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過去の発言・eスポーツ論、そして今後の目標とは!? プロゲーマー・キャメイ選手インタビュー

   

西のダークヒーローがプロ化宣言

おもに関西、沖縄で活動しており、西の巨大ゲームイベント「KSBシリーズ」を主催しているキャメイ選手(@hir0yuk1)。彼が2018年7月21日に突如プロ化宣言、記者会見を行った。

ふだんの彼はいい意味でも悪い意味でも遠慮がなく、言葉の刃が鋭いタイプのプレイヤーとして名を馳せている。また、裏の顔(?)としてイベントオーガナイザーとして数多くのゲームイベントを主催し、協力してくれる仲間が多いのもまた事実。

格闘ゲーム業界でも屈指の行動力にあふれる彼が今何を考え、そしてプロ化に至ったか。ゴジラインが突撃インタビューを敢行。彼のeスポーツ論、プロ論、そして“品格・煽り”も含めて、なかなか興味深い話が聞けたので、ゲームを生業としたいゲーマー、そしてプロシーンに興味があるひと全員に読んでいただきたい。

(聞き手:ケンちゃん)

▲プロ化宣言したキャメイ選手のツイート。記者会見までやって何が起こったんだ!?

プロ活動は今後の布石!? プロの気持ちを知ってみたかった

ゴジライン インタビューの突然の依頼を受けていただいてありがとうございます。僕がキャメイを知ってから10年近くになるんですが、正直プロになるとは思っていませんでしたし、ふだんの言動からみてもクリーンなイメージからは遠い人物だとは思っていたんですが。

まず、プロになった理由についてお聞かせいただけますでしょうか。

キャメイ ぼくはかっこよく言ってしまうとダークヒーロー側ですからね(笑)。

じつは以前からさまざまな会社、団体の方々からお声がけいただいていたのですが、僕自信も自由に立ち回りたい意思があり、お断りしていました。ですが今回、僕が自由に動くことを許可していただき、ぼくをスポンサードすることによって逆にメリットを与えられる部分も見えていたので、今回お受けした形になります。

自分がなにか物事を動かしたいときに支えていただける、力になっていただけるというのも大きかったです。

ゴジライン 今までもわりと「KSBシリーズ」のイベントもはじめ、自由に動いてた気はするのですが(笑)。プロ化することのメリットってどのあたりなのでしょうか。

キャメイ やはり対会社間のやりとりなど、個人では限界があるケースが多いんです。そこをプロ化することで交渉、営業がしやすくなるというか。そういう側面は大きいです。また、今後格闘ゲームをはじめ、eスポーツに関わっている以上、一度プロの立場に立ってみるというのも大事だと考えました。

だって、プロにもなったことないのに勝たなければいけないプロの気持ちはわからないですし、周りのスタッフたちがどのようにサポートしてくれるかも実感できないですし、今後の自分の勉強のためにも、今回はプロという立場になることを選んでみました。

ゴジライン あくまでもイベントオーガナイザー、裏方の思考というか、自分と業界の将来を見据えてという形なんですね。

キャメイ いきなりこう発言するのも問題になりそうなんですが、長期的にプロを続けていくということはあまり考えていなくて。短期間でプロの思考や業界での動き方を学んで、その後に生かしたいという気持ちは大きいですね。

もちろんスポンサードしていただいている企業・団体の方々にも納得いただいています。

▲「KSB2018」ホームページ。この巨大イベントをまとめあげている。

沖縄にいることで仲間たちに与えてしまった影響

ゴジライン ここ数年は沖縄を中心に活動しているように見えますが、依然として「KSBシリーズ」など関西を主軸としたゲームイベントも主催しています。結構、関西・沖縄間を行き来しているのでしょうか。

キャメイ こんなことを言うと仲間たちに失礼なのかもしれないのですが、沖縄を主戦場にしている以上、やはりWeb会議など遠距離での打ち合わせが多くなってしまって、昔ほどは関われておらずメンバーに迷惑をかけているのも事実でして。watamo(@watamo0306)さんやCYCLOPS athlete gamingのIKKI(@queensaki)たちがメインで動いて頂いてるので成り立っているという部分もあります。

正直、半年ぐらい悩んでいて「KSB」は今年で最後ということも考えたのですが、彼らが続けてくれると言ってくれて。そのうえ、「キャメイさんも参加してほしい」とも言われていて。そんな中で僕がプロ化することにより、細かい業務だけでなく、「KSB」にとって営業面や対会社面を含めて大きく貢献できるのではないか、と。

