【情熱】ファンメイドホロライブ格ゲー『Idol Showdown』の開発陣にインタビューしてみた

すいせいのように現れたホロライブタレントが集う2D格闘ゲーム『Idol Showdown』が、格闘ゲーマーたちの手と心にぶっ刺さった。
二次創作タイトルということで無償で頒布されたにも関わらず、最新の商業作品にも負けないような操作する楽しさがそこにはあったのだ。そのうえ、充実したトレーニングモードや、優れたオンライン対戦機能も備わっており、ガイドライン上の事情とはいえ無償で遊べてしまうのだから驚きだ。
多くのユーザーたちは、不具合すらも楽しみ、日々さまざまな戦術やコンボがSNS上に発信されたのも印象的な出来事だった。

△ホロライブを題材にした二次創作格闘ゲーム・『Idol Showdown』。Steamにて無償配布中の本作は、格闘ゲーマーも唸るクオリティ。オンライン対戦にも対応し、充実したトレーニングモードも備えている。

そして配信以降、細かく迅速にアップデートが続けられていたのも見逃せないポイントだろう。
不具合への対応だけに止まらず、バトルバランスを取るための調整なども積極的に実施された。ユーザーからは、「対応が早すぎる」、「いつ寝ているんだ」、「頼むから休んでくれ」などの暖かい言葉が飛び出るほど、どんどんゲームが変化していったのも記憶に新しい。中には、ゲームバランスを重視するあまりか、早急に見える変更もあったが、最近では安定したアップデートを提供し、着実により面白い作品へと変わっていっている。
その開発の熱意にこたえるように、格闘ゲーマーやホロライブファンからの支持も高まり、ついにはEVOでサイドトーナメントが行われるまでになった。

このやる気溢れる作品の発想の源泉とはなんなのか。
この作品は何を目指しているのか。
『Idol Showdown』の開発陣に尋ねてみた。

interviewee
ディレクター(兼プランナー兼グラフィッカー兼プログラマー):Selrev氏
リードコンバットデザイナー(メインバトルプランナー):Wizardlyshoe4氏
※本インタビューは英語をもとに翻訳したものとなります。

『Idol Showdown』
開発インタビュー

――Idol Showdownの開発がスタートしたきっかけについて教えてください。中心となった人物、集まってきた仲間たちのエピソードなどを聞かせていただけると嬉しいです。制作チームは、最終的に何人くらいになりましたか?

A:3年ほど前に私たちのチームの創設者が、友人とホロライブの格闘ゲームを作るという”賭け”に出たんです。そして、Redditに行って世界中から見知らぬ人々を募集し、一つのゲームを作り上げる試みを始めました。開発チームのメンバーの多くは、互いに知り合いというわけではありませんでしたが、ホロライブへの共通の愛情がわたしたちを結び付け、物事をうまく進める糧になりました。このプロジェクトを通じて、私たちの多くは現実の世界でも友人になったんです。人々が世界を飛び越えて互いを訪ねることさえありましたね。

――制作チームは、最終的に何人くらいになりましたか?

A:ファンが集ってつくった作品ということもあり、プロジェクトはボランティア的な仕事に基づいています。なので、具体的な人数をカウントするのは難しいですね。継続して制作に関わっている開発者もいれば、スポットで力を貸してくれた人もいます。すべての協力に、大いに感謝しています。

――配信開始後の反響についてお聞かせください。世界、そして日本のユーザーの反応はいかがでしたか?

A:世界、そして日本でも、期待をはるかに超える反響がありました。もともとこのゲームが刺さる人というのは、ホロライブと格闘ゲームのどちらにも興味がある人と考えていたんです。
しかし配信を開始してみると、ホロライブファン、格闘ゲームファン、両方のコミュニティに届いていることがわかりました。ホロライブファンの方が、私たちのゲームではじめて格闘ゲームに触れたという報告もたくさんみました。また、格闘ゲームファンが、本作をきっかけにホロライブに興味を持ってくれたケースもあります。
実際のホロライブのタレントを、格闘ゲームのスラングで中傷しないように、格闘ゲームにおける「強力でチープ」な動きを「かわいい」と表現してくれていると聞いたのも驚くべきことですね。『Idol Showdown』が徐々にVTuberコミュニティと格闘ゲームコミュニティの間の橋渡しとなっているのを見るのはとても嬉しいことです。彼らの交流を見るのが大好きなんです。二つの異なる世界が衝突して、何が生まれるのかを楽しみに見ていますよ。

