNING Fest.』のことを指すが、本作には前期版と後期版で2つのバージョンがあり、ゲーム内容に若干の違いがある。後期版はロード時間が短くなっているほか、一部の技の性能が調整されたり、空中コンボがつながりやすくなったりと、ゲーム内容も大きく変化している。公式には2つのバージョンの違いは案内されていないため、存在を知らないプレイヤーも多いが、現在の本作の対戦シーンではこのVer.2が用いられている。なお、このVer2版はCDのジャケット右下に黒い丸がついていることで見分けられるが、中古で購入する場合は、パッケージとCDの不一致があるため要注意。起動後に表示される「Fill in Cafe」ロゴの残像で、赤いのがVer.2、青いのがVer.1と見分けるのがおすすめ。また、プレイステーションアーカイブスで配信されているものはVer.2となっているので、こちらを購入して遊んでみるのも良いだろう。

ジャケット(説明書)の右下にある黒丸はVer.2のしるしだが、中古品の場合は中身がVer.1の場合も多い。確実なのは、起動後のロゴの残像確認。赤色ならVer2だ。

当時にして最先端!
今でも独自性の塊です

近年の格闘ゲームでは、「操作を簡単にし、初心者でも派手な行動をとりやすくする」という仕組みが重宝されています、『あすか120%』シリーズは90年代の時点で「格闘ゲームをカジュアルに遊んでもらう」という視点で作られているように感じます。必殺技コマンドは伝統的格闘ゲームのものですが、それほど難しいものはありません。そのうえ、R1ボタンと方向キーの組み合わせで必殺技を発動できちゃいます。そう、これ最近のモダンな格闘ゲームで多いやつですよね!大ダメージを見込める超必殺技的なものもこの操作ができれば繰り出せるようになっています。ボタンをポチポチおすだけでいろいろなコンビネーションがでたり、挑戦的なところでは「ニュートラル状態ではオートガードになる」という仕組みなども導入されています。格闘ゲームの難しい要素のひとつである「ガードの振り分け」にもフォローが効いているんですね。

▲必殺技コマンドが簡単で、操作のレスポンスも良好。コンボの繋がり方も爽快です。

この作品のユニークなところは当時ちらほら見られた『ストリートファイター』フォロワーな作品ではないところでしょう。いわゆる地上戦重視のゲームではないし、飛んでくる敵を無敵技やアッパーで迎撃する展開を作るタイプのゲームでもない。恐るべきことに、このゲーム独自の戦術や読み合いを楽しむことを想定して作られています。当時としては珍しい鮮やかな空中コンボや相殺システム、システムを活用することではじめて対処できるインフレ気味な技の数々が飛び交う対戦は、今の感覚で見ても爽快といっていいでしょう。オートガードに加え、相手の攻撃を回避する「透かし」、そしてガードキャンセルなどの多彩な防御システムは、苛烈な攻めにうまくかみ合っていて、ゲームに慣れてくると奥深い攻防が楽しめるようになっています。体力差がつくと負けている側の攻撃力や防御力が大幅に上がるなどの逆転要素はさすがに運ゲーなのでは……と思いきや、やりこむとこのシステムさえも、戦術のかけひきになってしまいます。多彩なシステムを組み合わせた戦いは、予想外の面白さと伸びしろに溢れているのです。

▲攻めも強いが守りも強いのが『あすか120%』。こんなめくりどっちかわっかんねー!って時はオートガードで対応できちゃいます。

▲技と技がぶつかりあう「相殺」の攻防や、無敵になる「避け」の攻防もアツい。1996年のゲームですよこれ!すごすぎる。

是非お友達と遊んでみてください

これだけシステムを詰め込んでしまうとゲームバランスが破綻しているのではと心配する方もいるかもしれませんが、驚くべきことに対戦シーンは激アツ。最近の格闘ゲームでは「そのテクニック強すぎない?その技強すぎない?」となったときに、「このキャラにこの技よぉぉ~つよすぎんよ~」とかインターネットの海に叫んでいると、その声がいつしか大きなうねりとなり、天というか開発の元に届き、バージョンアップで調整が入ったりします。しかし、こういうレトロゲームでは、自分たちで解決法や対策を見つけるしかないので、プレイヤーの楽しむことをあきらめない心が、ゲームの楽しさを引き出しているのかもしれません。もちろん本作にも、強キャラ、弱キャラの差はありますし、現代だったら即調整みたいなテクニックも見つかっていますが、その中でプレイヤーたちが楽しむことに前向きすぎる。

▲どのキャラも動きが個性的で面白いです。興味のある方はPS3やPS Vitaでダウンロード版を買うのがおすすめ。多少遅延はありますが、感覚をつかむにはもってこいです。沼に入ると実機が欲しくなります。

この記事の筆者も当時『あすか120%』シリーズを遊んでいたのですが、そのときは勝ち負けにこだわった戦いをしていませんでした。「女の子が出てくる格闘ゲームで、動かしていて楽しいゲームがある」ということで、シリーズのほとんどを遊びましたが、先述した「体力差がつくと負けている側の攻撃力や防御力が大幅に上がる」という仕組みが、当時は運の要素が強すぎるものに感じられたんです。そんな考えもあり、楽しいゲームではあるけれど、勝負にまでは発展しなかったという経緯があります。そのまま時は過ぎ、今どきの格闘ゲームを遊んでいるときに、”みやざきさん”に出会ってしまいました。そして、運ゲーだと思っていた要素にも深い駆け引きがあり、それに加えて「それ知らないです」みたいな知識や戦術が山のようにあることを知り、「どうぞ」と勧められた『あすか120%』好きが作った同人誌には、これアルカディアのムックかよと思うような情報と、本作を愛してやまないプレイヤーたちの熱意が詰まっていて、超感動ののち、身内でも本作を遊ぶようになりました。

▲筆者は2019年くらいにこのゲームの凄味を知りました。10年、いや20年早すぎたゲームなのかもしれない。

さらなる深淵を知りたいという方は、以下のサイトから『あすか120%スペシャル BURNING Fest.』Ver.2の深淵を覗いてみてください。きっとこの本作った人たちは、「いやいや深淵だなんて。まだ伸びてますよ」と言うんでしょうけど。

大会の参加、観戦はお気軽に!
長年やりこんでいるプレイヤーもいますが、新規のプレイヤーも参加してくれているようで、操作がかんたんなゲームなので上達のペースも早いのだとか。プレイヤーとして上達を目指すなら、こうした大会で生まれる交流も糧となるはず。あとなにより、やっぱりオフ対戦は楽しいものです!
[大会概要]
大会情報掲載サイト:http://asuka120sp2.blog.fc2.com/blog-entry-45.html
日時:令和6年4月28日(日)
場所:有明GYM-EX(ジメックス)(東京都江東区有明1丁目10?1)
参加人数:最大32名
参加費:参加費は不要ですが、EVOJapan2024のチケットが必要となります。
参加申込:参加申込フォームから申込してください
申込締切:4月26日(金)23時59分まで
配信URL:https://www.youtube.com/@asuka120fan_ch7

▲みやざきさん主催のあすか大会の様子。遅延を極力抑えつつプレイするため、PS One実機+アナログの液晶モニターで開催することが多いのだとか。「できればブラウン管でやりたいんですけどね……。そうすると運搬の問題がありますから」とか前回のインタビューでおっしゃっていましたが、十分すぎます!マジ神環境なので、レトロゲームファンの方も一度見てみることをおすすめします!

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ゲームを最大限に楽しむことを目的としたゲーミングチーム。
様々なジャンルのゲームを大人気なく遊びます。

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