ゴジライン そこもプロ化の大きな要因だったんですね。キャメイ選手ぐらいの知名度、イベント実績、行動力があれば、引く手あまただとは思うんですけれども。

キャメイ プロ化を控えていた理由はもうひとつだけあって、本気で西成の某スーパーのスポンサードを狙っていて、実際に打ち合わせまでしていました。ですが、あまりうまく行かず……。

ゴジライン あれ、本気だったんですね(笑)。

Photo: Robert Paul

キャメイ ぼく自身の人生感、目標の話にもあるんですが、「30歳までには好き勝手楽しいことをやろう」っていうのを掲げていて。11月でその30歳を迎えるのでやりきってやろうと。

プロとしてゲームを勝ちにいく……のはもちろんとして、県内ではスポンサーの方々といっしょにイベントを運営し、今後の活動の幅を広げるきっかけにもしたい、と。。それが、きっと「KSBシリーズ」のためにもなると考えています。

ゴジライン 今後のeスポーツのため……ってことですかね?

キャメイ ぼくがそれ言ったら胡散臭いでしょう(笑)。

◆キャメイのゲームイベント体験談

ゴジライン ゲームイベントを主催していて嬉しかったこと・つらかったことってなんでしたか?

キャメイ 表には出さないんですが、僕は意外とメンタルが弱くて。そして無計画にぶっ放しで行動してしまうことも昔は多くて、それで仲間に迷惑をかけてたときは折れましたね。そこで計画の大事さなど学びました。

ゴジライン くじけない心。行動して勉強するのがキャメイ選手のすごいところですね。逆に嬉しかったことはなんでしょう?

キャメイ イベントを終えて、いろいろな方に「お疲れ様、ありがとう。」って言っていただけた瞬間です。やっぱりイベントの運営は大変で、半年かけた結果がそこに現れるので。

ぼく以外にもたくさんゲームイベントやオフ会を開催している方がいます。そういった方たちには、イベントが終わった後に「運営さんありがとう」と少しでも思ってもらえるとうれしいですね。やっぱりSNSでそういうところを見ると次回開催の励みにもなるので。

ゲームって、おとなになったぼくたちの新たな青春

ゴジライン キャメイ選手のことは20ぐらいの頃から知っているんですが、もう30になるんですね。闘劇のパンフレットでインタビューしたことがなつかしく思います。あの頃からエンターテイメント性あふれる発言が多くて、つくり手側としても助けられた記憶があります。

そういえば、格闘ゲームっていままでどんな作品をプレイしていたのですか?

キャメイ スタートは『キングオブファイターズ』シリーズで、確か15歳のころでした。ギースと柴舟が強かったのでたぶん『KOFネオウェイブ』ですね。そこからゲームセンターでガチャガチャしはじめました。

ゴジライン 『キングオブファイターズ』がきっかけだったんですね。てっきり『メルティブラッド』シリーズだと思ってました。基本的に同作品をプレイしていたひとからは悪評の噂を聞くほうが多かったですけど(笑)

キャメイ 当時15歳のクソガキですよ、正直やんちゃでした。めっちゃ煽りまくってましたね。でも、その時期に格闘ゲームというか、ゲームセンターの楽しさも知りました。

ゲームにコイン入れてガチャガチャやって、そして話しかけたら仲間ができてコミュニティが生まれて……。そんな文化に若い頃からハマってしまいました。

ゴジライン ぼくら世代のゲーマーは全部その流れを体験していますよね。だからいつまでも抜け出せないし、大人になりきれない(笑)。そして、『アルカナハート』シリーズを経て、闘劇にも出場していましたね。

格闘ゲームにおける、現状の最高の実績ってどれなのでしょうか。

▲今となっては伝説の格闘ゲームイベントとなってしまった「闘劇」。2003年から2012年まで10年間続いた格闘ゲームの祭典。

キャメイ 僕がいまだに誇りにしているのが『アクアパッツァ』で手にした闘劇ベスト8。それ以外だと、初めて遠征した米国・フロリダの「NEC」でしょうか。『アルティメット マーヴルvsカプコン3』、『電撃ファイティングクライマックス』、『アルカナハート』の3タイトルに出て2タイトルを制覇しました。