――登場するタレントはどのように決めていったのでしょうか。

A:これはとてもとても難しい決定でした。ほんとうに何ヶ月もかけて決めていったんです。もちろん、誰もが自分の「推し」を入れたがっていました。しかし、格闘ゲームのキャラクターを作るのにどれだけ時間がかかるかを考えると、望むもののほんの一部しか作ることができないとわかりました。私たちは、多くのキャラクターの提案とコンセプトを同時に持ち寄って、それらを評価しようと各々の意見を闘わせました。ゲームプレイ、アーキタイプ、何期生か、視覚的にバラエティに富むか、さらにはカラーリングの計画まで、数え切れないほどの要素について議論しました。

――遊んでみて驚いたのは、本作のキャラクターの動きが、今風の格闘ゲームとしてきわめて高いクオリティで作られていたことです。コンボの見た目も美しいですし、セットプレーもキャラごとにコンセプトが違っており、トレーニングモードも楽しく遊べました。こうした、キャラクターの動きや性能は、どのように決めていったのでしょう。

A:チームには、多くの格闘ゲームのプレイ経験があるメンバーがおり、設計に関わっています。作るときに重視したのは、それぞれのタレントがユニークなプレイスタイルを持てるように努めることです。これには格闘ゲームでいう「キャラクターコンセプト(立ち回りキャラ、投げキャラ、弾キャラ、など)」はもちろん、それに加えてコンボ構成、起き攻めやセットプレイ、その他すべての側面も含まれます。どのタレントを操作しても、個性的であると感じることがとても重要だと考えました。

△各タレントの動きは実に個性的で、コンボや戦術の見た目も華やか。

――開発陣の方々が影響を受けている作品はあるのでしょうか。

A:私たちが好きなゲームは……、『グランブルーファンタジーVS』、『ギルティギアXXアクセントコア+R』、『ブレイブルーセントラルフィクション』、『ストリートファイター』シリーズ、『UNDER NIGHT IN-BIRTH Exe:Late[cl-r]』、『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』、『MELTY BLOOD Actress Again Current Code』、『マーベルvsカプコン』シリーズ、『アクアパッツァ』、『恋姫†演武』などたくさんの作品があります。私たちはこうした作品をプレイした経験からも、インスピレーションを引き出し、プレイヤーにユニークなものを提供するように努めました。

――オンライン、トレーニングモードもクオリティ面でユーザーを驚かせました。こうした要素を突き詰めた理由などありましたらお聞かせください。

A:オンラインとシングルプレイヤーのゲームのユーザーエクスペリエンスは、私たちにとって最も重要なものでした。私たちは格闘ゲームが大好きなので、初めて格闘ゲームを遊ぶという人にも、良い印象を持ってもらいたいと考えていたんです。

――:Evoで本作のトーナメントが行われます。このトーナメントが行われることになった経緯についてお聞かせください。EVOで、新たな発表が見られる可能性はあるのでしょうか?
A:ファンの一人が、「BYOC」エリアのイベントでトーナメントを開催するための申請を提出してくれました。数週間前に彼らと連絡を取り、そこから事を進めてきました。発表については、お楽しみに!

――今後のアップデート計画などはありますか?
A:私たちのトレーラーでは、3つの追加キャラクターが予定されています!誰が来るのか、皆さんの予想を楽しみにしています!

――本作は無料配信されましたが、同じチームで何かを作り、販売する予定などはありますか?非常に面白いゲームだったので、「次は何?」と期待しているユーザーも多いようです。
A:これは非常に深い質問ですね。私たちはまだ自身でも次にやることに確信が持てていないんです。ただ、このゲームの制作過程で、非常に才能のある、創造的な人々にたくさん出会いましたし、私たちはこれからもしばらくの間、ゲームを作り続けることは確かでしょうね。現時点では、私たちの唯一の目標は『アイドルショーダウン』を続けてサポートし、私たちが約束したものを提供することです。

――全てのユーザーにメッセージをお願いします。

A:本作を楽しんでいただき、ありがとうございます。フィードバックを続けていただけると嬉しいです。そして、今後のアップデートを楽しみにしていてください。私たちはゲームをさらによくするアップデートを提供するために、一生懸命制作を続けています。

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