ゴジラインのほうで、ノーギャラで何か書きたい人はいねがーと極めて雑な募集をしてみたら、いろいろな方からコンタクトをいただきました。恐ろしい世の中です。
今回は、その第一弾として、西の『エアガイツ』仮面ことR-0109さんから寄稿された、『ブラッディロア3』の記事をお届けします。
大阪南森町コーハツを根城とし、『エアガイツ』の布教活動に努めていた”エアガイツ仮面”の一人。家庭用ゲーム対戦会イベント「うぇぼ」の主催なども行っている。「とにかく面白いことはやってみる」が信条で、ゲームは興味が湧いたら即遊ぶことにしている。最近は『メタルマックス2』のRTAで二時間半を切るのが目標。
みなさん初めまして、西の『エアガイツ』仮面こと、R-0109です。今回は僕が大好きなアーケードゲームについて筆を執らせていただきました。紹介させていただくのは『ブラッディロア3』。知る人ぞ知る、熱い格闘ゲームです。
「ブラッディロア」は1997年の7月7日に第1作となる『ブラッディロア』がゲームセンターで稼働。翌年の1998年9月10日に二作目が稼働開始、そして2000年12月13日に今回ご紹介する三作目が稼働、家庭用は2001年3月1日、プレイステーション2にて発売されました。現状はこれが唯一の家庭用となります。その他にも家庭用限定の「extreme」「4」などが存在します。
この記事を読んだことがある人には、「名前は聞いたことはある」という人も多いのでは。ひょっとしたら「昔、ジャンプで漫画やってたよね」とか「小倉優子がCMしてたやつでしょ?」と言う人もいるかもしれません。中には「デバッグモードにはお世話になりました……」というマニアックな方もいらっしゃるでしょうか(笑)
こうした本作のカルトな魅力はともかくとして、格闘ゲームとしてどんな駆け引きが発生するゲームなのか、「獣に変身して闘う3D格闘ゲーム」以上の情報を持っていらっしゃる方は少ないように感じます。今回は私がなぜ「ブラッディロア3」にハマったのかを交えつつ、解説させていただきます。
まず、このゲームのボタン配置ですが、下記のとおりになっています。
ガード、パンチ、キック。ここまでは他の格闘ゲームでもよく見られる要素です。でも、”ビースト”って、この作品以外ではまず聞かないボタンだと思います。先述しましたとおり、このゲームの登場人物は「獣人に変身」、ゲームシステム名で言うと「獣化」します。その獣化を制御するのが、このB(ビースト)ボタンなんですね。
細かいテクニックはともかくとして、「獣化して相手をぶっ飛ばす」のが、この作品でしか味わえない爽快な要素になっています。獣化を制する者は試合を制すると言っていいほど、この作品の獣化は強力なのです。
獣化時の主なメリット
・攻撃力が上がる
・防御力が上がる
・攻撃できるボタンが増える(=技が増える)
・体力が自動回復する(回復可能部分のみ)
・ビーストドライブ、エアキャンセル、三角飛びが可能になる
このように、非常にわかりやすくパワーアップするので、獣化しないメリットはほとんどありません。特に獣化中にBボタンで出せるビースト攻撃には、非常に強力な技が揃っているので、これらの技を振り回しているだけで相手にプレッシャーをかけられます。
そして、獣化中は浮かせ技の硬直をジャンプでキャンセルする「エアキャンセル」が可能になるため、空中コンボでダメージを伸ばすことができます。空中コンボはダメージが極めて高いため、獣化することで一気に勝負をかけられるのです。(本作の空中コンボは、「正しいポイント」で受け身(P+K)をとれば、追撃を回避することができるのですが攻め側はそれに対する逆択も用意できます。)
「獣化状態」の暴力的なまでの火力差でサクッと勝つという流れは爽快感に溢れています。しかし、逆もまた然り、自分が人間で相手が獣人なら、今度はサクっと勝たれてしまうわけです。
いかに長く獣人でいるか、いかに短く人間でいるか、そしていつ獣化するか。この1ラウンドだけでなく、試合全体の運び方を頭に入れた上での攻防戦というのが本作の肝になります。実際、サクッと三タテするときもあれば、ワンミスから三タテされ返される時もあります。つまり、本作は緊迫感と爽快感を併せ持つ格闘ゲームとして極めて完成度が高いのです。
本作の魅力について簡単に説明させていただいたので、ここからは「今夜役立つ」攻略をお届けします。格闘ゲーム経験者であれば、以下に紹介する獣化ゲージの仕組みさえ抑えれば、すぐに対戦を楽しむことができるはずです。
人間状態は上記のように獣化ゲージが変化していきます。試合開始時は獣化ゲージが1本溜まった状態で試合が始まるので、開始からいきなり獣化、なんてことも可能です。獣化ゲージの横にボタンが出ているのは、獣化可能のサインとなっています。
獣化ゲージが溜まる条件
・時間経過
・攻撃をする
・攻撃を受ける
・ギリギリエスケープ(後述)をする
・Bボタンを押して空獣化をする ※獣化ゲージ一本未満の時のみ
その他、一部のキャラクターは獣化ゲージを貯める専用の技を持っていたりします。先述の通り、獣化状態にはたくさんのメリットがあります。なのでさっさと獣化!というのも正解なのですが、中級者以上になってくると、温存という駆け引きも発生します。なぜなら獣化ゲージの残量が多ければ、獣化状態でいられる時間が長くなるからです。
さて、ゲージがたまったところでいよいよ獣化するわけですが、獣化する方法は複数用意されています。
・行動可能なときにBボタンを押す
立ち状態、しゃがみ状態、ジャンプ中を問わず、行動可能であれば通常獣化が可能です。この通常獣化には、1F目から無敵が存在
し、中段判定の衝撃波が発生するといった強みがあります。長い無敵が存在するため、切り返しに向いていますが、行動不能の時間が長いという弱点もあります。確定反撃こそは受けづらいものの、読まれると多少のリスクが生じてしまいます。
・Bボタンを使う連係技を出す
本作には3Dゲームでもよく見られる、P・P・Kといった連係技があります。こうした連係技の発展系として、P・P・K・Bという流れで技を繰り出すと、通常獣化モーション経由せず、スムーズに獣化することが出来ます。奇襲、あるいは攻め継続に用いられるテクニックなので、手に馴染ませておきましょう。
・Bボタンを使うコマンド技を出す
後述しますが、ブラッディロアには236や214といったコマンド技も存在します。人間時にBボタンを使ったコマンド技に入力すれば、技を出しながら獣化することが出来ます。こちらも通常の獣化よりもスムーズな移行が可能なため、奇襲や連係のパーツとして重宝します。
まずは、この3つのパターンの獣化を覚えて、強化された状態で強い技を振り回し、本作の爽快感に触れてみてください。次回は、本作の基本戦術と、もう少し深い獣化の駆け引きについてご紹介します!
今回の記事を執筆するにあたり、『ブラッディロア3』勢の凸Qさんに多大なご協力を頂きました。遊ぶ環境が少なくなっている本作ですが、プレイステーション2版はアーケード版と比べても遜色のない出来栄えとなっています。
また、アーケード版を対戦したいという方は、”大阪南森町コーハツ”さんで第2,第4、第5金曜日に本作が稼働し、対戦会も開かれています。『ブラッディロア3』勢によるフリープレイが開催されることも多いので、興味の有る方は是非一度足を運んでみてください。
goziline
様々なジャンルのゲームを大人気なく遊びます。
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