ゲーム内のチュートリアルやトレーニングモードでコンボやガードの揺さぶりをなんとなく覚えたものの、対戦してみるとなかなかうまくいかないという方も多いはず。
特に3D格闘ゲームに慣れていない方は、やることが多くて混乱したりするのではないでしょうか。
本記事では、初心者や中級者の方がつまづきがちなポイントをQ&A形式でご紹介します。
文字量多めの記事になっていますが、まずは読み流して「わかったつもり」になってください。
理解できたとしても、対戦の中で実際に行うのは難しいのが格闘ゲームの常。ちょっとずつできるようになっていけばいいのです!
目次
Q1:技多すぎません?全部覚えるの?
A:技は膨大にありますが、最初に覚える技は少なくてもOK。2D格闘ゲームは自分のキャラクターの技を一通り覚えてプレイするほうが効率よく上達しますが、技の多い3D格闘ゲームはまず主力技を覚えて振り回すのがおすすめ。まずは自分のキャラクターの「攻撃の発生が早く、隙の小さい技」、「主力となる中段技&下段技」、そして「コンボに持ち込める技」を覚えると良いでしょう。(これらの技は実は、ほとんどのキャラクターがスペシャルスタイルに収録されているので、慣れないうちはスペシャルスタイルオンリーで戦うのもおすすめ。一部スティーブなどの大変なキャラもいますが……)。
この3要素があれば、使い分けるだけで攻めの基本形ができてきます。相手が動こうとするところに「攻撃の発生が早く、隙の小さい技」を当てにいき、相手が守りに入ったら中段と下段を使い分けた攻めを仕掛けるという動きが可能になるからです。大技ばかりだと攻めが単調になるうえ、相手のガードを崩しにくく、小回りの利く攻撃で押されるとなすすべもなくやられてしまいます。
上達するにつれて技の知識も増えていきますが、上級者でもすべての「対戦するすべてのキャラの技」を覚えているプレイヤーというのは意外と少ないはず。まずは自分のキャラクターの主力技を知り、対戦していくうえで、相手キャラクターの主力技を学んでいくといいでしょう。「この技だけで押されているな」と思ったら、それが相手の主力技の可能性大です。
Q2:『鉄拳』のセオリーらしい「三すくみ」って何?
最近の『鉄拳』シリーズでは、「攻め」、「置き技」、「スカ確」の三すくみが存在します。
「攻め」は二択をかけにいく踏み込んだ動きを指します。ステップから技を使い分けてガードを崩しにいったり、特殊ステップからの二択などもこの中に含まれます。この「攻め」に対しては、相手の接近を阻むように置いておく「置き技」が有効とされています。そして、この接近を阻む「置き技」には、後ろステップや移動などで空ぶらせて確定反撃を叩きこむ「スカ確」が狙えます。そして、「スカ確」を狙って下がり気味に戦う相手には、一気に踏み込んでの「攻め」が有効になるという形です。
整理すると、「攻め」は「置き技」に弱く、「置き技」は「スカ確」に弱い。そして、「スカ確」は「攻め」に弱いとなります。
考え方はシンプルですが、対戦では相手の行動がさまざまに変化するため、実際にこの読み合いを綺麗にこなすのは至難の業。初心者の方は、三すくみに意識がいきすぎると自由な動きがとりにくくなる可能性もあります。三すくみを回すことにこだわるのではなく、相手に攻め込まれている回数が多いので置き技を増やしてみよう、置き技で攻めがとめられているのでスカ確を狙ってみよう、スカ確狙いで待たれているので思い切って踏み込んで攻めようといった風に、試合中に起きている状況を分析をする考え方として使うといいでしょう。
Q3:相手の攻めが止まりません……
初心者の方によくありがちなのが、自分が不利な状況でも焦ってボタンを押してしまい、相手の攻撃をくらい続けて負けるというパターンです。こうならないためには、相手の攻撃をくらったあとなど、相手が先に動ける状態ではガードすることからはじめましょう。そして、ガードの次の防御法は、順に覚えていくのがおすすめ。
まずは相手の攻めをガードしたあと、「暴れ」や「確定反撃」を狙うことを覚えましょう。いきなり「暴れ」かよと思われるかもしれませんが、技の知識がない状態では、相手の技をガードしたあとすぐに攻撃を繰り出すのも大事です。うまくいくと攻撃の切れ目に割り込むことができますし、それで潰されてしまうようなら、ガードを継続するか、後述するほかの防御方法をとればいいのです。「暴れ」が「確定反撃」になったらしめたものですし、徐々に反撃できる技を覚えれば、不必要な「暴れ」も減ってくるはず。隙の大きな技や下段攻撃をガードしたあとにある程度確定反撃を決められるようになれば、対戦が一気に奥深くなるはず。
立ちガードしても隙の小さい上段攻撃を軸に攻めを組み立てられると、確定反撃のポイントも減るうえ、下手な暴れも通用しません。こうした戦術には、相手の上段攻撃を予測し、しゃがんでかわして反撃を叩きこむという防御法が有効です。ただし、『鉄拳』には、強力な中段攻撃が多いため、相手の技を予測してしゃがみましょう。相手が若干先に動き出せる状況で上段技が打たれそうな場面や、上段への派生が強力なコンビネーションなどを狙うと良いでしょう。しゃがむ際は、しゃがみガードを入力しておけば、下段技をガードした場合も反撃が可能です。