初めてだったので海外勢からはノーマークだったのですが、優勝したことでTeam St1ckBug(TSB)とも知り合って。それが「KSBシリーズ」開催のきっかけになった記憶があります。

ゴジライン そんなきっかけだったんですね。

キャメイ 闘劇が2012年に終了して……すごくがっかりしたんですよね。やっぱり闘劇って名誉をかけての格闘ゲーム全国大会って趣旨はありつつも、やっぱり同窓会的側面もあって。それをなくしたくない強い気持ちで「KVO」から「KSBシリーズ」を立ち上げ、運営しています。

これはいろんなひとに言っているのですが、「ゲームって、大人になった僕たちの第二の青春」なんですよ。

ゴジライン それはなんとなくわかります。

キャメイ 社会人になると友だちを作るってすごく大変だと思うんです。クラブに行ったり、オフ会に行ったりと一歩勇気を持って踏み出す必要があったりして。やっぱりゲームイベント、ゲームセンターはやっぱりそれが楽なんです。

まず大前提としてみんなそれが好きで来ているし、対戦してすぐに話しかければ仲良くなれるし。

ゴジライン それでいて全国大会的な目標があると、ともに切磋琢磨できる的な。

キャメイ もちろん対戦なのでいろいろな感情が渦巻いたりしますが、それでも“友だちをつくるツール”としてすごいというか。一緒の格闘ゲームをプレイして、一緒の目標を持って、一緒の時期を過ごした仲間って、一生付き合える気がするんですよね。

▲ゲームという同好の士が集まるイベント。そのゲーム自体が面白いのももちろんだが、コミュニティで新しい友だちを作るのも楽しい。

「過去の発言は消せない、向き合います。」

ゴジライン すごく納得できるんですけど、反面、キャメイ選手といえばやっぱり発言に切れ味があるというか……。その部分ってプロになった今も、変わらずそのスタイルを貫き続けるのでしょうか(笑)。

キャメイ これからはクリーンなキャメイになります。

ゴジライン ちょっとまって(笑)。

キャメイ 昔、『アルカナハート』の某プレイヤーに「ゴ○ブリみたいな動き!」って言ったことがあったんですが、先日のプロ化宣言の際にそれが大きく取り上げられたりしてしまって……。5、6年前の発言なんですが。

それ以外の発言もめっちゃ魚拓(スクリーンショット)取られてたりして、過去は消せないということは自覚しました。それに向き合いながら活動していかなくてはいけませんね。

▲記者会見に挑むキャメイ選手。この時点から過去の自分の発言と向き合うことに。

ゴジライン やはりスポンサードされている会社の顔もありますからね。そんな一方で、おとなしいキャメイ選手は見たくない気もしますけど……。

キャメイ もうやってしまったことはしょうがないので反省するのみなのですが、逆にプロのゲームプレイヤーを目指すひとは反面教師にしてほしいとも思っています。

今って完全なる“インターネット社会”で、“ネットリテラシー”を守ってないとすぐに揚げ足を取られて瞬殺されるんですよね。

ゴジライン ぼくもそこはすごく気をつけています。

キャメイ 今後プロになりたいひと、ゲームで名を馳せたいひとは今のうちから慎重に行動してほしいですね。きっちりゲームみたいにリスクカットしてください。

僕自身はプロとして今までの発言に向き合い、そして治すように努力していきます。

どぐら、GO1、KOG、Kuboは覚悟しろ!

ゴジライン 過去に向き合うのも必要ですが、やっぱりいちばん大事なのは今後の目標と活動です。まず、プロとして今後どのような活動をしていくのでしょうか。

キャメイ プロなので結果を求められると思うので、まずは今年8月に開催される「Evo2018」での優勝を目指します。種目は『ブレイブルークロスタッグ』です。

ゴジライン 『ブレイブルークロスタッグ』! いま、格闘ゲームプレイヤーの中ではかなり評価が高く、Evo2018の参加者も1000人を有に超えていますね。

キャメイ かなり面白いタイトルなのでめちゃくちゃやりこんでいます。なぜこのゲームなのかというと面白いのももちろんなのですが、もうひとつ理由もあって。

さきほど、「今後は言動を治す努力をする」と発言した矢先でもあるのですが、ぼくは今“煽っていい相手”は照準を絞ってるんです。

ゴジライン そのあたりは変わらないんですね(笑)。ところでその相手は誰ですか?

