【SAOHR】浅葉のプレイ日記.05、Himechan

ストーリーの1章にあたる部分をクリアーすると、オンラインモードが解禁された。1章とはいっても、ゲーム開始から10時間ほどかかっている。フィールドをこまめに調べたり、ヒロインたちと戯れていたわけではないけれど、凄まじいボリュームだ。

早速おれは、同時期にこのゲームを始めた、徳島の友人・HAME(ハメ)を誘ってオンラインの海へと飛び出すことにした。この品位も知性も感じられないハンドルネームのHAMEという男は、『ファイナルファンタジー11』の廃人で、『ファイナルファンタジー14』も1日20時間くらい遊んでいたが、最近は「人集めに疲れた」と家庭用ゲームの世界に戻ってきた。
趣味はトロフィーコンプリートというとんでもない男で、”クソゲーのトロフィーでも、はじめたからにはコンプリートする”というなんの役にも立たないスキルを持っている。

△

△片手剣を使い続けて、スキルも増えました。このゲームは”バフ”(キャラクター強化)の重ねがけがとにかく強いゲームなので、最終的にはすべての武器を使い込む必要があります。

HAMEと1時間程度遊んでわかったことがある。オンラインモードは、最大4人まで参加可能な部屋で遊ぶのだが、行けるマップは、部屋にいるメンバーがたどり着いているところまでになる。しかし、マップに登場する敵はオンラインモードの場合、敵が若干強化されており、シングルプレイでは適正レベルのところでも、厳しい戦いを強いられることが多い。

おれ「きついな。敵があまりにも固い」

HAME「まだ色々足りてないからなあ。レベルも、装備も」

おれ「仕方ない、助っ人を呼ぶか。生放送してたら、部屋に入っていいですかって人がいた。ビーターなら心強い」

HAME「このゲームのオンライン、確か一発でも殴ってると経験値はいるんだよね。レベル上がりすぎるとストーリーつまらなくなりそう」

俺とHAMEの無様な死にっぷりを観て、助けに来てくれたのは”パズル”さん。なんと、レベルは70。11月上旬時点のレベルキャップだ。これは、正真正銘の”ビーター”だ。

パズルさん「何のクエスト行きましょうか」

おれ「自分らが解放しているMAPの中で、強そうなクエスト貼ってみますね」

道中の雑魚戦から危なげなおれとHAMEを、”投石”でサポートしてくれるパズルさん。普通に攻撃してしまうと、敵を一撃で倒してしまうため、俺たちに快適なプレイをさせてくれようというのだ。暖かい心遣い、初見のおれたちにこんなに優しい人がいるなんて!

しかし、雑魚はギリギリなんとかなるものの、何もかも中途半端なおれもHAMEも、ボスにはさすがに歯が立たない。ボスの自動回復が、こちらの攻撃で与えるダメージを上回っているのだ。さすがに無理だと判断したパズルさんが、斧を振り回し、ボスを瞬殺してくれた。つええ。

パズルさん「投石だけだと無理そうだったので。もう少し弱いのいきます?」

おれ「いえ、行ける限り強いところにいきましょう。ついていきます」
ニコ生のコメントには、寄生野郎、himechanなどの単語がとびかっていたが、パズルさんは快くOKを出してくれた。妬み、僻み、ビーターと言われたキリトの気持ちが今ならわかる。おれは楽しくゲームを遊んでいるだけなのに。

かって遊んでいた『ラグナロクオンライン』のことを思い出す。
あの世界でおれは、姫だった。ボイスチャットが主流ではなく、テキストチャット全盛期だったあの時代。ネカマとして生きることはそう難しくなかったのだ。
当時アルバイトで手伝っていた、ティーン向け雑誌の知識や、持ち前のミーハー精神を生かして、女の子としてブログやミクシィを更新していた日が懐かしい。オフ会には、替え玉として女の子を出席させて、俺はその弟ということで参加したこともある。
その生活は数年に渡って続いたけれど、貢物はよく届いていたし、レベル上げの誘いなども頻繁にあった。狩場でお座りしているだけでレベルがあがるという狩りも日常だった。
もうネカマとして生きることはないだろう。しかし、どこかで、おれはネカマだったあの頃の楽な生活に焦がれていたのかもしれえない。

△エリア変更地点に設置されているラインも”エオルゼア”を超えとる!

△パズルさんしか戦っていない『ソードアート・オンライン』。凄まじい勢いでレベルがあがっていきます。

おれ「やっぱり、PL(パワーレベリング)なんだよなあ。おい、HAME、レベル上がりすぎるとストーリーつまらなくなるかもしれんとか言ってたし、嫌なら抜けていいんだぞ」

HAME「そんなこと言ったっけ。やっぱネトゲはPLに限りますな」

※パワーレベリング:レベルの高い、強いプレイヤーに頼って、一気にレベルを上げてもらうこと。
パワーレベリングの味を知ったHAMEは、数分前の自分の発言を”なかったこと”にしはじめた。一度楽な方法を知ってしまうと、元には戻れないのだ。

自分よりも2倍以上レベルの高いボスを、パズルさんの力だけで倒していく。俺とHAMEは、蚊のようなダメージを与えたら、ひたすら戦闘不能にならないようにボスからにげまわる。戦闘終了時にダウンしていると、経験値が入らないからだ。そんなプレイスタイルでもボスの攻撃を避けきれず、一撃くらって戦闘不能になってしまうことも多々あった。それを蘇生させてくれるパズルさん。パズルさんのアバターが女じゃなかったら、「キリト」に見えていたかもしれない。

△パズルさんに強そうな敵を倒してもらう。

△画面はめちゃ格好いいですが、ダメージを与えているのはほぼ、パズルさんだけです。

数時間に及ぶ寄生激闘を終え、おれとHAMEのレベルは60に達していた。マルチプレイを始めた時は、20代前半だったことを考えると、凄まじいペースだ。副産物として、なんだか強そうな装備も手に入れた。

パズルさんに、またこの世界で再会することを約束し、お礼を言って別れた。
おれ「HAMEさん、レベル上がりすぎてストーリーつまらなくなるだろうし、最初からやってもええんやで」

HAME「70まで上げてもらえば良かったな」

キリトを目指すおれとHAMEの戦いは、始まったばかりだ。

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浅葉 たいが

浅葉 たいが

ゴジライン代表。ゲーム、アニメグッズのコレクター。格闘ゲーム、アドベンチャーゲーム、RPGをこよなく愛する。年間100本以上のゲームを自腹で買い、遊ぶ社壊人。ゲームメディア等で記事を書くこともあるが、その正体はインテリアデザイナー、家具屋。バンダイナムコエンターテインメント信者かつ、トライエース至上主義者。スマートフォン版『ストリートファイター4』日本チャンプという胡散臭い経歴を持つ。

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