ガードしても暴れが相手の攻撃に負けやすく、しゃがんで回避できない中段攻撃などには「バックダッシュ」や「横移動」の出番。バックダッシュや横移動は攻撃でキャンセルすることが可能なので、相手の技を避けたら反撃技を繰り出しましょう。
バックダッシュは密着間合いで繰り出されるリーチの短い技はもちろん、リーチの長いけん制技の先端部分を避けるように狙うのも良いでしょう。うまくかわせたら、素早く技を繰り出して「スカ確」を決めましょう。
「横移動」は技によって回避する方向が異なるうえ、横へのホーミング性能の強い技は避けにくいため、技を選んで狙う必要があります。ひとまず直線的な打撃を避ける際に使うものと覚えましょう。こちらについては次の質問の部分でより詳しく解説します。
反撃や回避はかなり難度が高めなので、まずはチュートリアルモードの「確定反撃」コーナーで、苦手なキャラの反撃するべき技を覚えたり、対戦のリプレイを再生して、反撃のポイントなどをゲーム側に教えてもらうのも良いでしょう。また、相手の展開が早く、どこが攻めの切れ目なのか判断がつかない場合はパワークラッシュやヒートバースト、レイジアーツなどのアーマーを持っている技で割り込みを狙うのもおすすめです。これらの技は出かかりからアーマー判定があるわけではないため、密度の高いコンビネーション等には弱いものの、相手の技をガードしたあとなどには切り返し手段にもなります。ヒートバーストはガードされても反撃を受けないので、ガードさえさせればOKなのも強みです。
Q4:横移動のつかいどころは?
「横移動」は相手の攻撃を横方向に避けるシステムですが、闇雲に出しても相手の攻撃にひっかかってしまうことに注意しましょう。
あと、忘れがちなのが、横移動のコマンドは、8n、2nです。この「n=ニュートラル」が大事です。ここが入力できておらず、「なんかくらってしまうなあー」というのもビギナーの方には起こりがちなので、早めに癖をつけましょう。
まずは下の図をもとに、横移動についての基礎知識をご紹介します。
横移動を行う際、基本的に相手の左手足の攻撃は自分から見て左横移動で、相手の右手足の攻撃は自分から見て右横移動で避けやすいというセオリーがあります。基本的な考え方だけ抑えておけば相手の技がどの手足から出しているかを確認して、試合中に試すことも出来るので覚えておきましょう。相手が右手でパンチをしてきた時にどう避けるかを想像して貰えれば直感的にわかりやすいかもしれません。当然回し蹴りのような「回転系」の技は、横移動に強く作られていることに注意。
また、横移動での回避は、相手の選択した技やタイミングで、横移動するタイミング、時には推奨される方向も変わるので難度は高め。リスクもそれなりにあるので、まずは相手の主力技に的を絞って覚えましょう。防御法のコーナーで述べたように、ガードで浮かし技の反撃が間に合うような技ではなく、ガードでも反撃しにくく、バックステップなどで空ぶらせにくい技に対して狙っていきましょう。
横移動を狙う際は、こちら側が若干不利(具体的には-1~-4フレーム程度が目安)な状況で仕掛けるのがおすすめ。近距離で左アッパーがガードされた場合や、当てても不利になってしまう下段のあと、そして中~遠距離でガードされても反撃を受けないけん制技をガードさせたあとの横移動は相手の攻撃に噛み合いやすくなっています。横移動はある程度先行入力が効くので、技をガードさせたあとすぐに出したい場合は、少し早めに入力すれば最速のタイミングで発動してくれます。こうした状況では、直線的かつ出のそこそこ早い技が打たれるケースが多いので、それらをかわしたら素早くスカ確を叩きこみましょう。横移動した時点で満足していると、次の攻撃をくらってしまうので要注意。横移動は攻撃でキャンセル可能なので、回避に成功したら反撃技を狙いにいきましょう。
Q5:起き上がれないまま負けてしまいます……
ダウンを奪われて、起き上がりに二択を仕掛けられてさらに大ダメージを受けてしまうというのは『鉄拳』初心者にありがちな負けパターンです。
これはダウンした際にボタン入力を行ってしまい、なんらかの「受け身」が発動してしまっていることが原因となっている場合がほとんど。「起き攻め」を回避したい場合は、受け身を取らない「寝っぱなし」を選択することをおすすめします。
「寝っぱなし」は打点の低い攻撃をダウン追い打ちとしてくらってしまいますが、寝たままくらえば手痛い攻撃が入りにくくなっています。
つまり、「寝っぱなし」に1発ダウン追い打ちをもらってから各種起き上がり行動をとるという流れが、比較的ローリスクな起き上がり方法となのです。これに加えて、相手のとの距離が離れやすい「後方受け身」(ダウンする寸前に4)、「後方起き上がり」(ダウンしたあとに4)を組み合わせて守れば、容易に起き攻めにはもちこまれないはず。
Q6:起き攻めってどうやるの?