キャメイ CYCLOPS athlete gamingのCYCLOPS|どぐら選手(@maneater_dgr)CAG/GO1選手(@go13151)。そして、小路KOG選手(@kkkog)Kubo選手(@kubo0055)の4人です。彼らは僕よりずっと実績があるのですが、「Evo」シリーズではのメインタイトルでは優勝していなくて。

ここでぼくが優勝したら、彼らが結果を出すまでマウントを取り続けられるんです(笑)。これって美味しくないですか?

ゴジライン らしいですね(笑)。

キャメイ やっぱりそんな“俗っぽい野望”も大事だと思っていて。なのでしっかりと勝ちにいきますよ!

▲先日、よしもとゲーミングプロ選抜大会を優勝したKubo選手をはじめ、『BBTAG』を照準においている選手は多い。あのPUNK選手もプレイしているとか。(あーくなま運営Twitterアカウントより)

ゲームはやっぱり楽しんでプレイしないと

ゴジライン 長時間のインタビューありがとうございました。最後にキャメイ選手を応援しているひとたち、この記事を読んでいるひとたちにメッセージをお願いします。

キャメイ ぼくがプロだとか、eスポーツのためだとかいうと胡散臭くなるのですが、やっぱりゲーマーなのでゲームプレイを楽しんで活動の幅を広げていければと思っています。もちろん今後もイベントの企画・運営などにも携わっていきますし、プレイヤーとしてもトップを目指すので応援よろしくおねがいします。

ゴジライン おお、真面目なプロゲーマーらしい発言!

キャメイ やっぱり“ゲームは楽しむもの”というポリシーはぶれてはいけない部分だと思いますし。そうじゃなきゃゲームじゃないんですよ。そして今後も僕が正しいと思うこと、楽しいと思うことにどんどん首を突っ込んでいきます。

僕がやりたいことをやってスポンサーの方々が喜ぶ、プレイヤーの方々が喜ぶのが最高じゃないですか。

そしてビジネスになりつつあるeスポーツを内部で体験して、いまのYoutuberのようにプロゲーマーが子どもたちの夢のひとつになるように盛り上げていきたいという気持ちもあります。ぼく自身、ゲームに救われた部分もたくさんあるので、それを知ってほしいんです。

やっぱり僕がこんなこというのは胡散臭いですかね(笑)。

ゴジライン いやいや、ぼく自身はすごく応援したくなりましたよ。まずは「Evo2018」の『ブレイブルークロスタッグ』部門、がんばってください。

キャメイ ありがとうございます。

Photo: Robert Paul(※KSB2017ホームページより)

今後のキャメイ選手の活動に注目してほしい

今回インタビューしたぼくがキャメイ選手を知ったのが『アルカナハート2』。当時から強豪プレイヤーとして名を馳せていた彼をなんとか闘劇予選で倒そうと努力していた記憶が話しているうちに蘇ってきました。

その頃から歳上のぼくには礼儀正しく接していくれていた反面、プレイヤーを切れ味鋭く煽っている面も見かけていました。そんな彼は、当時からいい意味でも悪い意味でも話題の中心になっていた部分もあり、闘劇パンフレットの『アルカナハート』部門のメインインタビューを依頼したこともあります。それはプレイヤーとして参加者全員を煽ってくれそうな期待感もあったから。

その後「KSBシリーズ」の主催など様々な出来事を経験して、楽しいこともつらいこともいろいろなことがあったとは思いますが、10年経って話してみてもやっぱり彼は彼だな、とも感じています。

もちろん、今後はその一挙一動が皆に見られ、模範として行動しなければならない部分も多くあるでしょうが、彼のすさまじい行動力という部分はブレさせずにプロとして格闘ゲームシーン、ゲーム競技全体の盛り上げに期待したいとまとめて、今回のインタビュー記事を締めたいと思います。

「キャメイ、がんばってね!」

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ケンちゃん

ケンちゃん

twitter ID:@ilpkenchan
二台のスマートフォンを駆使し、さまざまなスマホゲームをプレイする。
人呼んで”スマホのケンちゃん”。
メンバーからは白猫のケンとも呼ばれている。
大の格闘ゲーム好きでもあり、対戦格闘とつけば何でも買う。
『KOF MAXIMUM IMPACT 2』世界チャンプという強烈な実績を持つ。

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