先述した「寝っぱなし」をとられると起き攻めが成立しにくいため、起き攻めを仕掛けるには「寝っぱなし」を選択させないようにする必要があります。まずは相手をこかしたら「ダウンに当たる技」を繰り出すことから始めましょう。このダウン追い打ちを嫌がって他の起き上がり方法をしてくるようになったらようやく起き攻めの出番です。中段や下段などで相手のガードを崩していきましょう。
寝っぱなしを封じたとしても、起き攻めを仕掛ける際には「起き上がり蹴り」にも注意。これをくらってしまっては起き攻めが成立しないので、起き蹴りを「空振りさせて反撃する」という戦術を仕掛けるのも起き攻めのひとつ。起き上がり蹴りには中段と下段が存在します。今作は過去作と異なり起き上がり下段攻撃がカウンターしてもコンボにいけなくなったので、積極的にダウン追い打ちを狙っていって良いでしょう。起き上がり蹴りが潰せないぐらいのフレーム状況の場合は先に書いたように起き上がり蹴りを誘ってかわしてから反撃を狙うのもおすすめ。起き上がり中段蹴りは右横移動やバックダッシュでの回避に弱く、起き上がり下段蹴りは捌くことでリターン勝ちを狙えます。
Q7:「左アッパーが強い」とよく聞きますが、どう使えば良いのでしょうか
一部キャラクターがもつ左アッパーは、出が早く隙の少ない中段攻撃として重宝します。上段攻撃はしゃがみやしゃがみステータス技に弱く、しゃがみパンチはジャンプステータスやさばきに負けてしまいますが、左アッパーであればこれらの選択肢をつぶしやすいのです。守りにしゃがみやさばきを織り交ぜてくる相手には、左アッパーを見せていくといいでしょう。ガードが堅い相手にこそ、こうした細かい技を混ぜて、体力を奪っていく必要があります。
また、派生のある左アッパーは、相手に当たりそうな状況であれば派生攻撃を繰り出すのもおすすめ。例えば、麗奈の左アッパーは、相手が動いてそうならRP派生へ、様子見されているようなら左アッパーで止めるという使い方が可能です。(ヒットを確認するのではなく、状況確認で2段目を打ちます)
Q8:後ろに素早く下がるテクニックがあるって本当?
鉄拳オタクの間で「山ステ」、「野ステ」と呼ばれる後退テクニックが存在します。
これらのテクニックを詳しく知る前に、鉄拳のバックダッシュの性質を知っておきましょう。
鉄拳のバックダッシュの特徴
1.バックダッシュ中の硬直は一部の例外を除いてなんでもキャンセルが可能
2.一部の例外にはバックダッシュが含まれる。
つまり、バックダッシュ→バックダッシュはキャンセルで繰り出せないものの、バックダッシュ→なにか行動を挟む→バックダッシュとキャンセルしていくことは可能となっています。この仕組みを活かしたものが「山ステ」と「野ステ」で、「山ステ」はバックダッシュをしゃがみで、「野ステ」はバックダッシュを横移動でキャンセルし、そのあとすぐにバックダッシュに移るというテクニックです。
山ステは難度が高めですが、「野ステ」はそれほど難度が高くないので早めに習得するのがおすすめ。入力はバックダッシュ→横移動→(キャンセル)バックダッシュと行います。距離を離すのが目的なので、バックダッシュを横移動でキャンセルするタイミングは遅めにし、バックダッシュの距離を稼いでから行うようにしましょう。
「山ステ」については、今後の記事で詳しく紹介する予定です。『鉄拳8』ではバックダッシュの下がりがマイルドになったことで、過去作ほど山ステが有効ではなさそうですが、「鉄拳力」を見せられるポイントでもあります。
わかった気になれば十分
今回の記事にある要素はどれも、すぐにできるものばかりではありません。「そういう感じなのね」と読み飛ばしていただければ、いつか役に立ったり、しっくりくる瞬間があるはず。(ここに紹介したセオリーから外れる例外もあるので、「言ってること違うじゃねーか」みたいなシーンが出てきたらごめんなさい。世の中には強すぎる技もあるのです……)。
本作では、ここで紹介したセオリーを練習させてくれるトレーニングモードやリプレイ機能があるので、うまく活用して楽しく上達していきましょう!
goziline
様々なジャンルのゲームを大人気なく遊びます。
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